JPH0327286B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、僅かな間隔を置いて運搬すべき金属
板の横断面を包囲しかつ水槽に接続されて冷却水
を通される通路内を上下のローラから成る複数の
ローラ対により、金属板が挟まれて通路の縦方向
に運搬可能である、金属板の冷却装置に関する。

〔従来の技術〕 このような装置は特公昭53−11247号公報（ド
イツ連邦共和国特許出願公開第2414445号明細書）
から公知であり、ローラがその全長にわたつて金
属板に接しており、上側および下側の通路壁が、
金属板およびローラの周面に沿つて延びている。
したがつてローラが金属板に接する範囲では、金
属板に沿つて流れて来た水流が転向されて、ロー
ラの周囲に沿つて流れ、再び転向されて金属板に
沿つて流れて行く。したがつてローラの範囲にお
ける金属板の水流による冷却が行なわれず、また
水流の転向により圧力損失が生ずるので、これを
補うため水流の水圧を高めねばらない。

金属板に上下から冷却水を吹き付けることは既
に公知であり、この場合冷却水が下面にはね返つ
て落下するが、しかし上面においては金属板縁に
しか流れて行くことができないので、所々にかな
りの高さの所がある連続した層になつて溜まり、
この層が下面とまつたく異なる冷却条件を上面に
出す。この種の装置が、例えばドイツ連邦共和国
特許第1508386号明細書およびドイツ連邦共和国
特許第2245390号明細書に記載されている。前者
によれば、ローラがタイヤ付きロールとして構成
されており、これらのタイヤ付きロールのタイヤ
の間を、吹き付けられた水が側面方向に加えて縦
方向にも流れて行くことができ、後者によれば、
ローラがねじ山を備え、これらのねじ山が、同様
に縦方向への水の流通を可能にするが、しかし水
をさらに側方へ押しやる。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第2414445号明
細書による装置においては、種々の金属板厚さに
対する通路高さの適合性にとつて必要な、通路を
両側に沿つて密封することが困難である。それに
ついては、従来のように、さらに冷却水が通路を
通り、ローラを回つて水槽に押し込まれるために
必要な高い圧力が欠点である。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の課題は、最初にあげた種類の冷却装置
において、冷却水の水圧を低くし、密封の問題を
もはや生じないように、冷却装置を構成すること
である。

〔課題を解決するための手段〕

この課題を解決するため本発明によれば、ロー
ラが通路外において通路の上下を区画する通路壁
に沿つて延び、ローラに固定されてその周囲から
突出する環状板が、通路壁に形成されたスリツト
を貫通して通路へ入り込んで、運搬すべき金属板
に係合可能である。

〔発明の効果〕

本発明によれば、環状板が通路へ入り込んでい
るだけなので、水の流れはローラにより転向され
ることなく金属板の両面に常に沿つて流れ、金属
板のほぼ全面を均一に冷却する。通路内の水は、
金属板の両面に延つて、薄い環状板のため殆ど妨
げられることなく、完全に直線状に流れる。した
がつて冷却および放熱に必要な流量が、従来必要
であつた水圧の数分の１で得られる。この低減さ
れる水圧のため密封の問題は取るに足りない程度
に小さくなる。さらに環状板により複数の並列流
路が区画され、金属板の両面にわたつてこれらの
流路に分布される均一な冷却水流により、反りの
非常に小さい平らな金属板が得られる。

〔実施態様〕

通路およびローラが全部水槽の中に設けられて
いると、水槽内の静水圧が、スリツトの縁と環状
板との間隙を通して通路からの水流の漏洩を防止
する。その際下側通路壁および上側通路壁が、下
側ローラまたは上側ローラに対して共通な水槽部
分を区画しているのがよい。この場合上側ローラ
が上側通路壁と共に水槽内で高さを調節可能であ
り、上側ローラの軸が高さの調節可能な密封片に
より密封されて水槽側壁を貫通している。密封片
はベローであるのがよい。

