JPH0327662B2 - - Google Patents

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JPH0327662B2
JPH0327662B2 JP62260780A JP26078087A JPH0327662B2 JP H0327662 B2 JPH0327662 B2 JP H0327662B2 JP 62260780 A JP62260780 A JP 62260780A JP 26078087 A JP26078087 A JP 26078087A JP H0327662 B2 JPH0327662 B2 JP H0327662B2
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fibers
web
layer
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fiber
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Kyokazu Oosato
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〈産業上の利用分野〉 本発明は三層構造不織布に関する。より詳しく
はセルロース系繊維から成るウエブ層と、極細繊
維から成るウエブ層と、合成繊維から成るウエブ
層が積層されて構成された三層構造不織布に関す
る。 〈従来の技術〉 木材パルプから成る繊維と合成有機繊維からな
る集合物を少なくとも6900kpaのオリフイス供給
圧力を有する細い注状の水の噴流で処理すること
により構成する繊維をからみ合せ、それによつて
スパンレースド不織布を得る方法が特開昭59−
94659号公報に開示されている。この不織布は主
にメデイカル用途(バクテリアバリヤー性を活か
した用途)に適した不織布であつて、手術衣とし
て使用されている。 〈発明が解決しようとする問題点〉 この公知の二層構造の不織布は片方が木材パル
プから成る層であるために、すなわち繊維長の極
度に短かい繊維が用いられているために、水の噴
流で処理された繊維の交絡状態が摩耗に対して弱
く、その結果使用中に毛羽立ちや繊維の脱落が発
生しやすいという問題点を有する。したがつてこ
のような不織布は例えばエレクトロニクス工場で
用いられるワイパーや保護衣等に対しては適さな
い。 又前記公知の二層構造の不織布は前述のように
水の噴流に特殊の工夫を与えることにより高度に
繊維同志が交絡し、優れたバクテリアバリヤー性
が与えられているが、単に二層構造であるため
に、用途によつてはそのバクテリアバリヤー性が
やゝ不足するという問題を有する。 本発明は従来公知のバクテリアバリヤー性を有
する不織布の問題点を解決して、より一段と優れ
たバクテリアバリヤー性を有すると共に高い耐摩
耗性を有する不織布を提供することを目的とす
る。 〈問題点を解決するための手段〉 本発明の目的は、セルロース系繊維から成るウ
エブ層と、合成繊維から成るウエブ層と、該2つ
のウエブ層の間に配置された極細繊維から成るウ
エブ層とで構成された三層構造不織布であつて、
前記セルロース系繊維が長繊維又は20mm以上の繊
維長を有する短繊維であり、前記合成繊維が長繊
維又は20mm以上の繊維長を有する短繊維であり、
前記不織布中で各ウエブ層を構成する繊維が他の
ウエブ層を構成する繊維と一体的に交絡している
ことを特徴とする三層構造不織布によつて達成さ
れる。 前記極細繊維としては短繊維を用いると好まし
い。かかる好ましくは短繊維である極細繊維から
成る中間ウエブ層は構成する繊維が極細繊維であ
るために、セルロース系繊維から成るウエブ層と
合成繊維から成るウエブ層の間に緻密層を形成す
ることができる。その結果バクテリアバリヤー性
が一段と高められる。 本発明による不織布では各ウエブ層を構成する
繊維が他のウエブ層を構成する繊維と一体的に交
絡している。その際外側のウエブ層を形成する繊
