JPH0321255A - 人工血管及びその製造方法 - Google Patents

人工血管及びその製造方法

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JPH0321255A
JPH0321255A JP1156371A JP15637189A JPH0321255A JP H0321255 A JPH0321255 A JP H0321255A JP 1156371 A JP1156371 A JP 1156371A JP 15637189 A JP15637189 A JP 15637189A JP H0321255 A JPH0321255 A JP H0321255A
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JP
Japan
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tubular body
artificial blood
blood vessel
crosslinking
polyurethane elastic
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Pending
Application number
JP1156371A
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English (en)
Inventor
Etsuo Yoshikawa
吉川 悦雄
Yasuhiro Ogawa
康弘 小川
Yoshikazu Kondo
義和 近藤
Hidekazu Kubota
窪田 英一
Satoru Igawa
井川 哲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Kanebo Ltd
Original Assignee
Terumo Corp
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は生体内安定性を有し、小口径人工血管としても
使用可能な人工血管及びその製造方法に関する。
(従来の技術) 人工血管に関する研究は今世紀の初頭より数多くなされ
てきており、その成果としてポリエステル繊維の管状a
編物及び延伸ポリテトラフルオロエチレンの多孔性チェ
ープが実用化されている。
しかしこれらの実用段階にある人工血管はその適用部位
が内径6mm以上の比較的太い動脈に限られており、こ
れ以下の小動脈や静脈用についてはまだ充分な臨床成績
をあげるに至ってい′ない。その理由としては小動脈の
場合、小直径であるがゆえに凝血が生じた場合閉塞しや
すいこと、さらに小動脈や静脈では血流速度が遅いため
凝血の成長が速く、閉塞しやすいことがあげられる。ま
た、現在実用化されている人工血管はすべてのものが最
終的には生体による偽内膜形成により抗血栓性を獲得し
、安定化するものであるが、この場合特に吻合部におい
て内膜の過形成による血管内腔の狭さくが発生し、これ
が原因となって、人工血管が閉塞することがある。これ
には人工血管の構造、例えば新生内膜の保持能力が低い
場合に起るとも考えられている。さらに近年では移植人
工血管と生体血管の力学的特性の不一致が閉塞の大きな
要因と考えられている。
上記の様な問題点を克服し、性能のすぐれた人工血管を
開発しようとする試みが近年数多くなされている。なか
でも、セグメント化ポリウレタンが抗血栓性にすぐれて
いるという発見以来、材料にセグメント化ポリウレタン
を用いたものが数多く提案されている。
上記提案の主たる目的は抗血栓性にすぐれた材料を用い
、かつ力学的特性を生体血管に近似させることにより血
栓形成を防止し、さらには多孔性とすることにより新生
組織の侵入、保持を良くしようとするものである。
しかしながら、近年の研究によりセグメント化ポリウレ
タンは生体内譬ζ長期移植留置すると分子量の低下やク
ラックの発生がみられること、また生体外においても酵
素の作用を受けることが明らかになり、人工血管の様な
長期生体内移植型人工臓器用材料としては問題があると
いう指摘がなされている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は上記問題点を解決し、生体内安定性に優
れ、且つ弾性を有し、外面から生体組織が容易に侵入し
、治癒安定化に優れた人工血管及びその製造方法を提供
するにある。
(課題を解決するための手段冫 前述の目的を達成するため、本発明は、ポリウレタン弾
性体よりなる多孔性の管状体であって、前記ポリウレタ
ン弾性体が80%以上の下記式にて規定される架橋度を
有するものつあることを特徴とする人工血管を第1め要
旨とする。
本発明において率橋度とは、該ポリウレタン弾性体の溶
媒への溶解度によって測定され、具体的には下記式で規
定されるものであり、単位は百分率で表わされる。
ただし、式中Aはポリウレタン弾性体をsr’cのN.
