JPH0334252Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スラツジを良好に除去できるように
したフイルタープレス用濾布に関する。

各種工場排液を処理するフイルタープレスのス
ラツジ除去において、濾板を開いたときにスラツ
ジの大部分はひとつの固まりとして落とすことが
できるので、濾布にスラツジの残渣がなければ直
ちに濾板を閉じることができる。しかし、実際に
は濾布の周囲部にスラツジが残り、濾板を閉じる
ことはできないのでヘラ等でかき落とさなければ
ならない。ところが、スラツジの残渣をかき落と
す作業に多くの時間を要することは、作業性を低
下させるのみならず、それに要する費用も決して
少くない。

本考案は、フイルタープレス用濾布に係るもの
で、スラツジ除去をきわめて効率よく行うことを
目的とし、この目的を達成するため、濾布の周囲
の濾布どうしが接する部分より少し内側まで、全
周に均等な幅で表面のつるつるな平滑面を形成す
る手段として、フイルタープレスの濾板に挾まれ
濾布相互が接する部位に該当する濾布領域に該濾
布と別体な滑り度の高い部材を被着することによ
つてスラツジ残渣のこびり付き防止の為の平滑面
を形成するように構成したものである。

以下、図面について説明すると、濾板を閉じた
状態にあるときは第１図に示すごとく、濾布２で
覆われた濾板１が多数重なり合い、濾過された液
は濾板に設けられた溝３を通つて排出されるとと
もに、時間の経過に伴いスラツジ４が蓄積され
る。スラツジ除去が必要となつたときは、第２図
に示すごとく濾板１を開くことにより、スラツジ
４はひとつの固まりとして落とすことができる。
しかし、濾板１に挾まれ濾布２どうしが接する部
分５の内側には、滑面を形成するある幅で全周に
わたりスラツジの残渣６がこびり付いているた
め、ヘラ等でかき落とさなければならない。

本考案による濾板は、濾板１に挾まれ濾布２ど
うしが接する部分より少し内側まで全周に均等な
幅で表面のつるつるな平滑面７を濾布２と別体の
滑り度の高い部材を被着して形成したものであ
り、第４図にはその態様を示す。このような濾布
を使用すると、濾布２の周囲にスラツジの残渣６
がこびり付く恐れがなくなるため、スラツジ除去
の際にかき落とす必要がなく、きわめて効率よく
スラツジを除去できる。

この実施例では、濾布２につるつるの平滑面７
を形成する材料としてテフロン又はポリプロピレ
ン等のシートを使用したが、基本的には濾布２の
布目をつるつるな摩擦係数の低いものであつてく
い込みのない状態に置きかえることができればよ
く、濾布２の材質に合せ適宜選択できる。なお、
濾板が80枚のフイルタープレスにおいて、スラツ
ジ除去作業時間は従来の場合に比較し、本考案の
濾布を作用することにより、約45％短縮できるこ
とを確認した。

以上のとおり、本考案によるフイルタープレス
用濾布は、濾布と別体な滑り度の高い部材の被着
手段により濾布相互が接する部位に相当する濾布
領域につるつるな滑り度の高い平滑な面を形成す
るように構成したので、スラツジ残渣のこびり付
きを可及的に阻止しながらスラツジ除去を短時間
に容易に処理できるという利点がある。

また、スラツジ残渣のこびり付きを防止する為
の上記平滑面は、濾布材料に対応させて滑り度の
高い最適な部材を使用して簡便に形成でき、その
補修も容易であるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はフイルタープレスの濾板を閉じた状態
の概念的部分断面図、第２図は同じく濾板を開い
た状態の部分断面図、第３図は従来の濾布にスラ
ツジの残渣が生じる状態を示す図、第４図は本考
案のフイルタープレス用濾布の概念的平面構成図
である。 １……濾板、２……濾布、３……濾板の溝、４
……スラツジ、６……残渣、７……平滑面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フイルタープレスの濾板に挾まれ濾布相互が接
   する部位に該当する濾布領域に該濾布と別体な滑
   り度の高い部材を被着してスラツジ残渣のこびり
   付き防止用平滑面を形成するように構成したこと
   を特徴とするフイルタープレス用濾布。