JPH0333835Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はシールド掘進機に関するものである。

従来の技術 通常、曲線的にトンネルを掘削する場合に使用
されるシールド掘進機は、そのシールド本体が前
胴と後胴とに分割されると共に前胴は後胴に対し
て屈折できるようにされており、またシールド本
体内には、前胴の圧力室内の掘削土砂を大気圧室
側に排出するためのスクリユウコンベア式排土装
置が設けられている。ところで、この屈折式のシ
ールド掘進機によると、前胴を後胴に対して屈折
される場合、排土装置の取付角度を変更させて、
排土装置と他の機器又はシールド本体自身とが接
触するのを防止する必要がある。このため、従
来、この種のシールド掘進機に設けられる排土装
置は、圧力室隔壁に対してフランジにより接続固
定され、前胴を屈折させる場合、取付用フランジ
間に所定厚さのスペーサを挿入して、その取付角
度を変更していた（例えば、実開昭58−115596号
公報）。

考案が解決しようとする問題点 上記従来の構成によると、取付用フランジ間に
スペーサを挿入して調整するため、そのつど排土
装置を取外す必要があり非常にその作業が面倒で
あり、またスペーサで調整するため、取付角度の
調整は段階的にしかできないという問題があつ
た。

そこで、本考案は上記問題を解消し得るシール
ド掘進機を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題を解消するため、本考案のシールド掘
進機は、シールド本体の前胴と後胴とが互いに屈
折自在にされたシールド掘進機において、上記前
胴に形成された圧力室の隔壁に、圧力室内の掘削
土砂を大気圧室側に搬出するスクリユウコンベア
式排土装置の筒状ケーシングの前側を、球面軸受
を介して支持し、上記筒状ケーシングの後側を、
その周囲に設けられた取付ブラケツトを介して上
記圧力室の隔壁から突設された支持ブラケツトに
支持し、且つ上記両ブラケツト同志の接触面を球
面に成すると共に、該球面の中心点を、上記球面
軸受の中心点に一致させたものである。

作 用 上記構成において、前胴を屈折させる場合、取
付ブラケツトと支持ブラケツトとの連結を解除
し、そして前胴を所定方向に屈折させた後、ブラ
ケツト同志を互いに連結固定するだけで、屈折時
に排土装置が後胴又は後胴内の他の機器と接触す
るのを容易且つ迅速に回避でき、しかもその排土
装置の取付角度の変更は360゜任意の方向で且つ無
段階に調整できる。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図〜第３図に基
づき説明する。１は屈折式シールド掘進機のシー
ルド本体で、前胴２と後胴３とに分割されると共
に、前胴２は後胴３に対して屈折可能に連結され
ている。なお、４は前胴２と後胴３との連結部に
介装されたシール材である。５は前胴２に旋回軸
受６を介して支持されたカツタヘツドで、その後
方筒状部５ａの後端部に取付けられたリングギア
７を介して回転駆動装置８に連動連結されてい
る。このカツタヘツド５内には、掘削土砂を取込
むための圧力室９が形成され、１０はその後方筒
状部５ａ内側に配置された圧力室９の隔壁で、前
胴２側に支持部材（図示せず）を介して支持され
ている。なお、１１は隔壁１０と後方筒状部５ａ
との間に介装されたシール材である。１２は圧力
室９の隔壁１０に挿通且つ支持されたスクリユウ
コンベア式排土装置で、その取付角度が任意方向
に変更可能にされている。即ち、排土装置１２の
筒状ケーシング１３の前端部が、筒状ケーシング
１３外周に固定された環状の球面体１４と、隔壁
１０側に固定された球面座１５とから成る球面軸
受１６を介して隔壁１０に支持されると共に、筒
状ケーシング１３の後側が、その外周に設けられ
たフランジ状の取付ブラケツト１７を介して隔壁
１０から大気圧室１８側に突設されたフランジ状
の支持ブラケツト１９に支持されている。また、
上記取付ブラケツト１７と支持ブラケツト１９と
の接触面２０は球面にされると共に、この球面の
中心点と上記球面軸受１６の中心点とが一致され
ている。従つて、この筒状ケーシング１３は球面
軸受１６の中心点を中心にして360゜任意方向に傾
動させることができる。また、上記取付ブラケツ
ト１７と支持ブラケツト１９とはボルト２１によ
り互いに連結されるため、第３図に示すように、
各ブラケツト１７，１９に設けられるボルト穴２
２，２３は、半径方向及び円周方向に沿つて長穴
にされている。なお２４は球面座１５側に取付け
られたシール材で、筒状ケーシング１３の傾動に
対処し得るように中空弾性チユーブが使用され
る。

上記構成において、前胴２を屈折させる場合、
一時的に筒状ケーシング１３を支持した後、取付
ブラケツト１７と支持ブラケツト１９とを連結し
ているボルト２１を緩め、そして前胴２を所定方
向に屈折させた後、ボルト２１を締付けて取付ブ
ラケツト１７を支持ブラケツト１９に固定するだ
けで、屈折時に排土装置１２が後胴３又は後胴３
内の他の機器と接触するのを容易且つ迅速に回避
できる。しかも、その排土装置１２の取付角度の
変更は360゜任意の方向で且つ無段階に調整でき
る。

考案の効果 上記本考案の構成によると、排土装置の筒状ケ
ーシングを、圧力室隔壁に球面軸受を介して支持
したので、筒状ケーシングの取付角度を任意の方
向に変更でき、従つて従来のようにスペーサを使
用するものに比べて、角度変更作業が容易且つ迅
速に行なうことができ、更にその取付角度を無段
階に調整することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は全体縦断面図、第２図は第１図の−矢視
図、第３図は第２図の−矢視図である。 １……シールド本体、２……前胴、３……後
胴、９……圧力室、１０……隔壁、１２……排土
装置、１３……筒状ケーシング、１４……球面
体、１５……球面座、１６……球面軸受、１７…
…取付ブラケツト、１９……支持ブラケツト、２
０……接触面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シールド本体の前胴と後胴とが互いに屈折自在
   にされたシールド掘進機において、上記前胴に形
   成された圧力室の隔壁に、圧力室内の掘削土砂を
   大気圧室側に搬出するスクリユウコンベア式排土
   装置の筒上ケーシングの前側を、球面軸受を介し
   て支持し、上記筒上ケーシングの後側を、その周
   囲に設けられた取付ブラケツトを介して上記圧力
   室の隔壁から突設された支持ブラケツトに支持
   し、且つ上記両ブラケツト同志の接触面を球面に
   成すると共に、該球面の中心点を、上記球面軸受
   の中心点に一致させたことを特徴とするシールド
   掘進機。