JPH0322934B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は疲労破壊指示器に関する。

本発明者の特許出願189324／1980、特願昭55−
18932号（特公昭61−45174号公報）には繰り返し
応力を受ける機械部品の疲労破壊指示器が開示さ
れている。この指示器は互に間隔をへだてていて
かつ薄板によつて互に連結された２個の厚い部材
を有し、前記薄板にはスロツトと少くとも１対の
両側のタブすなわち自由縁が形成されており、前
記２個の部材は前記薄板の平面と平行な平面内で
互に変位しうるよう前記機械部品に連結若しくは
固定されている。

上記疲労破壊指示器は次の事項を特徴としてい
る。即ち、前記厚い部材はそのような応力による
相対変位の方向とほぼ直角な方向に、互から分離
されるよう配置されており、前記薄板はそのよう
な相対変位によりその平面内に剪断力を受けてお
り、前記薄板のスロツトは前記薄板の縁部の一方
から前記方向へ延びて、２つの隅を有する突当り
のめくら端で終つており応力を加えると、２個の
クラツクがスロツトの底部の隅に生じ、薄板に、
薄板の反対側の自由縁に向つて徐々に進行し、前
記クラツクは、前記反対側の自由縁から遠ざかる
方向に徐々に進行しているクラツクと出会つてこ
れらのクラツクではさまれた薄板の中央領域を切
り離すか又はほぼ切り離す。

この疲労破壊指示器は本質的には、引張応力又
は圧縮応力を受ける部品の疲労を指示するように
意図されている。

ところが、実際には部品は純粋な引張応力や圧
縮応力のみを受けるのではなく、しばしば剪断応
力、ねじりモーメント或は曲げモーメントを受け
ている。このような寄生（複合）応力及びモーメ
ントは疲労破壊指示器の機能に影響を与え、実
際、各指示器に対してあらかじめ測定されていた
ものとは異る疲労によつて薄板がしばしば切れて
しまう。

本発明の目的はこの欠点を解消した上記形式の
指示器を提供することである。

本発明は、繰り返し応力を受ける機械部品のた
めの疲労破壊指示器にして、互に離れて配置され
かつ薄板によつて互に連結された２個の厚い部材
を有し、前記薄板にはスロツトと少くとも１対の
両側の自由縁が形成されており、前記２個の部材
は前記薄板の平面と平行な平面内で互に変位しう
るよう前記機械部品に連結若しくは固定されてお
り、前記厚い部材はそのような応力による相対変
位の方向とほぼ直角な方向に、互から分離される
ように配置されており、前記薄板はそのような相
対変位によりその平面内で剪断力を受けており、
前記薄板のスロツトは前記薄板の縁部の一方から
前記方向に延びて、２つの隅を有する突当りのめ
くら端で終つており、応力付与時に２個のクラツ
クがスロツトの底部の隅に生じ徐々に薄板に該薄
板の反対側の自由縁に向つて徐々に進行し、前記
クラツクは、前記反対側の自由縁から遠ざかる方
向に徐々に進行しているクラツクと出会つてこれ
らのクラツクではさまれた薄板の中央領域を切り
離すか又はほぼ切り離すように構成されている疲
労破壊指示器において、前記厚い部材は前記薄板
でばかりでなく、前記薄板の両側に配置され、か
つ前記薄板の１個若しくは２個のスロツトの軸線
とほぼ直角な２個の細長いストラツトによつても
互に連結されていることを特徴とする疲労破壊指
示器である。

すなわち、本発明によれば、前記薄板と、スト
ラツトを備えた厚い部材とで形成された組立体
が、監視されるべき部品に固定するための部分
に、可撓性の領域を介して連結されている。

これらの可撓性の領域により、指示器は曲げ変
形やねじり変形が薄板に影響を与えることなく、
これらの変形を受けることができる。

これらの可撓性の領域は、前記厚い部材と、監
視されるべき部品に固定するための部分の両方を
形成している同じ板材に、前記ストラツトを越え
たところで横方向に形成された巾の狭いブリツジ
で構成するのが良い。

監視されるべき部品に、異つた疲労を示すよう
検度された数個の疲労破壊指示器を配置するのが
有益である。かくして、使用者は部品の疲労の進
展を経時的に監視することが可能である。この場
合、２個の同様な厚い部材を互に連結する２個以
上の薄板で疲労破壊指示器組立体を構成するのが
良い。このさい、前記厚い部材を、互に隣接した
薄板の間に配置される可撓性のブリツジによつて
互に連結するのが望ましい。これらのブリツジ
は、厚い部材が長いため歪み、これによつてに薄
板に生じさせるかも知れない応力の影響をなくす
働きをする。

