JPH03219435A - 記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は書き換え可能な記録媒体、すなわち、熱エネル
ギーの印加による結晶状態の可逆的変化を利用した高密
度記録媒体に関し、光メモリー媒体、表示媒体に応用で
きるものである。

［従来の技術］ 近年、例えば光によって与えられた情報を熱エネルギー
の形に変換して印加し、記録材料の形状変化や物性変化
として記録するいわゆるヒートモード記録システムが実
用化されつつある。

このようなヒートモード記録媒体としては、Ｔ　ｅｓ　
Ｂ　ｌ　％　Ｓ　ｅｓ　Ｔ　ｂｚ　　Ｉ　ｎなどを主成
分とする金属材料を用いた無機系の記録媒体、あるいは
シアニンなどのポリメチン系色素、フタロシアニン、ナ
フタロシアニン、ポルフィリンなどの大環状アザアヌレ
ン系色素、ナフトキノン、アントラキノン系色素及びジ
チオール金属錯体系色素などの有機色素を用いた記録媒
体が知られている。

これらの記録媒体は集光したレーザー光の照射などによ
り熱エネルギーが加えられると、照射部分の記録層が溶
融あるいは蒸発して孔（ピット）を形成し、情報を記録
するものである。

しかし、これらの記録媒体は、記録した情報を消去して
再び新しい情報を記録する可逆性を有していない。

上記のような再生専用、追記型のヒートモード光記録媒
体の発達とともに、記録、再生、消去が可能な可逆記録
媒体の必要性が高まっている。

こうした可逆記録媒体として、例えばＧｄ。

Ｔｂ５ＤＶなどの希土類元素とＦｅ５Ｎｉ。

Ｃｏなどの遷移金属とからなる合金薄膜を用いた光磁気
記録媒体がある。これはレーザー光照射による加熱と外
部印加磁界を併用して記録し、磁化の向きによる光の振
動面の回転方向の違いを利用して再生するものである。

又、情報の消去はレーザーによる加熱と記録時とは逆向
きの外部磁界を加えることにより行われる。しかし、こ
の光磁気記録媒体は再生時の感度が十分でなく　Ｓ／Ｎ
比が悪いこと、及び酸化などの影響により記録感度の劣
化や記録の安定性に問題があるなどの欠点を有している
。

又、可逆記録媒体としてＧｅ５ＴｅＳＳｅ。

Ｓｂ、Ｉｎ、Ｓｎなどの元素を主成分とする無機材料薄
膜からなる記録層の結晶−非晶質間の相転移を利用した
ものがある。この記録媒体はレーザー光の照射のみで、
ヒートモードで記録及び消去ができる利点があるが、記
録部と非記録部のコントラストや記録の安定性が十分で
ないこと、記録層の材料の安定性に関して問題があるな
どの欠点を有している。

一方、特開昭５４−１］、９３７７、同５５−１５４１
９８、同６３−３９３７８　、同６３−４１１８８号公
報には、樹脂マトリックス材と、このマトリックス材中
に微粒子分散状態で存在する有機低分子物質からなる熱
記録材料が開示されている。この記録材料はある温度以
上に加熱し冷却すると白濁状態（遮光状態）になり、又
ある温度範囲に加熱し冷却すると透明状態となり、この
遮光性の可逆的な変化により記録が行われる。しかし、
この遮光性によるコントラストは、通常目視で観察でき
る程度の大きさの記録の場合には明瞭であったとしても
、数μ■程度の小さな部分が変化してできた記録部を顕
微鏡的に拡大して観察する場合には記録として確認でき
ない程度の低いコントラストとなってしまう。記録層中
では有機低分子物質の微粒子のマトリックス中での状態
によって、光の散乱性が変化しているのであるが、記録
部分の大きさが数μｍ程度になってしまうと、記録部分
の大きさに対してこの微粒子の大きさがこのような散乱
を起こすには十分なほどの小ささではなくなってしまう
ためである。これを補うためには、記録の大きさに比べ
記録層の厚さをはるかに厚くすることが考えられるが、
このような厚い記録層を厚さ方向に全体に均一に加熱し
て小さな記録部を形成することは、実質的に困難である
。したがって、高密度な記録を行う記録媒体に適用する
ことはできない。

