JPH032291B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、油絵風の肖像画を多数複製するこ
とを目的とした肖像画複製方法に関するものであ
る。

従来、複製画としては所望の絵画を撮影し、こ
れに基づいて印版を作つて多色印刷した後、印刷
画面を表面処理したものが知られており、肖像画
風写真としては、人物を撮影し、その写真を画布
上へ貼りつけた後、表面処理したものが知られて
いるが、前者は現存する絵画を撮影し、後者は人
物を撮影したもので、資料とイメージを変えるこ
とができないのみならず、前者は高度の印刷技術
を必要とし、後者は油絵風仕上りが不十分となる
問題点があつた。

然るにこの発明は、絵画、写真又は描し画など
を資料として油絵により肖像画を画き、これを撮
影して、その写真を利用するので、仕上りサイズ
を自由に選定し得る共に、油絵と変らない外観を
有し、かつ高度の印刷技術を必要としないなど、
前記従来の問題点を解決したものである。

特に基礎資料を基にして油絵を画くので、過去
の人物であつても、描し画、写真、肖像画等より
得たイメージを残し、その人物にふさわしく服飾
その他を整えるなどの改変が自由であり、複数の
人物（例えば有名な音楽家又は歴史上の人物集）
などを所定のイメージで揃えることも可能であ
る。

即ちこの発明は、既製の絵画１又は写真２等
（例えば描し絵、立体像その他）をもとにして求
めるイメージにより油絵で肖像画３を画き、この
肖像画３を写真撮影して任意の大きさの写真４を
得る。次にこの写真４を画布５上に接着剤６によ
り貼着し、前記写真４上に透明フイルム７をラミ
ネートした後、透明フイルム７上より型押しして
画布模様を設ける。前記型押しした透明フイルム
７上へ透明えのぐ８（メジユーム）を塗布して恰
もえのぐを塗つたような凹凸を設ければ複製品９
が出来る。

前記実施例においては、写真面にコーテイング
層を設けるので（コーテイング層は必ずしもラミ
ネートでなく、塗布でもよい）、写真の変色を防
止すると共に、写真面へメジユームの影響を及ぼ
さない効果がある。またコーテイング層へ画布模
様をつけるので、画布模様は恰も画布の影響が表
われたような外観となり、写実に近い外観を呈す
る。

即ちこの発明によれば、写真その他の資料に基
づき油絵によつて肖像画を画くので、肖像画家の
個性が表われることを勿論、画かれる人物を画く
者のイメージてによつて表現し得ると共に、服装
なども任意に選定し得る効果がある。従つて撮影
した写真も人物を直接撮影した場合と異なり、油
絵特有の模様等が明瞭に現われる特質があり、画
いた肖像画ときわめて酷似した複製品を得ること
ができる。然してこの複製品は大きさに制限され
ることなく、均質の同一物を任意数製作し得る効
果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の製作順序を示すブロツク
図、第２図は同じく製品の一部断面拡大図であ
る。 １……絵画、２……写真、３……肖像画、４…
…写真、５……画布、７……透明フイルム、８…
…透明えのぐ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 肖像画を油絵で画き、これを写真撮影して求
   める大きさに拡大焼付した後、写真面上に透明合
   成樹脂コーテイング層を設け、この写真を画布上
   に貼着し、前記コーテイング層面に型押しによつ
   て画布様の凹凸模様を設けた後、その上面に透明
   えのぐを塗布することを特徴とした肖像画複製方
   法。 ２ 写真面のコーテイングおよび型押しは、写真
   を画布上に貼着した後行うこととした特許請求の
   範囲第１項記載の肖像画複製方法。 ３ コーテイングは透明合成樹脂フイルムをラミ
   ネートし、又は合成樹脂液を塗布することとした
   特許請求の範囲第１項記載の肖像画複製方法。 ４ 肖像画を画く際に印刷物、絵画、写真又は立
   体像の一つ又は複数を基礎資料とした特許請求の
   範囲第１項記載の肖像画複製方法。