JPH03250713A - 乾式変圧器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、収容箱内に設置される乾式変圧器に関する。

（従来の技術） 一般に屋外に設置される変圧器は、屋外用キユービクル
等の収容箱に収納されるようになっており、変圧器本体
への雨水等の直接の接触を避けた状態で動作される環境
になっている。このような屋外用の変圧器としては、安
全性及び環境保全の面から難燃化が要求されるようにな
ってきている。つまり、従来より多く用いられている油
入変圧器においては、油漏れによる環境汚染公害の発生
や、引火爆発等による二次災害の発生が懸念されるため
て、特に変圧器本体が不特定多数の人が集まるような公
共の場所に設置される場合には、このような事故の発生
を未然に防止することが重要な問題となるからである。

そこで、近年ではこのような不具合の発生を防止すべく
、絶縁材料として油を用いない例えばモールド変圧器等
の乾式変圧器の適用が考えられている。即ち、モールド
変圧器は、第４図にその外観を示すように、金属製の基
枠］に、絶縁樹脂によりモールドされたコイル２ａ、　
　２ｂ及び２ｃが所定間隔て配置固定された構成となっ
ているものである。この場合、コイル２ａ乃至２ｃは三
相の各相に対応して設けられたもので、夫々−次端子３
ａ乃至３ｃ及び二次端子４ａ乃至４ｃが基枠１の上面部
に引出し固定されている。また、夫々のコイル２ａ乃至
２ｃには側面部に巻線比切換用のタップ部５ａ乃至５ｃ
が形成されている。タップ部５ａ乃至５ｃには、タップ
端子６か設けられ、各タップ部５ａ乃至５ｃのタップ端
子６間がタップ切換リード７により電気的に接続された
状態となっている。また、コイル部分はエポキシ樹脂等
によりモールドされた状態に形成されている。

このようなモールド変圧器によれば、外気状態の変動に
伴ってキユービクル内の雰囲気が変動しても、結露等に
よる悪影響を受けることなく動作させることができ、し
かも絶縁油等の液体を使わない乾式であるため、安全性
及び環境保全に対して有効となるものである。

（発明が解決しようとする課題） ところで、このようなモールド変圧器の収容される屋外
用キユービクル内は、雨水の直接の接触は避けられるが
、通気口を介して外気と接しているため、設置環境は外
気と略同じ環境条件となっている。従って、温度変化或
は湿度変化の激しいころでは変圧器本体もかなりの影響
を受けることになる。そして、このような条件において
、例えば、モールド樹脂にヘヤークラック等か発生した
場合には、コイル２ａ乃至２Ｃか外気の影響を直接受け
る場合が生じ、変圧器の絶縁特性が劣化してしまうとい
った不具合か生ずる。

本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
は、外部環境の変化による悪影響を受は難く絶縁特性に
優れた乾式変圧器を提供するにある。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 本発明は、収容箱内に設置される乾式変圧器を対象とし
、前記乾式変圧器の本体部を収納するように設けられそ
の収納状態で上記本体部のタップ切換端子と対応される
部分に開閉蓋を有するケース、及びこのケース内に前記
本体部を覆うように充填された発水性を有するゲル状絶
縁物を備えたところに特徴を有する。

（作用） 本発明の乾式変圧器によれば、変圧器の本体部は、発水
性を有するゲル状絶縁物で覆われた状態でケースに収納
されており、コイルは外部の雰囲気と直接接することか
ないので、水分の侵入を極力防止でき絶縁特性が保持さ
れ、変圧器として安定な動作状態を維持できる。そして
、このような絶縁物がゲル状をなす材料であるから、絶
縁物で覆われた状態でも、タップ端子切換時にはケース
に設けられた開閉蓋を開けることにより操作することが
できる。そして、このとき絶縁物は、ゲル状態で流動性
が小さいことから、ケース外部に流れ出すことなくケー
ス内部に留まったままの自己保持状態を維持する。さら
に、ゲル状絶縁物は、振動減衰機能をもっていることに
より、変圧器本体部の振動を吸収することかできるので
、変圧器の動作状態における騒音の発生を低下させる。