その他に有機材料を用いた消去可能な記録媒体として、
例えば特開昭５８−１９９８４８号公報には有機金属錯
体ビス（１−ｐ　−ｎ−アルキルフェニルブタン−１，
３−ジオナト）（■）と有機高分子混合物、特開昭８３
−１５７９３号公報には結晶性と非品性の熱可塑性樹脂
混合物、特開昭６３−９５９９８号、同９８７４８号公
報には結晶性芳香族ビニレンスルフィド重合体、特開昭
８８−２７９４４０号公報には含硫黄ポリマー、特開昭
８８−１２８９９８号公報にはジアゾビシクロ［２，２
，２１オクタン４級塩を利用した記録媒体が示されてい
る。しかし、これらはいずれも記録速度あるいは消去速
度がおそく実用化は困難である。

［発明が解決しようとする課題］ このように従来の材料を用いた記録媒体は、記録の感度
、消去速度、記録の安定性、記録部と非記録部のコント
ラストなどに種々の問題を残している。又使用する記録
媒体は安全性の面から毒性のない材料を用いたものであ
ることが望ましい。

このような観点から本発明は情報を記録し、再生し、か
つ記録された情報を消去することができ、繰り返し使用
可能な記録媒体を提供するものである。又、記録感度、
記録速度に優れ、記録の安定性が良好で、記録部と非記
録部のコントラストが大きく、高密度に情報が記録でき
、記録された情報を高速に消去できる記録媒体を提供す
るものである。更に本発明は毒性がなく安定性の高い記
録媒体を提供するものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明者らは、以上のような目的から種々の有機材料の
熱変化を検討した結果、脂肪酸又は脂肪酸誘導体の薄膜
状結晶を記録層に用いた場合、熱を印加した部分の結晶
状態が変化することを見出した。

更に基板の水に対するぬれ性の違い、すなわち親水性、
疎水性により結晶の配向性が制御されることを見出し、
本発明に至った。脂肪酸及び脂肪酸誘導体の基板のぬれ
性に対する影響については例えば電気学会電子材料研究
会資料（１９８８年名城大　多和田昌弘ら）に記載があ
る。

すなわち基板が疎水性だと脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体
のカルボキシル基との相互作用が弱く温度上昇により回
転運動が起こり、基板に対して垂直に配向するが、親水
性基板の場合にはカルボキシル基との相互作用が強く、
回転運動が規制され、その結果基板に対して水平に配向
する。

基板上での分子鎖の動きについては例えば表面ｖｏ１．
２Ｂ、Ｎｏ、ｌＯ（１９８８年東工大　奥居徳昌）に記
載されている。基板に対し垂直に配向した結晶と水平に
配向した結晶とでは当然光学的特性が異なり、記録はこ
の変化に基づいている。

ある種のフォトクロミックポリマーは光照射により可逆
的にぬれ性が変化する。本発明はこのフォトクロミック
ポリマーのぬれ性の変化により脂肪酸もしくは脂肪酸誘
導体の分子鎖の配向を制御し可逆な記録を行うことを特
徴としている。

以下に本発明の記録媒体について詳細に説明する。

本発明の記録媒体の記録層は脂肪酸又は脂肪酸誘導体を
主成分とする薄膜状結晶からなるか、又はこれを含む層
であるが、ここでいう脂肪酸又は脂肪酸誘導体とは、詳
しくは飽和又は不飽和のモノ又はジカルボン酸又はこれ
らのエステル、アミド、アニリド、ヒドラジド、ウレイ
ド、無水物、あるいはアンモニウム塩又は金属塩のよう
な脂肪酸塩である。この場合、エステルは２個以上の水
酸基を持つ化合物とのエステル、例えばモノ、ジ又はト
リグリセリドなどを含む。