本発明の別の構成では、通路の一端において金
属板の上および下でスリツト状流入ノズルが通路
の縦方向にこの通路へ開口し、この流入ノズルの
可撓板が金属板に当接している。冷却水を通路へ
このように導入することにより、水が通路におい
て持つ流通断面および流れ方向が、最初から水に
与えられる。これは冷却条件を均一にしかつ発生
すべき圧力の減少に役立つ。

可撓板が、この可撓板に対してほぼ平行に設け
られた別の可撓板と共に、金属板の上下にそれぞ
れ１つの室を区画し、この室内で吹込みノズルが
金属板の面へ向けられているのが好ましい。この
配置により、金属板に当接する前者の可撓板の縁
に、僅かな量ではあるが後方へ流出して不均一な
冷却は引き起こす水が金属板の所にないようにす
ることができる。

〔実施例〕

本発明の実施例を図面により以下に説明する。

例えば長さ６ｍ、幅3.50ｍ、高さ１ｍの水槽１
の中において通路壁としての中間底および中間蓋
により、以下に詳細に述べる高さの水平通路２が
仕切られている。中間底（以下通路底３という）
が固定的に設けられている。以下通路蓋４という
中間蓋が、数センチメートルだけ上昇および下降
可能である。この中間蓋が結合部材５を介して、
駆動装置７により回転駆動される垂直なねじ軸６
にはまる移動ナツトを持つ昇降可能な枠８に掛け
られている。

水槽１の中において通路２の上下にローラ９が
対をなして複数対設けられており、これらのロー
ラの周囲にはまつている環状板１０が、通路底３
および通路蓋４に切り欠かれたスリツト１１を通
り抜けて通路２にはまる。ローラ対の環状板１０
も対をなして上下に設けられている。後述する金
属板１８の運搬方向に順次に続く環状板１０が互
いに一直線をなしておらず、側方（第２図におい
て左右方向）に互いにずれているのがよい。ロー
ラ９の軸１２が水槽１の側壁を貫通しかつ水槽の
外において支持片１３に支持されかつ継ぎ手１４
および１５を介して駆動装置１６に接続されてい
る。

上側ローラ９の支持片１３が高さの調節可能な
枠８に固定されている。軸は密封片としてのベロ
ー１７により高さを調節可能に水槽壁を貫通して
いる。固定的に設けられた駆動装置１６に接続す
るための継ぎ手１５は、偏心継ぎ手である。

下側ローラ９と上側ローラ９との間に、すなわ
ち環状板１０の互いに向かい合う頂点の間に金属
板１８がはまつており、この金属板は第１図によ
る通路においてローラの回転により左から右へ移
動せしめられる。

通路２の入口の所で、供給管路１９および２０
から給水される２つの流入ノズル２１が金属板１
８の上下において金属板と通路底３および通路蓋
４との間の両方の中間空間内へ通じている。

流入ノズル２１が第３図に詳細に示されてい
る。これらの流入ノズルは膨らみのある横分配器
２２から中間空間の高さへ先細になつている。下
側流入ノズルの下側区画部２３が通路底３の端部
に当接し、上部流入ノズルの上部区画部２４が通
路蓋４の端部に当接して、内面を互いに段のない
ように接続している。他方の区画部は、応力を受
けて金属板１８に当接する板ばね２５を含んでい
る。

板ばね２５から間隔を置いて、同じように別の
２つの板ばね２６が設けられている。板ばね２５
と別の２つの板ばね２６との間に形成された室２
７へ吹込みノズル２８が開口し、これらの吹込み
ノズルが金属板１８へ傾斜しかつ外方へ傾斜して
いる。

