JP2005016125A - 雨水の治水利水システム - Google Patents

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Abstract

【課題】戸建て住宅や500m以下の集合住宅建設や、農地の駐車場への改変などのための土地の舗装など、比較的小さい規模の雨水浸透阻害行為に対しても治水機能を持ち、また、貯留した雨水の利用も可能な、居住地域での大きなスペースを必要とせず、経済的な雨水の治水利水システムを提供する。
【解決手段】戸建て住宅2や500m以下の集合住宅などの敷地、及び農地の駐車場への改変などによる土地の舗装部分など、比較的小さい規模の雨水浸透阻害を起こす、雨水等の流出源からの流出水を貯留できる小規模な貯留施設3と、該貯留施設より低地に配置され、複数の該貯留施設の貯留水を貯留できる大規模な貯留施設4、およびこれらを接続する配管5からなることを特徴とする雨水の治水利水システム。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、雨水の治水利水システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、都市型洪水の発生を抑制する為に、雨水を一時的に貯留して地中漫透、河川放流させる雨水の貯留浸透施設が多く建設されている。例えば大規模な宅地造成地では、造成面積に見合う間隔や規模で調整池を造成している。この調整池は、例えば地面を1m程度掘下げて雨水の貯留部を形成し、この貯留部に周囲の住宅地からの排水溝や道路の側溝を接続するものであり、集中豪雨等に際しては余分な雨水を一時貯留して、周囲の住宅地の雨水の滞留や、河川の氾濫や、下水の河川への流出等を防止するものである。また、近年になって、雨水の貯留浸透施設として、地面を掘下げてタンク部を構成し、その底部からグランドライン付近まで、複数の容器状部材を縦横かつ上下に配設して充填し、最上部には、被覆手段を施した貯留浸透施設が用いられるように成ってきている。容器状部材を多数の孔を有する底部及び周側板で構成して空間を形成し、貯留部としたものである。貯留部の周囲に透水シートで形成して用いる場合、雨水を徐々に地面に浸透させるように構成した浸透式の浸透施設となる。貯留部の壁面を遮水性シートで形成するか、透水性シートで形成するか、或いは下方を遮水性シートで形成し上方を透水性シートで形成するかによって、各々貯留施設、浸透施設、貯留浸透施設として機能させるものである。本発明の貯留施設とは、上記3つのパターンを含むものとする(例えば、特許文献1、2参照)。
なお、本発明において雨水とは、合流式下水のような下水を含む雨水も含めるものとする。
【0003】
一方、社会情勢の変化として、戸建て住宅や集合住宅建設のための宅地造成や、農地の駐車場への改変などによる地面の舗装化により、雨水浸透しにくい状況が発生しており、その規模が比較的小さい場合にも、技術的基準に従った雨水貯留浸透施設の設置が望まれる傾向になってきている。
【0004】
特許文献1の提案は、相対向する両側板を連結部により一体に連結して両側板の間の空間部を貯水用空間部とした合成樹脂製の貯水用構造材を用い、この貯水用構造材を地下に多数集積し、その周囲を透水性シートで囲繞して埋設することにより、雨水を一旦貯溜して徐々に地中深くへ浸透排水させる雨水貯溜装置を構成するものである。貯水用構造材の周囲を遮水シートで囲繞し、雨水導入管を接続して雨水貯溜装置を構成してもよいとされている。
【0005】
しかし、この雨水貯留浸透施設を、戸建て住宅や500m以下の集合住宅建設などの、比較的小さい規模の雨水浸透しにくい状況に対しても治水機能を持ち、かつ、貯留した雨水の利用も可能な雨水貯留浸透施設として用いようとすると、居住地域での大きなスペースが必要となり、また、大きなコスト負担が掛かると言う問題点がある。
【0006】
