JPH0333686Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は支持フレームに取付けられ且つ作業工
程ラインに沿つた形状に形成されたレールと、そ
のレールに吊下げられ且つそのレールの高低差を
利用して降下移動する複数のハンガーとを備えた
ハンガーコンベアの分野に属し、特にそのハンガ
ー間歇送り装置に関する。

［従来技術］ 従来、レール近傍においてハンガーの移動方向
に対し直交するように配設された第１及び第２の
エアシリンダによつて構成され、且つ、常にはそ
れら第１及び第２のエアシリンダのプランジヤが
突出し、レール上に連続するハンガーのうちそれ
ぞれ先頭のハンガー及びその次のハンガーを係止
すると共に、作動信号に基きそれらのプランジヤ
が交互に１ストロークつづ作動し、ハンガーを一
つづつ移動させるようにしたハンガー間歇送り装
置があつた。

［考案が解決しようとする問題点］ 前記ハンガー間歇送り装置においては、下流側
の第１のエアシリンダのプランジヤが突出し、上
流側の第２のエアシリンダのプランジヤが没入し
た初期状態から、第２のエアシリンダのプランジ
ヤが突出されて先頭の次のハンガーに係合してそ
の移動を規制した後に第１のエアシリンダのプラ
ンジヤが没入されて先頭のハンガーのみが自重に
より下流側に移動可能なハンガー単独送り状態に
切換えられる。このハンガー単独送り状態になる
と、先頭のハンガーが自重により移動して第１の
エアシリンダよりも下流側に配置されたリミツト
スイツチをオンする。このリミツトスイツチのオ
ンに応答して第１のエアシリンダのプランジヤが
再び突出移動された後に第２のエアシリンダのプ
ランジヤが再び没入移動される。それにより第２
のエアシリンダにより移動が規制されていたハン
ガーが下流に移動して第１のエアシリンダのプラ
ンジヤに係合して停止される（初期状態への復
帰）。

このように、ハンガーを間歇送りするために、
２個のエアシリンダ、リミツトスイツチ及びエア
シリンダを個々に作動させるためのエア回路等が
必要でありコスト高になる問題がある。

また、前記ハンガー単独送り状態において、第
１のエアシリンダによつて移動が規制されていた
先頭のハンガーは、自重により下流側に移動可能
となるが、ハンガーを支持するレールの高低差が
小さい時、先頭のハンガーが滞留してしまい、円
滑なハンガーの移動が不可能となる場合がある。

また、前述の従来装置においては、常にハンガ
ーが第１、第２エアシリンダにより、移動が規制
されることになるため、ハンガーを第１、第２エ
アシリンダのプランジヤに係合させることなく通
過させることができないという問題もある。

［考案の目的］ 本考案は、前述した問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的は、安価であるとと
もに、ハンガーを確実に一つづつ送り出すことが
可能で、しかもハンガーの通過を可能としたハン
ガーコンベアにおけるハンガー間歇送り装置を提
供するにある。

［問題を解決するための手段］ 前述した目的を達成するため本考案において
は、支持レール１に取付けられ且つ作業工程ライ
ンに沿つた形状に形成されたフレーム３と、 そのレール３に吊下げられ且つそのレール３の
高低差を利用して降下移動する複数のハンガー５
とを備えたハンガーコンベアにおいて、 前記支持フレーム１に対し回動可能に支承さ
れ、連続するハンガー５の先頭の一つと係合して
そのハンガー５及びそれに続くハンガー５の移動
を阻止する阻止位置と、ハンガーの通過を許容す
る開放位置との間を切換移動される第１の阻止腕
２１を有する阻止部材１９と、 その阻止部材１９と一体的に設けられ、第１の
阻止腕２１が阻止位置にある時はハンガーの通過
を許容し、第１の阻止腕２１が前記阻止位置から
開放位置に移動される時、第１の阻止腕により移
動が阻止された先頭のハンガーとその次のハンガ
ーとの間に侵入し、先頭のハンガーを第１の阻止
腕側に押し出すハンガー押出部２２ｂと、先頭の
次のハンガーに係合してそれ以後のハンガーの移
動を阻止するハンガー阻止係合部２２ａとを有す
る第２の阻止腕２２と、 前記阻止部材１９を回動して第１の阻止腕と第
２の阻止腕とを交互にハンガーに係合させる駆動
手段２４等と、 前記阻止部材１９の回動支点を、前記第１、第
２の阻止腕がともにハンガーに係合しない不使用
位置と、第１、第２の阻止腕が交互にハンガーに
係合する使用位置との間で切換配置する切換手段
と を備えている。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を示す図面に基き、そ
の詳細を説明する。

支持フレーム１に垂下固着された取付腕２に
は、作業工程ラインに沿うように形成されたレー
ル３が架設されている。４はワークステーシヨン
であつて、前記作業工程ラインの一部を構成して
いる。

前記レール３には、そのワークステーシヨン４
に向い緩やかに下る下り傾斜部分と、そのワーク
ステーシヨン４を境にして前記下り傾斜部分と連
続する急な上に傾斜部分とが交互に形成されてい
る。

