JPH0324965Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は微粉炭焚きボイラに関し、微粉固体燃
料を使用するボイラ、化学工業炉等に利用され
る。

従来の技術 水平断面が多角形をなす炉と、この炉を構成す
る壁へ同一水平面内に複数本取り付けられた微粉
炭焚き用のバーナと、これらバーナへ燃料として
の微粉炭を供給する輸送管とを有し、バーナで形
成される火炎が旋回流をなすよう構成された従来
の微粉炭焚きボイラの一例を第３図，第４図およ
び第５図に示す。図中、符号１は炉本体、２はバ
ーナ本体、３は燃料ノズル、４は空気ノズル、５
は微粉炭輸送管、６は燃焼用空気ライン、７は石
炭粉砕機、８は送風機、９は微粉炭混合器、１０
は燃焼用空気、１１は石炭、１２は搬送用空気、
１３は炉内、１４は微粉炭炎をそれぞれ示してい
る。

従来のボイラにおいて、石炭粉砕機７に送り込
まれた石炭１１は微粉化され、同時に送り込まれ
た搬送用空気（温風）１２と混合して微粉炭混合
気９を形成し、微粉炭輸送管５を通してバーナ本
体２へ送り込まれる。

バーナ本体２には燃料ノズル３と、その上下に
空気ノズル４とが組込まれており、バーナ本体２
に送り込まれて来た微粉炭混合気９は燃料ノズル
３から炉内１３へ噴射される。

一方、燃焼用空気１０は送風機８によつて燃焼
用空気ライン６を通してバーナ本体２へ送り込ま
れ、空気ノズル４から炉内１３へ噴射される。

炉内１３へ噴射された微粉炭混合気９は炉内微
粉炭炎１４の熱ふく射によつて着火し、燃焼を継
続する。

微粉炭炎１４は、着火点近傍では、微粉炭と共
に微粉炭混合気９を形成している搬送用空気１２
と、着火点近傍における燃焼用空気１０の一部と
によつて供給される酸素と反応して燃焼し、以後
の主燃焼ゾーンでは残りの燃焼用空気１０中の酸
素によつて燃焼が継続される。

微粉炭輸送管５は普通、バーナ本体２廻りのス
ペースの関係上、第４図に示す如く、バーナ本体
２の横に立上つており、バーナ本体２へ接続する
ためには略々90゜曲げる必要がある。そのため、
微粉炭輸送管５内の微粉炭混合気９は、第５図ａ
ないしｄに示すように微粉炭濃度にアンバランス
が生じてそのまゝ燃料ノズル３から炉内１３へ噴
射される。

考案が解決しようとする問題点 微粉炭輸送管５の配置の関係上、微粉炭混合気
９は微粉炭濃度にアンバランスを生じた状態を燃
料ノズル３から炉内１３へ噴射されるが、その結
果、第４図において“Ａ”、“Ｃ”バーナが形成す
る微粉炭炎１４は炉壁側が微粉炭濃度大となり、
逆に炉中心側が微粉炭濃度小となる。又、“Ｂ”、
“Ｄ”バーナが形成する微粉炭炎１４は炉壁側が
微粉炭濃度小となり、逆に炉中心側が微粉炭濃度
大となる。このため従来ののボイラでは熱負荷が
高い炉中心側に微粉炭濃度大の部分が形成される
微粉炭炎１４は、その上流微粉炭炎（“Ｂ”バー
ナの場合は“Ａ”バーナ微粉炭炎）によつて、又
は自らの火炎の拡がりによつて表面温度の低い炉
壁に衝突しても未然分の発生が少なく、燃焼上問
題は無いが、逆に炉壁側に微粉炭濃度の大きい部
分が形成される微粉炭炎１４は炉壁に衝突した場
合未然分の発生が大きい上に、炉壁に灰が付着堆
積すると云つた欠点を有している。

