JPH03234759A - 摺動性の優れた液晶ポリマー樹脂組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、摺動性の優れた液晶ポリマー樹脂組成物に関
するものである。

（従来の技術） 近年、電気・電子機器や一般機械の分野でプラスチック
の摺動部品が多く使用されるようになってきた。中でも
、ポリアセタールは摩擦係数が小さく、自己摩耗が少な
いばかりでなく、相手材を摩耗させることも少ない成形
品を与えるため、特別大きな荷重のかかる分野を除いて
広く使用されている。例えばビデオカメラ、ビデオデツ
キ、ラジオカセット、ステレオ等の家電製品の中のギヤ
には、はとんどポリアセタールが使用されている。

しかし、ポリアセタールは、ｔＬ形収縮が大きいこと、
線膨張係数が大きいことから寸法精度が出ないという大
きな欠点があり、高精度が要求される今日の小型化、軽
量化された家電製品におけるギヤ等の摺動部品としては
対応が困難となっている。

一方、一般に寸法精度の優れた成形品を与えるとされて
いるポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリバラフェニレンスルフィドはフィラー充填の有無に
かかわらず、摺動性が不十分であった。

また、近年、液晶ポリマー（サーモトロピック液晶ポリ
マー）が、アルミニウム並みの小さな線膨張係数を有し
ながら、成形性が良く、極めて小さい部品の底形が可能
であり、かつ、摺動性が優れていることから摺動部材と
して注目されている。

特に、液晶ポリマーに炭素繊維のようなフィラーを充填
すると摺動性が一層良好となり、自己摩耗が極めて少な
い成形品を与える。

しかし、炭素繊維を充填した液晶ポリマー樹脂組成物か
らなる成形品は、自己摩耗は少ないものの、相手材を摩
耗させたり、長期の運転や大きな荷重下では摩耗すると
いう問題が残されていた。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は、上記のような炭素繊維を充填した液晶ポリマ
ー樹脂組成物の問題点を解消し、自己摩耗が少ないばか
りでなく、相手材を摩耗させることがなく、大きな荷重
にも耐えられる成形品を与える液晶ポリマー樹脂組成物
を提供しようとするものである。

（課題を解決するための手段） 本発明は上記の課題を解決するものであり、その要旨は
、液晶ポリマーに炭素繊維及び焼成した球状フェノール
樹脂を充填した摺動性の優れた液晶ポリマー樹脂組成物
にある。

本発明における液晶ポリマーは、射出成形が可能で成形
性の良いものであれば如何なるものでもよい。具体例と
しては、特公昭５６−１８０１６号公報に開示されたバ
ラヒドロキシ安息香酸残基単位とエチレンテレフタレー
ト単位とからなる共重合ポリエステル、特開昭５４−７
７６９１号公報に開示された６−ヒドロキシ−２−ナフ
トエ酸残基単位とバラヒドロキシ安息香酸残基単位とか
らなる共重合ポリエステル、特公昭４７−４７８７０号
公報に開示されたバラヒドロキシ安息香酸残基単位、テ
レフタル酸残基単位及び２価フェノール残基単位からな
る共重合ポリエステル、特開昭５３−６５４２１号公報
に開示されたテレフタル酸残基単位とフェニルハイドロ
キノン残基単位とからなる共重合ポリエステル、米国特
許第４６００７６５号明細書に開示されたテレフタル酸
残基単位、フェニルハイドロキノン残基単位及びスタイ
ロハイドロキノン残基単位からなる共重合ポリエステル
等が挙げられる。中でも、優れた機械的特性と耐熱性を
示し、適当な成形温度を有することから特公昭５６−１
８０１６号公報。

特開昭５４−７７６９１号公報及び特公昭４７−４７８
７０号公報に開示されたものが好ましく用いられる。

本発明の樹脂組成物は、液晶ポリマーに炭素繊維と焼成
した球状フェノール樹脂とを充填することにより得られ
る。

炭素繊維としては、補強効果も得られるため。

高強力、高弾性率のものが好ましく、ポリアクリロニト
リル系やピッチ系のものが好ましく使用される。また、
エポキシ樹脂等でコーティングした炭素繊維を用いると
液晶ポリマーとの親和性が向上して好ましい。なお、炭
素繊維は、液晶ポリマーとコンパウンドされる際に折れ
て、樹脂組成物中では９通常、長さ０．５ｍｍ以下とな
っている。

また、焼成した球状フェノール樹脂は、真球に近いもの
程、摺動性が向上して好ましく１粒径が平均５〜１００
μｍ、特に１０〜６０μｍの単分散のサイズを有するも
のが好ましい。焼成した球状フェノール樹脂は、特に処
理することなく用いることができるが、エポキシ樹脂等
で処理して用いてもよい。

