JPH0323090Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 産業上の利用分野 この考案は、釣竿に設けられた釣糸用のガイド
に釣糸を通す道具に関する。

Ｂ 従来の技術並びに問題点 釣竿に沿つて固定された釣糸用のガイドに、釣
糸の先端を直接手で挿通するのは、釣糸が細くて
柔らかく、しかも必ずしも直線状でないので手間
が掛かる作業である。特に、釣場に於ては、強い
風が吹いたり、あるいは夜釣で充分な明るさが取
れなかつたり、あるいは又寒くて手が思うように
動かないこともあり、この作業に手間が掛かる欠
点があつた。

この欠点を解決する釣糸挿通具として、第３図
に示す形状の道具が開発されている。この挿通具
は、先端と後端との金属線５，６を、途中の可撓
性の紐材７で連結している。先端の金属線５は釣
糸のキヤツプ８に挟着できるようにＵ曲されてお
り、後端の金属線６は釣糸３の先端が挟着できる
ようにＵ曲され、Ｕ曲部分の途中が硬質のリング
９で固定されている。

この釣糸の挿通具は、第３図に示すように、先
端又は後端の金属線５，６でもつて、途中の紐材
７を締めた釣竿のガイド１０に挿通し、先端の金
属線５を釣竿のキヤツプ８の開口部の縁に挟んで
固定し、後端の金属線６のＵ曲部分に、釣糸３の
先端を挟み、この状態で釣竿を持ち運ぶ。釣場で
は、釣竿のキヤツプ８を外し、先端の金属線５を
張つて、紐材７と後端の金属線６をガイド１０に
沿つて引き出し、釣糸３をガイド１０に挿通す
る。

この形状の釣糸挿通具は、第３図に示すよう
に、釣竿を収縮して、即ち、太い釣竿に細い釣竿
を挿入して、ガイド１０を互いに接近して使用す
る時には便利に使用できるが、釣竿を伸ばした状
態で、ガイド１０が相当離れる状態では、ガイド
１０に釣糸３を簡単に通すことが出来ない欠点が
あつた。

又、この形状の釣糸挿通具は、あらかじめ自宅
でガイドに挿通して釣場に行くので、釣場では便
利に釣糸が挿通できるが、これを使用して釣場で
釣糸をガイドに挿通する場合、必ずしも簡単に使
用できない。というのは、ふたつの金属線５，６
が可撓性の紐材７で連結されており、しかも先端
の金具は、これが確実に竿のキヤツプ８に挟着で
きるように、幅広に折曲する必要があるので、釣
竿先端の小さいガイドに挿通し難く、細い後端の
金属線６の後端を竿の先端からガイド１０に挿通
し、全体を通した後、これに釣糸３の先端を挟着
して、先端の金属線５でもつて紐体７と後端の金
属線６とをガイド１０に沿つて引き出して釣糸３
を挿通するので、後端の金属線６をガイド１０内
に往復させて釣糸３を挿通する為である。又、釣
糸３を挟着する部分は、紐７を介してガイド１０
内に引き込まれると共に、この部分がガイド１０
に当たらないように、複雑な形状に折曲する必要
があつて、加工に手間が掛かり、しかも、釣糸３
を金属線５，６の間に挟んでこれをガイド１０内
に通すが、このとき釣糸３が外れないように、強
く挟む必要があつて、釣糸３が挟着部分で変形さ
れて切れ易くなる欠点があつた。

又、独特の複雑な形状に折曲されているふたつ
の金属５，６線を、紐材７で外れないように連結
する構造の為、製造に著しく手間が掛かり、高価
になつて多量生産し難い欠点があつた。

この考案はこれ等の欠点を除去することを目的
に開発されたもので、この考案の重要な目的は、
簡単かつ容易に、しかも迅速に釣糸がガイドに挿
通できる釣竿用の釣糸挿通具を提供するにある。

更に又、この考案の他の重要な目的は、釣竿を
伸ばした状態、即ち、ガイドが互いに離れる状態
においても、簡単に釣糸を通すことが出来る釣竿
用の釣糸挿通具を提供するにある。