以下に、添付図面を参照して、本発明によつて
改良された疲労破壊指示器の２実施例を説明す
る。ただし、これらの実施例は説明用であつて本
発明を制限するものではない。

図面を参照するに、第１図には薄板即ち薄いウ
エブ２′が示されている。ウエブ２′は厚い部分１
ａ，１ｂとは別体であり、これらにボルト２３に
よつて固定されている。このウエブは本発明者の
先の特許出願の第２４図に示されたものと同じタ
イプのものであり、スロツト４ａ，４ｂの各々の
底部にはタブ２７ａ，２７ｂが設けられている。
タブ２７ａ，２７ｂは薄いウエブ２′の平面の外
側に、一方が一方の側に、他方が反対側に持ち上
げられている。これらのタブの各々はばね（図示
せず）の一端を引掛ける働きをしている。このば
ねの他端は疲労を監視すべき部品に固定される
か、又はウエブ２′の二点を固定される。

ばねはスロツト４ａ，４の間に位置する中央領
域即ち中央部５にモーメントを付与する。部品が
疲労し、スロツトの隅から始まるクラツクが２個
ずつまさに出会うとしている時、このモーメント
により中央部５は枢動（回動）する。もしウエブ
を形成する材料が引き伸ばしにくければ、クラツ
クの終りにおいて破断が生じ、中央部５は自動的
に放出される。もし、材料がより引き伸ばしやす
ければ、中央部５はウエブ２′の二点に取りつい
たまゝである。しかし中央部５の枢動により、部
品が疲労したことがわかる。

２個の厚い部分１ａ，１ｂは薄いウエブ２′の
みによつて相互に連結されるのではなく、更に２
個の巾の狭い細長いストラツト３５ａ，３５ｂに
よつても相互に連結されている。これらのストラ
ツト３５ａ，３５ｂは部分１ａ，１ｂの変位方向
即ちスロツト４ａ，４ｂの長手軸線方向と直角に
配列されている。

更に、ウエブ２′と、ストラツト３５ａ，３５
ｂを備えた厚い部分１ａ，１ｂとによつて形成さ
れた組立体は部分３６ａ，３６ｂによつて長手方
向に延長され、これらの部分３６ａ，３６ｂによ
つて疲労破壊指示器を監視すべき部品上に固定す
ることができる。これらの固定用部分３６ａ，３
６ｂは前記組立体の巾に狭いブリツジ３７ａ，３
７ｂを介して連結されている。ブリツジ３７ａ，
３７ｂはストラツト３５ａ，３５ｂを越えたとこ
ろで横方向に作られ、可撓性の領域を構成してい
る。

監視されるべき部品が引張応力或は圧縮応力を
受けると、この応力はブリツジ３７ａ，３７ｂを
介して厚い部分１ａ，１ｂに伝達される。

この運転中、ストラツトは曲がるから、厚い部
分は長手方向に互に移動する。従つて、ウエブ
２′は疲労破壊指示器で、矢印１００で示される
剪断応力を受ける。しかしながら、監視されるべ
き部品は更に２個の固定用部分３６ａ，３６ｂを
互にストラツトの方向に変位させようとする剪断
応力を受ける。すると、圧縮力或は引張力を受け
るストラツトはあらゆる応力を吸収し、従つてこ
のような応力はウエブ２′には伝達されない。

監視されるべき部品が寄生モーメントを受ける
ならば、このモーメントは引張応力又は圧縮応力
に関して最小の値をもつに過ぎない。ねじりモー
メントの場合には、最小の抵抗位置となつている
ブリツジ３７ａ，３７ｂがねじられるようにな
り、このモーメントのウエブ２′への伝達を阻止
する。曲げモーメントの場合には、ブリツジ３７
ａ，３７ｂが曲がり、従つて、このモーメントも
ウエブ２′に伝達されることはない。

かくして、監視されるべき部品が純粋の引張応
力や圧縮応力を受けなければ、寄生応力やモーメ
ントは、ウエブ２′が受ける剪断応力にほとんど
影響を与えず、従つて疲労破壊指示器による指示
に何ら影響を与えない。

第１図の実施例では厚い部分１ａ，１ｂは３個
のウエブで互に連結され、そのうちの１個のみが
図示されている。３個のウエブの各々が疲労破壊
指示器を構成する。これらのウエブは、それらの
中央部５が異つた疲労でとれるように構成されて
いる。かくして、使用者は部品の疲労の進展を経
時的に監視することができる。

