JPH0335100B2 - - Google Patents

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JPH0335100B2
JPH0335100B2 JP62156477A JP15647787A JPH0335100B2 JP H0335100 B2 JPH0335100 B2 JP H0335100B2 JP 62156477 A JP62156477 A JP 62156477A JP 15647787 A JP15647787 A JP 15647787A JP H0335100 B2 JPH0335100 B2 JP H0335100B2
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fibers
roving
fiber
tape
resin
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JP62156477A
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JPH011524A (ja
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Ten Sonoo
Yasutaka Sakumoto
Sadao Kawashima
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH011524A publication Critical patent/JPH011524A/ja
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  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、繊維補強樹脂テープの製造方法、特
に一定方向に引き揃えられた繊維を含有する熱可
塑性樹脂成形素材として有用な繊維補強樹脂テー
プの製造方法に関するものである。
[従来の技術] 繊維補強樹脂からなる成形素材は種々のものが
知られている。かかる成形素材において、代表的
なものとしてガラス繊維を含有する熱硬化性樹脂
からなるFRPペレツト、あるいはBMC、SMCの
如きプリプレグが、また、ガラス繊維を含有する
熱可塑性樹脂からなるFRTPペレツト、シート、
テープなど各種の形態のものが実用に供されてい
る。
上記の如き繊維補強樹脂からなる成形素材にお
いて含有されている繊維は織布であるものもある
が、多くは繊維、即ち径が12μ程度のフイラメン
トの複数本、例えば数千本が集束されて径が2mm
程度とされたロービング繊維を切断したチヨツプ
ドストランドが使用されている。そして、チヨツ
プドストランドは液状、粉末状などの合成樹脂に
ランダムに散布、混練あるいは含浸されることに
よつて任意の形態に加工される。したがつて、繊
維は連続性がなく、しかも不均質となり易く、故
に成形することによつて得られる成形物は充分な
強度を期待することができないという問題点があ
る。さらに、成形物中における繊維に対する合成
樹脂の含浸は必ずしも充分ではなく、特に熱可塑
性樹脂を用いる場合、合成樹脂が透明性を有する
ものであつても不透明なものとなる。
而して、かかる問題点を解決する手段として、
例えば連続した繊維として、前記の如く繊維の複
数本が集束されてなるロービング繊維に合成樹脂
の重合体を含むエマルジヨンを含浸させた後、乾
燥し、さらに加熱しながら圧縮加工することによ
つて繊維が一定方向に引き揃えられた厚さ0.3〜
1mmの薄いシート状あるいはテープ状の繊維補強
樹脂成形素材が実用に供されている。
[発明の解決しようとする問題点] 前記の繊維が一定方向に引き揃えられた繊維補
強樹脂素材は、成形加工に際して繊維の方向を特
定しておくことによつて強度の高められた成形物
を得ることができる。かかる素材の製造方法とし
て、ガラス繊維ロービングを塩化ビニル樹脂の重
合体を含むエマルジヨンに含浸して乾燥せしめ、
次いで加熱するとともに圧縮して薄板状にせしめ
るシートの製造方法(特公昭49−13218号公報参
