JPH0324365Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、インクリボンに塗布されている単一
色もしくは複数色のインクを被転写紙に対して熱
転写することにより印刷を行なう熱転写式プリン
タの紙送り機構に関する。

「従来技術」 従来の熱転写式プリンタにあつては、第３図お
よび第４図に示すように、被転写紙１をサーマル
ヘツド２と対向する印刷位置に搬送するプラテン
ローラ３、被転写紙１の逆送用としてのリバース
ローラ４、インクリボン５がロール状に巻かれた
供給側リボンリール６、およびインクリボン５の
一端を巻き取る巻取側リボンリール７等の各種構
成部材がハウジングＨ内に配設されている。ま
た、前記被転写紙１の幅方向両側にはフイードホ
ール１ａがそれぞれ等間隔で設けられており、一
方、前記プラテンローラ３およびリバースローラ
４のそれぞれにはフイードホール１ａに係合する
フイードピン３ａ，４ａが設けられている。そし
て、被転写紙１は、第４図に示す如く、外部から
ハウジングＨ内に水平に取り込まれ、供給側リボ
ンリール６上を通過した後、ガイドローラ８を介
してリバースローラ４に巻回され、さらにプラテ
ンローラ３にその下側から巻回されてそこから上
方へ送り出されるように構成されている。

「考案が解決しようとする問題点」 ところで、このような熱転写式プリンタにおい
ては、当然のことながら、適宜の期間毎に、ある
いは必要に応じて、インクリボン５をそのリボン
リールごと新しいものと交換したり装着し直した
りする作業を実施する必要があるが、従来の熱転
写式プリンタの場合、図示の如く供給側リボンリ
ール６の直上を被転写紙１が水平状態で通過する
形態となつている関係上、次のような問題があつ
た。

すなわち、インクリボン５が巻かれた供給側リ
ボンリール６のリール軸６ａに対する装着性等を
考慮した場合、ハウジングＨにおけるリボンリー
ル６の上部にあたる部分を第５図に示す如く開口
させておくのが好ましいのであるが、このように
した場合、同図に示すようにその開口部分におい
て被転写紙１の中央部が下方へたるみ、このた
め、その被転写紙１のフイードホール１ａが、こ
れに係合すべきりバースローラやプラテンローラ
のフイードピン７ａ，３ａ等の紙送り機構にうま
くかみ合わなくなるという相反する問題があつ
た。

よつて、本考案では、インクリボンの巻かれた
リボンリールの装着ないし取り外し等の作業性が
良好でかつ、被転写紙の送り機構を正常に機能さ
せることができる熱転写式プリンタの紙送り機構
を提供しようとするものである。

「問題を解決するための手段」 ハウジング内に装着される供給側リボンリール
上を被転写紙が通過する形態であつて、かつ、前
記被転写紙は、その幅方向両側部のフイードホー
ルに係合するフイードピン付きのローラの回転に
より搬送される構成の熱転写式プリンタにおい
て、前記供給側リボンリールの上部にあたるハウ
ジング部分を開口すると共に、その開口部におい
て前記被転写紙の幅方向に沿つて延在し被転写紙
の下面を水平にガイドする水平ガイド部と、中央
部に手の入るスペースを確保するための空所とを
有する案内部材を配設した構成とした。

「作用」 案内部材の水平ガイド部によつて被転写紙は水
平に保たれる結果、フイードホールとフイードピ
ンとは正常に係合することができ、一方、供給側
リボンリールの上部は開口され、かつ、前記案内
部材には空所が設けられているので、そのリボン
リールの定位置への装着ないし取外し等の作業性
を損なうことがない。

「実施例」 第１図および第２図は本考案の実施例である熱
転写式プリンタの構成を示すもので、これらの図
において、前述した従来の熱転写式プリンタの構
成と基本的に同一部分については同一符号を付し
てその説明を簡略化する。

この実施例による熱転写式プリンタが従来のも
のと異なる点は、供給側リボンリール６の上部に
あたるハウジングＨの部分を開口すると共に、そ
の開口部Ｐにおいて被転写紙１がたわまないよう
に支持する案内部材１０を設けた点にある。この
案内部材１０は、図示例では鋼線等の適宜の強度
をもつ線状体を曲げ形成して成るもので、ハウジ
ングＨの開口部Ｐ部分において被転写紙１の幅方
向（リール軸６ａと同一方向）に沿つて延在し被
転写紙１の下面を水平ガイドする水平ガイド部１
１と、中央部がＵ字状にわん曲して下方に延びる
垂下部１２とを有し、これによつてそのＵ字状の
垂下部１２部分には、手の入るスペースを確保す
るための空所Ｓが形成されている。この案内部材
１０はその両端の係止部１３，１３によつてハウ
ジングＨに固定されている。案内部材１０の垂下
部１２部分が形成する空所Ｓの幅Ｗは、リボンリ
ール６の装着ないし取外し作業時においてその作
業を実施しやすい程度であれば充分でありそれ以
上に大きくする必要はない。また、案内部材１０
の材質も、実施例のように鋼線等に限らず、これ
を樹脂モールドしたもの、あるいは全体が樹脂材
料より形成されたものなどであつてもよく、さら
にその具体的形状も、本考案の技術思想を考慮す
れば水平ガイド部１１と、手を入れやすいように
上方が開口した空所Ｓとを有する構成であれば良
く、実施例の形状に限定されるものではないこと
が理解できる。

「考案の効果」 本考案では、供給側リボンリールの上部にあた
るハウジング部分を開口すると共に、その開口部
において被転写紙の幅方向に沿つて延在し被転写
紙の下面を水平にガイドする水平ガイド部と、中
央部に手の入るスペースを確保するための空所と
を有する案内部材を配設した構成としたから、そ
の水平ガイド部によつて被転写紙は水平に保たれ
る結果、フイードホールとフイードピンとは正確
に係合し、これによつて被転写紙の送り機構を正
常に機能させることができ。また、供給側リボン
リールの上部は開口されていると共にここへ位置
する案内部材には空所が設けられているので、供
給側リボンリールのその定位置への装着ないし取
外し等の作業を容易に実施することができるとい
う優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す概略側面図、
第２図は第１図のＡ矢視図、第３図〜第５図は従
来例を示すもので、第３図は斜視図、第４図は概
略側面図、第５図は第４図のＢ矢視図である。 １……被転写紙、１ａ……フイードホール、３
……プラテンローラ、４……リバースローラ、３
ａ，４ａ……フイードピン、６……供給側リボン
リール、１０……案内部材、１１……水平ガイド
部、１２……垂下部、Ｈ……ハウジング、Ｓ……
空所、Ｐ……開口部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ハウジング内に装着される供給側リボンリー
   ル上を被転写紙が通過する形態であつて、か
   つ、前記被転写紙は、その幅方向両側部のフイ
   ードホールに係合するフイードピン付きのロー
   ラの回転により搬送される構成の熱転写式プリ
   ンタにおいて、前記供給側リボンリールの上部
   にあたるハウジング部分を開口すると共に、そ
   の開口部において前記被転写紙の幅方向に沿つ
   て延在し被転写紙の下面を水平にガイドする水
   平ガイド部と、この水平ガイド部の中央に手の
   入るスペースを確保するための空所とを有する
   案内部材を配設したことを特徴とする熱転写式
   プリンタの紙送り機構。 (2) 前記案内部材は線状体により構成され、前記
   空所は線状体の一部がＵ字状に下方へわん曲し
   た垂下部により構成されていることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の熱転写
   式プリンタの紙送り機構。