JPH0324011Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (a) 産業上の利用分野 本考案は、回転刃を回転自在に軸支するギヤケ
ースとエンジンとを連結する操作杆の内部を貫通
する伝動軸を備えた刈払機の伝動装置に係るもの
である。

(b) 従来の技術および解決しようとする問題点 従来、この種の刈払機においては、第５図に示
すごとく、操作杆７の内部を貫通する伝動軸１５
は操作杆７の内部に全長にわたつて一体に設けら
れる軸受筒９に回転自在に軸支されて動力を伝達
しているが、管状に形成するこの軸受筒９を操作
杆７の内部に、同軸に挿通して設けた軸受構造に
おいては、伝動軸１５の外周と軸受筒９の内径と
の接触面積が多く、このための摩擦抵抗は過大と
なり、したがつてこのための損失馬力が増大し、
加速性能の悪化や高回転域における回転数低下の
ための回転数不足、また摩擦による発熱が大きく
このため操作杆からの発熱過多などの不具合がお
きていた。

(c) 問題を解決するための手段および作用 本考案は、操作杆内に、全長にわたつて順次連
続して嵌合する複数の軸受筒を設けるとともに、
それぞれの軸受筒の内面に円周方向の溝部を形成
して設けたもので、軸受筒の内面に設けた溝部は
伝動軸の外周面と接触することなく軸受筒と伝動
軸の接触面積を減少させるものである。本考案に
よれば接触面積の減少により摩擦抵抗を増大する
ことがなく、馬力の損集、加速性能の悪化、高回
転域における回転数不足を生じるこことがなく、
軸受部の発熱も少ない刈払機の伝動装置を提供す
ることができるものである。

(d) 実施例 以下、図面により本考案の１実施例について詳
細な説明を行なう。第１図〜第３図において、回
転刃１を回転自在に軸支するギヤケース３とエン
ジン５とは操作杆７によつて連結されている。操
作杆７の内部には、操作杆７の全長にわたつて順
次連接された合成樹脂の複数の軸受筒９が嵌合
し、この軸受筒９の外周に複数個の放射状の支持
板１１，１１を１体に突出して設けて操作杆７の
内部に貫通して設けられている。それぞれの軸受
筒９は、内面に円周方向の溝部１３を形成し、内
部を貫通する伝動軸１５の外周面との接触面積を
規制している。伝動軸１５は軸受筒９を貫通して
両端をギヤケース３とエンジン５とに係合してエ
ンジン５の動力を回転刃１に伝達している。また
軸受筒９は合成樹脂成型用の金型の形状を簡単に
なるよう形成され、操作杆７内に順次押し込んで
挿入するものである。なお、第４図は他の実施例
を示すもので、合成樹脂成型用の金型の形状をさ
らに簡単にするために、軸受筒９を軸心線を含む
分割面１９で分割した形状に形成している。

以上の実施例において、エンジン５の動力は伝
動軸１５を経て回転刃１を回転せしめるが、伝動
軸１５の外周と軸受筒９の内径との隙間は溝部１
３の位置では大きく、軸受部を構成するところは
小さく形成されるので、軸受筒９と伝動軸１５と
の接触も少なくでき、したがつて摩擦抵抗も増大
せずそのための馬力損失を生じることがない。

なお第５図は従来例を示すもので操作杆７に全
長にわたつて１体の軸受筒９が設けられ、軸受筒
９の内面には溝部を設けてないものである。なお
第５図において第１図〜第４図に示す符号と同一
の符号は同一の構成部分を表わすものである。

(e) 考案の効果 本考案は、請求の範囲に記載のとおりの構成で
あるから、構造簡単で加工及び組み付け等の製作
が容易となり、摩擦抵抗が小さく、馬力損失を防
止することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の側断面図、第２図
は正断面図、第３図は本考案の伝動装置を備えた
刈払機の斜視説明図、第４図は他の実施例の拡大
正断面図、第５図は従来例の側断面図である。 １……回転刃、３……ギヤケース、５……エン
ジン、７……操作杆、９……軸受筒、１３……溝
部、１５……伝動軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転刃１を回転自在に軸支するギヤケース３と
   エンジン５とを連結する操作杆７の内部を貫通す
   る伝動軸１５を備えた刈払機において、前記操作
   杆７内に、全長にわたつて順次連接して嵌合する
   複数の軸受筒９，９…を設けるとともに、それぞ
   れの軸受筒９の内面に円周方向の溝部１３を形成
   して前記伝動軸１５の外周面との接触面積を規制
   して設けたことを特徴とする刈払機の伝動装置。