照)が公知である。しかしながら、かかる方法で
はガラス繊維ロービングに含浸されたエマルジヨ
ンは乾燥されることによつて粉体化し、単にロー
ビング繊維の表面に付着されているという状態と
なり、このため次の加熱、圧縮の工程に至る間に
容易に剥離、脱落してしまい、樹脂の付着されな
い部分を生ずる。本来、ロービング繊維に付着さ
れる樹脂量は多い程、素材としては好適であり、
いわゆるイグニツシヨン・ロス(Ig loss)を高
める手段がとられるが、上記の如き樹脂の剥離、
脱落は好ましい方向と全く逆の結果を与えてい
る。さらに、塩化ビニル樹脂はガラス繊維に対し
ては、ぬれ性が劣り、しかも塩化ビニル樹脂は溶
融粘度が高いことから、加熱圧縮工程において、
ロービング繊維を開束展開させても、樹脂の含浸
は充分行なわれず元来樹脂の付着量が少なく、不
均一な付着とあいまつて均質な樹脂層の形成され
た薄板状あるいはテープ状の繊維補強樹脂成形素
材を得ることは困難であつた。また、圧縮工程は
実質的に圧縮ロール間でロービング繊維を加圧下
に押し潰すことであり、単繊維の切断やケバ立ち
を生じさせ、結果として成形品の強度低下の原因
ともなり、これを避けるために薄板状あるいはテ
ープ状の繊維補強樹脂成形素材の厚さは自ずと限
定されることになり、例えば、厚さが0.2mm以下
のものは得られなかつた。
他の例として、熱可塑性合成樹脂の重合体が溶
解された溶剤溶液をロービング繊維に含浸させ、
乾燥した後加熱圧縮して繊維を一定方向に開束展
開させて薄板状あるいはテープ状の繊維補強樹脂
成形素材を製造する方法においても上記の例にお
けると同様の問題点があつて、均質な素材を得る
のは困難であつた。
上記の代表的例示における問題点は熱可塑性樹
脂の種類や得られる素材の形態を異にしたとして
も解決され得るものではない。また繊維を予め一
定方向に引き揃えておいて樹脂を含浸させること
も考慮されるが、かかる繊維を得る工程、巻き取
り手段などは極めて煩雑であり、有利な手段では
ない。
本発明者らは、上記の如き問題点に鑑み、繊維
が一定方向に引き揃えられ、熱可塑性樹脂が多量
に均質に付着されてなり、厚さが薄く、しかも素
材として使用された成形体は透明性を有し、強度
の高いことを特徴とする繊維補強樹脂成形素材の
製造方法について鋭意研究、検討を行なつた。そ
の結果、ロービング繊維を熱可塑性樹脂の重合体
を含むエマルジヨンまたは溶剤溶液に浸漬した
後、該繊維を開束展開させることによつて得られ
る繊維補強樹脂テープは樹脂の付着が均一で、そ
の量も多く、しかも気泡の残存がないという特徴
を有し、しかも素材としての使用によつて得られ
る成形品は繊維が含有されているにも拘らず透明
性に優れているという事実を見い出し、本発明を
完成するに至つたものである。
したがつて、本発明の目的は従来得ることの出
来なかた優れた特性を有する繊維補強樹脂成形素
材として繊維が一定方向に引き揃えられた繊維補
強樹脂テープの改良された製造方法を提供するこ
とにある。
[問題点を解決するための手段] 即ち、本発明は複数本の繊維が集束されてなる
ロービング繊維を熱可塑性樹脂の重合体を含むエ
マルジヨンまたは該重合体が溶解された溶剤溶液
に含浸させた後、該ロービング繊維を引張り応力
下に開束展開させ、次いで加温ロール間を通過せ
しめることからなる繊維が幅方向に収縮がなく、
一定方向に引き揃えられた繊維補強樹脂テープの
製造方法を提供するものである。
本発明において使用されるロービング繊維は、
ガラス繊維、石英ガラス繊維、炭素繊維、セラミ
ツク繊維、金属繊維などに代表される無機繊維あ
るいはポリアミド繊維、ポリイミド繊維、ポリア
ミドイミド繊維などに代表される有機繊維などの
繊維(フイラメント)が集束剤によつて集束され
たものである。而して、本発明の製造方法によつ
て製造される繊維補強樹脂テープは成形用素材と
して用いられることによつて透明性を有する成形
物が得られるという特徴を有することからガラス
繊維ロービングであるのが適当である。
ロービング繊維は、通常極微小径の繊維(フイ
ラメント)の複数本を集束剤によつて集束されて
なるものであり、例えばガラス繊維ロービングと
