JPH0332684B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は主として比較的低圧のフアンを利用し
て強制燃焼を行う家庭用燃焼機に係り、大きな燃
焼量を小さな燃焼室で燃焼可能とした高負荷燃焼
装置に関する。

従来例の構成とその問題点 従来の高負荷燃焼装置の代表的な例を第１図に
示す。１はフアン、２はノズル、３は燃料供給
管、４は混合管５と炎口部６を有するバーナ、７
はノズル２と混合管を内包する制御板、８はバー
ナ４間に設けられた整流板、９は燃焼室である。
上記構成においてフアン１より供給される燃焼用
空気は一部が制御板７を通つて一次空気として流
入し、燃料供給管３を通つて供給されノズル２か
ら噴出される燃料とともに各バーナ４の混合管５
に供給され混合気となつて炎口部６から燃焼室９
内へ噴出され火炎Ａを形成する。残りの大部分の
燃焼用空気は二次空気となつて整流板８で整流さ
れた後各バーナ４の炎口部６の両側から燃焼室９
内に平行空気流として供給され火炎Ａの干渉を防
止し燃焼反応を促進する。

この様な構成を有する従来の高負荷燃焼装置で
は以下の如き問題点があつた。

混合気を数多くのバーナで分割して燃焼室に供給
するため各バーナ間で混合気噴出量の分布が発生
し易い。整流板を通る二次空気はバーナ本数が多
いため供給量に分布が生じ易く火炎干渉を発生し
易い。これらにより火炎長の分布が生じ易く、通
常これを防止するため空気過剰率は大きく設定さ
れるがその分騒音も高くなり、給湯機へ応用した
場合には熱効率が低くなるという欠点を有してい
た。また二次空気は火炎に対し下流方向に平行に
供給されるため火炎は下流方向に伸長し易く、こ
のままの構成でさらに燃焼量を増加させることは
不可能であつた。

発明の目的 本発明はかかる従来の問題を解消するもので、
二次空気を均一かつ効果的に火炎に供給すること
により小さい空気過剰率でも火炎長を小さくし、
さらにバーナ１本当りの燃焼量を増加してバーナ
本数を減らし燃焼機の薄型化を可能となるように
したものである。

発明の構成 上記目的を達成するために本発明は、複数の炎
口より成る炎口群を炎口部長方向に互いに分離し
て多数設けたバーナと、バーナの各々に混合管を
設けかつバーナを複数本並べるとともに、バーナ
間には燃焼室側に突出して山形状に折り曲げられ
炎口部の長手方向に沿つて挿入された空気噴射板
と、各炎口群より燃焼室に噴出される混合気に向
かい混合気を囲うように空気を導く手段を、炎口
群に対応して炎口群間を上流側としたジグザグ状
に空気噴射板上に設けたものである。

この様な構成により混合気は炎口部の両側部に
設けられた各炎口群から小混気塊となつて分割さ
れ燃焼室に噴出される。二次空気は前記小混合塊
を囲うように供給され、かつ各炎口群に対応して
ジグザグ状に配列された空気を導く手段により空
気によつても分割される。従つて火炎は各炎口群
毎に確実に分割されそれだけ空気との接触面即ち
燃焼反応面積が多くなる。

実施例の説明 以下本発明の実施例を給湯機に応用した場合に
ついて第２図〜第５図を用いて説明する。尚第１
１図と同一部材に同一番号を符す。

第２図、第３図においてフアン１が空気室１０
の一部に接続されている。空気室１０内には多孔
性の整流板１１が設けられている。複数本並べら
れたバーナ４の上流側には多数の通気口を有する
制御板７が設けられ、その内部にはノズル２が接
続された燃料供給管３とバーナ４の混合管５がノ
ズル２に対向して設けられている。バーナ４の炎
口部６はスリツト状の炎口１２を複数個設けて成
る炎口群１３が炎口部６長手方向の両側部１４に
互いに分離して多数設けられている。バーナ４間
には燃焼室９側へ突出して山形状に折り曲げられ
炎口部６長手方向に沿つて空気噴射板１５が挿入
されている。空気噴射板１５上には炎口群１３に
対応して炎口群１３間を上流側としてジグザグ状
に配列された多数の空気口１６が設けられてい
る。さらにバーナ４方向に突出した小突起１７が
多数空気噴射板１５の上流側に設けられバーナ４
との間に小間隙１８を構成する。燃焼室９の下流
側には熱交換器１９、排気フード２０が順次設け
られている。