維として一方に長織維又は20mm以上の織維長を有
する短織維であるセルロース系繊維、他方に長織
維又は20mm以上の織維長を有する短織維である合
成繊維が用いられているので、互いに他のウエブ
層の繊維と交絡する外側の繊維が連続しているこ
とになる。すなわち例えば外側ウエブ用のセルロ
ース繊維の一本について見れば、一部分は極細繊
維から成るウエブ層内の繊維に、他の一部分は時
にはさらに他の外側の合成繊維長繊維から成るウ
エブ層内の繊維を交絡すると共に、外側ウエブを
構成する部分を形成している。他の外側のウエブ
用の合成繊維についてもほぼ同様な配置となる。
このように連続した形態で外側のウエブ層を構成
する繊維がより内側のウエブ層中の繊維と交絡し
ているので、得られた不織布の耐摩耗性が向上す
ることになる。 本発明による三層構造不織布は後で詳細に説明
するように、噴射水流を用いて繊維同志の交絡が
行われる。一般にセルロース繊維は湿潤状態で極
めてヤング率が低くなり、したがつて噴射水流に
よつて移動し易くなる。そのために他の繊維に絡
み付き合いやすくなる。本発明による三層構造不
織布では片方の外側ウエブ層にかかる特性を有す
るセルロース繊維の長繊維又は20mm以上の織維長
を有する短繊維を噴射水流によつて他のウエブ層
の繊維を絡ませているので、充分に他のウエブ層
の中に入り込むことができ、且つ入り込んだ繊維
の部分が他の部分例えば外側ウエブ層中にある部
分と連続しているので前述のように耐摩擦性の高
い不織布が得られる。又このような交絡形態をと
るために必要な量だけの極細繊維から成る中間の
緻密層を安定して不織布中に配置することができ
る。 又外側ウエブ層の片方にセルロース系繊維を用
いているので本発明の不織布を保護衣等に用いる
場合には着用時における好ましい肌ざわりと吸湿
(汗)性を与えることができる。又前述のような
交絡形態を用いるために用途によつてはセルロー
ス系繊維の量を増やすことも可能である。なお従
来公知のこの種不織布の中には、バクテリアバリ
ヤー性を向上させるために撥水剤を用いる場合が
ある。これはバクテリアは液体の浸透に連れて浸
入するのでそれを防ぐためである。しかし撥水剤
の処理は不織布の肌ざわりと吸湿(汗)性を損う
ように働く。しかし本発明による三層構造不織布
では中間層に極細繊維から成る緻密層が用いられ
ているので通常は撥水剤を用いなくても充分目的
に対応したバクテリアバリヤー性を付与すること
ができる。勿論本発明による三層構造不織布に撥
水剤処理し、さらにバクテリアバリヤー性を高め
た後用いてもよい。 以下、本発明の三層構造不織布を図示の一例に
基づき詳述する。 第1図は、本発明の三層構造不織布の製造時の
ウエブ層積層の状態を例示する図である。第1図
においてはセルロース系繊維からなるウエブ層
であり、は極細繊維からなるウエブ層であり、
は合成繊維からなるウエブ層である。 第2図は本発明の三層構造不織布の断面を拡大
して示す模写図である(約60倍)。 第2図において、はセルロース系繊維1から
なるウエブ層(以下セルロース系繊維ウエブ層と
称す)であり、は極細繊維2から成るウエブ層
(以下極細繊維ウエブ層と称す)であり、は合
成繊維3から成るウエブ層(以下合成繊維ウエブ
層と称す)であり、これら三ウエブ層はサンドイ
ツチ状に重ねられ、お互いの繊維が交絡して組織
が形成されている。第2図に示す例ではセルロー
ス系繊維1および合成繊維3として長繊維を用い
ている。そしてセルロース系繊維ウエブ層の構
成長繊維の一部1′は極細繊維ウエブ層の極細
繊維2間に突きささり、さらに一部はあらゆる方
向に曲つて極細繊維2に交絡している。さらにま
た一部の長繊維1″は合成繊維ウエブ層の合成
繊維長繊維3間に突きささり、さらに一部はあら
ゆる方向に曲つて合成繊維長繊維3に交絡してい
る。 このように、本発明の三層構造不織布は、ウエ
ブ層を構成する繊維がお互いに交絡して一体化さ
れている構造を特徴とする。 そして例えばワイピングクロスに用いた場合、
使用に当つての屈曲やワイピング時に各層が剥離