又、この考案の他の重要な目的は釣糸を引つ掛
ける部分が、釣糸を強く挟着せずに確実に連結で
きる為、釣糸の先端を変形させずにガイドに挿通
できる釣竿用の釣糸挿通具を提供するにある。

更に又、この考案の他の重要な目的は、全体の
構造が極めて簡単で安価に多量生産できる釣竿用
の釣糸挿通具を提供するにある。

Ｃ 従来の問題点を解決する為の手段 全体の形状が細長い直線状で、後端がＵ曲され
た本体と、この本体が挿通されるゴム状弾性体
で、しかも柔軟で手で容易に変形できる可撓性を
有する弾性チユーブとからなる。

弾性チユーブの内径は、本体のＵ曲部分が挿通
された状態でそれ自体が弾性変形されて本体に弾
性的に密着される大きさに形成されている。Ｕ曲
部分に釣糸を引つ掛け、釣糸引掛部分を弾性チユ
ーブに挿通し、本体を釣竿のガイドに挿通して釣
糸を釣竿のガイドに挿通する。

Ｄ 作用 第１図に示すように、弾性チユーブ１をＵ曲部
分２より前方にずらせた状態で、Ｕ曲部分２の開
口部から釣糸３の先端を引つ掛ける。その後、第
２図に示すように、弾性チユーブ１をＵ曲部分２
に移動させ、弾性チユーブ１でＵ曲部分２を被着
して、これでもつて釣糸３をＵ曲部分２に確実に
連結する。

弾性チユーブ１は、Ｕ曲部分２に挿通された状
態で、それ自体が弾性変形又は弾性的に伸張され
て弾性的にＵ曲部分２に密着され、それ自体の位
置ずれが防止されると共に、釣糸３をＵ曲部分２
後端に密着させてこれが抜けるのを防止する。

この状態で、本体４の先端から釣糸３のガイド
に挿通し、釣糸３を簡単に全てのガイドに挿通す
る。釣糸３が全てのガイドに通されると、第１図
に示すように、弾性チユーブ１を前方にずらせ、
釣糸３をＵ曲部分２から外す。

特に好ましい実施例に於ては、第１図および第
２図に示すように、弾性チユーブ１の全長はＵ曲
部分２の全長よりも長く形成され、第２図に示す
ように、これをＵ曲部分２に被着して釣糸３を連
結する状態に於て弾性チユーブ１がＵ曲部分２の
先端部分も覆うようにする。この形状によるとガ
イドに通すときに、Ｕ曲部分２の先端がガイドに
引つ掛かるのを防止できる。

ただ、この考案の釣糸挿通具は、従来のように
紐材で引つ張られてガイドに通過せず、これを直
接手で持つてガイドに通す為、弾性チユーブ１が
Ｕ曲部分２先端を覆わない形状のものも充分使用
できるのは言うまでもない。

Ｅ 好ましい実施例 以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図および第２図に示す釣糸用の釣糸挿通具
は、全体の形状が細い直線状で、後端がＵ曲され
た本体４と、この本体４が挿通されるゴム状弾性
体の弾性チユーブ１とからなる。

本体４は、太さが0.5〜1.5mmφの弾性金属線あ
るいは硬質の合成樹脂で形成され、これを手でも
つて簡単にガイドに挿通できるように、例えば全
長が３〜10cm、好ましくは５〜８cmに形成され
る。

Ｕ曲部分２の長さは、ここに釣糸３の先端が引
つ掛けられるように、通常５〜40mm、好ましくは
10〜30mm程度に決定され、このＵ曲部分２の隙間
は、ここに釣糸を挾着できるように釣糸３を軽く
挟む細い金属線の場合、隙間を零又は狭くでき、
太くて硬い金属線の場合0.1〜0.5mmとするか、あ
るいは、開口部を多少広く形成する。

弾性チユーブ１は、天然又は、合成ゴム製のチ
ユーブが使用できる。

この弾性チユーブ１は、Ｕ曲部分２を挿通した
状態で、それ自体が弾性変形して弾性的にＵ曲部
分に密着できるように、本体Ｕ曲部分の最大外径
よりも内径が細く形成されている。

