JPH0333622Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業状の利用分野） 本考案は、多数本のビール壜等を入れる段ボー
ル製の壜収納箱に関するものである。

（従来の技術） 一般に知られているビール壜等を入れる段ボー
ル製の収納箱は、直方体の四辺立壁である胴部と
その立壁から上下に突設させた折り込み片部とを
備えていて、胴部下側の開口は、折り込み片部を
折り合わせることによつて閉塞させ、上側の開口
は、折り込み片部を折り合わせして開閉可能な蓋
構造とした形式のものが普通である。

そしてこの上側開口の開閉可能な蓋構造を形成
する片部は、箱内に多数本のビール壜等を収納し
て閉じた後、蓋が不用意に開くことがない構造に
工夫して設けられるが、それだけでなく、多数本
の壜を収納する箱は重量が大きくなるから、箱の
手提時にこの箱が破れないように強度を補強する
ための構造に前記蓋の片部が利用される場合もあ
る。例えば実公昭56−49886号公報に記載の考案
では、上側開口を開閉可能とした蓋を形成してい
る四つの片部のうち、一対を内蓋片部としかつ他
の一対の外蓋片部として、外蓋片部の延出先端に
設けた差込片を内蓋片部に設けた切込に差込んで
閉塞するようにした構造において、内蓋片部の一
部を折り返し胴部立壁の内面に糊付けすること
で、立壁に設けた提手穴の上縁部分の補強を図つ
ている。

（考案が解決しようとする課題） しかし、多数本のビール壜等を収納する箱にお
いて求められる要求は、前記のような箱の強度補
強だけでなく、例えば実開昭50−40624号の１本
の壜を収納する箱で提案されているような箱内部
での壜の安定保持も課題の一つである。これは多
数本の壜を収納する収納箱でも、壜の揺れがない
ように収納できれば、壜の破損防止や搬送作業時
等での騒音を防止できるためである。

そこで本考案者は、かかる課題を、収納箱の構
造、特にその上側開口を開閉する蓋部分のための
片部の構造を利用して、出来るだけ簡易にかつ効
果的に実現することを目的として工夫を行い本考
案をなすに至つたものである。

すなわち本考案の目的は、例えば広く用いられ
ている１ダースや半ダース等の多数本の壜を収納
する壜収納箱において、上側の開口を開閉可能な
蓋構造とするための片部の構成を利用して、内容
物が重い箱の把持用開口部分の強度補強を行なう
ことに加えて、収納壜の姿勢を安定保持できるよ
うに、前記片部の構成を改良した壜収納箱を提供
することを目的とする。

また本考案のより具体的な目的は、前記開閉可
能な蓋構造を、一対の内蓋片部と他の一対の外蓋
片部とによつて簡易に形成させるだけでなく、こ
れら内蓋片部及び外蓋片部の双方を収納壜の姿勢
安定に利用する新規な収納箱を提供することにあ
る。

（課題を解決するための手段） すなわちかかる目的を達成する本考案の壜収納
箱の特徴は、下側開口が閉塞された直方体型の胴
部をもつ箱の上側開口を、その四辺縁から夫々延
出した片部のうち、対向する一対を内蓋片部とし
他の一対を外蓋片部とすると共に、この外蓋片部
夫々の延出先端に設けた差込片を前記一対の内蓋
片部に設けた差込孔に渡つて差込むことで開閉可
能の蓋構造に形成させた多数本用の壜収納箱にお
いて、前記内蓋片部は、前記上側開口の辺に平行
する２本の折線を設けて、開口辺から延出する第
１の矩形部と、これに折り返して重ねられる第２
の矩形部と、延出先端の小さな第３の矩形部とを
有するように構成すると共に、この第３の矩形部
は箱胴部に形成した把持用開口の上縁部分に貼着
させ、前記折り返しにより第１の矩形部に重ねら
れる第２の矩形部には、箱内に収納した壜の頂部
が嵌合する複数の切欠を設け、更にこの内蓋片部
に設けた前記差込孔の位置は、この差込孔を通し
箱内に差込まれる外蓋片部の差込片が箱内の収納
壜の頂部側面に接する位置としたという構成をな
すところにある。