第２図の実施例は基本的には第１図の実施例と
同様であり、各々が同じ厚い部分１ａ，１ｂに固
定されたウエブ２′で構成された複数の疲労破壊
指示器を有している。しかしながら、部分１ａ，
１ｂはストラツト３５ａ，３５ｂによるばかりで
なく、互に隣接した疲労破壊指示器の間に配置さ
れた可撓性のブリツジ３８によつても互に連結さ
れている。これらのブリツジは部分１ａ，１ｂの
長さに付随して生じる影響を防止している。

本発明は図示され以上に説明された実施例に限
定されるものでなく、種々な変形をも包含するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は疲労破壊指示器の第１実施例の平面
図、第２図はこの指示器の第２実施例の平面図で
ある。 １ａ，１ｂ……厚い部分、２′……薄板（薄い
ウエブ）、４ａ，４ｂ……スロツト、５……中央
領域、３５ａ，３５ｂ……ストラツト、３６ａ，
３６ｂ……固定用部分、３７ａ，３７ｂ……ブリ
ツジ、３８……ブリツジ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 繰り返し応力を受ける機械部品のための疲労
   破壊指示器にして、互に離れて配置されかつ薄板
   によつて互に連結された２個の厚い部材１ａ，１
   ｂを有し、前記薄板２′にはスロツト４ａ，４ｂ
   と少くとも１対の両側の自由縁が形成されてお
   り、前記２個の部材１ａ，１ｂは前記薄板の平面
   と平行な平面内で互に変位しうるよう前記機械部
   品に連結若しくは固定されており、前記厚い部材
   はそのような応力による相対変位の方向とほぼ直
   角な方向に、互から分離されるように配置されて
   おり、前記薄板はそのような相対変位によりその
   平面内で剪断力を受けており、前記薄板のスロツ
   トは前記薄板の縁部の一方から前記方向に延び
   て、２つの隅を有する突当りのめくら端で終つて
   おり、応力付与時に２個のクラツクがスロツトの
   底部の隅に生じ徐々に薄板に該薄板の反対側の自
   由縁に向つて徐々に進行し、前記クラツクは、前
   記反対側の自由縁から遠ざかる方向に徐々に進行
   しているクラツクと出会つてこれらのクラツクで
   はさまれた薄板の中央領域５を切り離すか又はほ
   ぼ切り離すように構成されている疲労破壊指示器
   において、 前記厚い部材は前記薄板でばかりでなく、前記
   薄板の両側に配置され、かつ前記薄板の１個若し
   くは２個のスロツトの軸線とほぼ直角な２個の細
   長いストラツトによつても互に連結されているこ
   とを特徴とする疲労破壊指示器。 ２ 前記薄板と、ストラツトを備えた厚い部材と
   からなる組立体が、監視されるべき部品に固定す
   るための部品に可撓性の領域を介して連結されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の疲労破壊指示器。 ３ 前記可撓性の領域が、前記厚い部材と、監視
   されるべき部品に固定するための部分の両方を形
   成している同じ部材に、前記ストラツトを越えた
   ところで横方向に形成された巾の狭いブリツジで
   構成されていることを特徴とする特許請求の範囲
   第２項記載の疲労破壊指示器。 ４ 繰り返し応力を受ける機械部品のための疲労
   破壊指示器にして、互に離れて配置されかつ薄板
   によつて互に連結された２個の厚い部材を有し、
   前記薄板にはスロツトと少くとも１対の両側の自
   由縁が形成されており、前記２個の部材は前記薄
   板の平面と平行な平面内で互に変位しうるよう前
   記機械部品に連結若しくは固定されており、前記
   厚い部材はそのような応力による相対変位の方向
   とほぼ直角な方向に、互から分離されるように配
   置されており、前記薄板はそのような相対変位に
   よりその平面内で剪断力を受けており、前記薄板
   のスロツトは前記薄板の縁部の一方から前記方向
   に延びて、２つの隅を有する突当りのめくら端で
   終つており、応力付与時に２個のクラツクがスロ
   ツトの底部の隅に生じ薄板に該薄板の反対側の自
   由縁に向つて徐々に進行し、前記クラツクは前記
   反対側の自由縁から遠ざかる方向に徐々に進行し
   ているクラツクと出会つてこれらのクラツクでは
   さまれた薄板の中央領域を切り離すか又はほぼ切
   り離すように構成されている疲労破壊指示器にお
   いて、 ２個の同様な厚い部材を互に連結する２個以上
   の薄板が設けられていることを特徴とする疲労破
   壊指示器。 ５ 前記厚い部材が、互に隣接した薄板の間に配
   置される可撓性のブリツジによつて、互に連結さ
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第４項
   記載の疲労破壊指示器。