また、特許文献2の提案は、タンク用凹部空間1を掘り下げ、その底部、下部斜面、段部及び上部斜面に沿って砕石を配し、底部から段部の途中までにゴムシートを被覆し、その内側を雨水貯留タンク部とし、その上方途中までを雨水浸透用タンク部とし、雨水貯留タンク部及び雨水浸透用タンク部中には、多数の籠状部材を結合して空間保持骨格を構成し、その上部及び周囲に更に砕石を施して埋戻し、雨水貯留タンク部からはパイプ体を立設し、上端にポンプ装置を接続するものである。
【0007】
しかし、この場合も従来のような独立した貯留浸透施設としては、特許文献1と同様の問題が残る。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−71789号公報(第1頁〜第7頁)
【特許文献2】
特開平9−41470号公報(第1頁〜第6頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、戸建て住宅や500m以下の集合住宅建設のための宅地造成や、農地の駐車場への改変などによる地面の舗装化により発生する、比較的小さい規模の雨水浸透しにくい状況に対しても治水機能を持ち、また、貯留した雨水の利用も可能であり、居住地域での大きなスペースを必要としない、経済的な雨水の治水利水システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、請求項1の発明(以下、発明1という)は、雨水の流出源からの流出水を貯留できる小規模な貯留施設と、該小規模な貯留施設より低地に配置され、複数の小規模な貯留施設の貯留総量以上の貯留量である大規模な貯留施設と、両施設間を接続する配管とからなることを特徴とする雨水の治水利水システムである。
【0011】
請求項2の発明(以下、発明2という)は、前記小規模な貯留施設は、戸建て住宅や500m以下の集合住宅などの敷地内に設けられていることを特徴とする請求項1記載の雨水の治水利水システムである。
【0012】
請求項3の発明(以下、発明3という)は、前記小規模な貯留施設と大規模な貯留施設には、水を汲み上げる手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の雨水の治水利水システムである。
【0013】
請求項4の発明(以下、発明4という)は、小前記大規模な貯留施設は、地面を堀り下げて形成した貯留空間内に、複数の充填部材を縦横かつ上下に並べて埋設されていることを特徴とする請求項1〜3記載のいずれかの雨水の治水利水システムである。
【0014】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明においては、戸建て住宅や500m以下の集合住宅建設のための宅地造成や、農地の駐車場への改変などによる地面の舗装化により発生する、比較的小さい規模の雨水浸透しにくい状況に対して、小規模な貯留施設を設け、これを大規模な貯留施設と配管接続することにより、治水機能を持ち、また、貯留した雨水の利用も可能であり、居住地域での大きなスペースを必要としない、経済的な雨水の治水利水システムを提供する。この雨水の治水利水システムでは、大雨が降ったときに雨水を一時的に貯留し、河川流量が急激に増大するのを防止する流出抑制効果を有し、かつ、貯留された雨水を植木への散水や洗車用水、非常時の生活用水や防火用水として利用することもできるものである。
【0015】
本発明における戸建て住宅や500m以下の集合住宅などからの雨水の流出源と小規模な貯留施設との接続は、貯留施設への水の貯留のための配管と、貯留施設から住宅への利水のための配管の2系列以上の配管でおこなうことがよい。小規模な貯留施設から戸建て住宅や500m以下の集合住宅などへの利水のための給水配管の接続は主に上水、中水用等として、建物内で用いられる部位に接続される配管である。用途は、特に限定されるものではないし、熱交換用の配管等でも構わない。トイレ水などへの利用を考える場合、水質の管理上の問題から、中水配管に接続することがよい。
【0016】