装置全体が枠構造体２９により捕集兼貯蔵水槽
３０の上に設けられている。

装置は、上昇および下降不能な枠８の適切な高
さ調節により、冷却すべき金属板の厚さに設定さ
れる。この場合通路２は、下側環状板１０が通路
底３を通つて上方へ通路内に突出し、上側環状板
１０が通路蓋４を通つて下方へ通路内に突出する
常に同じ高さまたは深さと金属板厚さとの和に等
しい高さを取る。本実施例においてこの高さおよ
び深さが例えばそれぞれ20mmである場合は、この
場合考慮されるほぼ最小の金属板厚さ５mmでは通
路高さが45mmになり、考慮されるほぼ最大の金属
板厚さ80mmでは通路高さが120mmになる。

到来する金属板が板ばね２６と板ばね２５との
間へ押しやられ、ローラ９により捕捉され、通路
の高さ中心においてこの通路を通される。この場
合金属板は、上側および下側ローラの環状板１０
の互いに向かい合う頂点の間に、大体において上
側ローラ９および枠８の重量を受けて点状に保持
される。

流入ノズル２１を経て、冷却および搬出のため
に必要な水流が金属板の上下において金属板板厚
さに関係なく一定の同じ２つの部分流となつて通
路２内へ導入される。水槽１内で水面は通路蓋４
の上において、スリツト１１上の静圧がそこにお
いて流水により及ぼされる圧力と均衡を保つま
で、上昇し続ける。通路２の端部において流出す
る水が捕集兼貯水槽３０に流入し、この水槽から
流入ノズル２１が再び給水される。通路の出口に
おいて金属板に対する不均一な作用を、この金属
板の上面を流れ続ける水により防止するために、
ここにかき取り片、吹込みノズルなどを取り付け
ることができる。

冷却水流が不変の場合、種々の金属板厚さに対
する冷却能力の適合は、金属板の運搬速度を変え
ることにより可能である。一層厚い金属板、上述
の装置においてはほぼ80mm以上の金属板厚さで、
装置が必要な冷却のために充分でない場合は、散
水装置を後に接続することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は金属板の冷却装置の垂直縦断面図、第
２図は第１図による装置の垂直横断面図、第３図
は第１図の一部の拡大図である。 １……水槽、２……通路、３……通路底、４…
…通路蓋、９……ローラ、１０……環状板、１１
……スリツト、１８……金属板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 僅かな間隔を置いて運搬すべき金属板１８の
   横断面を包囲しかつ水槽１に接続されて冷却水を
   通される通路２内を、上下のローラ９から成る複
   数のローラ対により、金属板１８が挟まれて通路
   の縦方向に運搬可能であるものにおいて、ローラ
   ９が通路２外においてこの通路２の上下を区画す
   る通路壁４，３に沿つて延び、ローラ９に固定さ
   れてその周囲から突出する環状板１０が、通路壁
   ４，３に形成されたスリツト１１を貫通して通路
   ２へ入り込んで、運搬すべき金属板１８に係合可
   能であることを特徴とする、金属板の冷却装置。 ２ 通路２およびローラ９が全部水槽１の中に設
   けられ、下側通路壁３および上側通路壁４が下側
   ローラ９または上側ローラ９に対して共通な水槽
   部分をそれぞれ区画していることを特徴とする、
   特許請求の範囲第１項に記載の装置。 ３ 上側ローラ９が上側通路壁４と共に水槽１内
   で高さを調節可能であり、上側ローラ９の軸１２
   が高さの調節可能な密封片１７により密封されて
   水槽側壁を貫通していることを特徴とする、特許
   請求の範囲第２項に記載の装置。 ４ 通路２の一端において金属板１８の上および
   下で、スリツト状流入ノズル２１が通路２の縦方
   向にこの通路へ開口し、この流入ノズルの可撓板
   ２５が金属板１８に当接していることを特徴とす
   る、特許請求の範囲第１項ないし第３項のうち１
   つに記載の装置。 ５ 可撓板２５が、この可撓板２５に対してほぼ
   平行に設けられた別の可撓板２６と共に、金属板
   １８の上下にそれぞれ１つの室２７を区画し、こ
   の室２７内で吹込みノズル２８が金属板１８の方
   へ向けられていることを特徴とする、特許請求の
   範囲第４項に記載の装置。