して径が約2mmであるものは、径約12μmの繊維
が3000本程度集束されてなるものであつて、市販
品を容易に入手することができる。かかるロービ
ング繊維は、その表面が、例えばシランカツプリ
ング剤などの表面処理剤によつて処理されたも
の、あるいは表面処理されないものなどがあり、
そのいずれであつてもよいが、シランカツプリン
グ剤で処理されたものは熱可塑性樹脂の重合体の
接着性が向上されるという点において好適であ
る。
本発明にて使用される熱可塑性樹脂の重合体
は、エマルジヨンとしての入手が容易であり、ま
た溶剤可溶性のものも多い。しかも前記の如く、
本発明の製造方法によつて製造される繊維補強樹
脂テープは透明性を有する成形物の得られる成形
素材としての特徴を有することから、この特徴を
さらに生かすという点において、透明性を有する
ものが好ましい。したがつて、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニト
リル、エチレン、フロピレン、含フツ素系単量体
等の単独重合体、更に他の共重可能な単量体と共
に共重合して得られる共重合体が好適である。
そして、これらのうち特に塩化ビニルを単独
に、あるいは塩化ビニルの性質を低下させること
のない程度の量の酢酸ビニル、塩化ビニリデン、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ア
クリロニトリル、マレイン酸無水物、マレイン酸
エステル等と共に重合して得られる塩化ビニル系
の共重合体は繊維に含浸し難いものとして知られ
ているが、本発明においても使用し得る。而し
て、本発明における熱可塑性樹脂の重合体のエマ
ルジヨンとしての使用においては、上記の重合体
のラテツクスあるいは重合体微粉末を水に分散し
たエマルジヨンなどが市販されていて容易に入手
し得るが、重合体の粒子径としては0.1〜50μm、
好ましくは0.5〜5μmのものである。
尚、当然のこととして熱可塑性樹脂の重合体で
あつて、不透明性を有するもの、あるいは着色し
易いものなども使用し得ることは勿論である。
熱可塑性樹脂の重合体のエマルジヨンとしての
使用や、該重合体の溶解された溶剤溶液としての
使用において、エマルジヨンには重合体の種類に
応じてこれを溶解乃至膨潤させることが可能な少
量の溶剤を含有させてもよく、また、溶剤溶液と
しての調製には、重合体を溶解し得る溶剤が用い
られる。これら溶剤としては、例えばベンゼン、
トルエン、キシレン、エチルベンセン、ジエチル
ベンゼン、ヘプタン等の炭化水素類、四塩化炭
素、二塩化エタン、パークロルエチレン、クロル
ベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、
メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類、酢酸ブチル、フタル酸ジ
メチル等のエステル類、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン等のエステル類である。さらにエマルジ
ヨンに含有させ得るものとして、スチレン、ジビ
ニルベンゼン、アクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、グリシ
ジルメタクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート等の重合体を部分的に溶解乃至は膨潤
させることが可能であり、しかもそれ自体重合性
を有する化合物を溶剤として使用することもでき
る。使用される溶剤の量は重合体および溶剤の種
類により相違するが、エマルジヨンにおいては少
量でよく、エマルジヨン中の樹脂量に対し1〜10
重量%、溶剤溶液においては該溶液中30〜70重量
%から選ばれる。而して、エマルジヨンにおいて
は一般に過量であるとエマルジヨン破壊を招き、
一方少量であると目的とする作用効果が得られな
い。また溶剤溶液においては過量であると稀薄溶
液となりロービング繊維に充分な樹脂を付着させ
ることができず、少量であると溶剤溶液としての
粘度が上昇して、含浸が充分に行なわれない。
エマルジヨンまたは溶剤溶液としての使用にお