次に上記構成による作用を第２図〜第４図を用
いて説明する。フアン１より供給された燃焼用空
気は空気室１０を通り燃焼室９の壁を冷却しなが
ら整流板１１で整流された後一部は一次空気とし
て制御板７の通気口を通つて混合管５に至る。残
りの大部分の燃焼用空気は二次空気となつてバー
ナ４間を流れ空気噴射板１５に至る。一方燃料は
燃料供給管３を通りノズル２から混合管５に向け
て噴射され一次空気と混合し混合気となつて炎口
部６に至る。炎口部６では炎口１２から噴出され
る混合気は両側部１４に設けられた各炎口群１３
ごとに分割された小混合気塊となつて炎口部６の
両側部１４方向に広がつて燃焼室９内に噴出され
る。空気噴射板１５に至つた多量の二次空気は、
一部が小間隙１８を通る間に減圧され低速の平行
空気となつて炎口１２に至り火炎基部の保炎を行
う。大部分の二次空気は空気口１６より上記の小
混合気塊に向けて供給される。ここで空気口１６
は炎口部１３に対応して炎口群１３間を上流側と
したジグザグ状に設けられているため、空気口１
６から噴出した二次空気は炎口群１３から噴出し
た各小混合気塊を囲うように供給されることにな
る。従つて各炎口群１３上に形成される火炎Ｂは
炎口部６の短辺方向には空気噴射板１５に沿つて
横方向に広がり、炎口部６長手方向には各炎口群
１３毎に確実に分割されるため火炎干渉を発生せ
ず二次空気との接触面積、即ち燃焼反応面積が飛
躍的に拡大される。これによりバーナ１本当りの
燃焼量を増加しても火炎長は大きくならず、高負
荷燃焼が達成される。燃焼を完了した高温ガスは
熱交換器１９で熱を奪われ排気ガスとなつて排気
フード２０に至り外気に放出される。

次に本発明の他の実施例を第５図により説明す
る。第５図において第３図における空気口１６
を、切り起こし加工によつて設けられた空気ガイ
ド２１を三角形状の空気口１６′の周囲に炎口群
１３に対応してジグザグ状に設けたものである。
この実施例によれば空気口１６′の開口面積が大
きくなり二次空気の噴出速度が小さくなるが、空
気ガイド２１によつて効果的に火炎に二次空気が
供給でき、そのためフアンの送風圧が低くなりそ
の分騒音も低くなるという効果が得られる。

発明の効果 以上の説明から明らかなように本発明の高負荷
燃焼装置は以下の効果が得られる。

(1) 炎口は炎口部に複数個集まつた炎口群として
設けられているため混合気は各炎口群ごとに小
混合気塊に分割され噴出される。この小混気塊
ごとに形成される火炎は、小混合気塊を囲うよ
うにジグザグ状に設けられた空気を導く手段に
より互いに完全に分割され火炎干渉を起こさ
ず、かつ空気との接触面積が飛躍的に拡大され
る。従つて燃焼量を増加しても火炎長は小さく
なり高負荷燃焼が達成される。

(2) バーナ１本当りの燃焼量を増加させることが
できるため、バーナ本数を減らし装置の薄型化
が図れる。

(3) 空気噴射板によつて均圧されるために二次空
気を各バーナに均一に供給できるため空気過剰
率を低く設定でき熱効率が向上する。

(4) 既存のバーナの炎口部分を炎口群に分割する
という簡単な加工工程の変更で対応できるため
コストを低減できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高負荷燃焼装置を示す全体断面
図、第２図は本発明の高負荷燃焼装置の一実施例
を示す全体断面図、第３図は第２図の要部を示す
部分断面斜視図、第４図は混合気の流れと二次空
気の流れと形成される火炎形態を示すバーナと空
気噴射板の部分断面を含んだ説明図、第５図は本
発明の他の実施例の要部を示す部分断面斜視図で
ある。 ２……バーナ、５……混合管、６……炎口部、
９……燃焼室、１２……炎口、１３……炎口群、
１４……両側部、１５……空気噴射板、１６，１
６′……空気口、１７……小突起、１８……小間
隙、２１……ガイド板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数の炎口より成る炎口群を炎口部長手方向
   に互いに分離して多数設けたバーナと、前記バー
   ナの各々に設けた混合管とを有し、前記バーナを
   複数本並設するとともに、前記バーナ間に燃焼室
   側に突出して山形状に折り曲げられた空気噴出板
   を前記炎口部の長手方向に沿つて挿入し、かつ、
   この空気噴出板上に、前記各炎口群より燃焼室に
   噴出される混合気に向かい前記混合気を囲うよう
   に空気を導く手段を、前記炎口群に対応して前記
   炎口群間を上流側としたジグザグ状に設けた高負
   荷燃焼装置。