JPH0324194Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はゴルフクラブ、特にゴルフクラブのヘ
ツドの改良に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、ボールの飛距離を増加するためには、
ゴルフクラブを速くスイングすることが必要であ
る。そのためには、ゴルフクラブは重いものより
軽いものの方が速くスイングでき有利である。し
かも、ゴルフクラブを軽くすると同時に、ボール
のインパクト時の衝撃に十分耐える強度を、ゴル
フクラブの各部材が有することが必要である。

一例として従来では、所謂ブラツクシヤフト等
で代表される炭素繊維強化プラスチツクにて、ゴ
ルフクラブの各部材を形成するものがある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記炭素繊維強化プラスチツクにてゴ
ルフクラブの各部材を形成するにも、強度的な面
で、厚さ、大きさの限界があつた。

本考案は、上記の点に鑑みて、強度的に優れ、
従来のものに比べ更に軽量化が計れ、しかもボー
ルの飛距離が増大し、方向性が安定するゴルフク
ラブを提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記の問題点を解決するため、ゴルフ
クラブのヘツド本体の打球面に嵌着固定するフエ
ースインサートを、樹脂を基材とするウイスカー
強化複合材料にて形成したものである。

〔実施例〕

本考案の実施例について図面を参照して以下に
説明する。

第２図は本考案の実施例のゴルフクラブのヘツ
ド部分を示し、図中１はスチール製のシヤフトで
ある。このシヤフト１は第３図に示すように、ス
チール材を溶隔した中に、ウイスカー２を混入し
て形成したウイスカー強化複合材料３を使用した
ものである。シヤフト１としては、スチール材に
限らず他の金属材を使用することも孝えられる
し、また炭素戦記強化プラスチツクを主材料とす
るシヤフト１にウイスカーを混入することも孝え
られる。尚、４はシヤフト１の中心軸線に形成し
た中空部である。

上記ウイスカー２は、ひげ結晶とも呼ばれる顕
微鏡スケールの繊維状に成長した単結晶のことで
あり、単結晶のため一般のスチール材に比較して
桁違いの引張り強さを有する。例えば太さが数ミ
クロンの炭化ケイ素ウイスカーは、１平方ミリメ
ートル当り2000キログラムもの引張り強さを示す
こともある。これは普通使用されているスチール
材が、１平方ミリメートル当り50キログラム程度
であることに比べ桁違いの強度特性をもつている
ことを示す。

このウイスカー２の種類には、各種金属単体の
金属ウイスカー、酸化物又は炭化物ウイスカー、
高分子の高分子ウイスカー等があるが、ゴルフク
ラブに使用するものは、炭化ケイ素ウイスカーが
良いと孝えられる。

上記炭化ケイ素ウイスカーは、水、酸に不溶で
あり、化学的に不活性であつて、水素、窒素、一
酸化炭素、1000℃以下の酸素と反応せず、空気中
で1750℃に加熱すると急速に酸化される。従つ
て、無酸素の雰囲気中でスチール材を溶解した約
1600℃の温度の中に、炭化ケイ素ウイスカーを混
入しても、炭化ケイ素ウイスカーの特性が損なわ
れる惧れはない。

上述のシヤフト１は、ウイスカー混入によつて
単位重量当りの強度が増加し従来のものに比べ劣
ることなく軽量化が計れる。

再び第２図を参照すると、５はヘツド本体、５
ａはヘツド本体５の打球面であり、この打球面５
ａにフエースインサート６が嵌着固定されてい
る。このフエースインサート６は第１図に示すよ
うに、ウイスカー強化複合材料３にて形成する。

このウイスカー強化複合材料３にて形成するフ
エースインサート６の素材としては、スチール
材、アルミニウム合金、ABS樹脂等のプラスチ
ツク、炭素繊維強化プラスチツク等のFRP樹脂、
紙フアイバーがあげられ、これらの素材にウイス
カー２を混入することによりフエースインサート
６を形成する。

上述のフエースインサート６は、強度的に従来
のものに比べ優れると共に薄くすることにより軽
量化も計れ、特に引張り強度が増加することによ
り、反発係数が増し、ボールの飛距離を増すこと
ができる。一般に金属インサートはインパクトに
おいて球ばなれが早くフエース向きが打球の飛行
方向に大きく影響する。その反面、樹脂インサー
トは球に対する食い付きがあり球ばなれが遅くイ
ンパクトのフエース向きが補正できる。つまりプ
ラスチツク中にウイスカー２を混入したものを使
用すると、プラスチツク製のフエースインサート
６が有するボールの食い付きが良好で、方向性が
良いと云う効果を損わずに強度、耐魔耗性を向上
させることができる。

ヘツド本体５は第４図に示すように、中空体に
形成し、かつこの中空体自体もウイスカー強化複
合材料３にて形成する。

このウイスカー強化複合材料３にて形成するヘ
ツド本体５の素材としては、金属製ウツドクラブ
に使用されるステンレススチール、樹脂製ウツド
クラブに使用される合成樹脂、アイアンヘツドに
使用される一般的なスチール材があげられ、これ
らの素材にウイスカー２を混入する。

このように構成したヘツド本体５は強度的に従
来のものに比べ優れ軽量化が計れるため、ヘツド
本体５の容積を大きくすることができ、その結果
として打球面を広くすることができる。

〔考案の効果〕

本考案は以上のようにゴルフクラブのヘツド本
体打球面に嵌着固定するフエースインサートをウ
イスカー強化複合材料にて形成しているから、打
球面の引張り強度が増加し、そのため反発力が増
しボールの飛距離を増大することができる。

またヘツド本体は軽量となり、そのためスイン
グを速くすることができ、これがまた飛距離の増
大をもたらすものとなる。

さらにフエースインサートは樹脂を基材として
いるのでボールに対する食い付きがあり、球ばな
れが遅くなり、インパクト時のフエースの向きの
補正が可能となつて打球の方向性が安定する。

このように反発力の大きい金属の性質と、ボー
ルに対する食い付きのある樹脂の性質との両者の
利点を兼ね具えた優れたクラブヘツドが得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の要部の拡大斜面図、
第２図は同上実施例のヘツド部を示す斜面図、第
３図は同上実施例のシヤフト部分の拡大断面部分
図、第４図は同上実施例のヘツド本体の拡大断面
図である。 １……シヤフト、２……ウイスカー、３……ウ
イスカー強化複合材料、５……ヘツド本体、６…
…フエースインサート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘツド本体の打球面に嵌着固定するフエースイ
   ンサートを、樹脂を基材とするウイスカー強化複
   合材料にて形成したゴルフクラブ。