本発明において、小規模な貯留施設の主たる目的を利水、それよりも下流に設けた大規模な貯留施設の主たる目的を治水とすることにより、治水をするために雨水を大規模に輸送するエネルギーは不要でかつ、利水に利用する水を遠隔地から汲み上げるエネルギーも不要又は最小にできる。
【0017】
小規模貯留施設の主たる目的を利水用水の確保、大規模貯留施設の主たる目的を地中への浸透、雨水の一時貯留とすることにより、施設への利水と地域における治水を同時に満足することができる。例えば、大人2名、子供2名の4家族の場合、トイレ水に雨水を70%利用する為には3m程度の貯留槽が必要であり、建物面積50mの戸建て住宅において50mm/時の降雨が1時間あった場合、これを一時的に貯めるには2.5m程度の貯留槽が必要である。すなわち、利水と治水を図る為には5.5m程度の貯留槽が必要である。これは敷地内に非常に大きな貯留スペースを必要とする。
【0018】
しかし、本発明のように利水と治水を分離することにより建物敷地内における貯留槽を3m程度にでき、雨水利用率を10%〜50%程度に設定することにより、0.1m程度〜1m程度にすることもでき、また、雨水利用率を70%と高くしても大規模貯留槽から少量の利水用水の補充を行えば、1m程度に抑えることもできる。設置スペース、コストを考慮すると、建物敷地内における貯留槽は0.1m程度〜3m程度が良く、0.1m程度〜1m程度がさらに好ましい。これにより、戸建て住宅の狭い敷地内での利水と治水の両立が可能となる。
【0019】
本発明において、戸建て住宅や500m以下の集合住宅などからの雨水の流出水を貯留できる「小規模な貯留施設」とは貯留量が5m以下のものをいい、好ましくは0.1m程度〜3m程度、さらに好ましくは0.1m程度〜1m程度の施設である。また、「大規模な貯留施設」とは、複数の小規模な貯留施設の貯留水を貯留できる、治水性能があればよい。例えば、建物面積50mの戸建て住宅10軒において50mm/時の雨に対応する貯留施設とする場合は、2.5m/軒×10軒=25m以上であればよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。
図1は、本発明の雨水の治水利水システムの一実施形態を示す模式的な説明図である。
【0021】
戸建て住宅2には、戸建て住宅2と建物敷地内における土地の舗装部分22からの雨水の流出水を貯留できる、小規模な貯留施設3が設けられている。雨水Aは、屋根から建物の樋を通り、また舗装部分22から側溝11を通り、集水のための接続配管51を通って、小規模な貯留施設3に貯留される。
【0022】
大規模な貯留施設4は、上記小規模な貯留施設3に比べ、地面の高さ(標高)が低い位置に設けられ、地面1の中に掘削され設置される。大規模な貯留施設4は、上記小規模な貯留施設3と接続配管52で接続され、小規模な貯留施設3からの貯留水を自然流下により集めると共に、その他の戸建て住宅21と建物敷地内における土地の舗装部分からの雨水の流出水も接続配管51を通って自然流下により貯留する。1つの大規模な貯留施設4には、複数の小規模な貯留施設3と配管52で接続され、雨水の流出水を貯留できる。
【0023】
小規模な貯留施設3、大規模な貯留施設4には、散水などの利水を必要とする部位へ水を供給するための水を汲み上げる手段、すなわち給水ポンプ6が設けられている。
小規模な貯留施設3の給水ポンプ6は、貯留水を汲み上げ、建物内のトイレ、冷風機などの利水先Bに水を供給、利用される。
また、大規模貯留施設4の給水ポンプ6は、小規模貯留槽3の貯留水の水量が低下したときに大規模貯留施設4から貯留水を汲み上げ小規模貯留槽3に補給する構造となっている。これにより、最小限のエネルギーで十分な利水と治水が可能となる。
【0024】
図2は、本発明に係る、戸建て住宅からの雨水の流出水を貯留できる小規模な貯留施設を示す模式的な説明図である。
小規模貯留槽31,32を、各々、床下や樋、バルコニー等のスペースに複数配置したものである。また、戸建て住宅2の近隣の地下にも小規模貯留槽3が設置されているが、このように小規模な貯留施設を分散して設置する事により、狭い土地でも水の流出源の近くで貯留量を確保できる。