又、これらのものはハロゲン、ヒドロキシ基、アシル基
、アシルオキシ基、あるいは置換又は無置換のアリール
基により置換されていてもよい。これらの飽和又は不飽
和脂肪酸は直鎖のもので枝分れしたものでもよく、不飽
和脂肪酸は二重結合又は三重結合を１個持つものでも、
２個以上持つものでもよい。これらの脂肪酸中の炭化水
素鎖の炭素数は１０以上であることが好ましい。

飽和脂肪酸の具体例としては、例えばウンデカン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン
酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ナノデカン酸、ア
ラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モ
ンタン酸、メリシン酸などがあり、不飽和脂肪酸として
は、例えば、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、
ソルビン酸、ステアロール酸などがある。

又エステルの具体例としては、例えば、これらの脂肪酸
のメチルエステル、エチルエステル、ヘキシルエステル
、オクチルエステル、デシルエステル、ドデシルエステ
ル、テトラデシルエステル、ステアリルエステル、エイ
コシルエステル、トコシルエステルなどがある。

又、金属塩の例としては、例えば、これらの脂肪酸のナ
トリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ニッ
ケル、コバルト、亜鉛、カドミウム、アルミニウムなど
の金属塩がある。

使用する脂肪酸又は脂肪酸誘導体は、好ましくは融点が
５０〜２００℃、特に６０〜１５０℃の範囲のものが好
ましい。これより低いと記録の保存性にも問題があり、
又高いと記録に要するエネルギーが大きくなり、記録速
度が遅くなる。

本発明の記録媒体の記録層には、これらの脂肪酸又は脂
肪酸誘導体の１種又は２種以上を混合して用いることが
できる。又、本発明における記録層はこれらの脂肪酸又
は脂肪酸誘導体を主成分とする薄膜状結晶からなるか、
又はこれを含む物であるが、これ以外に層を形成する上
で必要に応じ樹脂を用いることができる。樹脂としては
、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビニル０ −酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸とニル−マレ
イン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体、
ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリロニトリ
ル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレ
ート、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリウ
レタン、シリコン樹脂などが挙げられる。記録層中に樹
脂を用いる場合、記録層全体で脂肪酸又は脂肪酸誘導体
１に対して、樹脂は重量比で３以下、特に　１以下であ
ることが好ましい。

又光照射により可逆的にぬれ性が変化する物質としては
例えば下記構造式のアゾ色素系ポリマー、スピロピラン
系ポリマーが知られている。

（根岸はか、高分子論文集、８７．２８７（１９８０）
）（１）アゾ色素系ポリマー １ ＋ＣＨ２ ＣＨ＋　。

−０ （２）スピロピラン系ポリマー ＋ｃＨｚ　−ＣＨ＋。

−０ 本発明の記録層中もしくは記録層と接する別層中に含有
することのできる光吸収性物質としてはアゾ系色素、シ
アニン系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系
色素、スクアリリウム系色素、フタロシアニン系色素、
ナフタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素、インジ
ゴ系色素、ジチオール錯体系色素、アズレニウ２ ム系色素、キノンイミン系色素、キノンジイミン系色素
などの赤外線吸収色素及びＣｒ５Ｇｅ。

Ｐｔ５ＴｉＳＳｉＳＡｌなどの金属材料を使用すること
ができる。

本発明の記録媒体に用いられる基板としては、ガラス板
、金属板、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネー
トなどのプラスチック板などがある。ただし、情報記録
後、透過光により記録を読み取る場合には、基板には再
生光を透過するものを用いる必要がある。又反射光によ
り読み取る場合には、必要に応じ、例えば白金、チタン
、シリコン、クロム、ニッケル、ゲルマニウム、アルミ
ニウムなどの金属又は半金属の膜を設は反射層とする。

