JPH0326398Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、圧縮空気のような流動ガス状の媒体
から油及び／又は水蒸気を除去するのに適合した
種類の装置に関する。さらに詳しくは、そのよう
な装置における排出装置の改良に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

本考案者の手になり、また本出願人に対して与
えられた米国特許第4487618号（特公昭62−1763
号公報）には、圧縮空気が流動する管路から水及
び／又は油の蒸気を除去するための管路内（in−
line；管路の途中に設けられる）トラツプが開示
されている。そのトラツプは間隔を置いて同軸に
配置された入口及び出口開口を有するマニホルド
と、該マニホルドから吊り下げられた、即ちマニ
ホルドの下方に設けられた中空の基部とからな
る。マニホルドの入口開口と中空の基部との間に
は第一のカートリツジが延伸しており、このカー
トリツジには該カートリツジを通過する空気中の
水及び／又は油の蒸気を液滴へと凝集させるワイ
ヤーパツドが備えられている。凝集した液滴は次
いで空気流に乗せられ、基部内へと運び込まれ
る。基部内では、一体のハニカム（蜂の巣状）構
造体が基部の底壁及び側壁と協同して、第一のカ
ートリツジから流れ込む空気から落下する液滴を
捕捉する死空間（空気運動のない空間）を形成し
ている。そして繊維及びワイヤーメツシユを螺旋
状に巻いてなる材料を含んだ第二のカートリツジ
が、圧縮空気を基部内からマニホルドの出口開口
へと方向付け、また同時に該空気から残余の蒸気
を除去するように機能する。

上述の特許において開示されている装置の商業
的な実施例は、本出願人により商標
EXTRACTORを付されて販売されている。そこ
においては、基部の底壁に設けられた凹部が、圧
縮空気中から除去された水及び／又は油を集めて
おくための液体溜めを形成している。そして該底
壁の凹部には、Ｔ字形の排出コツクを含む従来の
排出機構が設けられており、該凹部に集められた
液体を適宜排出するようになつている。

〔考案の解決しようとする問題点〕

本考案は、このような従来の排出機構を改良す
るという問題点に関連している。すなわち本考案
の目的は、圧縮空気中から油及び／又は水蒸気を
除去するための上述したような特徴を有するトラ
ツプであつて、トラツプ作動中に排出路が連続的
にしかし僅かに開放し、それによつて主空気管路
に実質的な圧力降下を生ずることなく、圧縮空気
の圧力下において連続的な液体の流出即ち排出を
許容するトラツプを提供することにある。またゴ
ミや埃を排出開口を介して除去する設備を備えた
トラツプを提供し、排出路が閉塞されるのを防止
し修理の必要がないようにすることも目的として
いる。

本考案の別の目的は、上記のような排出路を備
えると共に、捉えられた液体を排出するマクロ即
ち大きな排出路をさらに有するトラツプを提供す
ることである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記のような問題点を解決するための本考案
は、他の目的、特徴及び利点などと共に、以下の
説明及び添付図面によつて最も良く理解されるで
あろう。

尚、前述した米国特許第4487618号に開示され
た内容は、ここに参照事項として取り込まれる。

第１図には、本発明による蒸気トラツプ１０の
現在のところ好ましい実施例が示されている。こ
の蒸気トラツプ１０は、反対方向を向いて同軸に
整列され、圧縮空気管路などのガス管に管内（in
−line）で連結せしめられる入口と出口をそれぞ
れ区画する。雌ねじをつけた開口部１４，１６を
有するキヤツプ即ちマニホルド１２を有してい
る。入口開口１４に対面するマニホルド１２の凹
内面１８は、入つてくる空気を入口開口の軸線に
直交するように、即ち第１図の下の方へと向け
る。同様にして、出口開口１６に対面する凹内面
２０は、上の方へと流れてくる空気を受け取り、
これを出口開口１６へと向ける。ほぼ矩形の構造
の中空の基部２２は、底壁２４と、連続する周辺
側壁２５とからなり、側壁２５は底壁２４の周囲
でこれと接触し、ガスケツト２６により隔てられ
ている。基部２２はマニホルド１２の下に吊り下
げられ、かつこれにボルト３０によつて固定さ
れ、かくして包囲体２８を形成している。横方向
に間隔を置いて配置された一対の円形の開口３
２，３４が、組み立てられた際にそれぞれマニホ
ルド１２の入口及び出口の部分と同軸に心を合わ
せられるようにして基部２２に設けられている。
一体のハニカム構造３６が、包囲体２８の低い方
の部分に底壁２４と隣接して配置されており、基
部２２の側壁及び底壁と協同して、包囲体の底壁
付近に実質的に空気運動ゼロの領域を画定してい
る。第１図においては、ハニカム構造３６の巣即
ち孔は上方かつ左の方に、つまり入口開口１４の
方向に角度をなしていることが理解されよう。

