JPH0334801Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、主として屋外に設置される電光式表
示板の表示用光源として使用される表示灯に関す
る。

従来の技術 第４図は従来のこの種の表示灯の構造を示し、
先端を斜めに切り落とした筒状のフード１内に表
示用光源となる複数個の発光ダイオード（LED）
２を配置すると共に、フード１の内周面３の全面
を黒色無反射処理したものである。このような構
造とすることにより、太陽光等の外光をフード１
で遮光すると共に、侵入してきた外光は内周面３
の黒色無反射処理面で吸収するようになし、光指
向性と点灯・滅灯時のコントラストを増大せし
め、良好な視認性を与えているものである。な
お、図中、４は電源端子、５はLED取付板であ
る。

考案が解決しようとする問題点 第６図は発光ダイオード２単体の光指向特性で
あるが、このような発光ダイオードを第４図の如
くして用いると、第６図中の斜め方向の光線ｂは
フード１の内周面３の黒色無反射処理面で吸収さ
れ、光軸にそつた光線ａのみが放射され、表示灯
全体としては第５図に示す如く鋭い光指向性を発
揮する。

従来の表示灯は上記の如き鋭い指向性を有する
結果、光軸近辺に沿つた位置からの視認性は極め
て良好となる。しかしながら、逆に光軸から離れ
た角度からの表示灯の点灯状態の視認性は非常に
悪いものとなる。特に、屋外に設置されるこの種
の電光式表示板は高所に設けられることが多いた
め、表示板近辺下方からの視認性は著しく低下す
る。

本考案は上記事情に基づき考案されたもので、
遠方からの視認性を損なうことなしに近辺下方か
らの視認性も向上せしめた表示灯を提供するもの
である。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記問題を解決するために、内周面
を黒色無反射処理した筒状のフード内に複数個の
発光ダイオードを表示用光源として配置した表示
灯において、前記フードの内周面上半部を光反射
面となしたものである。

作 用 上記のように構成すると、表示用光源たる発光
ダイオードから斜め上方に放射された光線がフー
ドの内周面上半部の光反射面で反射され、斜め下
方に向つてフード開口面から放射される。このた
め、表示灯全体としての指向特性は第３図に示す
ように下方へ広がつたものとなり、表示灯の前方
斜め下方からも点灯状態を視認できるようにな
る。

他方、光反射面をフードの内周面上半部のみに
形成したため、斜め上方から差し込む太陽光等は
内周面下半部の黒色無反射処理面で吸収される。
この結果、外光に対する遮光効果及び光吸収効果
は従来のものとほぼ同様に保たれ、点灯時と滅灯
時のコントラストの低下を防止しながら、表示灯
近辺下方からの視認性を向上することができる。

実施例 第１図及び第２図は本考案の１実施例を示す。
図示実施例は、第４図に示したと同様の構造から
なる表示灯において、表面にアルミ蒸着処理を施
して光反射面６となしたフイルム７を、フード１
の内側上半部に接着固定して構成したものであ
る。このように構成すると、発光ダイオード２か
ら発する斜め上方向きの光線はフイルム７の光反
射面６で下向きに反射され、第３図に示す指向特
性を得ることができる。第３図と第５図の指向特
性を比較すれば明らかなように、従来の表示灯は
光軸を中心に約10゜の範囲に広がる指向特性（第
５図）を有するに対し、本考案のものは下方側に
対しては約40゜の角度からも表示光を視認できる
ようになる（第３図）。なお、第３図は上下方向
の視角変化についてのみ図示しているが、フイル
ム７はフード１の内面の上半部を被つているか
ら、左右下方の指向性も同様に広がつていること
は当然である。

上述実施例は、光反射面６としてフード１とは
別部材からなるフイルム７を用いたが、別部材と
してはこれに限らず、合成樹脂材やアルミ等の金
属部材等の蒸着、メツキ、研摩等の処理により鏡
面仕上げできるものであれば利用できるものであ
る。また、図示実施例のように光反射面６を別部
材で構成するに替え、フード１の内周面３の上半
部を蒸着、メツキ、研摩等により直接光反射面と
なしてもよいものである。更に、フード１の形状
としては、円筒形状、多角筒状等の周知の種々の
形状を採用し得ることは勿論である。

考案の効果 本考案は以上説明した如き構成になるものであ
るから、指向性を有する表示灯の中心光度を減ず
ることなしに下方及び左右下方からの視認性を飛
躍的に向上させることができ、屋外の高所に設置
される電光式表示板の表示灯として用いるとき表
示板の直近下方からも表示内容を確実に視認でき
るという優れた効果を奏する。また直近下方位置
からの視認性が改善されるので、上述した表示板
としての表示性が向上することはもとより、修
理、点検時の点灯状態の確認も極めて容易とな
り、業者の保守管理における作業性も著しく向上
するという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の断面図、第２図は
その分解斜視図、第３図は本考案表示灯の光指向
特性図、第４図は従来の表示灯の構造を示す断面
図、第５図は従来の表示灯の光指向特性図、第６
図は光源となる発光ダイオード単体の光指向特性
図である。 １……筒状のフード、２……発光ダイオード、
３……フードの内周面、６……光反射面、７……
フイルム（別部材）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 内周面を黒色無反射処理した筒状のフード内
   に複数個の発光ダイオードを表示用光源として
   配置した表示灯において、前記フードの内周面
   上半部を光反射面としたことを特徴とする表示
   灯。 ２ フードの内周面に直接光反射面を形成したこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の表示灯。 ３ 表面を鏡面仕上げした別部材を光反射面とし
   てフード内に内挿したことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の表示灯。