JPH0324297A - 離型性の優れた複合めつき皮膜 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ この発明は、例えば金属素材、セラミックス素材等の被
めっき材の表面上に形成された、離型性に優れた複合め
っき皮膜に関するものである。

［従来の技術］ 被めっき材の表面上に形威された，ニッケル、クロム等
の金属めっき皮膜に離型性を付与するために、金属めっ
き皮膜中に、離型剤として種々の無機物または有機物の
粒子を複合させる試みが従来から行なわれている。例え
ば，特公昭６０−４８５９９号公報には，金属めっき皮
膜中しこ、テトラフルオロエチレンーパーフルオロアル
キルビニルエーテル共重合体（以下、ｒＰＦＡＪという
）を共析させてなる複合めっき皮膜（以下，「先行技術
」という）が開示されている。先行技術によ摩耗性、離
型性等が付与される。

［発明が解決しようとする課Ｍ］ しかしながら、先行技術には、次のような問題がある。

即ち，先行技術の場合には，めっき皮膜の表面における
、樹脂成分によって占められる面積比率（以下，「樹脂
被覆率」という）が低い６従って，先行技術において，
めっき皮膜中に十分な離型性を付与するためには、複合
めっき皮膜が形或された被めっき材に対し、約３５０”
Ｃの温度で熱処理を施して、樹脂被覆率を高めることが
必要である。

このような熱処理を大気中において施すと、めっき金属
の表面に酸化物が生成して外観が劣化する。従って、そ
の用途によっては，上述した熱処理を、乾燥窒素等の雰
囲気中で施さなければならず、このために、多くの手間
を必要とし且つコストの上昇が避けられない。

従って，この発明の目的は、樹脂被覆率が高く、熱処理
を必要とせずに、めっきままで優れた離型性を経済的１
こ付与することができる複合めっき皮膜を提供すること
にある。

［課題を解決するための手段］ 本発明者等は、上述した問題を解決すべく鋭意研究を重
ねた。その結果、離型剤としてフッ素変性シリコーンオ
イルを金属めっき皮膜中に複合させた場合には、めっき
ままで高い樹脂被覆率が得られることを知見した． この発明の複合めっき皮膜は、上記知見に基づいてなさ
れたものであって、ニッケル、クロム、コバルト，銅，
釦、銀、錫等の金属めっき皮膜中に、離型剤として、フ
ッ素変性シリコーンオイル（以下、ｒＦｓＯＪ　という
）を共析させたことに特徴を有するものである。

この複合めっき皮膜は、ＦＳＯを１！！ｉ！！濁させた
電気めっき液または無電解電気めっき液を使用し、被め
っき材をめっきすることにより得られる。電気めっき液
としては、析出すべきめっき金属の種類に応じて適宜な
めっき浴を選ぶことができ、例えば、電気ニッケルめっ
き液としては、スルファミン酸ニッケル浴、ホウフッ化
ニッケル浴，ワット浴等を使用し５電気コバル１・めっ
き液としては，硫酸コバルト浴、塩化コバルト浴等を使
用する。

また、無電解めっき液としては、次亜リン酸やジメチル
ボラザン等の還元剤を含有する無電解ニッケルめっき液
，無電解コバルトめっき液、無電解銅めっき液等を使用
する。

上述した各種のめっき液中に、繊維処理材等の用途向け
に市販されているＦＳ○を、界面活性剤で乳化した上混
合し懸濁させることにより、ＦＳＯ複合めっき液が得ら
れる。ＦＳＯ複合めっき液中には，そのめっき液の種類
に応じ、光沢剤その他の添加剤および他の分散粒子等を
更に添加することができる。

本発明の複合めっき皮膜は，上述したＦＳＯ複合めっき
液を使用し，被めっき材をめっきすることによって得ら
れる。この場合のめっき液中に対するＦＳ○の含有量は
．　ｌ〜５　０　０　ｇＩＱ特に５〜２００ｇ／Ｑとす
ることが好ましい。なお，めっきは、めっき液の種類に
応じ、公知の条件で行なえばよい。また、被めっき材と
しては、金属素材、導電化または活性化されたプラスチ
ック，セラミック素材等、任意の材料を使用することが
できる。

本発明の、金属めっき皮膜中にＦＳＯを共析させた複合
めっき皮膜は，熱処理を施すことなく，めっきままで優
れた離型性が発揮されるので、強い粘着性を有する物質
と接触しても粘着しにくい、非粘着、離型性を要求され
゛る部材，例えば，金属または非金属或形金型等に好適
に使用することができ，更に，潤滑性および耐摩耗性に
も優れているので、耐摩耗および低摩擦が要求される機
械摺動部品等の材料としても好適である。