横方向に隔置された取替自在の一対の蒸発器カ
ートリツジ３８，４０は、マニホルド１２と基部
２２との間でボルト３０により締め付けられ、こ
れらと密封係合される。マニホルド１２の入口部
分と基部２２の開口３２との間で軸線方向に心を
合わせて締めつけられたカートリツジ３８は、円
筒形のカートリツジ外壁４２と、軸方向に間隔を
置いて配置され、かつマニホルド１２及び基部２
２のそれぞれと密封係合するよう配置された一対
の開口端部ガスケツト４４とからなる。外壁４２
の内部においてカートリツジ３８は、そこを通過
する水または油の蒸気を凝集させて液滴とするよ
うな種類のワイヤーメツシユ繊維からなる塊即ち
パツド４８を有している。本考案の好ましい実施
例においては、パツド４８は所謂“グツドロー
（Goodloe）柱状パツキング”という種類の、米
国特許第2521785号に記載されたものからなる。
空気流に対するカートリツジ３８の断面の大きさ
は、基部２２内の包囲体２８の断面よりも小さ
い。マニホルド１２の出口部分と基部２２の開口
３４との間で軸線方向に心を合わせて締めつけら
れたカートリツジ４０は、円筒形のカートリツジ
外壁５０と、マニホルド１２及び基部２２のそれ
ぞれと密封係合するよう配置された一対の開口端
部ガスケツト４４とからなる。カートリツジ外壁
５０の内部かつ端部ガスケツト４４の間にあり、
カートリツジの容積全体を満たしているものは、
ワイヤーメツシユまたはスクリーンと吸収材料と
を螺旋状に交互に積層してなる詰物（plug）構造
５２である。

ここまでに説明したトラツプ、つまり最も重要
な側面において参考の米国特許第4487618号に類
似しているこのトラツプ１０の作動においては、
水及び／又は油の蒸気を含有した空気がまず入口
開口１４から受容され、凹内面１８により下方へ
と、カートリツジ３８内を通過するように方向付
けられる。カートリツジ３８のパツド４８を通過
する間に、水及び／又は油の蒸気は液滴へと凝集
し、この液滴は次いで空気流に乗せられて基部２
２内の包囲体２８の中へと運ばれる。空気流に対
する包囲体２８の断面の大きさは、カートリツジ
３８の同様な断面よりも大きいため、基部２２に
入つてくる空気の速度は減少し、運ばれてきた液
滴は重力および遠心力によつて基部２２の低い部
分へと落下する。落下した液滴は、捕捉作用を増
すために空気流の大体の方向と反対の方向へと角
度をなして向いているハニカム構造３６によつて
形成された、本質的に死んだ、つまり空気運動の
ない空間内に捉えられる。ハニカム構造３６の構
成がその中での実質的な空気の動きを妨げること
から、液滴の再度の蒸発は実質的に排除される。
一方、今や75％から95％乾燥した空気流は、開口
３４を介して包囲体２８からカートリツジ４０へ
と供給される。空気流が繊維／メツシユの詰物構
造５２を通つて出口開口１６へと向かつて上方へ
と進むにつれ、いかなる残余の蒸気も繊維状の詰
物材料により除去される。

本考案によれば、底壁２４にはハニカム構造３
６及びこれにより形成される死空間の下に凹部が
設けられており、圧縮空気流から除去された液体
の溜め６０として機能する。排出装置６２が溜め
６０に従属するようにして設けられている。排出
装置６２は、溜め６０の下方の対応する開口にね
じ込まれる雄ねじを表面に備え、また溜め６０か
ら遠い方の側の雌ねじが切られた部分及び溜め６
０の真隣にあり且つ半径が拡大された部分６８
（第２図）を有する内部孔６６とからなる排出部
カラー６４を含んでいる。排出コツク７０はカラ
ー６４にねじ込まれる中空の管状体７２を有し、
その内部には排出路７４が軸方向に通つている。
管状体７２は、溜め６０内に配置される拡大され
た頭部７６を有している。頭部７６の間近におい
ては、内部の排出路７４からカラー６４の拡大部
分６８へと通ずる横方向の通路８０（図面では紙
の裏側へと向けて延伸している）が管状体７２を
通つて延びている。頭部７６及びカラー６４に
は、相互補完的な対の円錐座８２が形成されてい
る。管状体７２の溜め６０から遠い方の部分に
は、相互に反対方向に突出した一対の翼８３が一
体に設けられており、排出コツク７０のカラー６
４内外への回転を容易にしている。かくして、排
出コツク７がカラー６４及び凹部の溜め６０内へ
と第２図に破線で示したような位置にねじ込まれ
ていると、溜め６０は拡大部分６８及び半径方向
の通路８０を介して排出路７４と連絡し、溜め６
０に集められた液体を排出する。他方、排出コツ
ク７０が図面に実線で描かれたような位置にあ
り、頭部７６がカラー６４の対応する円錐座８２
に座していると、排出路７４との連絡及び排出は
行われない。ここまで説明した限りにおいては、
排出装置６２は、前出した商業的に入手可能なト
ラツプEXTRACTORに用いられているものと実
質的に同一である。