【0025】
小規模な貯留施設3の給水ポンプ6は、貯留水を汲み上げ、建物内のトイレ、冷風機などの利水先Bに水を供給、利用される。
降水など流出水が増加する場合、小規模な貯留施設3の余剰の貯留水は、配管を通して、大規模な貯留施設4に送られ、貯留される。
【0026】
図3は、本発明に係る、大規模な貯留施設が複数の充填部材を縦横かつ上下に並べて埋設されてなる場合の模式的な説明図である。
なお、複数の充填部材を用いる、同様の構造の施設は、小規模な貯留施設の場合にも適用できる。
地面1を掘下げて形成した貯留部4aと、貯留部4a内に水平方向に並べて設置すると共に、上下方向に重ねる多数の充填部材7と、充填部材7の最上部に載置され貯留部4aの上部を覆う被覆部材4dとを備えている。
【0027】
貯留部4aは、地面1を例えば1〜10m程度の深さで平面形状が矩形状に掘下げて掘削部4bを造成し、底面は割栗石等を敷き詰めて突き固めて基礎部4cを形成している。貯留部4aの底面は、基本的には平坦面となっており、底面の長辺方向の中央部には平坦面から一段落ち込んだ凹窪部4eが形成されている。この凹窪部4eは底面の短辺方向の全幅に亘って形成されている。凹窪部4eの底面及び貯留部4aの底面全面には、遮水シート4fが敷設されている。遮水シート4fとしては厚さが1。5mm以上の合成ゴム又は樹脂系シート又はアスファルト系シートを使用している。
【0028】
前記のように略平坦とされた貯留部4aの底面に、多数の充填部材7が水平に並べられると共に、上下に重ねられて設置される。充填部材7は貯留部4a内に充填されて雨水の貯留空間を確保すると共に、上部の被覆部材4dを支持するものである。
【0029】
図4は、本発明に係る、貯留施設に使用される充填部材の斜視図である。充填部材7は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックや、これらの廃プラスチック等から形成され、貯留部4aの上部を覆う被覆部材4dの垂直荷重、及び水圧による水平荷重を支持し、貯留部4aの空間を確保する4本の柱状の連結部71と、4本の連結部71に固定され水平面に対して5度程度の角度で傾斜する傾斜板部72とから構成されている。
【0030】
傾斜板部72は厚さが4〜5mm程度の肉厚の板材で形成され、流入した雨水を所定方向に誘導する誘導手段を構成する。傾斜板部72の傾斜方向Sは、矢印の先端が低い方向となっており、傾斜角度が緩やかな場合砂等が雨水と共に流れずに滞留するため、5度程度の傾斜角度が好ましい。充填部材7の大きさは、例えば1辺が50cm〜1m程度の正方形の傾斜板部72と、傾斜板部の四隅に上下に延びる連結部71とから構成され、連結部は高さが10〜15cm程度の三角柱で形成され、1辺が50cm〜1m程度で高さが10〜15cm程度の直方体に納まるような形状をしている。
【0031】
なお、充填部材7の大きさは、1辺が30cm程度の大きさでも、また1辺が1m以上の大きさでもよい。また、充填部材7の傾斜板部72は平板を傾斜させた例を示したが、平板でなく傾斜方向に沿って緩やかに凹んだ、或いは緩やかに凸状に膨らんだ湾曲面でもよく、小さい段差が連続して勾配が付いた階段状の傾斜面でもよい。さらに、急勾配から緩勾配に途中で変化するような傾斜面で構成してもよい。
【0032】
連結部71は厚さが4〜5mm程度の肉厚の板材で形成され、大きい断面の三角パイプ状の上部柱部71aの下方には、上部柱部71aの内部に嵌合する小さい断面の三角パイプ状の下部柱部71bが形成されている。したがって、充填部材7の上部柱部71aに、他の充填部材7の下部柱部71bを内嵌させることにより充填部材7同士を小さいピッチ、すなわち連結部71の高さのピッチで積み重ねることができる。三角パイプ状の連結部71の底面と側面には上下に貫通孔71c,71dが形成され、下方の貫通孔から雨水が進入することができ、側方の貫通孔から内部の空気が逃げることができる。なお、下部柱部71bは、コーナー部が切欠かれているが連続したものでもよい。また、連結部71内の底面は土砂等を傾斜板部72に誘導するために、側面の貫通孔方向に傾斜していることが好ましい。