（実施例） 以下、本発明をモールド変圧器に適用した場合の一実施
例について第１図乃至第３図を参照しながら説明する。

まず、変圧器本体部１１は、第２図（ａ）。

（ｂ）、（ｃ）に示すように、金属製の基枠１２に、絶
縁樹脂によりモールドされたコイル１３ａ。

１３ｂ及び１３ｃか所定間隔て配置固定された構成とな
っている。コイル１．３　ａ乃至１３ｃは三相の各相に
対応して設けられたもので、夫々−次端子１４ａ乃至１
４ｃ及び二次端子１５ａ乃至１５Ｃが基枠１２の上面部
に引出し固定されている。

また、夫々のコイル１３ａ乃至１３ｃには側面部に巻線
比切換用のタップ部１６ａ乃至１６ｃが形成されている
。タップ部１６ａ乃至１６ｃには、タップ端子１７か設
けられ、各タップ部１６　ａ　Ｉ５至１６ｃのタップ端
子１７間かタップ切換リード１８により電気的に接続さ
れた状態となっている。

また、コイル部分はエポキシ樹脂等によりモールドされ
た状態に形成されている。

さて、上述のように構成された変圧器本体部］１は、第
１図に示すように、上面が開口された矩形状のケース１
９に収納されている。この場合、ケース１９は、繊維強
化プラスチック（ＦＲＰ）或は銅板等により形成されて
いる。このケース１９において、変圧器本体部１１のタ
ップ部１６ａ乃至１６ｃに対応する前面パネル部分１９
ａには開口部か形成されており、その開口部を塞ぐよう
にして開閉蓋２０かねし２０ａにより取付は固定されて
いる。そして、このケース１９には、発水性を有するゲ
ル状絶縁物たるシリコーンゲル２１が充填されており、
変圧器本体部１１は一次端子１４ａ乃至１４ｃ、二次端
子１５ａ乃至１５ｃを除いてシリコーンゲル２１中に載
置されていることになる。以上のようにして乾式変圧器
２２か構成される。

次に、乾式変圧器２２が設置される収容箱たる屋外用キ
ユービクル２３について述べる。キユービクル２３は、
第３図に側面から破断して示すように、屋根部２３ａ及
び扉２３ｂを有する金属製の矩形状容器であり、底面及
び上面側にはパンチングメタル２４が配設されて外部と
の通気が可能となるように形成されている。乾式変圧器
２２は、キユービクル２３の内部下面に設置され、その
−次端子１４ａ乃至１４ｃは一次側リード線２５を介し
て負荷開閉器２６に接続され、二次端子１５ａ乃至１５
ｃは二次側ブスバー２７を介して配線用遮断器２８に接
続されている。尚、扉２３ｂを開けることにより内部の
メンテナンスが行えるようになっている。

ここで、絶縁物としてのシリコーンゲル２１の性質及び
特性に関して簡単に説明する。一般に、シリコーンゲル
は、硬化前の状態では低粘度で流動性に優れるため、形
状の複雑なものでも細部に渡って隙間無く注入充填する
ことができる。そして、硬化後は柔らかな寒天状の状態
となり、広範囲の温度領域に渡って化学的、電気的に安
定な絶縁材料として使用でき、しかも粘着性があるので
発水性、密着シール性及び耐湿性に優れ、且つ、熱伝導
性に優れるという利点を有する。さらに、シリコーンゲ
ルは、このような柔軟な形態をとることから、機械的な
振動或は衝撃の吸収性に優れるという特徴を有している
。

