JPH03264907A - 防水光ファイバケーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、外部からの浸水および長さ方向の走水が防止
された防水光フアイバケーブルに関する。

（従来の技術） 一般に、光フアイバケーブル内に水が浸入した場合には
、ケーブル素材の劣化が促進されるとともに、浸入した
水の凍結によってマイクロベンド損失が生じるという問
題がある。

そのため従来から光フアイバケーブルにおいては、ケー
ブル内に乾燥空気のような圧力の高いガスを封入充填し
、圧力をモニタすることによって、外被の破損等の事故
を検出するとともに、破損が生じた場合に破損箇所から
封入されたガスを噴出させ、水の浸入および長さ方向の
走水を防止する方式が採られている。

しかしながらこの方式は、ケーブル内のガス圧を常時監
視するためのシステムを必要とし、かつガス供給設備や
保守管理にコストがかかるという欠点があった。

またこのようなケーブルでは、ガス圧低下を感知する圧
力センサからの信号を伝達するために、介在対（メタル
心線）が装備され、かつガス圧に耐えられるようにポリ
エチレン−ラミネートアルミニウム（Ｌ　Ａ　Ｐ）から
なる外被が設けられるなどケーブル構成材料に金属材料
が使用されている。

したがって、高圧送電線や電気鉄道の近くなどの強誘導
地域では、金属材料に高電圧が誘起されるため使用が制
限されている。

また従来から、ケーブル内の隙間にシェリー状の混和物
を充填して浸水や走水を防止した防水形の光フアイバケ
ーブルが知られているが、このケーブルでは、シェリー
状混和物の充填が難しいうえに、混和物が粘稠で他の部
分に付着しやすいため、製造、検査、接続などの作業性
が極めて悪いという問題があった。

（発明が解決しようとする課題） このように従来の防水形光ファイバケーブルにはいろい
ろな欠点があるため、最近、例えばスロットロッドの溝
中に、光ファイバテープ心線と吸水性テープを積層した
ものを挿入し、走水長を短縮した防水光フアイバケーブ
ル（特開昭８３−２４４００６号）が開発されている。

しかしながらこのような光フアイバケーブルでは、吸水
性テープと積層することによって、テープ心線に伝送損
失の増大がもたらされる場合があるばかりでなく、積層
体の溝中への挿入の作業性が極めて悪いという欠点があ
り、現在実用化されていない。

一方、スロットロッドの溝中に、光ファイバテープ心線
を収納するとともに、その外周に直接吸水性テープを巻
回した構造の光フアイバケーブルの提案もなされている
（特開昭８２−１７８２０５　号）。

しかしながら、最近、この光フアイバケーブルではケー
ブルの高密度化を図るため心線数増大の要求がなされて
おり、この要求に伴ってスロットロッドの溝の深さを増
大させ溝内に収納するテープ心線の枚数を増やす傾向に
あるが、溝の深さが増大するにしたがってケーブルの止
水特性が低下し走水長が著しく伸びてしまうという問題
があった。

本発明はこれらの問題を解決するためになされたもので
、外被から浸水した場合でも走水長が短く、かつノンメ
タル構造で接続等の作業性の良い防水光フアイバケーブ
ルを提供することを目的とする。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 本発明の防水光ファイバケーブルは、スロットロッドの
溝を形成し、この溝内に複数本の光ファイバテープ心線
を積層して収納するとともに、前記スロットロッドの外
周に繊条体を粗巻きし、かつその上に吸水性テープの押
え巻層とプラスチックソースとを順に設けてなることを
特徴としている。

本発明に用いられる繊条体としては、吸水性あるいは非
吸水性の高抗張カブラスチック繊条体が適している。

この繊条体は、通常、スロットロッドの直上に１０〜５
０ｍｍのピッチで粗巻きされる。

また本発明において、この繊条体の粗巻き層の上に押え
巻きする吸水性テープとしては、自重の数１０倍から数
１００倍の水を吸収し、膨潤ゲル化して保水機能を有す
る高吸水性樹脂を主体としたものを使用することができ
る。このような吸水性テープとしては、例えば第３図に
示すように、高吸水性樹脂の粉体１を、ゴム系バインダ
２等の適当なバインダによって、プラスチック不織布３
のような基材テープの表面に付着させた積層テープが適
している。

上記高吸水性樹脂としては、公知のものを使用すること
ができるが、吸水率が大きく熱および微生物腐蝕等に対
して安定であることから、ポリアクリル酸ソーダ等のポ
リアクリル酸塩系、イソバール系、酢酸ビニル−アクリ
ル酸共重合体系などの合成ポリマー系のものが適してい
る。

このような吸水性テープの押え巻層を形成するには、縦
添えしてもよいが、幅方向にテープの一部をラップさせ
て巻回する方法が望ましい。

（作用） 一般に、スロットロッドの溝中に光ファイバテープ心線
を収納した構造のケーブルにおいて、長さ方向の走水が
最も生じる部分は、積層されたテープ心線の間の極めて
僅かな隙間であり、ケーブルの止水を行う場合には、い
かに多くの吸水性材料を前記部分の近くに配置し止水に
関与させることができるかが重要になる。

本発明の光フアイバケーブルにおいては、スロットロッ
ドの外周に、１本または複数本の繊条体が粗巻きされ、
この層を介して吸水性テープの押え巻層が設けられてい
るので、次の理由で従来のケーブルに比べて止水特性が
向上する。