【0033】
傾斜板部72の下面には補強部が形成され、上面は平坦で緩やかな傾斜面となっている。補強部としては、所定の間隔で一体的に縦横に立設された格子状の補強リブ73が形成されている。この補強リブ73は傾斜板部72の中央部の上下幅が大きく、周辺に行くにしたがって上下幅が徐々に小さくなるように形成されている。この構成により、傾斜板部32の上面に荷重が加わっても傾斜板部72の変形は小さくなり、上面に施工者が載ってもひび割れ等の破損が生じることを防止できる。なお、補強リブは格子状でなくてもよいが、格子状にすると一方向のものと比較して強度が大きくなり好ましく、六角形のハニカム格子状が強度面からより好ましい。
【0034】
充填部材7は、単位体積当たりの空隙率が高いことや、実用上十分な強度、耐久性を有することが要求されると共に、運搬施工が容易であり、維持管理が容易であることが要求され、耐荷重は例えば垂直方向は1平方メートル当たり5〜20トン、水平方向は5〜16トン、空隙率は90%程度が好ましい。また、前記のように連結部71にスリットや貫通孔を設けて内部に雨水が入るようにして空隙率を上げることが好ましい。
【0035】
充填部材7が上下に積層され設置されたあと、充填部材7の側面を覆う壁材4gが立設され、その外側に遮水シート4hが垂直方向に配置され、さらに外側には砂利や砕石等の埋め戻し材4iが掘削部4bとの間に充填される。壁材4gは、この外側に位置する遮水シート4hが貯留部4aの空間に入り込むのを防止している。遮水シート4hは貯留部4aの底面に敷いたものと同等の合成ゴム又は樹脂系シートを使用し、底面の遮水シート4fと漏水しないように、融着又は遮水性の接着剤等で接合されている。遮水シート4hを砂利等の埋め戻し材4iから保護するため、遮水シート4hの外側に壁材4gと同等の保護板(図示せず)を配置してもよい。
【0036】
なお、上記のような貯留施設でなく、浸透施設とする場合は、遮水シート4f,4hの代わりに、例えばポリエステルとポリプロピレンの複合張合わせをした透水シートを敷設する。浸透型の施設の場合、貯留部に溜まった雨水を徐々に地面に浸透させる。また、貯留と浸透の両方の機能を持たせる場合は、底面を遮水シート4fとし、側面の途中まで遮水シート4hを敷設し、側面の途中から上を透水シートで覆うようにする。この貯留浸透型の施設の場合、上半分の透水シートから雨水を徐々に地面に浸透させ、下半分は貯留して利用することができる。
【0037】
貯留部4aには、複数の小規模な貯留施設3に接続されて導水する機能を持つ導水管52が接続される。そして導水管52の途中には泥溜め枡(図示せず)が設置され、雨水中の砂や泥が沈殿され、上澄み水が貯留部4aに導水管52によって導入される構成となっている。導水管52は複数本が泥溜め枡から延出して貯留部4aの壁材4gと遮水シート4hを貫通して等間隔に挿入されている。なお、複数の導水管52は、その長さを変えて貯留部4aの奥に雨水を流入させるように構成してもよい。これにより、貯留部4aの長辺方向に沿って均一に雨水を導入することができる。
【0038】
貯留部4aの上部からオーバーフロー管54が突出しており、貯留部4aの下部からはオリフィス管55が突出している。オーバーフロー管54は貯留部4aが満水に近い状態となると上部から放流するものである。オリフィス管55は貯留部4aに溜められた雨水を徐々に流出させるものであり、オリフィスの径を調整して流出量を調整できる。貯留部4aに溜まった雨水を利用するときには、貯留部4a内の雨水をポンプ6で汲み上げて、植木への散水や洗車用水として利用することもできる。
【0039】
