JPH0326761B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、車両が走行するときの路面の凹凸度
を判別する路面状態判別装置に関する。

〔従来技術の説明〕

従来、特開昭57−198109号公報に見られる車両
のエアサスペンシヨンは、上下２個のエアベロー
ズをもつて支持部材を弾機支持させ、上方エアベ
ローズの上面と下方エアベローズの下面とを固定
面に固定し、それぞれのエアベローズの配管路に
絞り弁を設け、これで各エアベローズの内圧を自
由に調節することにより、サスペンシヨンの動ば
ね定数を車両の全高や姿勢を変化させることなく
任意に変化し、乗心地を自由に調整可能にした優
れたサスペンシヨンである。

しかしこのサスペンシヨンの絞り弁の調節を走
行路面の凹凸に基づいてマイクロコンピユータで
自動的に行う場合には、このコンピユータの入力
装置として路面の凹凸度を電気的に正確に判別す
る装置がなく、上記エアサスペンシヨンの有用性
が十分活かされていなかつた。

〔発明の目的〕

本発明は、この点を改良するもので、車両が走
行する路面の凹凸度を電気的に正確に判別するこ
とができる路面状態判別装置を提供することを目
的とする。

〔発明の明示〕

第１図は本発明の構成を明示するための全体構
成図である。

車両の支持部材１に固着された変位センサ２は
走行中の路面の凹凸を電気信号波形として出力
し、この信号波形は複数個のフイルタ回路３によ
り周波数成分毎に所定時間だけサンプルホールド
され、これらのフイルタ回路３の各アナログ信号
はマルチプレクサ付きのAD変換回路４によりデ
イジタル信号に変換され多重化される。このAD
変換回路４の多重化されたデイジタル信号は、判
別手段５で予め路面の凹凸度に応じて設定された
複数個の基準制御値と比較され現持の路面の凹凸
度が電気的に判別される。

〔実施例による説明〕

以下実施例図面に基づいて説明する。

第２図は本発明の一実施例装置を含む構成図で
ある。第２図において、車両の支持部材１には、
変位センサ２が固着される。この変位センサ２は
走行中の路面の凹凸を電気信号波形として出力す
る。変位センサ２の出力は、この例では４個のフ
イルタ回路３に接続される。これらのフイルタ回
路３の出力はマルチプレクサ付きのAD変換回路
４に接続される。このAD変換回路４の出力はマ
イクロコンピユータ７の入力インタフエース８を
介してCPU９に接続される。このCPU９には
ROM１０が接続される。ROM１０には路面の
凹凸度に応じて設定された複数個の基準制御値が
予め記憶されている。CPU９の出力は出力イン
タフエース１１に接続される。

前記支持部材１には、上下２個のエアベローズ
１３が取付けられる。上方エアベローズ１３ａの
上面は上方固定面１ａに固定され、下方エアベロ
ーズ１３ｂ下面は下方固定面１ｂに固定される。
上記エアベローズ１３ａ，１３ｂとサージタンク
１４との間にはエア配管１５ａ，１５ｂがそれぞ
れ配設される。このエア配管１５ａ，１５ｂの中
途には絞り弁１６ａ，１６ｂがそれぞれ設けられ
る。また１７はサージタンク１４の空気圧調整弁
である。これらの絞り弁１６ａ，１６ｂおよび空
気圧調整弁１７には前記マイクロコンピユータ７
の出力インタフエース１１の出力が接続される。

このような構成の装置では、車両が走行する
と、変位センサ２から路面に応じた振動波形が第
３図に示すような電気信号波形として、４個のフ
イルタ回路３に入力する。各フイルタ回路３は周
波数成分毎に該当する周波数信号をそれぞれ取込
み所定時間だけサンプルホールドする。各フイル
タ回路３は所定時間経過すると、取込んだ周波数
信号を逐次AD変換回路４に送出する。AD変換
回路４はこれらのフイルタ回路３の各アナログ信
号をデイジタル信号に変換して多重化し、マイク
ロコンピユータ７のインタフエース８に入力す
る。上記デイジタル信号はインタフエース８で所
定の信号レベルに変換され、CPU９に入力する。
CPU９は予めROM１０に記憶されている路面の
凹凸度に応じて設定された複数個の基準制御値
と、インタフエース８で変換された現時の路面の
凹凸を表わす値とを比較し、一致する基準制御値
から路面の凹凸度を判別して出力インタフエース
１１を介して絞り弁１６ａ，１６ｂおよび空気圧
調整弁１７を自動的に調整する。