することがないほどに一体化されている。 本発明の三層構造不織布の一体化の度合いは剥
離強度を測定することによつて評価できる。例え
ば数回の繰返し洗濯によつて剥離し易くなるもの
から剥離しようとすると繊維の一部が切断するも
のなどあり、その程度によつて一体化の度合を把
握することができる。 また、本発明の三層構造不織布は、合成繊維長
繊維ウエブ層の表面を撥水剤処理したものは、バ
クテリアバリヤー性を与えて、手術衣として用い
ることができる。すなわち手術衣の外側表面はバ
クテリアバリヤー性があり、内側は吸湿性があり
かつ通気性も十分にある。また数回の繰返し洗濯
によつても各層が剥離する等ということがない。 本発明の三層構造不織布のセルロース系繊維ウ
エブ層は、キユプラアンモニウムレーヨン、ビス
コースレーヨン等の再生セルロース繊維、木綿等
の天然セルロース繊維のいづれかからなるウエブ
であり、繊維長が20mm以上、好ましくは28mm以上
の比較的長い繊維長を有する短繊維であり、より
好ましくは連続長繊維からなるものである。繊維
が20mm未満では上述したウエブ層間の繊維の交絡
が不充分なものとなりウエブ層が剥離し易いもの
となり、湿潤強度が劣るものとなる。 セルロース系繊維ウエブ層は、例えばカードで
繊維を引揃えて形成されたウエブ、或は湿式抄紙
されたペーパーライクウエブ、また湿式スパンボ
ンド不織布であり、構成繊維が水流により動くも
のであればよい。 次に合成繊維ウエブ層は、ポリアミド、ポリエ
ステル、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル
及びそのコポリマーのいづれかの繊維よりなるウ
エブ、或はその混合ウエブであり、繊維長が20mm
以上、好ましくは28mm以上の短繊維からなるもの
である。連続長繊維を用いることもできる。繊維
長が20mm未満ではウエブを組織するために比較的
に広い面積の融着点が必要であり、前記セルロー
ス系繊維が突きささる部分が少なくなり、また合
成繊維の動きうる繊維が少なくなり、繊維交絡に
よる一体化が弱くなり、湿潤強度が劣るものとな
る。 合成繊維ウエブ層は、例えば溶融紡糸して繊維
をカツトして、カードで引揃えて形成したウエ
ブ、或はコンベア上に直接紡糸してウエブを形成
するスパンボンド不織布であり、構成繊維が水流
により動きうる程度に組織されたものであればよ
く、特に制限されるものではない。 また、極細繊維ウエブ層は、ポリアミド、ポリ
エステル、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリ
ルおよびそのコポリマー、キユプロアンモニウム
レーヨン、そのフイブリル化した繊維、また木
綿、リンター、パルプ等の天然繊維の叩解物のい
ずれか、或はその混合ウエブであり、繊維の単糸
繊度は0.6d以下が好ましい。繊維の長さは特にバ
クテリアバリヤー性に影響しないがリントフリー
性を考慮すれば2mm以上、より好ましくは5mm以
上が好ましい。合成繊維の場合は溶融紡糸により
繊度を揃えた繊維を紡糸してウエブを形成するこ
とができる。またキユプラアンモニウムレーヨン
の場合は湿式紡糸により0.1dの繊維を紡糸するこ
とができる(特開昭51−70311号公報参照)。その
他、叩解繊維は0.01dから2dまで分布しており、
その平均デニールが0.6d以下であればよい。極細
繊維ウエブ層は緻密な層を形成しているが単糸
0.6d以上の繊維ではバクテリアバリヤー性が劣
る。より好ましくは0.3d以下の繊維が用いられ
る。 また極細繊維ウエブ層の目付は6〜50g/m2
範囲に形成される。6g/m2以下ではバクテリア
バリヤー性が劣り、50g/m2以上ではあまりにも
緻密すぎて通気性が悪くなる。より好ましい範囲
は8〜40g/m2の範囲である。 極細繊維ウエブ層は、通常の溶融紡糸法により
極細繊維を紡糸して、カツトしカーデイングして
ウエブに形成したもの、或はメルトブロー紡糸法
により紡糸してウエブに形成したもの、また再生
繊維を湿式紡糸してウエブに形成したもの、さら
