JPH0331887Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は粉粒体及び粉粒体を含有する流体用と
して用いられる弁に関するものである。

従来の技術 粉粒体用として用いられるバルブにおいて、流
路壁面及び弁体との間また弁箱と弁体との間に付
着または堆積した粉粒体が弁体の開閉作動時に弁
体と弁座間にかみ込まれ弁座を損傷する結果とな
る。

このような難点を解消する手段として、弁座と
隣接して主流路側の弁箱壁面に複数段のヒレと流
体噴出口を設け、ヒレとボール弁表面とを摺接す
るようにし、主流路からボール弁外周と弁箱内壁
との隙間へかみ込まれようとする粉粒体を、ボー
ル弁と摺接するヒレによつて進行を阻止し、ヒレ
の間に落下した粉粒体を噴流で主流路へ移送する
ものがある。

考案が解決しようとする問題点 上記のような従来品はヒレが弁体に接触してい
るため、弁体より軟らかい材料で形成する必要が
あり、粉粒体が硬い場合はヒレを破損することが
あつた。

問題点を解決するための手段 本考案による粉粒体用ボール弁は、弁箱の弁座
装着部及び主流路の弁体装着部近傍にそれぞれ任
意の数の貫通孔を設け、リング状弁座は前記弁箱
の貫通孔と連通する任意の数の小孔及び弁座の弁
体と対向する面に設けた前記小孔と連通する切欠
溝を有し、リング状弁座は弁体外周との対向面の
うち少なくとも主流路側周縁を密接し且つ、この
密接部より主流路から遠ざかる弁体との対向面に
透き間を介して嵌合し、主流路の弁体装着部近傍
に弁箱内壁との間に透き間を介して内輪を設け、
この内輪は弁体側リング状端部と弁体との間に前
記主流路側貫通孔と連通する間隙を介して装着し
て構成したもので、弁箱に設けた貫通孔と弁座の
小孔及び切欠溝が連通することにより、弁体装着
側に流体噴出路を形成し、かつ弁箱の主流路側貫
通孔と、内輪外周と主流路内壁間の透き間とを連
通することにより主流路側にも流体噴出路を構成
している。

作 用 本考案は弁体の開閉状態を切替える場合に切替
直前または切替え途中において、粉粒体を圧力流
体によつて弁体外周と弁座とが摺接しない方向へ
飛ばすものである。即ち内輪端部と弁体とは間隙
を隔てているので、粉粒体が弁体と接触する以前
に主流路側へ飛ばされる。また、粉粒体の一部は
開閉の途中で浮遊して弁座と弁体との間を通過す
るが、弁体装着側の流体噴出路から供給された圧
力流体で弁箱と弁体外周との透き間に飛ばされ、
弁体と弁座との摺接部には流入しない。

なお、圧力流体は弁の切替に関係なく常に供給
しつづけてもよく、或いは弁体の切替直前に供給
し切替動作完了後停止してもよい。

実施例 本考案の一実施例を示した第１図に従つて説明
する。１は弁箱、２は弁体、３は弁箱１と弁体２
とをシールする弁座で、弁体外周と対向する面の
弁箱主流路４側周面のみシール部５を形成してい
る。６は弁箱１の弁座装着部に複数個設けた圧力
流体供給用の貫通孔、７は主流路４の弁体装着部
近傍に複数個形成した圧力流体供給用の貫通孔、
８は弁座３に設けた１個または複数個の小孔で、
弁箱１の貫通孔６と連通する。９は弁座３の弁体
２との対向面側に設けたリング状切欠溝である。
貫通孔６と１個または複数個の小孔８及び切欠溝
９によつて圧力流体噴出路を形成している。１０
は主流路４の弁体装着部近傍に装着した内輪で、
内輪外周と弁箱内壁との間に透き間を介し且つ内
輪のリング状端部と弁体２とは間隙を介して対向
している。弁箱１の貫通孔７、内輪１０外周と弁
箱内壁との透き間及び内輪端部と弁体２との間隙
により圧力流体噴出路を形成している。図面中１
１は粉粒体を示し、１２は貫通孔６と小孔８との
間の空間部で、この空間部により貫通孔６から流
入した圧力流体を小孔８へ均等に導入することが
できる。２０は流体シール用ガスケツトで、貫通
孔６から流入する流体と貫通孔７から流入する流
体とが混合しないように設けられている。