問題点を解決するための手段 本考案は、上述の欠点を解消するために次のよ
うな手段を採つている。

すなわち、水平断面が多角形をなす炉と、同炉
を構成する壁へ同一水平面内に複数本取り付けら
れた微粉炭焚き用のバーナと、同バーナへ燃料と
しての微粉炭を供給する輸送管とを有し、上記バ
ーナで形成される火炎が旋回流をなす微粉炭焚き
ボイラにおいて、上記火炎中の微粉炭濃度大の部
分が炉壁側となるバーナへの輸送管へ、両側面が
該輸送管の内面に当接して輸送管内の流れを２分
割しかつ軸方向にねじられて輸送管内の微粉炭濃
度分布を反転させる整流板を挿入するようにして
いる。

作 用 以上述べた手段によれば、微粉炭輸送管５を通
して送り込まれて来た微粉炭混合気９はバーナ本
体２の入口部のベンドを通過する際、遠心力を受
ける。微粉炭混合気９を構成する微粉炭粒子と搬
送用空気１２とでは比重に差があり、遠心力を受
けた比重大の微粉炭粒子は微粉炭輸送管５のベン
ドの外側の方へ偏流するためベンド出口部の微粉
炭輸送管５内ではベンドの曲げ半径の大きい方に
面した側が微粉炭濃度大となる。このまゝの状態
で微粉炭混合気９を炉内１３へ噴射した場合、形
成された火炎の微粉炭濃度大の部分が炉壁側とな
るバーナについては、ベンド出口部の微粉炭輸送
管５内に設けた整流板を通ることにより燃料ノズ
ル３の入口部において微粉炭混合気９の微粉炭濃
度分布が略々180゜反転することになる。この結
果、本考案による微粉炭焚きバーナによつて形成
される微粉炭炎１４は全て微粉炭濃度大の部分が
火炉中心側となるよう形成され、未燃損失が減少
して炉壁への灰付着も解消される。

実施例 次に、第１図および第２図ａないしｅを参照し
て本考案による微粉炭焚きボイラの好適な実施例
について詳述する。第１図において、符号５は微
粉炭輸送管、９は微粉炭混合気、２１は整流板を
示している。

燃料ノズル３から噴射された微粉炭混合気９に
よつて形成された微粉炭炎１４のうち、微粉炭濃
度の大となる部分が炉壁側となるバーナ（たとえ
ば第４図のＡ，Ｃバーナ）について、バーナ本体
２の入口の微粉炭輸送管５のベンド出口部に整流
板２１を設ける。この整流板２１は両側面が微粉
炭輸送管５の内面と当接し流れを２分割してねじ
られた状態でその微粉炭輸送管５内に挿入され
る。したがつて、燃料ノズル３の入口部では微粉
炭混合気９の微粉炭濃度分布が略々180゜反転す
る。

考案の効果 本考案によれば、微粉炭焚きバーナによつて形
成される微粉炭炎１４は全て微粉炭濃度大の部分
が火炉中心側となるよう形成されて未熱損失が減
少し、炉壁への灰付着も解消される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるボイラの一実施例を示す
要部断面図、第２図ａないしｅはその各部縦断面
図、第３図は一般的なボイラの燃焼系統図、第４
図はその概略横断面図、第５図ａないしｄは従来
のボイラの燃料ノズル入口部における微粉炭輸送
管内の微粉炭濃度分布を示す縦断面図である。 １……炉本体、２……バーナ本体、３……燃料
ノズル、４……空気ノズル、５……微粉炭輸送
管、６……燃焼用空気ライン、７……石炭粉砕
機、８……送風機、９……微粉炭混合気、１０…
…燃焼用空気、１１……石炭、１２……搬送用空
気、１３……炉内、１４……微粉炭炎、２１……
整流板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平断面が多角形をなす炉と、同炉を構成する
   壁へ同一水平面内に複数本取り付けられた微粉炭
   焚き用のバーナと、同バーナへ燃料としての微粉
   炭を供給する輸送管とを有し、上記バーナで形成
   される火炎が旋回流をなす微粉炭焚きボイラにお
   いて、上記火炎中の微粉炭濃度大の部分が炉壁側
   となるバーナへの輸送管へ、両側面が該輸送管の
   内面に当接して輸送管内の流れを２分割しかつ軸
   方向にねじられて輸送管内の微粉炭濃度分布を反
   転させる整流板を挿入してなる微粉炭焚きボイ
   ラ。