（作用） 本考案は前記の構成をなすことによつて、折り
返して重ねられる構成をもつた内蓋片部が、把持
用開口の上縁部分の補強と、収納壜の姿勢安定に
利用され、また外蓋片部の差込片の差込み位置を
特定することでこれも収納壜の姿勢安定に貢献す
るという作用がある。

（実施例） 以下図面に示す実施例に基づき本考案を説明す
る。

第１図は本考案に係る壜収納箱を展開して示し
たもので、１，２，３，４は連設された壜収納箱
の側壁部、５，６，７はこれら各側壁部の境界に
設けられた折線、８，９，１０，１１は底部を構
成する慣用の折に合わせ用の突出片部、１２，１
３，１４，１５はこれら下側の突出片部８，９，
１０，１１と前記各側壁部１，２，３，４との境
界をなす折線である。また１６は、箱組立の際に
側壁部４と１とを連結するための連結部で、側壁
部４との境界に折線１７が設けられ、側壁部１に
糊付けされるものである。

１８，１９，２０，２１は折り合わせによつて
上側開口に開閉可能の蓋部を形成する突出片部で
あり、１９，２１は一対の外蓋片部、１８，２０
は他の一対の内蓋片部であり、２２，２３，２
４，２５はこれらの上側開口の突出片部１８，１
９，２０，２１と前記各側壁部１，２，３，４と
の境界をなす折線である。

２６，２７は、外蓋片部１９，２１の延出先端
に設けられた凸状の差込片であり、２８，２９は
この差込片２６，２７と外蓋片部１９，２１との
境界をなす折線である。

３０，３１は、内蓋片部１８，２０の延出先端
に設けられた凸状の貼着片であり、、３２，３３
はこの貼着片３０，３１と内蓋片部１８，２０と
の境界をなす折線である。また３４，３５はそれ
ぞれ折線２２と３２との中間、折線２４と３３の
中間に、それらに平行に設けられた折線であり、
この折線３４，３５によつて各内蓋片部１８，２
０は、それぞれ同形の矩形部分１８ａ，１８ｂ、
２０ａ，２０ｂに分けられている。つまり折線３
４，３５は、延出方向に関する図示された寸法
l₁，l₂が、l₁＝l₂の関係となる位置に設けられてい
る。

３６，３７は、差込片２６，２７を差込むため
に内蓋片部１８，２０に設けられた切込みであ
り、l₅＝l₇、l₆＝l₈となる位置に設けられている。
３８，３９は開口部を閉塞した際、箱内部に収納
している壜の頂部（例えばビール壜の王冠部分）
が嵌合するように内蓋片部１８，２０にそれぞれ
複数設けられた切欠きである。また前記差込片２
６，２７は箱内部に差込まれることで、この箱内
に収納されている壜の頂部側面に係合すること
で、該壜の揺れを制限できるように設けられてい
る。

４０，４１は側壁部１，３に設けられた把持用
（提手用）の開口であり、折線４２，４３で片部
４４，４５を内側上向きに折り曲げできるように
なつている。またこの把持用開口４０，４１は、
l₃＝l₄となる位置に設けられる。

次に本考案の壜収納箱の組立ておよび開閉口部
の閉塞手順について説明する。

まず、側壁の各折線５，６，７，１７によつて
各側壁部１，２，３，４を同一方向に折り曲げ、
連結部１６を介して側壁部４と１とを連結固定す
る。次に、各折線１２，１３，１４，１５によつ
て下側の突出片部８，９，１０，１１を内向きに
折り曲げ、常法によつて箱底部を閉塞する。