すなわち路面の凹凸度が大きい悪路走行のとき
には、絞り弁１６ａ，１６ｂおよび空気圧調整弁
１７を開いてエアサスペンシヨンの弾性ばね定数
を上げ、凹凸度の小さい良路走行のときには絞り
弁１６ａ，１６ｂおよび空気圧調整弁１７を絞つ
て上記弾性ばね定数を下げ、路面の凹凸度に応じ
て複数段の弾性ばね定数の調整を行うことができ
る。これにより車両の乗心地や操安性がより一層
改善される。

第３図は上述の調整を実行するフローチヤート
である。なお図中のP₁〜P₁₅はフローチヤートの
各ステツプを示す。

本発明の路面の凹凸度の判別は、第一にP₂で
振動波形を入力し、P₃でこの波形の周波数成分
毎にサンプルホールドする。次にP₄でサンプル
ホールドしたアナログ信号を周波数別にデイジタ
ル信号に変換し多重化し、P₅で予め路面の凹凸
度に応じて設定された値のテーブルをルツクアツ
プして、P₆，P₈，P₁₀，P₁₂で多重化信号値Ｆの大
きさを比較し、その値によりレジスタ値Ａを置換
する。P₇ではそのまま、P₉では４分の３に、P₁₀
では２分の１に、P₁₂では４分の１にそれぞれ置
換する。この比率は絞り弁１６ａ，１６ｂおよび
空気圧調整弁１７の開度を示す。以上の結果を
P₁₄で出力レジスタに移し、P₁₅で次のブログラム
に移る。

〔応用例の説明〕

なお上記例では、路面の凹凸を検出する手段と
して変位センサの例を示したが、これに限らずＧ
センサ、歪センサ等他のセンサを用いることもで
きる。

また本発明装置は、エアサスペンシヨンの制御
入力装置として用いることができる以外に、所定
の道路における路面の目地の状態、良路悪路の比
率や程度等の測定装置として応用することもでき
る。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本発明によれば、路面の凹
凸状態を振動波形の周波数毎に抽出してこのデー
タを所定時間だけサンプルホールドした後デイジ
タル化し、このデイジタル値を予め路面の凹凸度
に応じて設定した複数の基準制設定と比較し、デ
イジタル値と一致する基準設定値から路面の凹凸
度を判別することにより、路面の凹凸状態が実際
の状態に極めて近似して正確に判別することがで
きる優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の構成を明示するための全体構
成図。第２図は本発明の一実施例装置を含む構成
図。第３図はその変位センサの電気信号波形図。
第４図は本発明実施例装置のフローチヤート。 １……車両の支持部材、２……変位センサ、３
……フイルタ回路、４……マルチプレクサ付きの
AD変換回路、５……判別手段、７……マイクロ
コンピユータ、９……CPU。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車両に搭載され走行中の路面の凹凸を電気信
   号波形で出力するセンサと、 このセンサの出力信号波形を周波数成分毎に所
   定時間だけサンプルホールドする複数個のフイル
   タ回路と、 これらのフイルタ回路の各アナログ信号をデイ
   ジタル信号に変換して多重化するAD変換回路
   と、 このAD変換回路の出力を入力情報として取込
   み上記デイジタル信号から上記路面の凹凸度を判
   別するマイクロコンピユータと を備えた路面状態判別装置。 ２ センサがサスペンシヨンに取付けられた変位
   センサである特許請求の範囲第１項に記載の路面
   状態判別装置。