JPH0332559Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、製紙工業の抄紙／塗工工程の制御に
使用される抄紙機制御装置に係り、特にプロセス
の運転状態を表示するプロフイールデータの表示
の改良に関する。

（従来の技術） 本出願人は、抄紙機制御装置を製造しており、
例えば横河技報Vol.29p.195（1985）に詳細な技術
的事項を開示している。

この抄紙機制御装置では、本出願人がＢ／Ｍセ
ンサと呼んでいる検出端によつて測定された紙の
坪量、水分率、灰分率等のデータに関する空間的
広がり、例えば紙幅方向とか紙の流れ方向につい
ての特性を表示するプロフイールデータ画面があ
る。

そしてプロフイールデータについては、過去の
データであつてロツクされたものと、現在のデー
タとを比較表示している。そして制御性や手動操
作の確認を容易にしている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし抄紙機制御装置では、紙幅方向について
は実際には360点測定しているが、表示上隣接す
る測定点６点について平均をとつて60点に圧縮し
ている。一方で、プロセスの調節作業、例えばス
ライス調節をする場合にはもつと細かな測定点の
値をみてより微妙な調整をしたいという要求が、
顧客よりあつた。例えば紙端部は紙の中央部に比
較して厚さを薄くし、リールでの巻き取りを容易
にする必要があるし、また坪量が突変したような
ところでは局部的にスライスを操作して平坦にす
る必要がある。

本考案はこのような問題点を解決したもので、
任意の測定区間でプロフイールロツクデータを拡
大して観察することができ、スライス操作などの
プロセスの制御が容易にできる抄紙機制御装置を
提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） このような目的を達成する本考案は、抄紙／塗
工プロセスの状態を表示すると共にプロセスへ目
標値を指示するオペレータズ・ステーシヨンと、
このプロセスの状態を検出するＢ／Ｍセンサと、
このオペレータズ・ステーシヨンの指示する目標
値とＢ／Ｍセンサの検出値に基づいて抄紙機／塗
工機を制御するフイールドコントロール・ステー
シヨンとを備えた抄紙機制御装置において、次の
構成としたものである。

すなわち、フイールドコントロール・ステーシ
ヨンには、前記Ｂ／Ｍセンサの検出するプロフイ
ールデータを一時蓄えるデータバツフアを設けて
いる。

また、オペレータズ・ステーシヨンには、プロ
フイールデータ・データバツフアから所定の周期
で送信される前記Ｂ／Ｍセンサ測定値の各測定点
の生データを記憶する詳細データと、この詳細デ
ータに関して所定の平滑化処理を施して圧縮され
た加工データを記憶するデータ記憶部、このデー
タ記憶部に記憶された詳細データ若しくは加工デ
ータのうち、現在の表示データと併置して表示さ
れるデータを指定するロツク指示部、このデータ
記憶部に記憶される詳細データ若しくは加工デー
タのいずれを表示するか指示すると共に、詳細デ
ータを指定したときは画面に表示する範囲も指定
するズーム指示部、当該ロツク指示部で指定され
た画面に付いて当該ズーム指示部で指定されたデ
ータを指定された範囲で表示するロツクデータ表
示部、このロツクデータ表示部で表示された画面
と重ねてデータ記憶部の記憶する現在の詳細デー
タ若しくは加工データを表示する現状表示部を備
えている。

そして、Ｂ／Ｍセンサから送信されたプロフイ
ールデータを現状表示部で表示するに当り、測定
値全体を表示するときは詳細データを選択し、紙
端若しくは突変等の特定領域を拡大して表示する
ときは加工データを前記ズーム指示部で選択する
ことを特徴としている。

（作用） 本考案の各構成要素はつぎの作用をする。ロツ
ク指示部は制御の標準となるプロフイールデータ
を指定する。ズーム指示部は詳細データか加工デ
ータかの指示をすると共に、加工データの場合は
全部のデータを表示するが詳細データの場合は指
定された領域のデータを表示する。ロツクデータ
表示部と現状表示部は同一画面上でプロフイール
データの基準値の値と現在値とを比較表示をす
る。

（実施例） 以下図面を用いて、本考案を説明する。

第１図は、本考案の一実施例を示す構成ブロツ
ク図である。図において、１０は抄紙／塗工プロ
セス、２０は抄紙／塗工プロセス１０の紙質を検
査するＢ／Ｍセンサで、紙幅方向に所定の周期で
走査している。３０はＢ／Ｍセンサ２０の検出値
に基づいて抄紙／塗工プロセス１０を制御するフ
イールドコントロール・ステーシヨン、４０はフ
イールドコントロール・ステーシヨン３０に目標
値を送信したり運転状態を監視したりするオペレ
ータズ・ステーシヨンで、操作者とのマンマシ
ン・インタフエースをしている。

次に各ブロツクの詳細を説明する。３１はＢ／
Ｍセンサ２０の検出するプロフイールデータを一
時蓄えるプロフイールデータ・データバツフア、
３２は抄紙／塗工プロセス１０を制御するプロセ
ス制御部である。