いて、それらの粘度はロービング繊維に対する樹
脂の付着量および製造方法における各工程の作業
性に影響を与えるが、粘度として1〜100cps、好
ましくは20〜50cpsであり、エマルジヨンにおけ
る媒体あるいは溶剤溶液における溶剤の量の設定
において考慮されねばならない。また、エマルジ
ヨンあるいは溶剤溶液には可塑剤、滑剤、安定
剤、着色剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止
剤、界面活性剤など、さらに重合性単量体を溶剤
とする場合の重合触媒、その他の配合剤、助剤な
どを上記の如く粘度を考慮しつゝ適量を添加させ
ておくこともできる。
かくして調製される熱可塑性樹脂の重合体を含
むエマルジヨンまたは該重合体の溶剤溶液にロー
ビング繊維を含浸させる。含浸に際してはロービ
ング繊維を含浸槽内のエマルジヨン中または溶剤
溶液中を連続的に通過させる。
本発明の製造方法において重要なことは、エマ
ルジヨン中または溶剤溶液中を通過することによ
つて、それらが含浸されたロービング繊維を開束
展開させることである。開束展開は、含浸槽内で
あつても、また含浸槽外であつてもよいが、含浸
されたエマルジヨンまたは溶剤溶液が乾燥されぬ
間の濡れた状態で開束展開させるのであつて、乾
燥されてからでは効果はない。開束展開とは、通
常“しごき”とも称されるが、繊維の集束されて
なる特定の径を有するロービング繊維を平面状に
のべひろげるとともに一定方向、即ち、連続した
繊維を長さ方向に引き揃えることである。かかる
開束展開は表面が摺動性を有する固定された“し
ごき部材”の適当な曲率の付与された表面上をエ
マルジヨンまたは溶剤溶液の含浸されたロービン
グ繊維を通過させることによつて行なわれる。
“しごき部材”上の通過による開束展開は1回で
充分であるが、続いて、第2、第3の“しごき部
材”上を通過させるのが好ましい。而して、開束
展開に際してはロービング繊維を加圧することは
必要ないが、繊維の長さ方向に過度でない適当な
引張応力を与えることによつて開束展開の程度を
調整する。例えば引張応力の適度な調整によつ
て、繊維が厚さ方向に約5本、幅方向に約600本
に引き揃えられた厚さ約0.1mm、幅約10mmのテー
プ状物を得ることができる。かかる開束展開は、
“しごき部材”の適度な表面形状および適当な引
張応力によつてエマルジヨンまたは溶剤溶液がロ
ービング繊維の開束展開作用とあいまつて、ロー
ビング繊維の中心部にまで充分浸透し、均一に含
浸される。
開束展開に続く、次の乾燥までは特定の間隔を
保つことが必要であつて、この間隔が長いと開束
展開されたテープ状物は幅方向に収縮が起こり、
所望のテープを得難くなる。乾燥は、エマルジヨ
ンの水分、溶剤または溶剤溶液の溶剤を蒸発させ
るのであり、樹脂および溶剤の種類に応じて適宜
の温度で行なわれる。乾燥には加熱空気中を通過
させる、あるいは赤外線照射などの任意の手段を
採用し得るが、好ましくは加温ロール間を通過さ
せる方法である。
かくして、乾燥された樹脂付着テープ状物は加
熱され繊維に付着された樹脂を軟化せしめる。こ
の際の加熱温度は樹脂の種類により、それぞれ相
違するが、あまり高温にすぎると樹脂の軟化が進
みすぎたり、分解したりして離脱することがあ
り、逆にあまりに低温すぎると充分な軟化や固着
を期待し得ないので何れも適当でない。また溶剤
が重合性を有する化合物である場合、ここで重合
硬化を促進し完結させる。したがつて一般的には
約150〜200℃程度の温度で充分である。加熱手段
は特に限定されず、例えば適宜な手段で加熱せし
めたアルミニウム板などの金属板の間を通過せし
めたり、あるいは赤外線照射の如き加熱手段を適
宜採用し得るが、好ましくは加熱ロール間を通過
させる方法である。
加熱によつて完全に繊維補強樹脂テープとさ
れ、冷却後適当な手段によつて巻取られる。
実際、本発明の製造方法を実施するのに有利な
手段の一例を図面により具体的に説明する。
第1図は、本発明の製造方法の一例を示す概略
図であり、1は適当な太さに集束されてなる連続
したロービング繊維で、該ロービング繊維は適当
なガイドロール2を経て熱可塑性樹脂の含浸槽3