ハンガー５は、被縫製物６に着脱自在に掴持
し、前記レール３に吊下げられており、下り傾斜
部分においては、その傾斜を利用し降下移動し、
上り傾斜部分においては、その傾斜に沿つて往復
駆動されるフツクを含む動力搬送装置７によつ
て、その傾斜に抗し一つづつ引上げられて移動す
る。

前記レール３の下り傾斜部分において、前記ワ
ークステーシヨン４と対応する最下部近傍は、そ
のワークステーシヨン４において作業を行うハン
ガー５を貯溜するための貯溜部８を構成してい
る。

ハンガー間歇送り装置９は、その貯溜部８へ至
る前記レール３の下り傾斜部分に相対するように
配置されている。

以下に、そのハンガー間歇送り装置９について
詳述する。支持枠１０は前記支持フレーム１に固
着された枠本体１１とそれに着脱可能の覆体１２
とから構成されている。

その枠本体１１には、上下に配置形成された第
１及び第２の孔部１３，１４と、それらの上下に
連なつて切欠形成された係合溝部１５とからなる
取付孔１６が設けられている。

前記第１及び第２の孔部１３，１４と嵌合する
嵌合部１７ａを有し且つ支持枠１０の背面から突
出するように配置されると共に、外周面に滑り止
めのための多数の溝１７ｂが刻まれた撮み１７に
は、取付ボス１８がねじ込まれており、その取付
ボス１８の係合突部１８ａが前記係合溝部１５に
係合する位置において、前記撮み１７を締付ける
ことにより、その取付ボス１８は前記枠本体１１
に固定される（第４図参照）。

その取付ボス１８には、阻止部材１９を回動可
能に取付けるための段付ねじ２０がねじ込まれて
いる。

その阻止部材１９は、第１の阻止腕２１と第２
の阻止腕２２とからなる二叉状に形成され、その
二叉の中間部において前記段付ねじ２０によつて
回動可能に支承されている。

前記第２の阻止腕２２は扇形に形成されてお
り、前記阻止部材１９の回動中心を中心とする円
弧状の外周面がハンガー阻止係合部２２ａを構成
すると共に、前記第１の阻止腕２１と相対する一
側がハンガー押出部２２ｂを構成している。

前記第２の阻止腕２２の押出部２２ｂとは反対
側の一側には、一端が前記枠本体１１に掛止され
た付勢バネ２３の他端が掛止され、前記阻止部材
１９を第１図における反時計方向に付勢してい
る。

２４は単動式エアシリンダであつて、前記枠本
体１１に固着された取付部材２５に対し段付ねじ
２６によつて揺動可能に取付けられている。

そのエアシリンダ２４は、エアー供給室にエア
ーが供給された時、下方に向けてプランジヤ２７
が突出され、エアー供給室が大気に開放された時
内蔵されているバネの作用により引込まれる。

前記プランジヤ２７はその先端に固着された継
ぎ手２８を介し前記阻止部材１９の第２の阻止腕
２２に枢着されている。

尚、前記付勢バネ２３及びエアシリンダ２４に
よつて駆動手段が構成されている。

次に動作につき説明する。

ハンガー間歇送り装置９を使用する場合、撮み
１７の嵌合部１７ａが、取付孔１６の第２の孔部
１４に嵌合する位置において、取付ボス１８を固
定する。即ち、取付ボス１８の位置が阻止部材１
９の回動支点（段付ねじ２０の中心軸）を意味し
ており、取付ボス１８が第２の孔部１４に嵌合す
る時の回動支点の位置を使用位置とする。

阻止部材１９は、常には、付勢バネ２３のバネ
力によりエアシリンダ２４のプランジヤ２７が押
込まれた位置において保持される。このとき、第
２の阻止腕２２が上方の開放位置に位置し、第１
の阻止腕２１が阻止位置に垂下されるため、レー
ル３の下り傾斜部分に沿つて降下移動して来たハ
ンガー５はその第２の阻止腕２２の下方を通過
し、第１の阻止腕２１に当接し停止される。

ハンガー５には、その上部において、レール３
と係合する移動車輪５ａと、この移動車輪５ａの
両脇に固着され脱輪を防止するための鍔５ｂとが
設けられており、前記第１の阻止腕２１は、移動
して来た最初のハンガー５の移動車輪５ａと当接
する。このとき、付勢バネ２３によつて当接時の
衝撃が弱められる。その次に移動してきたハンガ
ー５は、先のハンガー５と、それらの鍔５ｂを介
し当接し停止される。

尚、前記第２の阻止腕２２の係合部２２ａと押
出部２２ｂとの境界をなす切つ先２２ｃは、先頭
のハンガー５の移動車輪５ａと次に続くハンガー
５の移動車輪５ａとの間に位置するように設定さ
れている。

今、ワークステーシヨン４において作業を行う
作業者によつて、作動スイツチ（図示せず）が操
作されると、その作動信号に基き、エアシリンダ
２４のプランジヤ２７が付勢バネ２３に抗し押出
され、それによつて阻止部材１９が時計方向に回
動される（第２図参照）。