本実施例においては、上述のような特性を有するシリコ
ーンゲル２１を用いていることにより、変圧器本体部１
１は外気による悪影響を殆と受けることなく動作させる
ことかできると共に、例えばコイル１３ａ乃至１３ｃの
うちの何れかが何等かの原因によりモールド部分にヘヤ
ークラック等が発生した場合でも、そのクラック部分に
外気の悪影響が及ぶことかないので、長期間に渡って信
頼性のおける動作を確保することかできる。

このような特性は、乾式変圧器２２自体を空気中或は絶
縁ガス（ＳＦ６）の雰囲気に設置した場合に比べると、
発明者の実測データによれば次のような優れた結果とし
て得られている。即ち、シリコーンゲル２１による絶縁
特性は、２４　（ｋＶ／　ｍ　ｍ　）の絶縁破壊電圧が
得られるのに対し、空気中では２．３４、そしてＳＦ、
ガス中においては８．６というデータが得られており、
非常に良好な絶縁特性であることがわかる。また、熱伝
導性の点ては、シリコーンゲル２１が４．８４×１０−
’（、ｃａ　ｌ／ｃｍ−ｓ　・”Ｃ）であるのに対し、
夫々５．１２Ｘ１０−５及び３．３６Ｘ１０−５と略−
桁良い特性を示すことがわかった。

また、本実施例によれば、シリコーンゲル２１が振動吸
収の特性を有することから、変圧器本体部１１か発生す
る振動を吸収して騒音を低下させることができる。

尚、上記実施例においては、変圧器本体部１１としてモ
ールド変圧器を用いた場合について述べたが、これに限
らず、乾式形の変圧器全般に適用できるものである。

また、上記実施例においては、−次端子１４ａ乃至１４
ｃ及び二次端子１５ａ乃至１５ｃをケース１９の外に引
出した形態で述べたが、これに限らす、−次端子及び二
次端子はシリコーンゲル２１に覆われる形態とし、リー
ド線及び二次ブスバーをシリコーンゲル２１内に引入れ
て接続する形態としても良い。

さらに、上記実施例においては、ケース１９の外面は特
別の形状としていないが、例えば、放熱板を取付けたも
のとすれば、変圧器本体１１の冷却効率をさらに向上さ
せることができる。

そして、上記実施例においては、本発明を屋外用のもの
について適用した場合について説明したが、これに限ら
す、例えば屋内用乾式変圧器に適用しても良く、騒音の
低減及び小形化が図れるものである。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の乾式変圧器によば、変圧
器本体部をケース内に収納し、このケース内に発水性を
有するゲル状絶縁物を充填する構成としたので、変圧器
本体部は直接外気と接触することがなくなると共に、水
分の侵入が阻止されることにより、より安定な変圧器動
作が維持され、信頼性が向上する。また、絶縁物をゲル
状のものとしたので、振動の吸収性に優れ、変圧器本体
部から発生する振動を吸収することにより騒音の発生を
抑制できるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本発明の一実施例を示し、第１図は
一部を破断して示す全体構成の外観斜視図、第２図（ａ
）、（ｂ）及び（ｃ）は変圧器本体部を示す上面図、正
面図及び側面図、第３図は屋外用キユービクルに設置し
た状態を示す側面板を外した側面図であり、第４図は従
来例を示す第１図相当図である。 図面中、１１は変圧器本体部、１３ａ乃至Ｃはモールド
コイル、１４ａ乃至Ｃは一次端子、１５ａ乃至Ｃは二次
端子・、１６ａ乃至Ｃはタップ部、１７はタップ端子、
１８はタップ切換リート、１９はケース、２０は開閉蓋
、２］はシリコーンケル（ゲル状絶縁物）、２３は屋外
用キユービクル（収容箱）である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １．収容箱内に設置される乾式変圧器において、前記乾
   式変圧器の本体部を収納するように設けられその収納状
   態で上記本体部のタップ切換端子と対応される部分に開
   閉蓋を有するケースと、このケース内に前記本体部を覆
   うように充填された発水性を有するゲル状絶縁物とを備
   えたことを特徴とする乾式変圧器。