炭素繊維及び焼成した球状フェノール樹脂の充填量は１
合計で組成物の１０〜６５重量％、特に２０〜５０重量
％とするのが適当である。これらの充填量があまり少な
いと摺動特性を向上させる効果が乏しく、多すぎると成
形性が悪くなる。

炭素繊維と焼成した球状フェノール樹脂との割合は９重
量で１／９〜９／ｌ、特に１／３〜３／１とするのが適
当である。焼成した球状フェノール樹脂の割合が小さす
ぎるとこれを充填した効果が乏しく、一方、炭素繊維の
割合が小さすぎると炭素繊維による摺動特性向上効果が
乏しくなる。

炭素繊維及び焼成した球状フェノール樹脂は。

液晶ポリマーを底形する際に混合してもよいが。

通常は、予め溶融混練機を用いて液晶ポリマーと混練し
てペレット化しておいて底形に供する。ペレット化して
おけば、取扱が容易であると共に。

充填物の分散状態が良好となり、−層優れた摺動特性が
得られる。

なお１本発明の樹脂組成物には、少量の他の樹脂や難燃
剤、安定剤１着色剤、粘度調整剤等の添加剤を含有させ
てもよい。

〈実施例〉 次に、実施例により本発明を具体的に説明する。

なお、評価法は次のとおりである。

摩耗性 射出成形により所定のリングを成形し、鈴木式摩擦、摩
耗試験機を用い、相手材として鉄Ｓ−４５Ｃを使用し、
荷重１．７２ｋｇ　／　ｃｎｆ　、速度３００ｍｍ／ｓ
ｅｃで摩擦試験を行い。自己摩耗量、相手材摩耗量及び
摩擦係数を測定した。

成形収縮 上記の摩擦試験に使用するリングを成形する際の成形収
縮をリングの直径から求めた。

実施例１〜５及び比較例１〜２ バラヒドロキシ安息香酸残基単位８０モル％及びエチレ
ンテレフタレート単位２０モル％からなる液晶ポリ・マ
ー　（ユニチカ社製ロッドランＬＣ−５０００）　。

炭素繊維（東邦レーヨン社製ベスファイ）　　ＨＴＡ−
Ｃ６−Ｎ）及び平均粒径３０μｍの焼成した球状フェノ
ール樹脂（ユニチカ社製ユニペックスＧＣＰ）を第１表
に示す組成となるように、　４５ｍｍの２軸エクストル
ーダーに供給し、混練してコンパウンド化し、ペレット
を得た。

得られたペレットを用いて摩擦試験用リングを射出成形
した。

試験結果を第１表に示す。

なお、参考例として、ガラス繊維を３０重量％充填した
ポリカーボネート　（帝人化戒社製パンライ）　Ｇ−３
１３０）　（参考例１）及びガラス繊維を４０重量％充
填シタホリバラフェニレンスルフィド　（フィリップス
社製ライドンＲ−４）　（参考例２）を用いて同様な試
験を行った結果も第１表に示した。

第 ！ 表 （注） ＬＣＰ：液晶ポリマー ＣＦ：炭素繊維。

ＰＰ：焼成した球状フェノール樹脂。

ＧＦニガラス繊維。

ＰＣ：ポリカーボネート ＰＰＳ：ホＩＪ　ハラフェニレンスルフィド。

実施例６及び比較例３ 実施例２及び比較例１で使用したものと同じペレットを
用い、直径が２０ｍｍで、最も薄い部分の厚さが０．３
ｍｍの小さなカムギヤを成形し、焼入れ鋼製カムシャフ
トを用い、３００ｇ又は６００　ｇの荷重をかけて作動
しなくなるまでの回数を測定した。

結果を第２表に示す。

なお、ポリアセタールを用いて、実施例６と同じ大きさ
のカムギヤを成形することを試みたが。

薄い部分が成形できないばかりか、成形収縮のためやや
捩じれたものしか得られなかった。

（発明の効果） 本発明によれば、自己摩耗が少ないばかりでなく、相手
材を摩耗させることがなく、大きな荷重にも耐えられる
成形品を与える摺動性液晶ポリマ−樹脂組成物が提供さ
れる。

そして１本発明の樹脂組成物は、ｌ１ｉｉ形性が良く。

この樹脂組成物を用いれば、金属では加工できず。

他の樹脂では成形できなかったような極めて精密なＴ＆
形品の製造が可能であり、精密な摺動部品を得ることが
可能となる。

また１本発明の樹脂組成物は、精密部品に限らず、テー
プ走行廻りの特殊部品、トラクター、フォークリフト等
のギヤ軸受のような大型摺動部品の製造にも使用可能で
ある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）液晶ポリマーに炭素繊維及び焼成した球状フェノ
   ール樹脂を充填した摺動性の優れた液晶ポリマー樹脂組
   成物。