４１はプロフイールデータ・データバツフア３
１から所定の周期で送信されるデータを記憶する
データ記憶部で、Ｂ／Ｍセンサ測定値の各測定点
の生データを記憶する詳細データと、この詳細デ
ータに関して所定の平滑化処理を施して圧縮され
た加工データを同時に記憶している。４２はデー
タ記憶部４１の記憶するプロフイールデータのう
ち制御状態の比較のために有用であるデータを指
定するロツク指示部で、データ記憶部４１に記憶
された詳細データ若しくは加工データのうち、現
在の表示データと併置して表示されるデータを通
常操作者が指定している。４３はデータ記憶部４
１に記憶している詳細データ若しくは加工データ
のいずれを表示するか指示すると共に、詳細デー
タを指定したときは画面に表示する範囲も指定す
るズーム指示部である。例えば加工データでは全
測定点360点について隣接する６点について平均
をとつた60点の表示により紙幅方向の全体特性が
表示され、詳細データでは全測定点360点のうち
任意の連続する60点を指定し、特定の紙幅の位置
に付いて表示をする。４４はロツク指示部４２で
指定されたデータについてズーム指示部４３で指
定された態様でプロフイールデータを表示するロ
ツクデータ表示部である。４５はロツクデータ表
示部４４で表示されたデータと重ね合わせてデー
タ記憶部４１の記憶する現在の詳細データ若しく
は加工データを表示する。４６は操作者から指定
された目標値をフイールドコントロール・ステー
シヨン３０に送信する目標指示部である。

このように構成された装置の動作を次に説明す
る。第２図はデータの流れの説明図である。現在
のプロフイールデータはデータ記憶部４１に記憶
されている。この内容は連続する６点について平
均された60点のプロフイールデータ（加工デー
タ）と、この平均値AV、標準偏差の２倍2σ、範
囲（最大値−最小値）Ｒおよび測定された生のプ
ロフイールデータ（詳細データ）360点よりなる。

ロツク指示部４２のロツクすべきプロフイール
データの種類が指定されると、この現在プロフイ
ールデータはロツクフアイルに移される。そし
て、ズーム指示部４３は表示データとして６点平
均された60点加工データか、360点詳細データの
うち選択された連続の60点詳細データかを指定
し、ロツクデータ表示部４４および現状表示部４
５によつて、両者を比較した画面が作製される。

第３図は抄紙機制御装置全体の説明図である。
抄紙／塗工プロセス１０は紙を矢印Ａ方向にすい
ていく。紙幅方向にはフレームとよばれる案内が
あり、Ｂ／Ｍセンサ２０は矢印Ｂ方向に直線往復
運動をしている。なお、センサが紙と対向してい
る部位をヘツドとよんでいる。このＢ／Ｍセンサ
２０が収集したデータはDSIとよばれるデータ転
送装置を介してフイールドコントロール・ステー
シヨン３０に送信される。このデータはオペレー
タズ・ステーシヨン４０に転送される。

通常オペレータズ・ステーシヨン４０は加工デ
ータのみを表示しているが、ロツク指示部４２よ
りデータロツクの要求があるとその時点の加工デ
ータをロツクフアイルに保存する。ズーム指示部
４３より要求があると、例えば紙端部や突変周辺
部などの特定領域の詳細データ表示をして、操作
者のオペレータズ・ステーシヨン４０への詳細な
目標指示に役立てる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、任意の紙
幅方向に付いて現在と過去のプロフイールデータ
を比較できるので、抄紙／塗工プロセス１０の微
妙な手動調節や制御性の確認が容易にできる。

また、ズーム指示部４３により、加工データと
詳細データを切り替えて表示できるので、紙端部
や紙の特性が急変している突変周辺部を詳細デー
タにより詳しく観察しながら制御でき、プロセス
の微妙な調節が可能となり制御性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す構成ブロツ
ク図、第２図はデータの流れの説明図、第３図は
抄紙機制御装置全体の説明図である。 １０……抄紙／塗工プロセス、２０……Ｂ／Ｍ
センサ、３０……フイールドコントロール・ステ
ーシヨン、４０……オペレータズ・ステーシヨ
ン、３１……プロフイールデータ・データバツフ
ア、４１……データ記憶部、４２……ロツク指示
部、４３……ズーム指示部、４４……ロツクデー
タ表示部、４５……現状表示部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 抄紙／塗工プロセスの状態を表示すると共にプ
   ロセスへ目標値を指示するオペレータズ・ステー
   シヨンと、このプロセスの状態を検出するＢ／Ｍ
   センサと、このオペレータズ・ステーシヨンの指
   示する目標値とＢ／Ｍセンサの検出値に基づいて
   抄紙機／塗工機を制御するフイールドコントロー
   ル・ステーシヨンとを備えた抄紙機制御装置にお
   いて、 前記Ｂ／Ｍセンサの検出するプロフイールデー
   タを一時蓄えるデータバツフアをフイールドコン
   トロール・ステーシヨンに設け、 前記プロフイールデータ・データバツフアから
   所定の周期で送信される前記Ｂ／Ｍセンサ測定値
   の各測定点の生データを記憶する詳細データと、
   この詳細データに関して所定の平滑化処理を施し
   て圧縮された加工データを記憶するデータ記憶
   部、 このデータ記憶部に記憶された詳細データ若し
   くは加工データのうち、現在の表示データと併置
   して表示されるデータを指定するロツク指示部、 このデータ記憶部に記憶される詳細データ若し
   くは加工データのいずれを表示するか指示すると
   共に、詳細データを指定したときは画面に表示す
   る範囲も指定するズーム指示部、 当該ロツク指示部で指定された画面に付いて当
   該ズーム指示部で指定されたデータを指定された
   範囲で表示するロツクデータ表示部、 このロツクデータ表示部で表示された画面と重
   ねてデータ記憶部の記憶する現在の詳細データ若
   しくは加工データを表示する現状表示部、 をオペレータズ・ステーシヨンに備え、 Ｂ／Ｍセンサから送信されたプロフイールデー
   タを現状表示部で表示するに当り、測定値全体を
   表示するときは詳細データを選択し、紙端若しく
   は突変等の特定領域を拡大して表示するときは加
   工データを前記ズーム指示部で選択することを特
   徴とする抄紙機制御装置。