降雨量が多く、導水管52から多量の雨水が流れ込み貯留部4aが満水状態となると、貯留部上部のオーバーフロー管54から雨水は流出し、図示していない下水管等に排水される。貯留部4a内に溜められた貯留水を散水等に利用するときは、貯留部内の雨水をポンプで汲み上げて利用することができる。また、オリフィス管55の途中に取水枡を設けて、ここから貯留水を取水して利用するようにしてもよい。
【0040】
図5は、本発明の雨水の治水利水システムの系統を示す模式的な説明図である。(大規模な貯留施設が1つの場合。)また、図6は、本発明の雨水の治水利水システムの系統を示す模式的な説明図である。(大規模な貯留施設が複数の場合。)
【0041】
図5において、戸建て住宅2と建物敷地内における周辺の土地の舗装部分などからの雨水の流出水を貯留できる、小規模な貯留施設3が設けられている。流出源としては、戸建て住宅に限定されず、500m以下の集合住宅などや、農地の駐車場への改変などのための土地の舗装など、比較的小さい規模の雨水浸透阻害がおこる可能性をもつものも含まれる。各々の流出源からの雨水の流出水は、これを貯留できる小規模な貯留施設3に貯留され、接続配管5を通って該貯留施設3より低地に配置され、複数の該貯留施設の貯留総量以上を貯留できる大規模な貯留施設4に貯留される。地面の高さ(標高)Hは、小規模な貯留施設3に比べ、大規模な貯留施設4は低くなっている。
【0042】
図6において示されている治水利水システムは、雨水などの流出源毎の小規模な貯留施設3と大規模な貯留施設41からなる貯留施設を複数個連結し、さらに大規模な貯留施設4に配管5で接続した治水利水システムである。このようにすることで、より効率よく、広い地域で利水と治水が可能となる。
【0043】
【発明の効果】
請求項1から4の発明によれば、上記のとおり構成されているので、比較的小さい規模の雨水浸透しにくい状況に対しても治水機能を持ち、貯留した雨水を低地に配置した大規模な雨水貯留施設から、小規模な貯留施設へ雨水を供給したり、また、これらから住宅内や、駐車場へ水を供給して、貯留した雨水の利用も可能であり、居住地域での大きなスペースを必要としない、経済的な雨水の治水利水システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の雨水の治水利水システムの一実施形態を示す模式的な説明図。
【図2】本発明に係る、戸建て住宅からの雨水の流出水を貯留できる小規模な貯留施設を示す模式な説明図。
【図3】本発明に係る、大規模な貯留施設の一実施形態を示す模式的な説明図。
【図4】図3の大規模な貯留施設に使用される充填部材の斜視図。
【図5】本発明の雨水の治水利水システムの系統を示す模式的な説明図。(大規模な貯留施設が1つの場合。)
【図6】本発明の雨水の治水利水システムの系統を示す模式的な説明図。(大規模な貯留施設が複数の場合。)
【符号の説明】
1 地面
11 側溝
2 戸建て住宅
3 小規模な貯留施設
4 大規模な貯留施設
5 配管
6 給水ポンプ
7 充填部材
A 雨水
B トイレ、冷風機などの利水先
H 地面の高さ(標高)

Claims (4)

  1. 雨水の流出源からの流出水を貯留できる小規模な貯留施設と、該小規模な貯留施設より低地に配置され、複数の小規模な貯留施設の貯留総量以上の貯留量である大規模な貯留施設と、両施設間を接続する配管とからなることを特徴とする雨水の治水利水システム。
  2. 前記小規模な貯留施設は、戸建て住宅や500m以下の集合住宅などの敷地内に設けられていることを特徴とする請求項1記載の雨水の治水利水システム。
  3. 前記小規模な貯留施設と大規模な貯留施設には、水を汲み上げる手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の雨水の治水利水システム。
  4. 前記大規模な貯留施設は、地面を堀り下げて形成した貯留空間内に、複数の充填部材を縦横かつ上下に並べて埋設されていることを特徴とする請求項1〜3記載のいずれかの雨水の治水利水システム。
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