次に、この発明を実施例により、比較例と対比しながら
説明する。

［実施例］ 鋼板の表面上に、第１表に示した条件により、本発明の
複合めっき皮ｊ摸を形成し、本発明供試体Ｎａ　１〜３
を調製した。比較のために、第１表に併せて示した条件
により、従来の複合めっき皮膜を形或し、比較用供試体
Ｈａ　１〜４を調製した。なお、各供試体の複合めっき
皮膜の厚さは１０μｍであり、そして、めっき液に対す
る離型剤の含有量は、６ｇＩＱである。

このようにして調製された本発明供試体および比較用供
試体の各々に対して、以下に述べる方法により離型性試
験を施し、その結果を第１表に併せて示した． 第　　１　　表 ＦＳＯ ＰＦＡ ：フッ素変性シリコーンオイル ：テトラフルオロエチレンーパープル ＰＴＦＥ　：テトラフルオロエチレン重合体離型性試験
： 本発明供試体および比較用供試体の各々を、３００℃の
温度に加熱し次いで常温まで冷却した後、前記供試体に
エボキシ含浸布を貼付し、ホットプレス試験機により、
温度２００℃、加重４００ｋｇ／一の条件で５分間加圧
して、両者を密着させた。次いで、供試体をエポキシ含
浸布から．？Ｊ１し、その剥離性を調べ，下記により評
価した。

Ｏ：極めて良好 Δ：やや不良 ×：不良 第１表から明らかなように、本発明供試体Ｎ［１１〜３
の剥離性は極めて良好であるのに対し、比較用供試体Ｎ
ｎｌ，２および４の剥離性はやや不良であり、比較用供
試体＆３のｆｄＪＩＩｉ性は不良であった。

第１図は，本発明供試体Ｎａ１のめっき皮膜を、２次イ
オン質量分析装置によってその深さ方向に分析した結果
を示すグラフである。第１図において、横軸はアルゴン
イオンによるスパッタリング時間を示しており、これは
、めっき皮膜の表面からの深さに対応している。そして
，縦軸は、各元素の２次イオン強度を示しており、これ
は、めっき皮膜の各深さにおける当該元素の存在量に対
応している。第ｌ図から明らかなように、めっき皮膜中
には，ニッケル，炭素、フッ素およびケイ素の各元素が
均一に分布しており、これにより、ニッケルめっき皮膜
中にＦＳＯが均一に分散し、従って、離型性の良好であ
ることがわかる。

第２図は、本発明供試体Ｎα１の表面をオージエ電子分
光装置によって分析した結果を示すグラフ，第３図は、
比較用供試体Ｎα２の表面を同じくオージエ電子分光装
置によって分析した結果を示すグラフである。第２図お
よび第３図から明らかなように、本発明供試体恥１およ
び比較用供試体ＮＧ２の何れにも、炭素，酸素、フッ素
およびニッケルが検出されており、本発明供試体Ｎａ　
１の場合には，上記に加えて更にケイ素が検出されてい
る。

フッ素およびニッケルより，供試体の表面における樹脂
或分とニッケルとの体積比率即ち樹脂比率（樹脂／Ｎｉ
＋樹脂）を計算すると、比較用供試体Ｈａ　２の樹脂比
率は５５％であるのに対し，本発明供試体Ｎｎｌの樹脂
比率は９７％である。このように，本発明供試体ＮＱ　
１の樹脂比率は、比較用Ｏｔ試体Ｎα２よりもはるかに
高く、これが、本発明供試体Ｎα１の離型性が比較用供
試体Ｎα２の離型性よりも優れている原因であると考え
られる。

［発明の効果］ 以上述べたように、この発明の複合めっき皮膜によれば
、樹脂被覆率が高く、熱処理を必要とせずに，めっきま
まで優れた離型性が経済的に得られる、工業上有用な効
果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明供試体のめっき皮膜を、２次イオン質量
分析装置によってその深さ方向に分析した結果を示すグ
ラフ、第２図は本発明供試体の表面をオージエ電子分光
装置によって分析した結果を示すｉら、第３図は比較用
供試体の表面をオージエ電子分光装置によって分析した
結果を示すグラフである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １　金属めっき皮膜中に、離型剤としてフッ素変性シリ
   コーンオイルを共析させてなることを特徴とする、離型
   性の優れた複合めっき皮膜。