に導かれる。該槽3内には熱可塑性樹脂の重合体
を含むエマルジヨンまたは該重合体が溶解された
溶剤溶液4が充たされ、さらに含浸ロール5が配
置され、該ロール5によりロービング繊維を含浸
せしめる量をある程度制御するとともにロービン
グ繊維を含浸移動させる。尚ロール5は1ケ所に
限定されることなく、適当数が配置されたり、繰
り返し含浸されるように配置させることもでき
る。かくして、エマルジヨンまたは溶剤溶液の含
浸されたロービング繊維は含浸槽内を出ると濡れ
た状態で開束展開させるための開束展開部材、即
ち、第1の“しごき部材”6の上面に導かれ、こ
の面上を通過する際に開束展開される。“しごき
部材”6の上面においてロービング繊維は、テー
プとしての幅方向に押し広げられ、これに伴な
い、幅方向に一定の幅をもつて引き揃えられる。
第2図は“しごき部材”6の上面におけるロービ
ング繊維1の開束展開を示す概略図であり、開束
展開の状況が明らかとされる。“しごき部材”6
は固定されていて、それ自体は回転しない。した
がつて、従来、問題点となつていた繊維の切断に
よる回転体への巻き付きは発生しない。“しごき
部材”6は含浸槽3の上方に設けることによつ
て、含浸されたエマルジヨンまたは溶剤溶液の過
剰分を除去するとともに槽内への回収を可能とす
ることもできる。“しごき部材”6は摺動性を有
する材料によつて成形されてなるのが好ましく、
その上面のロービング繊維が通過し、開束展開さ
れる部分は平面であつてもよいが、曲率半径3〜
20mmR、特に5〜10mmRの曲率を有する凸面であ
つて、あたかも逆鞍型なる形状であるのが好適で
ある。
ロービング繊維は第1の“しごき部材”6によ
つて開束展開されてテープ状とされる。開束展開
は第1の“しごき部材”のみで充分であるが、さ
らに確実とするために第2の“しごき部材”7、
第3の“しごき部材”8に送られる。次いで、
“しごき部材”との間隔を特定に保つて設置され
る乾燥ロール9に導かれ、ゆつくり移動する間に
水分、溶剤などが蒸発される。さらに第1の加熱
ロール10および第2の加熱ロール11を通過す
る間にテープ状とされた繊維に付着した樹脂は軟
化され、繊維と完全に一体化されて繊維補強樹脂
テープとされ、適当な巻取りロールに巻き取られ
る。尚図面においては、“しごき部材”、加熱ロー
ルを複数基設けて、繰返しているが、かかる繰返
しは必ずしも必要でない。さらに、成形物中にお
ける繊維に対する合成樹脂の含浸は必ずしも充分
ではなく、特に熱可塑性樹脂を用いる場合、合成
樹脂が透明性を有するものであつても不透明なも
のとなる。
[作用] 本発明の製造方法において、ロービング繊維を
ラテツクスまたは溶剤溶液に含浸後、開束展開さ
せることによつて優れた特性を有する繊維補強樹
脂テープの得られる作用機構は必ずしも明確では
ないが、ロービング繊維が開束展開させるための
“しごき部材”の表面を摺動することによつて繊
維に加えられる引張応力が均一化されることによ
るものと考えられる。即ち、“しごき部材”の表
面に達したロービング繊維は、その断面は当初山
形をなしているが、これに引張応力が加えられる
ことによつて山形の中央部により大きな応力が加
えられ、その結果として中央部の繊維は端部方向
に移行し、応力が均一化されるまで移行を続け、
終局的にその断面は扁平になるものと考えられ
る。
上記の如き応力の均一化は、特にロービング繊
維にラテツクスまたは溶剤溶液の含浸された直後
において最も顕著であり、本発明はかかる現象を
見い出して完成するに至つたものである。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する
が、何れも図面に示した方式により実施した。
[実施例] 実施例 1 平均重合度1150、粒子粒径約1μm、固形成分
45%(重量%、以下同じ)のポリ塩化ビニルラテ
ツクス174部(重量部、以下同じ)にキシレン10
部、エステル系可塑剤10部、錫系安定剤6部を添
加混合し、エマルジヨンを調製した。
次に径約13μmのガラス長繊維を約4500本集束
してなるガラス繊維ロービングを上記のエマルジ
ヨン中に浸漬し、含浸ロツドにより充分含浸さ
