JPH032169Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、各種の靴における着脱自在の中敷用
として利用される電気発熱体に関する。

〔従来の技術〕

従来、足の暖房用としての電気足温器や電気ス
リツパ等に使用される電気発熱体は、足温器やス
リツパの大体部分と一体構造とされていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

寒冷地において、長時間の室外作業を行う場
合、足の冷却を防止するためには、保温性の高い
靴下や防寒靴によつて、足の熱が逃げないよう
に、保温効果が高められる。

そのため、電気保温器や電気スリツパ等と同様
に、靴等の履物の底に、電気発熱体を入れること
が考えられるが、室外作業においては、通常の商
用電源からの給電は困難である。

また、従来の電気発熱体は、履物の底部分と一
体構造になつているため、既製の履物に電気発熱
体を着脱することは困難であり、かつ電気配線
も、着脱自在とすることを考慮していなかつた。

また、電池を電源とする電気発熱体は、発熱さ
れた熱を効率良く足の加熱に利用することが望ま
れる。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案においては、爪先側に蛇行パターンを有
する先端部の箔膜抵抗線、足の踵側に蛇行パター
ンを有する後端部の箔膜抵抗線、先端部の箔膜抵
抗線と後端部の箔膜抵抗線に、電池電源から電力
を供給する電線が接続される土踏まずの部分に設
けられた電源接続端子を具備してなるフイルム状
電気発熱体と、このフイルム状電気発熱体の裏面
に重ねられた不織布と、その不織布の裏面に重ね
られたアルミニユウーム箔とフイルム状電気発熱
体の足の裏が接する表面に塗布した遠赤外線放射
性塗料とを備えることにより、上記問題点を解決
するものである。

〔作用〕

突出部を生じ易い電源接続端子を、足の土踏ま
ずに対面する部分へ設けたことにより、配線コー
ドのハンダ付部分や配線コードの端部、及び配線
接続部の被覆材による突出部が足の裏に当ること
はない。

また、歩行や激しい運動を行なつた際に、靴と
足とによる圧迫作用が少ない土踏まずの下から、
配線コードを靴外に引き出せる。

最も外側に設けたアルミニユウーム箔により、
外に逃げる赤外線や遠赤外線を内側に反射し、さ
らに最も内側に塗布された遠赤外線放射性塗料か
ら遠赤外線を足に放射して、皮下深部から足を暖
める。

〔実施例〕

図は、本考案に係る電気発熱式中敷の一実施例
を示すものである。

中敷１は、電気発熱体２と不織布からなる断熱
層３、及びアルミニユウーム箔からなる遠赤外線
反射層４を、その順に上下重さね合せた多層構造
のものである。

電気発熱体２は、若干厚目の電気絶縁性の高い
合成樹脂製のベースフイルム材２ａに、純鉄箔を
貼着し、この純鉄等を、プリント配線技術と同様
の手段によつて、発熱を要する部分に、蛇行パタ
ーンを有する箔膜抵抗線２ｂ，２ｃを形成し、か
つその上面に、ベースフイルム材２ａより薄肉で
同じ材質のフイルム材２ｄをラミネートしたもの
である。

電気発熱体２、断熱層３及び赤外線反射層４の
形状及び寸法は、靴底の形状に応じて定められ
る。

足の裏が接するフイルム材２ｄの表面には、遠
赤外線放射性塗料５が塗布されている。

箔膜抵抗線２ｂ，２ｃの一方２ｂは、爪先側の
足の先端部分Ａに、同じく他方２ｃは、足の踵側
の後端部分Ｂに設けられ、その間の土踏まずと対
向する部分Ｃには、発熱させるための箔膜抵抗線
は設けられていない。

しかし、土踏まずと対向する部分Ｃには、純鉄
箔が発熱しない程度の抵抗値をもつて、先端部分
Ａの箔膜抵抗線２ｂの一端２b′と、後端部分Ｂの
箔膜抵抗線２ｃの一端２c′とを接続している導電
箔２ｅが残されている。

また、前記部分Ｃには、先端部Ａの箔膜抵抗線
２ｂの他端２b″と、後端部Ｂの箔膜抵抗線２Ｃの
他端２c″に、電池電源から電力を供給するため、
電源接続端子、すなわち、配線コード６をハンダ
付けしうるようにしたランド７，７が設けられて
いる。