にまた天然繊維を叩解し抄紙したもの等である。 本発明の三層構造不織布は、その一実施態様で
は、その合成繊維ウエブ層の表面が撥水剤処理さ
れている。この処理によつて液体バリヤー性が与
えられ、また緻密な構造と相俟つて一段と改良し
たバクテリアバリヤー性が与えられる。 また、セルロース系繊維ウエブ層を用いている
ことと、緻密な鹸造と相俟つて高い吸水性を与え
る。さらにまた、両面に20mm以上の比較的長い繊
維のウエブ層を形成しているので高い耐摩耗性を
与える。 次に本発明の三層構造不織布の製造方法につい
て詳述する。 まず素材ウエブとして前述した三層のウエブす
なわち、セルロース系繊維ウエブ、合成繊維ウエ
ブ、極細繊維ウエブが選ばれる。 次に極細繊維ウエブを挟んで三層が積層され
る。この際、別の製造工程で製造されたウエブを
積層して製造するオフライン工程で製造してもよ
いしまたそれぞれのウエブを製造する工程を組合
せて製造してもよい。 例えば、合成繊維スパンボンド不織布製造工程
と、メルトブロー不織布製造工程と、湿式法によ
る再生繊維スパンボンド不織布製造工程とを組合
せてもよい。 このように選ばれたウエブを、例えば第1図に
示すように、セルロース系繊維ウエブ層と合成繊
維ウエブ層との間に極細繊維ウエブ層を積層し
て、セルロース系繊維ウエブ層を上にして、これ
をスクリーン上に載置して、その上方より高圧の
細い噴射水流を噴射する。また別の実施態様とし
て、上記のように積層したウエブ層を合成繊維ウ
エブ層を上にして、これをスクリーン上に載置し
て、その上方より上記噴射水流を噴射することも
できる。スクリーンのメツシユは通常20〜100程
度のものが用いられる。噴射水流の圧力は25Kg/
cm2以上、より好ましくは30Kg/cm2以上が選ばれ
る。25Kg/cm2以下では満足な湿潤強度がえられな
いことが多い。噴射水流による処理は、ウエブ層
を反転させて合成繊維ウエブ層の上方から行つて
もよい。このように処理すれば、より高い湿潤強
度が与えられる。処理後、乾燥工程を通して本発
明の三層構造不織布を得る。 本発明では前述のような製造方法を用いている
ので、既に説明したようにセルロース系繊維ウエ
ブ層を構成する繊維が、湿潤されると極めて低い
ヤング率の繊維となり、水流により動き易くな
り、繊維の一部が極細繊維ウエブ層に突きささり
詰め込まれ、繊維に絡みつき、さらに極細繊維ウ
エブ層を貫通して合成繊維長繊維ウエブ層に突き
ささり詰めこまれ、繊維に絡みつく。また反転し
て合成繊維ウエブ層側から高圧の細い噴射水流処
理を行えば、繊維の一部が動いて極細繊維層を貫
通してセルロース系繊維ウエブ層に突きささり、
それにセルロース系長繊維が絡みつき一体的に交
絡される。 〈実施例〉 以下実施例により本発明を詳述する。 なお実施列の説明に先立ち実施例で用いられる
特性値の定義および測定方法を一括して示す。 ◎目付;標準状態のサンプルから250×250mmのサ
ンプルを3枚採取し、水分平衡状態に至らせて
後、重さ(g)を計りその平均値を単位面積あ
たり(g/m2)で表す。 ◎吸水速度;試料から14.5×2.2cmの試験片を、
縦横方向に1枚ものをそれぞれ3枚採取し、20
±2℃のヘマセルを入れたビーカー上一定の高
さに支え垂直にクリツプでとめる。次にヘマセ
ルを試験片に近付け、接した時点から1分後の
ヘマセルの吸水高さ(mm)を測定し、その平均
値(mm)で表わす。 ◎吸水量;試料を10cm×10cmに切断し重量を計る
(W1)、この試料を10メツシユの金網に挟んで、
ヘマセル液に5分間浸す。次に金網上で5分間
放置し、さらにピンセツトで挟み上げ30秒間余
分なヘマセルを取り、重量を計る(W2) W2−W1/W1=(倍) 吸水倍率で表わす。 ◎強伸度;JIS−1068に準じて測定した。強度
(Kg/5cm幅)、伸度(%)で表わす。 ◎耐摩耗性;標準状態のサンプル、巾25mm×長さ
250mmを学振型屈曲摩擦テスター(島津製作所
製)で、荷重200g、50回摩擦の条件で摩擦し
た。摩擦後、試料25×25mmの小片、約2gを正