このとき、先頭のハンガー５は、第１の阻止腕
２１が上方の開放位置に回動されるため、その移
動を許容されると共に、第２の阻止腕２２の押出
部２２ｂによつて貯溜部８に向けて押出される。
また、その先頭のハンガー５の次のハンガー５
は、わずかに下り傾斜部分に沿つて移動した後、
第２図に示す位置において阻止位置に移動された
前記第２の阻止腕２２の係合部２２ａによつて停
止される。

次に、エアシリンダ２４のエア供給室が大気に
開放されると、エアシリンダ内のバネ及び前記付
勢バネ２３の作用によつて前記阻止部材１９は反
時計方向に回動される。このとき、前記第２の阻
止腕２２の係合部２２ａは、前記先頭の次のハン
ガー５の移動車輪５ａ上を摺動するのみであるた
め、そのハンガー５は一定位置で停止し、その係
合が解けた後、前記第１の阻止腕２１に当接する
まで移動し、そこで停止される。そして、前記阻
止部材１９は、前記エアシリンダ２４のプランジ
ヤ２７が押込まれた位置において再び保持され
る。

尚、前記ワークステーシヨン４を使用しない場
合等においてハンガー５の間歇送りをする必要が
ないときは、前記撮み１７を弛め、第１の孔部１
３と嵌合する位置において前記取付ボス１８を固
定するようにする。この時の阻止部材１９の回動
支点の位置を不使用位置とする。

その結果、前記阻止部材１９は、前記第１及び
第２の阻止腕２１，２２が共にハンガー５の移動
車輪５ａを係合しない退避位置に保持される（第
３図参照）。

本実施例においては、第１の阻止腕２１がハン
ガー５と係合する方向に付勢バネ２３を作用させ
ると共に、その付勢バネ２３のバネ力に抗して作
動する単動式のエアシリンダ２４によつて第２の
阻止腕２２を作動させるようにしたから、極めて
簡単な構成からなるハンガー間歇送り装置９が得
られ、且つそのハンガー間歇送り装置９は、エア
シリンダ２４のエアが抜けた時も阻止部材１９が
妄動せずハンガー５を保持し続ける。

更に、本実施例においては、ハンガー間歇送り
装置９を必要としない場合、第１及び第２の阻止
腕２１，２２を共にハンガー５に作用しない退避
位置まで移動し得るので、工程変更等を容易に行
ない得る。

［考案の効果］ 以上詳述したように、本考案においては、２個
のエアシリンダを用いたタイプの従来装置に比べ
て構成が簡単で安価にし得るとともに、第２の阻
止腕のハンガー押出部により先頭のハンガーが強
制的にハンガーの移動方向に沿つて押し出される
ので、ハンガーが滞留することなく確実に間歇送
りすることができるとともに、切換手段により阻
止部材の回動点を使用位置と不使用位置との間で
切換配置させることにより、容易にハンガーを通
過させることができる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は覆体１２を取除いた状態を示す正面図、
第２図及び第３図は作動説明図、第４図は第３図
のＡ−Ａ線断面図、第５図は作業工程ラインの一
部を示す説明図である。 図中、１は支持フレーム、３はレール、５はハ
ンガー、１９は阻止部材、２１，２２は第１及び
第２の阻止腕、２３，２４は作動部材を構成する
付勢バネ及びエアシリンダである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 支持フレーム１に取付けられ且つ作業工程ライ
   ンに沿つた形状に形成されたレール３と、 そのレール３に吊下げられ且つそのレール３の
   高低差を利用して降下移動する複数のハンガー５
   とを備えたハンガーコンベアにおいて、 前記支持フレーム１に対し回動可能に支承さ
   れ、連続するハンガー５の先頭の一つと係合して
   そのハンガー５及びそれに続くハンガー５の移動
   を阻止する阻止位置と、ハンガーの通過を許容す
   る開放位置との間を切換移動される第１の阻止腕
   ２１を有する阻止部材１９と、 その阻止部材１９と一体的に設けられ、第１の
   阻止腕２１が阻止位置にある時はハンガーの通過
   を許容し、第１の阻止腕２１が前記阻止位置から
   開放位置に移動される時、第１の阻止腕により移
   動が阻止された先頭のハンガーとその次のハンガ
   ーとの間に侵入し、先頭のハンガーを第１の阻止
   腕側に押し出すハンガー押出部２２ｂと、先頭の
   次のハンガーに係合してそれ以後のハンガーの移
   動を阻止するハンガー阻止係合部２２ａとを有す
   る第２の阻止腕２２と、 前記阻止部材１９を回動して第１の阻止腕と第
   ２の阻止腕とを交互にハンガーに係合させる駆動
   手段２４等と、 前記阻止部材１９の回動支点を、前記第１、第
   ２の阻止腕がともにハンガーに係合しない不使用
   位置と、第１、第２の阻止腕が交互にハンガーに
   係合する使用位置との間で切換配置する切換手段
   １３，１４，１８等と を設けたことを特徴とするハンガーコンベアにお
   けるハンガー間歇送り装置。