JPH0333583B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は容器に係り、更に詳述すれば容器内
を複数の隔板で仕切り、前記隔板により独立した
空間内に同種または異なる内容物を混合せしめ得
る複数の収容空間を有する容器に関するものであ
る。

［従来の技術］ インスタントコーヒ等のインスタント原料と湯
とを予じめ分散しておき、飲用時に前記二者を混
合するものとしては、従来から別個の容器にそれ
ぞれ原料と湯や水を入れて密閉した後、これら各
容器を合体し、飲用時１つの容器から原料を取出
した後、他の容器に入れて水や湯と混合するもの
であるため、取扱いが面倒で嵩張るという欠点が
ある。

また、塗料等における顔料やアルミニウム微粉
末等の塗装原料と溶剤液とを予じめ分離してお
き、使用時に前記二者を混合するものとして、溶
剤液の容器の蓋体に凹所を形成して、この凹所を
顔料等の容器と兼用し、さらにこの凹所に蓋を取
付けるものが提案されているが、このものは二重
蓋構造となるため製造コストが高くなり、使用時
取扱いが面倒で原料取出しに当り外部にこぼし易
い等の欠点がある。

［発明が解決しようとする問題点］ 前述した従来の容器は、二個の容器や二重蓋構
造の容器で構成されているため取扱いが面倒な
上、使用時に原料を外部にこぼし易く、構造が複
雑であるため材料費や加工費等も高くつくと云う
欠点がある。

［発明の目的］ この発明は上述した欠点を除去することを目的
とするものである。

［発明の概要］ この発明の容器は上記の目的を達成するため
に、一端が開口し他端が階段状に開口径を変化せ
しめた容器構成体の段面部に隔板を取付けること
で複数の独立した収容室を作り、該収容室内にそ
れぞれ内容物を収容し、容器構成体の前記一端側
周面に前記階段の段高に略等しい間隔で複数のガ
イド溝を形成し、このガイド溝に係合する突起を
有する蓋体に切刃を取付け、この切刃が前記隔板
に届かない位置で前記蓋体と容器構成体とをシー
ル材で封止したものである。

［発明の実施例］ この発明の容器は、第１図、第２図および第３
図に示すように構成されている。すなわち、一端
が開口し他端が階段状に開口径が一段毎に大きく
なるように変化せしめた、筒状の容器構成体１を
用意する。この容器構成体１の前記他端側に形成
した階段状部２の段面部３ａ〜３ｄにアルミ箔あ
るいは合成樹脂フイルムの如き非通気性非滲水性
部材で作られた隔板４ａ〜４ｃを食品衛生上支障
のない接着剤を用いて取付けるか熱圧着して取付
け、底板５と隔板４ａとの間あるいは隔板と隔板
との間に形成された独立した収容室（空間）６ａ
〜６ｃ内に、収容室の一方を塞ぐ隔板の取付け前
に異なる収容物、すなわち粉末ミルク７ａ、砂糖
７ｂ、インスタントコーヒ７ｃを酸化防止用の窒
素ガスと共に入れて隔板４ａ〜４ｃで封止する。
容器構成体１の一端側周面には前記階段の段高に
略等しい間隔で複数のガイド溝８を形成し、この
ガイド溝に乎合するよう90゜づつ位置が異なる点
に突起９ａ〜９ｄを形成した蓋体１０を設け、こ
の蓋体１０の天板１１には先端を三角形状に加工
すると共に、この各辺に片刃１２を形成した切刃
１３が取付けられている。また、前記切刃１３は
蓋体１０を容器構成体１に嵌着し、一定量押し下
げるまでは刃先１２ａが隔板４ｃに達しない長さ
になつている。

この容器Ａは、最後に隔板４ｃから上端までの
収容室６ｄには内容物である水または湯等の液体
７ｄが入れられて蓋体１０が前記一定量まで嵌着
され、第４図ａに示すように液洩れおよび蓋体の
回動や押し下げ防止用のシール材１４が貼付けら
れている。

［発明の作用］ この発明の容器Ａは以上の如く構成されてお
り、容器自体を熱蔵庫に入れて加熱し、収容室６
ｄ内の内容物である水または湯７ｄを70〜90℃に
加熱あるいは保熱して販売する。