N−ジメチルホルムアミドに振盪ルAがら2、4時間浸
漬した後の不溶部の重量で、上記式中のBとは浸漬前の
該ポリウレタン弾性体の重量である。
又、本発明は、熱可塑性ポリウレタン弾性体により管壁
が多孔質である管状体を成型した後、該管状体をジイソ
シアネートにより上記式にて規定される架橋度を80%
以上に架橋反応せしめることを特徴とする人工血管の製
造方法を第2の要旨とし、ポリウレタン弾性体よりなる
多孔性の管状体であって、前記ポリウレタン弾性体が8
0%以上の上記式にて規定される架橋度を有するもので
あり、更に前記管状体に抗血栓性が付与されていること
を特徴とする人工血管を第6の要旨とする。
更に、II愛の要旨に示した製造方法に引き続いて、抗
血栓性処理を施すことを特徴とする人工血管の製造方法
を第4の要旨とする・。
本発明においてポリウレタン弾性体とは、公知の熱可塑
性ポリウレタン弾性体であり、分子量800〜e, 0
 (l Oのポリオール、例えばジヒドロキシポリエー
テル,ジヒドロキシポリエステル.ジヒドロキシシリコ
ーン,ジヒドロキシボリカーボネート,ジヒドロキシポ
リエステルアミド,またはこれらのブロック共重合体等
と、分子量600以下の有機ジイソシアネート、例えば
p.p’−ジフェニルメタンジイソシアネート,トリレ
ンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネート.2
.6一ジイソシアネートメチルカプロエート,ヘキサメ
チレンジイソシアネート.ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート,メタキシリレンジイソシアネート等と、
鎮伸長剤、例えば水,ヒドラジン,ジアミン.グリコー
ル等との反応により得られるポリマーである。これらの
ボリマーのうちボリマー鎖中にエステル結合を含まない
ものが生体内安定性の点から好ましく、後述する製造方
法との関連でいえば熔融加工できるものが更に好ましい
就中、ボリオールこしてはポリテトラメチレングリコー
ル.ポリテトラメチレングリコールとシリコーンのブロ
ック共重合体またはポリエチレングリコールとシリコー
ンのブロック共重合体を用いたボリマーが好適である。
また有機ジイソシアネートとしてはp,p’−ジフエニ
ルメタンジイソシアネートが好適である。更に、鎖伸長
剤としてはグリコールが好まし<、1.4−ブタンジオ
ールまたはビスーβ−ヒドロキシェトキシベンゼンが好
適である。
本発明において多孔性の管状体とは、ポリウレタン弾性
体からなる管状の多孔体構造物であって、例えばポリウ
レタン弾性繊維からなる管状の網目状多孔体構造物が挙
げられる。又、上記多孔性管状体は胃壁が透水性を有す
るものであって、その透水率は好ましくは3 0 0 
0 mll分以下で、より好ましくは10〜1 5 0
 0 mll分、更に好ましくは150〜1 0 0 
0 mll分である。ここで透水率とは、1 2 0 
mmHgの圧力下で管壁1 am’当り1分間に通過す
る水量をいう。透水率の低いものは人工血管としての開
存性に劣る傾向がある。
本発明における多孔性の管状体は、上記条件を満足する
ものであればその形態について特に限定するものではな
いが、独立気泡を多く有する構造の多孔体よりは、ポリ
ウレタン弾性繊維より構成され、該繊細の空隙により微
小な孔や穴を形成する多孔性の管状体が好ましい。即ち
、ポリウレタン弾性繊維を相互に融着した所謂不織布状
構造物を胃壁とする管状体が好ましい。この場合、管状
体を構成するポリウレタン弾性繊維の平均直径はモノフ
ィラメントとして30ミクロン以下が好ましく特に5〜
20tクロンが好適である。繊維の平均直径が30ミク
ロンを越えると人工血管内壁の粗度が大きくなり、血栓
が生成しやすくなるとともに管全体の柔軟性が低下する
本発明の上記管状体の内径は特に限定されるものではな
いが、人工血管という観点からすれば通常4 0 mm
以下であり、またW壁の厚さは好ましくは042〜S 