ランド７，７は第３図に示す如く、足の土踏ま
ず８の最も凹んだ部分の直下に位置するのが望ま
しい。

中敷１を靴に対して着脱自在とするには、配線
コード６は、自在性の高い丈夫なものであること
が要求され、それに伴つて、芯線も太い丈夫なも
のが使用される。

配線コード６と電気発熱体２の接続は、ハンダ
付けによるのが、機械的な強度上からも、電気的
な安定性からも望ましい。

ハンダ付けをすると、図示の如く、配線コード
６の芯線６ａの太さ以上のハンダ９の盛り上りを
生じて、これが電気発熱体２の上面より突出す
る。しかして、このハンダ付け部分は、水密に絶
縁されていることが望ましいため、接着性の高い
合成樹脂材１０で被覆されており、その部分の盛
り上りは一層高くなつている。

しかし、電気発熱体２におけるランド７，７
は、土踏まず８の直下に設けられているため、ラ
ンド７，７の部分の盛り上りは、歩行や運動に邪
魔になることはない。

しかも、土踏まず８部における足の内側８ａ
（他方の足の側）と靴の間は、歩行や運動に伴う
圧迫作用が小さく、その部分に配線コード６を通
しても、歩行や運動に支障を生じることはない。

また、ランド７，７が土踏まず８の直下に設け
られているため、配線コード６は最短距離もつて
靴の下に引き出すことができる。

なお、ランド７，７の上面には、フイルム材２
ｄをランド７，７より若干広く除去した孔２ｆが
設けられている。

ところで、ランド７，７の部分は歩行時の圧伯
は小さい代りに、歩行に際して、土踏まず８との
間隔が大きくなり、保温性も低い部分である。

この保温性の低い個所に、発熱用の箔膜抵抗線
を設けると、無意味な熱放射が増加するため、実
施例においては、土踏まず８の直下の部分では、
発熱用の箔膜抵抗線を省略してある。

〔効果〕

以上の如く、本考案によると、靴の長短や種類
に拘らず、容易に着脱しうる電気発熱式の中敷
が、提供される。

また、本考案による電気発熱体を備える中敷
は、配線コードが歩行や運動に際して邪魔になる
ことはなく、しかも足の裏に突部が当ることがな
いので、快適な使用感が得られる。

靴外へ引きされた配線コードには、電池を接続
して、室外用に使用しうることは云うまでもな
い。

発熱用の箔膜抵抗線を先端部と後端部に分け、
保温性の低い中央部の土踏まず部には、発熱部を
設けてないので、効率が高い。

また、アルミニユウーム箔や遠赤外線放射性塗
料により、赤外線や遠赤外線を効率良く足に放射
して、足を皮下深部から暖める。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る電気発熱体式中敷の一
実施例の一部切欠平面図、第２図は、第１図にお
ける−線拡大断面図、第３図は、同じく−
線拡大断面図である。 １……中敷、２……電気発熱体、２ａ……ベー
スフイルム材、２ｂ，２ｃ……箔膜抵抗線、２
b′，２c′……一端、２b″，２c″……他端、２ｄ…
…フイルム材、２ｅ……導電箔、２ｆ……孔、３
……断熱層、４……遠赤外線反射層、５……遠赤
外線放射性塗料、６……配線コード、７……ラン
ド、８……土踏まず、９……ハンダ、１０……合
成樹脂材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 爪先側に蛇行パターンを有する先端部の箔膜抵
   抗線、足の踵側に蛇行パターンを有する後端部の
   箔膜抵抗線、先端部の箔膜抵抗線と後端部の箔膜
   抵抗線に電池電源から電力を供給する電線が接続
   される土踏まずの部分に設けられた電源接続端子
   を具備してなるフイルム状電気発熱体と、このフ
   イルム状電気発熱体の裏面に重ねられた不織布
   と、その不織布の裏面に重ねられたアルミニユウ
   ーム箔と、フイルム状電気発熱体の足の裏が接す
   る表面に塗布した遠赤外線放射性塗料とを備えた
   電気発熱式中敷。