せ、エマルジヨン中より引上げて直ちに合成樹脂
製の直径20mmφの丸棒よりなり、上面が10mmRの
曲率を有するように逆鞍型に加工された第1の
“しごき部材”上を僅かに引張応力を加えながら
通過させて、径約2mmφのロービングを幅約10mm
のテープ状に開束展開し、さらに第2〜第3の
“しごき部材”に導いて開束展開を完結させた。
続いて、直ちに約120℃に加温された乾燥ロール
および約180℃に加熱された2基の加熱ロール間
を0.5m/分の速度で連続的に通過させて、長さ
方向に繊維が引き揃えられた厚さ約0.15mm、幅約
10mmの繊維と樹脂がよく密着された透明性を有す
るテープを得た。このテープの樹脂量をイグニツ
シヨン・ロスとして求めたところ40%であり、そ
の長さ方向の引張強度は50〜60Kg/mm2であつた。
尚、従来の方法(ロービング繊維にエマルジヨン
を含浸後、乾燥し、加熱圧縮によつて開束展開す
る)によつて得られるテープのイグニツシヨン・
ロスは最大35%であり、気泡が残存し、不透明な
ものである。
このテープを成形素材として用い、方向を揃え
て10mmの間隔を保つて並列配置し、その上に塩化
ビニル樹脂シートを積層して圧縮成形の手段で圧
力を15Kg/mm2として成形し、厚さ0.1mm、30×30
cm、ガラス繊維含有量約25%の透明積層板を得
て、物性を測定した。繊維の長さ方向の引張強度
は25〜35Kg/mm2、曲げ強度は40〜50Kg/mm2、曲げ
弾性率は1260〜1320Kg/mm2で硬質塩ビ板の5〜6
倍、従来の方法による繊維補強塩ビ板の2〜3倍
迄強化されている。
実施例 2 平均重合度1350、固形成分55%の塩化ビニル−
アクリル酸エステルの共重合樹脂(塩化ビニル/
アクリル酸エステル=95/5)452部にトルエン
43部、錫系安定剤5部、乳化剤1.8部および水
36.2部を乳化混合してエマルジヨンを調製した。
次に実施例1にて用いたと同様のガラス繊維ロ
ービングを上記のエマルジヨン中に浸漬し実施例
1と同様の方法で含浸および開束展開させ、約
120℃に加温された乾燥ロールおよび約190〜200
℃に加熱された2基の加熱ロール間を連続的に通
過させることによつて長さ方向に繊維が引き揃え
られた厚さ約0.2mm、幅約10mmの繊維と樹脂がよ
く密着された透明性を有するテープを得た。この
テープのイグニツシヨン・ロスは53%であり、ま
た、その長さ方向の引張強度は27〜31Kg/mm2であ
つた。
このテープを成形素材として用い、縦と横に交
互に編み、この編物をつみ重ね圧縮成形にて積層
成形して方向性の殆どない厚さ2mm、30×30cm、
ガラス繊維含有量約50%の透明性を有する積層板
を得て、物性を測定した。この板の引張強度は50
Kg/mm2、曲げ強度は110Kg/mm2、曲げ弾性率は
2800Kg/mm2であつた。
実施例 3 メタクリル酸メチルを乳化重合して得られた固
形分48%のポリメタクリル酸メチルを含むラテツ
クス200部にトルエン20部、水20部、乳化剤2部
を混合し、エマルジヨンを調製した。
次に実施例1にて用いたと同様のガラス繊維ロ
ービングを上記のエマルジヨン中に浸漬し、実施
例1と同様の方法で含浸および開束展開させ、乾
燥ロールおよび加熱ロール間を連続的に通過させ
ることによつて長さ方向に繊維が引き揃えられた
厚さ約0.18mm、幅約10mmの繊維と樹脂がよく密着
された透明性を有するテープを得た。このテープ
のイグニツシヨン・ロスは48%であり、また、そ
の長さ方向の引張強度は24〜29Kg/mm2であつた。
このテープを成形素材として用い、方向を揃え
て10mmの間隔を保つて一列に並列配置し、次にそ
の上に方向がクロスするように同様に併列配置
し、順次これを繰返して6層に積層し圧縮成形
し、方向性の殆どない厚さ約1mm、30×30cm、ガ
ラス繊維含有量約45%の透明積層板を得て、物性
を測定した。この板の引張強度は48Kg/mm2、曲げ
強度は90Kg/mm2、曲げ弾性率は2400Kg/mm2であつ
た。
実施例 4 一般用のポリスチレンビーズ60部をトルエン
240部に溶解して溶剤溶液を調製した。
次に実施例1にて用いたガラス繊維ロービング
を上記の溶剤溶液中に含浸し、実施例1と同様の