以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。

［実施例コ １．２１厚の光学研磨したガラス基板上に、Ｃｒを１０
００１の厚さに蒸着し、光吸収性物質層（反射層を兼ね
る）とした。次に高分子論文集３ ＶｏｌＪ７．Ｎｏ、４（１９８０）、根岸ら記載の合成
方法で得ることができるポリーＰ−フェニルアゾアクリ リルアニ≠呼ドをＮ、Ｎ−ジメチルホルムアミドに溶解
し、前記光吸収性物質層上にスピンコードし厚さ　０．
２μｍの配向制御層を設けた。次に基板温度を５℃に制
御し、ベヘン酸（ＮＡＡ２２２Ｓ日本油脂製）を真空度
約５Ｘ　１０”６Ｔｏｒｒ、蒸着速度２０〜３０人／ｓ
ｅｃで２０００人蒸着し、記録層とし、ガラス基板／光
吸収性物質層／配向制御層／記録層からなる記録媒体を
作製した。

このようにして作製した記録媒体を９００ｒｐｍで回転
させながら、直径１μｍに集光した波長ＨＯｒｖの半導
体レーザー光を、下記の条件（１）。

（２）で照射し、スパイラル状の記録を形成した。

照射条件（１）点灯条件二周波数２００ＫＩＩｚ、デユ
ーティ比５０％ 記録媒体面での強度：　７ｍＷ 記録ラインの間隔：約３．５μｍ （中心間） （２）点灯条件：連続点灯 ４ 記録媒体面での強度ニア１Ｗ 記録ラインの間隔：約１μ■ （中心間） （１）の条件でレーザー光を照射した記録媒体を反射偏
光顕微鏡を用いクロスニコル状態で観察すると、記録層
のレーザー光照射部分に幅約１μｍのライン状の記録部
が形成されているのが、明瞭なコントラストで観察でき
た。

次に（２）の条件でレーザー光を連続的に照射し、記録
媒体の照射範囲全面にほとんど隙間なく記録を行い、記
録前後のＸ線回折を測定した。

第１図に記録前、第２図に記録後のＸ線回折を示す。記
録前はベヘン酸の単面間隔に基づく回折線（１１０）面
（２θ−２１，６°）のみが認められ、Ｃ軸を基板に平
行に配向した構造すなわちＬａｔｅｒａｌ配向した構造
が形成されていることを示している。

一方記録後は長面間隔に基づく回折線（００１）面（２
θ−３，８６５，６°　　７．４°　　９．２’・・・
）のみが現れ２θ−２１，６°の回折線は消失し、Ｃ５ 軸を基板に対し一定の傾きをもって配向した（ａ、ｂ軸
を平行に配向した）構造、すなわちＮｏｒｍａｌ配向し
た構造が形成されている。

次に記録後の試料を８０℃に加温し紫外線（ウシオ電機
■製旧−５０１０型５００Ｗ　、フィルター；東芝■製
）　ＵＶ−’Ｄ３８Ｃ）を５分間照射し、再びＸ線回折
を測定したところ第１図と同様の回折パターンが得られ
、記録が消去されていた。ボリリ −Ｐ−フェニルアゾアクリルアニ≠〒ドは紫外線照射に
よりシス体へ異性化し親水性が増加し、ベヘン酸がＬａ
ｔｅｒａｌ配向しゃすくなったためと思われる。

［発明の効果コ 以上説明したように、本発明の記録媒体は熱エネルギー
の印加により記録層を形成する物質の結晶状態が可逆的
に変化するので繰返し記録が可能な高密度記録媒体とい
える。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の記録媒体の記録前のＸ線回折図、 　６ 第２図は同記録媒体の記録後のＸ線回折図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 基板上に光照射により水に対するぬれ性が変化する物質
   から成る配向制御層を設け、該配向制御層に接して脂肪
   酸もしくは脂肪酸誘導体を主成分とする記録層を設けた
   ことを特徴とする記録媒体。