購入者は、第４図ａ〜ｄ、第５図ａ〜ｃに示す
ように、シール材１４を取除き、蓋体１０をその
突起９ａ〜９ｄとガイド溝８との係合弾力に抗し
て１段分だけ押し下げることにより、切刃１３の
切先が隔板４ｃを第４図ｂの鎖線で示すように突
破り、次いで蓋体１０を回転させると第４図ｂ，
ｃ，ｄの順序で切刃１２で隔板４ｃを円弧状に切
断し、最初に収容室６ｄの湯７ｄと収容室６ｃ内
の内容物であるインスタントコーヒ７ｃとが一緒
になつて溶解しコーヒ溶液ができ、ブラツクが好
みの人はこの時点で、蓋体１０を取外すか第１図
に示すプルトツプ式の引き輪P₁を引き半切断部
P₂より舌片Ｐを取外して蓋体１０に飲口を開け
ればブラツクコーヒが飲める。

また、蓋体１０を二段分押し下げて右方に回動
せしめると、第６図ａ，ｂに示すように隔体４
ｂ，４ｃが同時に切断されて収容室６ｂ内の内容
物である砂糖７ｂとコーヒ溶液とが一緒になつて
甘いコーヒが出来る。ミルク入りのきらいな人は
この状態までとして蓋体１０を引き外して開けれ
ば甘味のあるコーヒが飲める。

更に、蓋体１０をガイド溝８の三段分押し下げ
た後、右方に回動せしめると、第６図ｃ，ｄに示
すように切刃１３の刃先が隔板４ａまで達し、隔
板４ａ〜４ｃ全部を同時に切断することができ、
粉ミルクと砂糖入りのコーヒとなり、蓋体１０を
取り除けばサトウ入りミルクコーヒが飲める。

尚、実施例ではインスタントコーヒと粉ミルク
等を入れた飲料について述べたが、複数の顔料と
その溶剤とし、青色の顔料の次に黄色の顔料が出
るようにすれば青色の塗料として使うことと緑色
の塗料としても使用でき、隔板の切断個数で色が
異なる塗料として使用できる。

また、第７図に示すように一段毎に開口径を小
さくしてもよい。

［発明の効果］ 以上述べたようにこの発明の容器は一端が開口
し他端が階段状に開口径を変化せしめた容器構成
体の段面部に隔板を取付けることで複数の独立し
た収容室を作り、該収容室内にそれぞれ内容物を
収容し、容器構成体の前記一端側周面に前記階段
の段高に略等しい間隔で複数のガイド溝を形成
し、このガイド溝に係合する突起を有する蓋体に
切刃を取付け、この切刃が前記隔板に届かない位
置で前記蓋体と容器構成体とをシール材で封止し
たので、２つ以上の内容物を内容順に選択して混
合させることができ、塗料容器として使用する場
合には主顔料に２つ以上の副顔料の塗料を混合で
きるため、色の濃淡色の変化をコーヒ等の飲料容
器として使用する場合には、ブラツク、砂糖入
り、砂糖とミルク入りと個人の好みに合せて自ら
それぞれ加工できる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図はいずれもこの発明の一実施例を示すもの
で、第１図は容器の斜視図、第２図は蓋体の一部
を裁除した斜視図、第３図は容器構成体の一部を
裁除した斜視図、第４図ａ〜ｄ、第５図ａ〜ｃお
よび第６図ａ〜ｄはいずれも隔板切断状態の経過
を示す断面図と斜視図、第７図は変形例の断面図
である。 １……容器構成体、３ａ〜３ｄ……段面部、４
ａ〜４ｃ……隔板、６ａ〜６ｄ……収容室、８…
…ガイド溝、９ａ〜９ｄ……突起、１０……蓋
体、１３……切刃、１４……シール材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一端が開口し他端が階段状に開口径を変化せ
   しめた容器構成体の段面部に隔板を取付けること
   で複数の独立した収容室を作り、該収容室内にそ
   れぞれ内容物を収容し、容器構成体の前記一端側
   周面に前記階段の段高に略等しい間隔で複数のガ
   イド溝を形成し、このガイド溝に係合する突起を
   有する蓋体に切刃を取付け、この切刃が前記隔板
   に届かない位置で前記蓋体と容器構成体とをシー
   ル材で封止したことを特徴とする容器。