方法で含浸および開束展開させ、乾燥ロールおよ
び加熱ロール間を連続的に通過させることによつ
て長さ方向に繊維が引き揃えられた厚さ約0.2mm
幅約10mmの繊維と樹脂がよく密着された透明性を
有するテープを得た。このテープのイグニツシヨ
ン・ロスは42%であり、また、その長さ方向の引
張強度は22Kg/mm2であつた。
このテープを成形素材として用い、実施例3と
同様にして圧縮成形し、方向性の殆どない厚さ約
1mm、30×30cm、ガラス繊維含有量約42%の透明
積層板を得て、物性を測定した。この板の引張強
度は45Kg/mm2、曲げ強度は93Kg/mm2、曲げ弾性率
は3500Kg/mm2であつた。
[発明の効果] 本発明の製造方法は、繊維補強成形物を得るの
に好適な成形素材としての繊維補強樹脂テープの
製造が容易であり、従来の方法によつて製造され
る繊維補強樹脂テープに比し、樹脂の付着が均質
であつて付着量が多く、しかもケバ立ちが全くな
いという特徴を有し、かかる特徴はテープに透明
性を与えるという優れた効果となつて現われてい
る。
したがつて、本発明の製造方法によつて得られ
る繊維補強樹脂テープを成形素材として用いて成
形された成形体は機械的強度に優れ、しかも透明
性を有するという効果も認められる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の製造方法を示す概略図であ
り、第2図は、第1図の“しごき部材”の上面に
おけるロービング繊維の開束展開を示す概略図で
ある。 1:ロービング繊維、2:ガイドロール、3:
含浸槽、4:エマルジヨンまたは溶剤溶液、5:
含浸ロール、6:第1“しごき部材”、7:第2
“しごき部材”、8:第3“しごき部材”、9:乾燥
ロール、10,11:加熱ロール。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 複数本の繊維が集束されてなるロービング繊
    維を熱可塑性樹脂の重合体を含むエマルジヨンま
    たは該重合体が溶解された溶剤溶液に含浸させた
    後、該ロービング繊維を引張り応力下に開束展開
    させ、次いで加温ロール間を通過せしめることか
    らなる幅方向に収縮がなく、繊維が一定方向に引
    き揃えられた繊維補強樹脂テープの製造方法。 2 繊維が集束されてなるロービング繊維がガラ
    ス繊維を集束してなるガラス繊維ロービングであ
    る特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
JP62-156477A 1987-06-25 繊維補強樹脂テ−プの製造方法 Granted JPH011524A (ja)

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JP62-156477A JPH011524A (ja) 1987-06-25 繊維補強樹脂テ−プの製造方法

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JPS641524A JPS641524A (en) 1989-01-05
JPH011524A JPH011524A (ja) 1989-01-05
JPH0335100B2 true JPH0335100B2 (ja) 1991-05-27

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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4913218A (ja) * 1972-05-18 1974-02-05
JPS5737694A (en) * 1980-08-19 1982-03-02 Junichi Isoda Heat accumulator
JPS5871123A (ja) * 1981-10-26 1983-04-27 Mitsubishi Rayon Co Ltd プリプレグの製造方法

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