JPH0333825Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は雨水を濾過して地中に還元するように
なした雨水還元槽に用いる透排水壁材に関するも
のである。

〔従来技術とその問題点〕

雨水は地中に還元されることなく、下水道から
河川等へ放出されているため、地下水の汲み上げ
とも相俟つて地下水の減少が、都市における地盤
沈下の原因となつている。そこで、最近、雨水流
水管から槽内に雨水を一旦流入させ、槽内で濾過
した後、槽壁の小孔より地中に還元するようにな
した雨水還元槽が家屋の流入管雨樋の近くや道路
の側溝等に設けられるようになつてきている。

ところで、上記雨水還元槽の周囲には、目詰り
防止のため、ぐり石が敷設されているが、このぐ
り石の敷設に手数を要するばかりか、施工費が高
くつく等の問題点がある。

本考案は上記問題点を解決した軽量で取扱い易
く、雨水還元槽を簡単に設置し得るようになした
雨水還元槽用透排水壁材を提供することを目的と
する。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本考案の構成を、実
施例に対応する第１〜３図を用いて説明すると、
本考案は、耐蝕性繊維を粗なる空〓を存した状態
に絡ませ、耐蝕性接着材で以てマツト状に纒絡
し、かつ筒形になした本体１の内面に、略波板状
になした合成樹脂製ネツト２を、上記ネツトの波
形凹凸部が本件の上下方向に位置するよう一体に
固着して成る。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

Ａは透排水壁材で、マツト状の本体１と略波板
状の合成樹脂製ネツト２とから成る。上記本体１
はやし等の天然繊維、合成繊維等の耐蝕性繊維を
粗なる空〓を存した状態で絡ませ、合成樹脂等の
耐蝕性接着材で以て各繊維をブリツジ状につない
で、所要厚（20〜50ｍ／ｍ）のマツト状に成した
ものである。また上記ネツト２は合成樹脂の綿状
体を格子状に交叉融着し、かつ所要高さ（20〜30
ｍ／ｍ）の凹凸部２ａ，２ｂを連続して形成して
略波板状に成したものである。そして、上記本体
１の上面にネツト２を、ネツトの波形凹凸部が本
体１の上下方向に位置し、かつ本体１の下端部に
底部用マツト３、配設用の空間部１ａを有するよ
うにして載置して、ネツト２の凹部２ａと本体１
とを熱融着等で以て一体に固着すると共に、ネツ
ト２を内側にして筒状に彎曲し、ネツト２の両端
の凹部２ａ，２ａ又は凹凸部２ａ，２ａ，２ｂ，
２ｂを重合固定して略筒形の透排水壁材Ａを構成
する。

次に、本考案に係る雨水還元槽用透排水壁材の
使用例につき第３図に基づいて説明する。

流水管雨樋８に近接した適当位置に掘つた所要
の大きさの穴の壁面に沿つて透排水壁材Ａを配設
した後、上部より底部用マツト３を嵌挿して、本
体１の空間部１ａに配設する。そして、上記透排
水壁材Ａの上端をシート４で覆うと共に、内部に
所要の雨水還元槽Ｂを配設するものである。

尚、図中５は濾過フイルター、６は雨水流入
管、７はオーバーフロー管である。

よつて、槽内に流入した雨水は、槽壁の小孔よ
りネツト２の波形凸部内に浸出し、この波形凹凸
部内の水圧によつて本体１より濾過されて地中に
還元されるものである。なお、一部の雨水はオー
バーフロー管７より下水道に排出される。

〔考案の効果〕

本考案によるときは、マツト状本体内面に、略
波板状の合成樹脂製ネツトを、波形凹凸部が本体
上下方向に位置するよう一体に固着して略筒状に
成したので、軽量で、取扱い易く、施工・交換も
簡単であるばかりか、使用する雨水還元槽の外形
に応じて円形又は角形に変形し、また本体上下方
向の外圧に対しても耐久性を有すると共に、雨水
を濾過しつつ地中に還元できる等の効果を有する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る雨水還元槽用透排水壁材
の平面図、第２図は縦断面図、第３図は使用状態
を示す断面図である。 Ａは透排水壁材、１は本体、２はネツト、２ａ
は凹部、２ｂは凸部、３は底部用マツト、４はシ
ートである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 耐蝕性繊維を粗なる空〓を存した状態に絡ま
   せ、耐蝕性接着材で以てマツト状に纒絡し、かつ
   筒形になした本体の内面に、略波板状になした合
   成樹脂製ネツトを、上記ネツトの波形凹凸部が本
   件の上下方向に位置するよう一体に固着したこと
   を特徴とする雨水還元槽用透排水壁材。