mffl 1より好ましくは0.4〜1.8mmである
本発明の人工血管は、上記管状体を構成するポリウレタ
ン弾性体がジイソシアネートにより、前述した架橋度が
80%以上に架橋結合する必要がある。架橋度が80%
未満では、生体内における安定性に劣り、クラックの発
生が多く、実用上問題がある。
本発明において上記架橋結合に適用するジイソシアネー
トは、分子量500以下の有機ジイソシアネートであっ
て、例えばp.p−ジフェニルメタ冫ジイソシアネート
,トリレンジイソシアネート.イソホロンジイソシアネ
ート,2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート,
ヘキサメチレンジイソシアネート.ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート,メタキシリレンジイソシアネー
トが挙げられ、就中、p.p−ジフェニルメタンジイソ
シアネート.トリレンジイソシアネートが反応性が高く
、高架橋度となるため好適である。
本発明の製造方法において、ポリウレタン弾性体より多
孔性の管状体を得る方法は特に限定されるものでなく公
知の適宜な方法でよく、例えば次の様な方法が挙げられ
る。
(イ)熱可塑性ポリウレタン弾性体を溶融紡糸後、高温
気体を噴流し、細化して得られた実質的に連続したフィ
ラメントをシート状に積層し、積層されたフィラメント
の接触点を該フィラメント自体により接合されたポリウ
レタン弾性繊維不織布を芯棒に積層して加熱成形して管
状体を形成する方法(特開昭61−136085号公報
参照冫。
(ロ) ポリウレタンよりなる繊維形成重合体を含有す
る液体組成物を静電気的に紡糸してamを形成し、この
ようにして形成した繊維を形付き成形具上に捕集するこ
とにより管状体を形成する方法(特開昭32−1 1 
0...977号、特開昭64−181878号、特開
昭89−11884号および特開昭80−190947
号の各公報参照)。
冫→ 芯棒上にポリウレタン弾性繊維を押出しながら該
芯棒を回転して巻取ることにより管状体を形成する方法
(特開昭68−137486号公報参照)。
(ニ) ポリマー溶液をノズルを通してスプレーするこ
とにより単繊維を形成し、この単繊維を芯棒に巻きつけ
て管状体を形成する方法(特開昭SS−181141e
号公報参照)。
(ホ) ポリウレタン弾性体の溶液に無機塩や他の水溶
性物質等の造孔剤を混合し、付形後この無機塩を溶解除
去することにより多孔化したり、ポリウレタン弾性体の
良溶媒と貧溶媒の置換により微孔を生じさせ多孔化する
方法(特開昭87−180984号公報、特開昭88−
42!i0815号゛公報および特開昭801ffi8
4号公報参照冫。
上述の方法の中ではポリウレタン弾性体をAIIJI状
として用いる(イ)〜(ニ)の方法が好まルく、就中(
イ)が好適である。(イ)の方法によって製造される管
状体を構成する不織布の日付は10〜8 0 17m”
のものが好適である。目付が小さいと取扱いが困難とな
り、大きいと芯棒に捲きつけた端が段になり易い。又、
この不織布を構成する繊維の平均直径はSotクロン以
下のものが好ましい。
(イ)の方法において、管状体を成型する際に使用する
芯棒としては、加熱成型後管状体を引き抜くために、ポ
リウレタン弾性体繊維との膠着を生じ難い材質が望まし
《、フッ素樹脂丸棒やフッ素樹脂をコーティングした鉄
棒などが好適に用いられる。
更に(イ)の方法においては、ポリウレタン弾性繊維を
互に融着せしめ一体化した管状の不織布どする必要があ
り、管状体に成型する際の加熱温度は好ましくは70S
−200″Cで、より好まし《は100〜180・℃で
ある。かかる方法によって製造する管状体の内腔の直径
,管壁の厚さ及び多孔度は繊維状物の量及び芯棒と型枠
の寸法により適宜な範囲に調節することができる。
次に本発明の人工血管を製造するには、まず前述の如き
適宜な方法により製造した多孔性の管状体を構成するポ
リウレタン弾性体をジイソシアネートを用いて架橋せし
