JPH0333964B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一般家庭より排出される廃棄物の焼却
灰処理方法に関するものである。

最近廃棄物量の増大と質的変化によつて、その
処理は各都市及び企業において大きな問題となつ
ており、都市ごみは１日１人平均約900ｇが排出
され年間の総量は約3000万ｔにも達している。

これらのごみの一部は焼却後、焼却灰として投
棄、埋立てなどの方法で処理されているが、埋立
処分地の確保の困難、或いはアルキル水銀、カド
ミウムなどの有害物質の溶出、粉じんなどの二次
公害が大きな問題となりつつある。

斯る問題点を解決するために、廃棄物の焼却熱
により得られた電力を利用して、電気炉による焼
却灰の溶融方法が開示されている。

しかし、この方法によると、焼却灰を固化して
減容化し無害化することができるが、電気炉の消
費電力が極めて大になるため、全く実用化に供し
得ない不具合がある。

そこで、本発明は斯る焼却灰の溶融方法による
不具合を除去することを目的とするものである。

以上の目的を達成するための本発明の要旨とす
るところは、焼却灰に粒子１mm〜15mmのコークス
を重量比５：１以下の割合で混合し、この混合物
を電気炉で略1600℃程度に加熱して熱溶液とし、
この熱溶液中に焼却灰とコークスとの混合物を所
定量順次投入して、混合物中の焼却灰を燃焼せし
めて熱溶液にし、然る後、この熱溶液を電気炉よ
り排出して固化することを特徴とするものであ
る。

即ち、本発明は電力によつて必要最小限の熱溶
液を確保し、以後コークスの燃焼によつて焼却灰
を溶融し、電力の節減を図り、電気炉（例えば電
極の消耗など）の損傷を防止したものである。

以下、本発明の一実施例を説明する。

焼却灰は一般家庭より排出された、いわゆる都
市ごみを焼却炉で焼却により生成されたものであ
り、この焼却灰にはアルキル水銀、カドミウム、
鉛、クロム、シアン等の重金属、有害物質が含ま
れている、融点1200〜1300℃程度のものである。

コークスは排ガスが少ない点で他の固形燃料よ
りも優れており、焼却灰に混合する。混合比率は
焼却灰100に対して、コークスが20％以下の割合
で混合する。またコークスの上記は粒度は１〜15
mm程度のものを使用することにより、電気抵抗が
大になり所定の抵抗熱が得ることができる。

まず、このコークスと焼却灰との混合物（混合
割合は前述の通り）を電気炉Ａに投入する。この
投入量は電熱により溶解した混合物に、新たな混
合物（混合割合は略同一）を投入した場合、この
新たな混合物の焼却灰がその混合物中のコークス
の燃焼熱と既に溶解した混合物との発熱とで、溶
解し得る程度の量である。

電気炉Ａの混合物イを投入後、通電する。する
と混合物イ中のコークスの電気抵抗熱及び燃焼熱
によつて混合物イ中のコークスの電気抵抗熱及び
燃焼熱によつて混合物イ中の焼却排が溶融する。

図示する電気炉は三相エルー式電気抵抗炉を利
用したものであるが、この電気炉Ａは炉体１０の
側周壁及び底壁、炉蓋１０ａに、多数の燃焼用空
気供給用の送風口１１，１２，１３，１４が開孔
され、電極１５，１６，１７が、上下方向に移動
し炉体１０内から脱出し得るようになつている。
図中１８は投入シユート、１９は出滓口を夫々示
し、前記送風口１１……には送風管２０が接続さ
れ、送風機２１によつて温風が炉体１０内に送風
される。温風は煙突２６に設けた熱交換機２２に
得られる。

前記電極１５……はクランプ１５ａ，１６ａ，
１７ａによつて挾持され、各クランプ１５ａ……
は、支腕２７に取付けられており、支腕２７には
昇降装置２８が設けてある。従つてこの昇降装置
２８の作動によつて電極１５，１６，１７が上下
動して炉体１０から脱出可能となる。図中２３は
集じんダクト、２４は誘引用送風機、２５はバグ
フイルター、２９はケーブルを夫々示す。

以上の電気炉Ａの投入シユート１８より、前記
焼却灰とコークスの混合物イを前述の如く、所定
量投入しその混合物に先端がかくれる程度に昇降
装置２８を使用して電極１５……を下降させる。
然る後通電して、アーク電流によつて混合物を加
熱しコークスを燃焼させる（第１図）。その被加
熱物である混合物イが1600℃に上昇した時点で通
電を停止し、各電極１５，１６，１７を昇降装置
２８によつて引き上げる（第１図二点鎖線）。こ
の状態において、被加熱物は以後の燃焼を継続で
きる程度に加熱され、溶湯状態になる。

次に、この溶湯ロ中に前記と略同様の混合割合
の混合物を投入シユート１８より所定量（燃焼で
きる量）投入して、その混合物を燃焼させる。こ
の燃焼の際、送風機２１を運転して送風口１１，
１２，１３，１４より燃焼用の温風を送入してコ
ークスの燃焼を促進させる。

この混合物の投入は炉体１０内の混合物の燃焼
状態に応じてできる限り連続供給することが望ま
しい。

そして、混合物の燃焼に伴つて生じた溶湯ロ
が、炉体１０内に所定の高さに溜つた時点で温風
の送風を停止して、炉体１０を傾動させ出滓口１
９より溶湯ロを排出する。炉体１０内に排出され
た溶湯ロは外気によつて冷却され固化する。な
お、溶湯ロは所定形状に固化されるように所定の
型内に注入するも任意であり、固化後は建築材
料、道路舗装用資材などに使用し得る。固化した
焼却灰はその容積が1/3〜1/2に減少し重金属の溶
出が防止される。なお本発明において他の電気炉
利用するも任意である。

本発明によれば、叙上の如く電力を熱源として
必要最小限の熱溶液を確保し、然る後、コークス
を熱源として、焼却灰を溶融するため、電気炉で
終始溶融を行う従来方法に比べ、電力を節減でき
るばかりか、電極などの電気炉の構成部品を損傷
することがない。しかも終始電気で溶融して固化
したものの如き重金属等が溶出することがないた
め、土木資材、建材等に利用できる。

また、焼却灰に対し、粒度１mm〜15mmのコーク
スを重量比５：１の割合で混合させているので、
効率よく排ガスの少ない燃焼が実現できると同時
に、電気炉にて所定の抵抗熱を得ることができ
る。

依つて、所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明を示し、第１図は電気により焼却
灰を溶融する状態を示す断面図、第２図はコーク
スを熱源として焼却灰を溶融する状態を示す断面
図である。 図中Ａは電気炉を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 焼却灰に粒度１mm〜15mmのコークスを重量比
   ５：１以下の割合で混合し、この混合物を電気炉
   で略1600℃程度に加熱して熱溶液とし、次に電力
   を使用せずにこの熱溶液中に焼却灰とコークスと
   の混合物を所定量順次投入して、混合物中の焼却
   灰を燃焼せしめて熱溶液にし、然る後、この熱溶
   液を電気炉より排出して固化することを特徴とす
   る廃棄物の焼却灰処理方法。