上記のように構成されたバルブは主流路４を流
れている粉粒体の流れを、例えば弁体２で閉状態
とする場合、弁体２を閉状態とする直前に圧力流
体を貫通孔６，７から供給し、弁体２を回転する
と弁体２の切替途中において弁体と内輪１０との
間隙から圧力流体が噴出し、流れ込もうとする粉
粒体１１の大多数を内輪１０に接触する前に主流
路４側へ吹き飛ばし、弁箱１と弁体２の外周との
透き間に溜つた粉粒体１１は切欠溝９から噴出さ
れた圧力流体により弁箱１と弁体２の外周との透
き間に飛ばされる。

第２図は他実施例を示したものである。

弁箱１が弁座装着部に並列して２個の貫通孔１
３，１４を有し、弁座１５が前記貫通孔１３，１
４と連通する小孔１６，１７及び小孔１６，１７
とそれぞれ連通する切欠溝１８，１９とを有する
ものである。弁座１５は弁体２と対向する面の主
流路側の面と切欠溝１８，１９間とがシールされ
ている。小孔１７からの圧力流体で飛ばされた粉
粒体は弁体装着部の弁箱内壁と弁体外周との間隙
へ流れるが、小孔１６からの圧力流体は弁体切替
え動作時に切欠溝へ粉粒体がとどまらないように
噴出するものである。なお、弁体の内径と内輪の
内径は等しくても、弁体の内径が大きくても良
い。

また、内輪と弁座内壁との透き間、弁座と弁体
との透き間は粉粒体の性質、大きさ等に応じて自
由に設計することができる。一般的には透き間の
小さい方が効果的である。

上記実施例に示したバルブは、いずれも弁体と
内輪とが接触しないので弁体の硬度に関係なく任
意の材料で内輪を形成でき、粉粒体のほとんどが
内輪と接触する前に主流路側へ吹き飛ばされる。
また弁箱と弁体の外周との透き間に溜つた粉粒体
は再び圧力流体で飛ばされる。したがつて、粉粒
体が直接弁座に付着して回転することが少なく弁
座を損傷するおそれが非常に少ない。

考案の効果 本考案は上記のような構成及び作用を有するの
で、内輪や弁座、弁体外周に粉粒体が付着したま
ま作動することが無く、ほとんどの粉粒体が噴出
される圧力流体により、部品と接触する前に主流
路側へ吹き飛ばされるので、部品を損傷するおそ
れが少なく、部品の材料選択も他の部品の硬度に
よつて制限されることが無く自由に選択できる。
更に、バルブを垂直配管した流路の上流及び下流
に設けた場合、特に大きな実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による粉粒体用弁の一実施例を
示した要部断面図、第２図は他実施例を示した要
部断面図である。 １……弁箱、２……弁体、３……弁座、４……
主流路、６，７……貫通孔、８……小孔、９……
切欠溝、１０……内輪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 弁箱の弁座装着部及び主流路の弁体装着部近
   傍にそれぞれ任意の数の貫通孔を設け、リング
   状弁座は前記弁箱の貫通孔と連通する任意の数
   の小孔及び弁座の弁体と対向する面に設けた前
   記小孔と連通する切欠溝を有し、リング状弁座
   は弁体外周との対向面のうち少なくとも主流路
   側周縁を密接し且つ、主流路から遠ざかる弁体
   との対向面に透き間を介して嵌合し、主流路の
   弁体装着部近傍に弁箱内壁との間に透き間を介
   して内輪を設け、この内輪は弁体側リング状端
   部と弁体との間に前記主流路側貫通孔と連通す
   る間隙を介して装着したことを特徴とする粉粒
   体用弁。 (2) 弁箱の弁座装着部の貫通孔と連通する弁座の
   任意の数の小孔及び切欠溝をそれぞれ２列に設
   け、弁座の弁体と対向する面のうち主流路側と
   は反対側の面のみ透き間を介し他の対向面を弁
   体と密接して弁座を嵌合装着した実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の粉粒体用弁。