確に採取し、超音波洗浄器(ヤマト、B22OH)
に水250c.c.を満たし、15分間洗浄、試料片を除
いた後の脱落リントを黒色紙上に捕集し、乾
燥、調湿後その重量を微量天秤で測定する。リ
ント(mg)が多いほど耐摩耗性が悪いと評価す
る。 ◎バクテリアバリヤー性;一定条件の単分散粒子
の流れのもとで試験体の上流濃度と下流濃度を
同時に検出器2台で測定し防塵率(%)として
求める。単分散粒子としては径0.3μm平均のス
テアリン酸エアゾルを用いた。 流量は2.1cm/secに設定し測定時間は1分間
とした。測定器はSIBATA Digital Dust
Ingicator Model AP−632を用いた。 防塵率(%)=(1−D2/D1)×100 D1;上流フオトカウンター D2;下流フオトカウンター 防塵率(%)が高いほど、バクテリアバリヤ
ー性は優れている。 ◎剥離強度;JIS−1068に準じて測定した。 ◎強度(Kg/5cm幅) 実施例 1 特公昭52−6381号公報に記載された再生繊維ス
パンボンド不織布製造法に従い、銅アンモニアセ
ルロース繊維(銅アンモニアレーヨン)連続フイ
ラメント(単糸1.5d)よりなり、目付が、6g/
m2、8g/m2、10g/m2であるウエブを製造した。 別に特開昭51−67411号公報に記載されたメル
トブローイング紡糸方法に従い、ポリエステルの
極細繊維よりなるウエブを製造した。単糸繊度は
0.05dであり、目付5g/m2、6g/m2、8g/m2
10g/m2のものを製造した。 また別に、ポリエステルテープルーフアイバー
38mm×2dをカーデイングしてウエブを製造した。
目付8g/m2、10g/m2のものを製造した。 これらのウエブを、ポリエステルステープルフ
アイバーのウエブの上にポリエステル極細繊維ウ
エブ、その上に銅アンモニアセルロース連続フイ
ラメントのウエブと三層に重ねて、また目付の組
み合せを変えて三層に積層し、100メツシユのス
クリーン上に載置して、銅アンモニアセルロース
連続フイラメントのウエブ層の上方から高圧の細
い噴射水流を噴射して処理した。同時にスクリー
ンの下側により吸引した。またウエブを反転して
噴射処理した。処理条件を以下に示す。 オリフイス径 0.15mmφ 処理密度 30hole/cm×5回 処理圧力 30Kg/cm2 処理速度 5m/分 処理後、乾燥機を通して乾燥し、三層構造不織
布を得た。 第1表に、ウエブの組合せと、得られた三層構
造不織布の特性値を示している。 第1表から分るように、三層構造不織布の内極
細繊維ウエブ層の目付が6g/m2以下のものとし
て5g/m2のものの実施例があるが、このものの
防塵率は2.1%と従来品の10.1%に比べて格段に
低く、6g/m2以上であれば5.2〜10.0%を示し従
来品に近いものから従来品並みのものを製造する
ことができることが分る。またこれらの本発明品
は吸水性および湿潤時の強度も従来品に近いが、
特筆すべきは摩耗後のリント量が従来品の450mg
に対して76〜147mgと1/4程であることである。こ
のように本発明品はリントフリー性に優れてい
る。また剥離強度として350〜420g/5cm巾の数
値を示しているが、本発明品は数回の繰返し洗濯
によつても剥離しない程度に一体化されていた。 さらに、先に製造した銅アンモニアレーヨン連
続フイラメントよりなるウエブの目付8g/m2
ものと、ポリエステル繊維38mm×2dをカーデイン
グしてウエブを製造したもの、目付10g/m2のも
のを選び、それぞれ下記の条件で染色した。 1) 銅アンモニアレーヨンウエブの染色 染料:Kayarus Supra Red 6BL (日本火薬KK製品) 染色:30%owf 浴比 1:50 昇温:30分 常温〜90℃ 90℃45分間 水洗:5分間 色止め:アミゲン(第1工業製薬KK製品) 0.2% 浴比1:50 10分間浸漬後 脱水 乾燥 2) ポリエステル繊維ウエブの染色 染料:フロンネービーSGL(サンドKK製品) 染色:30%owf 浴比 1:50 昇温:30分 常温〜100℃ 100℃1時間 水洗:5分間 色止め:スコアロール400(アオイ純薬KK製