本考案によれば、排出装置６２は、圧力下にお
いて連続的な流出即ち排出を行うことができるよ
うに、そしてまた塵埃が堆積した場合に不連続に
なつた排出装置の閉塞を除去する設備を提供する
ように、以下のようにして改良される。詳しく述
べると、頭部７６にはオリフイス９０が排出路７
４と同軸に設けられ、排出路７４を凹部により形
成された溜め６０へと直接に連絡する。排出路７
４及びオリフイス９０を通つて延伸しているのは
ワイヤ８４であり、このワイヤ８４は溜め６０内
にあるその端部８６が直角に折曲され、溜め６０
から該ワイヤ８４が抜けてしまうのを防止するよ
うになつている。溜め６０から遠い方の端部にあ
るワイヤ８４のＴ字形の頭部８８は、反対向きに
折曲された一対の折り曲げ部により構成されてお
り、これによつてワイヤ８４が排出路７４及びオ
リフイス９０内で回転するのを容易にしている。
本考案の一実施例においては、オリフイス９０は
1.3208mm（0.052in.）の直径を有し、ワイヤ８４
は1.1938mm（0.047in.）の直径のワイヤから形成
されている。従つて、半径方向に約0.0635mm
（0.0025in.）の大きさを有する小さな環状通路が
オリフイス９０内でワイヤ８４の周囲に延伸し、
圧縮空気の通過するトラツプ１０の圧力下におい
て、空気の圧力を実質的に降下させることなく、
集められた液体の連続的な流出を行わしめる。こ
のような環状通路を詰まらせるだけの量の塵や埃
が集積された場合には、操作する者はワイヤ８４
の頭部８８を握り回転させる。すると折曲された
ワイヤ端部８６が清掃機能を営み、オリフイス９
０を取り巻く頭部７６の環状領域をきれいにす
る。このようにして、トラツプの作動中における
連続的な流排出が達成される。液体及び塵埃の双
方を除去するためにマクロ的な排出が望ましい場
合には、例えば前述したように排出コツク７０を
カラー６４にねじ込めばよい。しかしそのような
手段による排出は、空気の圧力を実質的に降下さ
せる。

〔考案の効果〕

本考案の効果は上記の説明中から明らかである
が、再度要約すれば、本考案の装置により、空気
管路蒸気トラツプにおいて、トラツプの作動中で
あつても実質的な圧力降下を生ずることなく、該
トラツプに集められた液体を連続的に排出するこ
とができる。また排出路が詰まつた場合でも、そ
の詰まりを容易に除去することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の蒸気トラツプについて垂直方
向にとつた断面図、第２図は排出機構を拡大して
示す第１図のトラツプの部分拡大図である。 １０……蒸気トラツプ、１２……マニホルド、
１４……入口開口、１６……出口開口、１８，２
０……凹内面、２２……基部、２４……底壁、２
５……側壁、２６……ガスケツト、２８……包囲
体、３０……ボルト、３２，３４……開口、３６
……ハニカム構造、３８，４０……カートリツ
ジ、４２……外壁、４４……ガスケツト、４８…
…パツド、５０……外壁、５２……詰物構造、６
０……溜め、６２……排出装置、６４……カラ
ー、６６……内部孔、６８……拡大部分、７０…
…排出コツク、７２……管状体、７４……排出
路、７６……頭部、８０……通路、８２……円錐
座、８３……翼、８４……ワイヤ、８６……端
部、８８……頭部、９０……オリフイス。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 圧縮空気管路等から蒸気を除去する管路内蒸気
   トラツプであつて、 入口と、出口と、流入する空気を該入口から下
   方に向ける装置と、該出口へと上方に向けられる
   空気を受容する装置とからなるマニホルドと、 該マニホルドの下方に距離をおいて吊り下げら
   れる包囲体を定める基部と、該基部は溜めを形成
   する凹部を有する底壁を含んでいることと、 前記入口と前記基部との間に延伸するよう設け
   られ流入する空気を前記包囲体内へと下方に向け
   る第一の装置と、該第一の装置がそこを通過する
   空気中の蒸気を液滴へと凝縮するのを促進させる
   手段を備えていることと、 前記基部と前記出口との間に延伸するよう設け
   られ前記包囲体から前記出口へと空気を向ける第
   二の装置と、 前記溜め内に開口するよう前記底壁にねじ込み
   により受容された排出部カラーと、該カラーが一
   端に雌ねじが切られ前記溜めに隣接する他端が拡
   大された内部孔を有することと、前記排出部カラ
   ーの内部孔にねじ込まれる中空の管状体と該管状
   体内を軸方向に延伸する排出路と前記溜め内に位
   置する拡大された頭部と該頭部に隣接し前記排出
   路を前記内部孔の拡大部に連絡する横方向の通路
   とからなる排出コツクと、前記頭部及びこれに隣
   接する前記カラーの部分は相互補完的な円錐座を
   有することと、及び前記排出路から前記基部内へ
   と軸方向に延伸する開放オリフイスとからなる排
   出装置と、 前記排出路及び前記オリフイスを通つて延伸す
   る中央部と、前記基部内にある端部に形成された
   直角の折曲部と、前記基部から遠い方の端部に形
   成されたＴ字形の頭部とからなるワイヤと、前記
   オリフイスは該ワイヤの回転を許容するに充分な
   だけの大きさを有していること とからなる空気管路蒸気トラツプ。