さらに、上側の内蓋片部１８，２０を折線３
４，３５で二つ折りにし、貼着片３０，３１を第
２図に示す如く側壁部１，３の内側に糊付けす
る。そして折線４２，４３によつて把持用開口部
分の片部４４，４５を側壁部１，３の内側に折り
込み前記貼着片３０，３１の上に糊付けする。こ
れにより把持用開口の上縁部分の強度が補強され
る。

以上で壜収納箱の組立は終了する。

以上のようにして組み立てられた壜収納箱に例
えばビール壜を収納する場合には、壜の収納後、
まず内蓋片部１８，２０を各折線２２，２４，３
２，３３も同様で折り曲げる。これによつて内蓋
片部に設けてある各切欠き３８，３９が壜の頂部
に嵌合され、係合した壜の揺れは制限される。

次に外蓋片部１９，２１を各折線２３，２５に
よつて折り曲げて、内蓋片部の上に重ね更に折線
２８，２９によつて差込片２６，２７を折り曲げ
て内蓋片部の切込３６，３７に差込む。これによ
つて上側開口の閉塞が終了する。

そしてこの際、本例では差込片２６，２７が箱
内部の壜の頂部側面に係合するので、係合した壜
の揺れが制限される。

（考案の効果） 本考案の壜収納箱は、二重構造の内蓋片部を利
用して、把持用開口の上縁部を該内蓋片部の先端
部分を糊付けすることで補強されているので、箱
の歪みが少なく、強度的にも強いという効果があ
る他、内蓋片部に設けた切欠に頂部が嵌合した壜
はこれにより揺れが制限され、またこれに加え
て、箱内部に差し込まれた外蓋片部の差込片が、
一部の壜の頂部側面に係合することで該壜の揺れ
を制限できるので、搬送作業時の騒音が軽減され
壜の破損の虞れも軽減される効果がある。また箱
の歪みが軽減されるので内蓋がきちんと閉じ、抜
けにくいという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る壜収納箱の一実施例を示
す箱の展開図、第２図は同壜収納箱の一部斜視図
である。 １，２，３，４……側壁部、５，６，７……折
線、８，９，１０，１１……突出片部、１２，１
３，１４，１５……折線、１６……連結部、１７
……折線、１８，１８ａ，１８ｂ，２０，２０
ａ，２０ｂ……内蓋片部、１９，２１……外蓋片
部、、２２，２３，２４，２５……折線、２６，
２７……差込片、２８，２９……折線、３０，３
１……貼着片、３２，３３，３４，３５……折
線、３６，３７……切込、３８，３９……切込、
４０，４１……把持用開口、４２，４３……折
線、４４，４５……片部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下側開口が閉塞された直方体型の胴部をもつ箱
   の上側開口を、その四辺縁から夫々延出した片部
   のうち対向する一対を内蓋片部とし他の一対を外
   蓋片部とすると共に、この外蓋片部夫々の延出先
   端に設けた差込片を前記一対の内蓋片部に設けた
   差込孔に渡つて差込むことで開閉可能の蓋構造に
   形成させた多数本用の壜収納箱において、 前記内蓋片部は、前記上側開口の辺に平行する
   ２本の折線を設けて、開口辺から延出する第１の
   矩形部と、これに折り返して重ねられる第２の矩
   形部と、延出先端の小さな第３の矩形部とを有す
   るように構成すると共に、この第３の矩形部は箱
   胴部に形成した把持用開口の上縁部分に貼着さ
   せ、前記折り返しにより第１の矩形部に重ねられ
   る第２の矩形部には、箱内に収納した壜の頂部が
   嵌合する複数の切欠を設け、更にこの内蓋片部に
   設けた前記差込孔の位置は、この差込孔を通し箱
   内に差込まれる外蓋片部の差込片が箱内の収納壜
   の頂部側面に接する位置としたことを特徴とする
   壜収納箱。