品)1g/ 50℃で15分間浸漬後、脱水;乾燥 ウエブ層を染色後、銅アンモニアレーヨンウエ
ブとポリエステル繊維ウエブの間に、メルトブロ
ーイング紡糸法に従い製造したポリエステルの極
細繊維よりなるウエブの目付8g/m2のものを挟
み、三層に積層して、実施例1の噴射水流処理条
件に従い交絡処理した。 処理後、乾燥して三層構造不織布を得た。 この不織布の断面を顕微鏡で拡大して観察した
ところ、赤色に染色した銅アンモニアレーヨン繊
維が白色の極細繊維ウエブ層の中に入り込み交絡
し、さらに青色に染色されたポリエステル繊維ウ
エブ層の中に入り込み交絡している態様など、先
に詳述した繊維交絡の態様を観察することができ
た。 実施例 2 実施例1に用いた銅アンモニアセルロース繊維
連続フイラメントよりなるウエブとポリエステル
の極細繊維よりなるウエブを準備した。 また別に特公昭49−6150号公報に開示されたポ
リエステル系合成繊維からなる連続した不織布の
製造方法に従い製造されたポリエステル繊維の連
続フイラメントウエブ(目付15g/m2、単糸1d
を準備した。 この三つのウエブを積層して、実施例1に従い
処理して三層構造不織布を製造した。その特性値
を第1表に示す。 表から分るように、本発明品は、吸水性、湿潤
時の強度、防塵率共に従来品並であるが、耐摩耗
性を表わすリント量が27mgと極端に少なく、リン
トフリー性に極めて優れていることが分る。また
剥離強度610g/5cm巾を示したが、この値では
剥離時、一部のアンモニアが切断された。 実施例 3 銅アンモニアセルロースのステープルフアイバ
ー(単糸1.5d、繊維長51mm)のカードウエブ(目
付8g/m2)を準備した。 極細繊維は実施例1のものを準備した。また実
施例2に用いたポリエステル繊維の連続フイラメ
ントウエブ層の目付を8g/m2に形成して用いた。 この三つのウエブを積層して、実施例1に従い
処理して、三層構造不織布を製造した。その特性
値を第1表に示す。 表から分るように、本発明品は、吸水性、防塵
率は従来品並であり、湿潤強度は従来品に近く、
耐摩耗性が従来品よりも優れていることがわか
る。 実施例 4 実施例3に用いた銅アンモニアセルロース繊維
連続フイラメントのウエブを準備した。また実施
例1に用いたポリエステルの極細繊維よりなるウ
エブを準備した。 次に合成繊維ウエブとして特開昭49−117769号
公報に開示のアクリル不織布製造法により製造さ
れたアクリルル繊維の連続フイラメントよりなる
ウエブ(膨潤水含有率200%以上、単糸2d、目付
15g/m2)を準備した。 この三つのウエブを積層して、実施例1に従い
処理して、三層構造不織布を製造した。その特性
値を第1表に示す。 表から分るように、吸水性、湿潤強度および防
塵率は従来品並であるが、耐摩耗性が従来品より
も優れていることが分る。 実施例 5 充分に叩解したパルプシート(目付20g/m2
を準備して、実施例1に用いた銅アンモニアセル
ロース繊維連続フイラメントウエブと実施例2に
用いたポリエステル繊維の連続フイラメントウエ
ブとの間に挟んで積層し、実施例1に従い処理し
て三層構造不織布を得た。その特性値を第1表に
示す。 表からわかるように、吸水性と防塵率は従来品
と変らず、湿潤強度は従来品に近く、さらに耐摩
耗性が従来品よりも優れていることが分かる。 この不織布のポリエステル繊維不織布の表面に
撥水剤処理した。撥水剤は信越化学KK製、
polon−MR(シリコン系)を用い繊維重量当り1
%塗布した。その結果、液体に対するバリヤー性
が充分に与えられた。
【表】
【表】 実施例 6 この実施例では、極細繊維の繊度を変えて、防
塵率との関係をみた。 実施例1で用いた銅アンモニアセルロース繊維
連続フイラメントウエブとポリエステルステープ
ルフアイバー(38mm×2d)のウエブとを準備し
た。また別に溶融紡糸方法により、ポリエステル
の極細繊維を紡糸してウエブを製造した。その