すなわち、第４図（ａ）に示すように、光ファイバテー
プ心線４を収納したスロットロッド５の上に、直接吸水
性テープの押え巻層６を設けた構造の従来のケーブルに
おいては、スロットロッド５の溝７の上に配置された押
え巻層６の吸水性材料が、水の侵入と同時に瞬時にして
吸水膨潤し、かつゲル化して止水ダムを形成する。これ
に対して、第４図（ｂ）に示すように、スロットロッド
５の上に繊条体８を粗巻きし、その上に吸水性テープの
押え巻層６を設けることによって、この押え巻層６をス
ロットロッド５の外周面から若干浮かせた構造のもので
は、溝７の開口端より外側の繊条体８の配設位置までの
吸水性材料が、前述のように吸水膨潤し止水に関与する
ことができるので、より効果的に走水を止めることがで
きる。

また、このような繊条体を設けたことによって、ケーブ
ルの機械的、電気的並びに光学的特性が低下することが
ない。

なお、繊条体は５００〜１５００デニールの太さが好ま
しい。５００デニールより細いと押さえ巻き層６をスロ
ットロッド５の外周から浮かせる効果がなく、１５００
デニールより太いと隙間があき過ぎてかえってし走水し
てしまうおそれがでてくるためである。

（実施例） 第１図は、本発明の防水光フアイバケーブルの一実施例
を示す横断面図である。

図において、符号９は抗張力体、符号１ｏは外周に複数
の溝１１が設けられたスロットロッド、符号１２は、ス
ロットロッド１０の溝１１中に収納された光ファイバテ
ープ心線を示す。

そしてこの光ファイバテープ心線１２は、第２図に示す
ように、コアとクラッドからなる光ファイバ裸線１３の
外周に、−次被覆１４を設けてなる光フアイバ素線１５
の複数本を、平面上に並列に配置し、その外周にテープ
被覆１６を一体に被覆した構造を有している。

また符号１７は、スロットロッド１０の外周に粗巻きさ
れた１本または複数本の繊条体を示し、符号１８および
１９は、それぞれ吸水性テープの押え巻層およびプラス
チックソースを示す。

次に、このような構造の光フアイバケーブルの具体例を
示す。

すなわち、ケプラーＦＲＰ　（ポリアラミツド繊維強化
プラスチック、ケブラーは米国デュポン社の商品名）か
らなる抗張力体が、中心部に埋設され、かつ外周面に深
さ２．５ｍ、幅１．５ｍｍの５つの溝が５００　ａｍの
ピッチの左螺旋状に穿設された、外径１１．５ｍｍのス
ロットロッドを使用し、その溝内に、それぞれ５枚の光
ファイバテープ心線を積層したユニットを収納した。

光ファイバテープ心線は、コア径ｌＯμ―、クラッド径
１２５μ−の３Ｍファイバの上に、紫外線硬化型ポリア
クリレートの一次被覆を設けてなる外径２５０μｍの光
フアイバ素線を４本並列に配置し、その外側に幅１．１
　ｓ■、厚さ０゜３８ｍｍのテープ被覆を一体に設けた
ものである。

次いで前記光ファイバテープ心線が収容されたスロット
ロッドの外周に、繊条体として８４０デニールのナイロ
ン糸２本を、３０關のピッチで右方向に粗く巻回した後
、その上に、吸水性テープとして５−ＸＴＮ　（福岡ク
ロス工業（株）製、厚さ０．４２ｗ）　　１枚を、幅方
向に１／２ラツプさせて左方向に巻回し、押え巻層を形
成した。さらにその上に、ポリエチレンシースを押出し
被覆して、外径１７．１ｍ■のケーブルを得た。

また比較のために、実施例のケーブルから繊条体（ナイ
ロン糸）の粗巻き層を取除いた他は同一の構成で、ケー
ブルを製造した。

次に、実施例および比較例で得られた光フアイバケーブ
ルに対し、ケーブルの断面から注水するＬ字型試験と、
ケーブル側面から注水するＴ字型試験をそれぞれ行い、
止水特性を測定評価した。

すなわちＬ字型試験は、光フアイバケーブル試料（長さ
１０■）の端部断面に、人工海水によって水頭長ｌ■の
水圧（０，ｌ気圧）を加え２４時間後の走水（浸水）長
を測定した。またＴ字型試験は、同じ長さのケーブル試
料の押え巻層の上から人工海水を注水し、水頭長ｌ■の
水圧（０，ｌ気圧）を加え２４時間後の走水（浸水）長
を測定した。

測定の結果を以下に示す。

表 この結果からも明らかなように、本発明の光フアイバケ
ーブルは比較例のケーブルに比べ、走水長が短く長さ方
向の水走りが効果的に防止されている。

また側圧、曲げ、張力等を加えて光伝送損失の変動を調
べたところ、実施例の光フアイバケーブルは比較例の光
フアイバケーブルと同等以上の特性を示した。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の光フアイバケーブルにお
いては、吸水性テープの押え巻層の多くの部分が、止水
に効果的な関与しているので、ケーブル内に水が侵入し
た場合に、極めて短い距離で止水される。

また従来の防水光フアイバケーブルと同等の機械的、光
学的特性を有している。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の防水光フアイバケーブルの一実施例を
示す横断面図、第２図はこの実施例を構成する光ファイ
バテープ心線を拡大して示す横断面図、第３図は本発明
に使用する吸水性テープの一例を示す横断面図、第４図
は本発明の光フアイバケーブルにおける繊条体の作用を
示す図である。 １０・・・−・・・・・スロットロッド１２・・・・・
・・・・光ファイバテープ心線１７・・・・・・・・・
繊条体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）スロットロッドの溝を形成し、この溝内に複数本
   の光ファイバテープ心線を積層して収納するとともに、
   前記スロットロッドの外周に繊条体を粗巻きし、かつそ
   の上に吸水性テープの押え巻層とプラスチックソースと
   を順に設けてなることを特徴とする防水光ファイバケー
   ブル。