JPH0335223Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、均一な抽出状態を実現し、かつ抽出
効率を改善することができるコーヒー抽出用カー
トリツジに関する。

〔従来の技術〕

従来、レギユラーコーヒーの簡便な抽出器の一
つとしてカートリツジ式のものが知られている。
これは、コーヒー粉を濾紙等で封入したカートリ
ツジを専用のカツプの底部に装填し、熱湯を上か
ら注いで、コーヒーカツプに抽出液を受けるもの
である。このカートリツジは一回だけの使用に限
られているが、熱湯を注ぐ手間だけでレギユラー
コーヒーを飲用できるというきわめて簡便なコー
ヒー抽出手段である。

一方、本考案者は、特開昭62−213713号公報に
示されるように、カートリツジ上面に熱水可溶性
物質等で閉塞された通液性の通路を有するコーヒ
ー抽出用カートリツジを提案し、これにより、コ
ーヒー粉に対する注湯の均一化が図られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、これらのコーヒー抽出用カート
リツジによれば、カートリツジ中に収納されたコ
ーヒー粉に注湯が開始されると、コーヒー粉から
多量の気泡（コーヒー粉に含まれている炭酸ガス
に起因する）が発生するため、容積の限られたコ
ーヒー収納室内に内部圧を生じて熱湯が通過しに
くくなり、コーヒー粉中に熱湯の通過しやすいル
ートが部分的に生じて、不均一な抽出状態となる
傾向があつた。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本考案は上記の問題点に鑑みてなされたもので
あり、均一な抽出状態を実現しかつ抽出効率を向
上して簡便でありながらコーヒー本来の風味を付
与するために、カートリツジ装填部を底部に有す
る抽出用容器に着脱自在に装填されるコーヒー粉
を収容するコーヒー抽出用カートリツジにおい
て、蓋部が前記抽出用容器に収容される水の圧力
により所定の段差を形成する欠切部を有し、該欠
切部が剥離可能なシールにより閉塞され、蓋部を
除く包囲材の少なくとも一部が濾材から成るコー
ヒー抽出用カートリツジを提供するものである。

〔実施例〕

以下、本考案のコーヒー抽出用カートリツジを
詳細に説明する。

第１図は本考案の一実施例を示し、紙、プラス
チツク等の材質から成る包囲材１と、欠切部３を
設けられた蓋部１ａと、該欠切部３を閉鎖するた
めに蓋部１ａに貼着され、紙、プラスチツク、金
属等の材質から成るフイルム状のシール２と、内
部に収容されるコーヒー粉４と、フイルター５と
から構成される。なお、シール２として、水もし
くは熱湯で溶解もしくは凝縮する性質を有するオ
ブラートその他の可食性フイルムを使用すること
もできる。

第２図ａ〜ｈは、上記蓋部１ａの構造を示し、
種々の形状を有する欠切部３と該欠切部３により
底部１ａに形成される可動片３′が形成される。
該欠切部３の形状は抽出条件（コーヒー粉の挽き
具合、量又は種類並びに注入する熱湯の量等）に
応じて種々選択できる。

これらの蓋部１ａの構造の作用として、コーヒ
ー粉と熱湯が接触混合して発生する気泡によりカ
ートリツジ内に内圧を生じても、所定時間を経過
すると、その内圧により可動片３′は水圧に抗し
て上方に持ち上げられるため、可動片３′と底部
１ａとの間に生じたすき間から該気泡は上方に放
出されるようになる。即ち、コーヒー粉の体積膨
張により可動片３′が弁機能的に作用し、自動的
に理想的な抽出過程を実現することができる。な
お、欠切部３の幅ｔは、可動片３′が水圧により
段差を生じる際に底部１ａと引掛りを生じない程
度であればよい。

以上の構成によるコーヒー抽出用カートリツジ
を使用した抽出工程を以下に説明する。

まず、シール２を剥し、欠切部３が開口した状
態のカートリツジを所定部位に装填した抽出用容
器をコーヒーカツプの上にセツトする。そして、
該容器内に所定量の熱湯を注入し、抽出が開始さ
れる。容器内の熱湯は、欠切部３を通じてカート
リツジ内に流下し、コーヒー粉と接触し抽出液と
なつてフイルター６で濾過され、コーヒーカツプ
に滴下する。抽出液の滴下が終了した時点で、抽
出用容器を取り除き、抽出作業が完了する。な
お、シール２が可食性フイルムから成る場合に
は、該シール２を剥がすことなくそのまま熱湯を
注ぐと同時に、抽出が開始される。

コーヒー粉と熱湯が接触混合する際、多量の気
泡が発生するが、該気泡は欠切部３から、上方に
逃れるため、カートリツジ内に不要な内部圧を生
ぜず、不均一な抽出状態を防止することができ
る。

また、以上の抽出工程は、熱湯流下後のコーヒ
ー粉と熱湯の均一な接触混合過程、コーヒー粉の
体積膨張過程、気泡の放出過程およびその後の抽
出過程として把握されるから、最も理想的といわ
れるドリツプ式の抽出工程に近似したものといえ
る。

〔考案の効果〕

以上詳しく説明した通り、本考案のコーヒー抽
出用カートリツジによれば、蓋部が前記抽出用容
器に収容される水の圧力により所定の段差を形成
する欠切部を有し、該欠切部が剥離可能なシール
により閉塞され、蓋部を除く包囲材の少なくとも
一部が濾材から成るようにしたため、均一な抽出
状態を実現しかつ抽出効率を向上して簡便であり
ながらコーヒー本来の風味を付与することができ
る。

一方、本考案の応用例としては、熱水抽出以外
にも水抽出の抽出器としても適用可能であり、コ
ーヒー以外の茶類等を被抽出物として使用するこ
ともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のコーヒー抽出用カートリツジ
の一実施例を示す断面図、第２図ａ〜ｈは第１図
のコーヒー抽出用カートリツジにおける欠切部の
種々の形状を示す上面図である。 符号の説明、１……包囲材、１ａ……蓋部、２
……シール、３……欠切部、３′……可動片、４
……コーヒー粉、５……フイルター。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) カートリツジ装填部を底部に有する抽出用容
   器に着脱自在に装填されるコーヒー粉を収容す
   るコーヒー抽出用カートリツジにおいて、 蓋部が前記抽出用容器に収容される水の圧力
   により所定の段差を形成する欠切部を有し、該
   欠切部が剥離可能なシールにより閉塞され、蓋
   部を除く包囲材の少なくとも一部が濾材から成
   るコーヒー抽出用カートリツジ。 (2) 前記シールがオブラートその他の可食性フイ
   ルムである実用新案登録請求の範囲第１項記載
   のコーヒー抽出用カートリツジ。