際、極細繊維の繊度を1.0d,0.6d,0.3dの各デニ
ールに変えて紡糸して各デニールのウエブを製造
した。 そして極細繊維ウエブを挟んで三層に積層して
かつ各デニール毎に積層して、それぞれを実施例
1の処理条件に従つて処理した。 第2表に各デニール毎の三層構造不織布の特性
値を示している。また極細繊維の0.05dのウエブ
を用いた場合の特性値は実施例1のものを記載し
た。 第2表から分るように、極細繊維の繊度が1.0d
のものは、防塵率が2.6%と実施例1の記載の従
来品の防塵率10.1%に比べて格段に低く、0.6dで
5.5%を示し従来品に近いものを製造することが
できることが分る。また0.3dでは7.3%、0.05dで
は7.9%と高くなり、極細繊維の繊度は0.6d以下
が望ましいことが分る。 実施例 7 流下緊張紡糸方法により、銅アンモニアセルロ
ース繊維(銅アンモニアレーヨン)を紡糸して15
mm、20mm、28mm、51mmの4種類のステープルフア
イバーにカツトし、精練、乾燥後、カーデイング
して目付20g/m2の4種類のウエブに形成した。
単糸は1.6dであつた。 また特開昭51−70311号公報に開示された極細
糸紡糸用斗装置を用いた、銅アンモニアセルロ
ース繊維の単糸0.1dの糸を多数紡糸して、目付
10g/m2のウエブを製造した。 また別に、ポリエステルステープルフアイバー
(単糸2d)をカーデイングして、カツト長15mm、
20mm、28mm、38mmの4種類のウエブを製造した。
各ウエブ共目付は20g/m2に形成した。 これらのウエブを極細繊維ウエブを挟んで、カ
ツト長毎に組合せてウエブ層を形成した。そして
各ウエブ層共に実施例1に従い高圧の細い噴射水
流により処理した。得られた三層構造不織布の特
性値を第2表に示している。 表から分るように、カツト長15mmのものは、湿
潤強度が経方向で1.3Kg/5cm巾と低く、また防
塵率も2.9%と低く、剥離強度も120g/5cm巾と
低い、そしてカツト長が20mm以上あれば、各特性
値共従来品に近く形成することができることが分
る。
【表】
【表】 〈発明の効果〉 本発明の三層構造不織布は従来品と同程度の吸
水性、強度及びバクテリアバリヤー性(防塵性)
を備え、さらに従来品では得られない高いリント
フリー性、すなわち耐摩耗性を備え、それにより
メデイカル及びエレクトロニクス分野に有用な、
三層構造の複合不織布が提供される。 詳細には本発明の不織布をメデイカル分野の手
術衣に用いれば、優れた液体バリヤー性とバクテ
リアバリヤー性を備え、また適度な吸湿性と通気
性を備備えた手術衣が提供される。 また、エレクトロニクス分野のワイパーに用い
れば、高い耐摩耗性と優れたリントフリー性と、
吸水性を備えたワイパーが提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の三層構造不織布の製造時の
ウエブ層積層の状態を例示する図、第2図は本発
明の三層構造不織布の断面を拡大して示す模写図
である。 ……セルロース系長繊維からなるウエブ層、
……極細繊維からなるウエブ層、……合成繊
維長繊維からなるウエブ層、1,1′,1″……セ
ルロース系長繊維、2……極細繊維、3……合成
繊維長繊維。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 セルロース系繊維から成るウエブ層と、合成
    繊維から成るウエブ層と、該2つのウエブ層の間
    に配置された極細繊維から成るウエブ層とで構成
    された三層構造不織布であつて、前記セルロース
    系繊維が長繊維又は20mm以上の繊維長を有する短
    繊維であり、前記合成繊維が長繊維又は20mm以上
    の繊維長を有する短繊維であり、前記不織布中で
    各ウエブ層を構成する繊維が他のウエブ層を構成
    する繊維と一体的に交絡していることを特徴とす
    る三層構造不織布。
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