又、この弾性チユーブ１の全長は、好ましく
は、全体が第２図に示すように、Ｕ曲部分２の長
さより長く形成される。

弾性チユーブ１の好ましい弾力性は、これを手
で容易に変形できる程度の柔軟な可撓性を有する
ものが最適である。

第１図に示すように、Ｕ曲部分２に釣糸３を引
つ掛けて、弾性チユーブ１をＵ曲部分２の開口部
から後端にずらせるとき、弾性チユーブ１の後端
を両側から手で押さえると、開口部が楕円形に細
長く成形されるので、この状態でＵ曲部分をスム
ーズに弾性チユーブ内に案内できる。

このとき、Ｕ曲部分２の開口部が広く開かれて
いるときには、Ｕ曲部分開口部を手で押さえて隙
間を挟くして弾性チユーブ１にＵ曲部分２を挿通
する。

この状態で弾性チユーブ１内に挿通されたＵ曲
部分２は、弾性チユーブ１の弾力性で釣糸３を軽
く挟むことはあるが、釣糸３は、Ｕ曲部分２に密
着する弾性チユーブ１で抜けるのが防止され、
又、弾性チユーブ１は柔軟で簡単に変形できる可
撓性を有するため、これ等釣糸３を強く挟着する
ことはなく、又、その必要もない。

Ｆ 効果 この考案は、後端がＵ曲された本体と、これが
挿通されたゴム状弾性体とからなり、Ｕ曲部分に
釣糸を引つ掛けた後、この部分に弾性チユーブを
被着して釣糸が抜けでるのを防止し、本体を釣糸
のガイドに通して釣糸がガイドに挿通できる。こ
の為、釣場において釣糸が簡単かつ容易に、しか
も極めて迅速にガイドに挿通でき、更に、全体の
構造がいたつて簡単で、構成部品も少なく、何よ
り部品加工をほとんど必要としないことから、著
しく安価に多量生産できる卓効を実現する。

又、この考案の釣糸挿通具は、直線状の本体の
後端に釣糸を確実に引つかけて釣糸を釣竿のガイ
ドに通すので、釣竿を伸ばした状態、即ち、ガイ
ドが互いに離れる状態においても、簡単に釣糸を
通すことが出来る。

又、弾性チユーブをＵ曲部分に被着して釣糸が
抜けるのを防止する為、釣糸の先端を金属線で強
く挟む必要がなく、太いものから細い釣糸まで、
全ての釣糸の先端を傷付けずにガイドに挿通でき
る等数々の卓効を実現する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はこの考案の一実施例を示す
釣竿用の釣糸挿通具の側面図、第３図は従来の釣
糸挿通具の使用状態を示す正面図である。 １……弾性チユーブ、２……Ｕ曲部分、３……
釣糸、４……本体、５……金属線、６……金属
線、７……紐体、８……キヤツプ、９……リン
グ、１０……ガイド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 全体の形状が細長い直線状で、後端がＵ曲さ
   れた本体と、この本体が挿通されるゴム状弾性
   体で、しかも柔軟で手で容易に変形できる可撓
   性を有する弾性チユーブとからなり、弾性チユ
   ーブの内径は、本体のＵ曲部分が挿通された状
   態でそれ自体が弾性変形されて本体に弾性的に
   密着される大きさに形成されており、Ｕ曲部分
   に釣糸を引つ掛け、釣糸引掛部分を弾性チユー
   ブに挿通し、本体を釣竿のガイドに挿通して釣
   糸を釣竿のガイドに挿通するように構成された
   釣竿用の釣糸挿通具。 (2) 本体の全長が３〜10cmである実用新案登録請
   求の範囲第(1)項記載の釣竿用の釣糸挿通具。 (3) 本体が弾性金属線材である実用新案登録請求
   の範囲第(1)項記載の釣竿用の釣糸挿通具。 (4) 弾性チユーブが天然又は合成ゴムチユーブ
   で、全長が本体のＵ曲部分の長さより長い実用
   新案登録請求の範囲第(1)項記載の釣竿用の釣糸
   挿通具。 (5) 弾性チユーブが、内部の釣糸が見える程度に
   透明ないし半透明のチユーブである実用新案登
   録請求の範囲第(1)項記載の釣竿用の釣糸挿通
   具。