JPH0330460Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はシールド掘進機の薬液注入装置に関す
る。

従来の技術 シールド掘進機には、切羽地山の崩壊を防止す
るために、地山に薬液を注入する薬液注入装置が
装備されている。従来、この薬液注入装置は、第
３図及び第４図に示すように、シールド本体１に
直接支持固定された支持台２と、この支持台２上
に前後方向の第１支持軸３を介して左右方向に揺
動自在に支持された第１揺動台４と、この第１揺
動台４上に左右方向の第２支持軸５を介して前後
方向で揺動自在に支持された第２揺動台６と、こ
の第２揺動台６上に前後方向でスライド自在に支
持された揺動台７と、この揺動台７上に略上下方
向の旋回軸８を介して旋回自在に支持された薬液
注入機９、第１及び第２揺動台４，６を揺動させ
る第１及び第２シリンダー装置１０，１１と、揺
動台７を摺動させる第３シリンダー装置１２と、
薬液注入機９を旋回させる第４シリンダー装置１
３とから構成されている。この構成において、薬
液を注入する場合、各シリンダー装置を適当に作
動させてシールド本体１に設けられた所定の薬液
注入口１４に薬液注入機９を対応させた後、薬液
を注入ノズルより地山に注入する。なお、上記薬
液注入機９は、左右に２台設けられており、一方
は左側を受け持ち、また他方は右側を受け持つよ
うにされている。

考案が解決しようとする問題点 ところで、シールド本体には薬液注入口が多数
設けられているが、各注入口が受け持つ範囲もあ
る程度の広がりがある。従つて、注入ノズルを所
定の注入口にただ差込むだけではなく、薬液の注
入ポイントがいくつかあるため、注入ノズルの方
向を正確に決定する必要がある。しかし、従来の
構成によると、第１揺動台及び第２揺動台はそれ
ぞれ支持軸を介して支持されているため、どうし
てもがたつきが生じ、注入ノズルの方向を正確に
決定し得ないという問題がある。また、第１支持
軸の中心がシールド本体の中心に来るため、排土
装置との取合が困難になるという問題がある。

そこで、本考案は上記問題を解消し得るシール
ド掘進機の薬液注入装置を提供することを目的と
する。

問題を解決するための手段 上記問題を解消するため、本考案のシールド掘
進機の薬液注入装置は、シールド本体内周面に沿
つて回転自在に設けられたエレクターリングに、
支持台を取付け、該支持台に、シールド本体横断
面における半径に略沿う軸心回りで旋回自在な旋
回台を取付け、該旋回台に、上記旋回軸心直交す
る方向の支持軸を介して薬液注入機の取付台を支
持し、且つ上記旋回台を旋回させる旋回装置及び
取付台を支持軸回りで揺動させる揺動装置を設け
たものである。

作 用 上記構成において、薬液を注入する場合、まず
エレクターリングを回転させて、薬液注入機を所
定の注入口に対応させる。次に、旋回装置により
旋回台を旋回させた後、揺動装置により取付台を
揺動させて薬液注入機の注入ノズルを所定の注入
ポイントに向け、そして注入ノズルをシールド本
体の注入口から地山に挿入して薬液を注入する。

実施例 以下、本考案の一実施例をを第１図及び第２図
に基づき説明する。２１はシールド本体２２の内
周面に沿つて回転自在に設けられたセグメント持
上げ用のエレクターリングで、セグメントのリフ
ト装置（図示せず）が取付けられたリング本体２
３と、リング本体２３外周面に多数取付けられて
シールド本体２２内側の内形レール２４上を転動
するローラ２５と、リング本体２３の回転駆動装
置（図示せず）とから構成されている。２６は上
記エレクターリング２１に取付けられた本考案に
係る薬液注入装置で、リング本体２３にブラケツ
ト２７を介して取付けられた支持台２８と、この
支持台２８に、シールド本体２２横断面における
半径に略沿う軸心方向の旋回軸２９を介して取付
けられた旋回台３０と、この旋回台３０に、上記
旋回軸２９軸心と直交する方向の支持軸３１を介
して支持された取付台３２と、この取付台３２に
取付けられた薬液注入機３３と、一端が支持台２
８側に連結されると共に他端が旋回台３０側に連
結されたシリンダー装置（旋回装置）３４と、一
端が旋回台３０にピン止めされると共に他端が取
付台３２に例えばねじ止めされてその取付間距離
を調整して取付台３２を揺動させるねじ棒（揺動
装置）３５とから構成されている。

上記構成において、薬液を注入する場合、まず
エレクターリング２１のリング本体２３を回転さ
せて、薬液注入機３３を所定の注入口（図示せ
ず）に対応させる。次に、シリンダー装置３４に
より旋回台３０を旋回させた後、ねじ棒３５によ
り取付台３２を揺動させて、薬液注入機３３の注
入ノズル３３ａを所定の注入ポイントに向け、そ
して注入ノズル３３ａを注入口から地山に挿入し
て薬液を注入する。

考案の効果 上記本考案の構成によると、取付台と旋回台と
の間に介在させる軸支部が１箇所であるため、従
来のように２箇所のものに比べてがたつきが少な
くなり、薬液注入ノズルを注入ポイントに正確に
合わせることができ、また薬液注入装置はエレク
ターリングに設けられているため、専用の支持台
を設けたものに比べて、排土装置との取合いを考
慮しなくてよい。更に、従来のものであれば薬液
注入機の支持台をシールド本体中心に持つてくる
必要があるため、薬液注入機を２台しか設置でき
なかつたが、エレクターリングには数多くの薬液
注入機を設置でき、従つて薬液の注入能率が向上
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の側面図、第２図は
第１図の−矢視図、第３図は従来例の側面
図、第４図は第３図の−矢視図である。 ２１……エレクターリング、２６……薬液注入
装置、２８……支持台、２９……旋回軸、３０…
…旋回台、３１……支持軸、３２……取付台、３
３……薬液注入機、３４……シリンダー装置（旋
回装置）、３５……ねじ棒（揺動装置）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シールド本体内周面に沿つて回転自在に設けら
   れたエレクターリングに、支持台を取付け、該支
   持台に、シールド本体横断面における半径に略沿
   う軸心回りで旋回自在な旋回台を取付け、該旋回
   台に、上記旋回軸心と直交する方向の支持軸を介
   して薬液注入機の取付台を支持し、且つ上記旋回
   台を旋回させる旋回装置及び取付台を支持軸回り
   で揺動させる揺動装置を設けたことを特徴とする
   シールド掘進機の薬液注入装置。