める。架橋反応は、ジイソシアネートを適宜な溶媒に溶
解して溶液となし、該溶液に前記ポリウレタン弾性体よ
りなる多孔性の管状体を浸漬して行なう。
上記架橋反応に用いるジイソシアネートは、前述の通り
分子量600以下の有機ジイソシアネートであって、就
中p,p−ジフェニルメタンジイソシアネート,トリレ
ンジイソシ7ネートが反応性が高く、高架橋度となるた
め好適である。又、この際用いる溶媒は前記ポリウレタ
ン弾性体の内部まで架橋反応せしめるため、該ポリウレ
タン弾性体を膨潤するものが好適であり、更にジイソシ
アネートと反応することなくこれを溶解し、且つ除去が
容易であり、除去後は管状体が元の寸法に近い状態に戻
るものが好ましい。かかる溶媒としては、例えばアセト
ン.メチルエチルケトン,ベンゼン.トルエン,クロロ
ベンゼン,四塩化炭素,酢酸エチル.ジエチルエーテル
等が挙げられ、就中アセトンが好適である。上記溶媒は
イソシアネートの分解を避けるために十分に脱水されて
いる必要がある。
ジイソシアネート溶液の濃度は先に規定した架橋度が8
0%以上となる濃度に選定しなければなラス、例えばP
.1)一ジフェニルメタンジイソシアネートやトリレン
ジイソシアネートでは2〜20重量%が好ましい。ジイ
ソシアネートの濃度が高くなり過ぎると過剰にジイソシ
アネートが含浸され、架橋後の物性が硬過ぎるものとな
ったり、過剰のジイソシアネート除去が困難であったり
する。
管状体を浸漬するジイソシアネート溶液の温度は50℃
以下とするのが好ましい。また、浸・潰時゛問は通常3
0分〜5時間である。
次に、浸漬した管状体をジイソシアネート溶液より取り
出して、溶媒を除去する。溶媒の除去は例えば2 0 
mmHjFの減圧下に20分間放置することにより達成
される程度でよい。
引き続き、溶媒除去した管状体を熱処理により、内部に
含浸したジイソシアネートで架橋反応する。
熱処理編度は100〜160℃が好ましい。熱処理温度
が100℃より低い場合は架橋度が低く、生体内安定化
効果に乏しいものとなり、160“Cより高い場合は管
状体がフィルム化することがある。熱処理時間はなるべ
く短時間であることが望ましいが、架橋反応を十分に進
行するためには通常SO分以上行う。上記熱処理は、ポ
リウレタン弾性体の酸化やジイソシアネートの分解を防
ぐため、乾燥窒素雰囲気で実施するのが好ましい。
本発明においては、上述の如き多孔性の管状体に更に抗
血栓性処理を施したものが極めて好適である。抗血栓性
を付与することにより、開存性に優れた人工血管となり
、より小口径の人工血管としても十分使用し得るものと
なる。
本発明において抗血栓性処理の方法としては特に限定さ
れるものではなく公知の適宜な方法で行えばよいが、例
えば多孔性の管状体にヘパリンを化学結合する、ヘパリ
ンをイオン結合で含有したポリマーで管状体内壁を被覆
する、あるいは管状体内壁にコラーゲン層を設ける等の
方法が挙げられる。
(発明の効果) 本発明の人工血管は、ポリウレタン弾性体よりなる多孔
性の管状体でありながら、従来の同種の管状体では得ら
れなかった高い生体内安定性を有する。本発明の安定化
効果は多孔性管状体がポリウレタン弾性繊維が相互に融
着した所謂不織布状のW壁を有する管状体である場合に
顕著である。
従って、本発明の人工血管を使用した場合、生体内安定
性と同時に生体組織の侵入が早く、保持し易いというす
ぐれた利点を有する。又、本発明の人工血管において抗
血栓性処理を施したものは開存性に優れているので、8
 mm以下の小口径の人工血管としても十分使用し得る
本発明の製造が法は、後加工により架橋度を高める方法
であり、架橋による融点上昇などの成型に不都合な物性
変化を伴うことなく製造でき、且つ生体内安定性が向上
するという極めて有用な方法である。
又、本発明の方法で得られる素材は、生体内安定性に優
れたものであるので、管状体でなく、適宜な形の多孔体
とする6とにより例えば、胸部外料手術における中間欠
損補綴用バッチ,腹部の細胞組織補綴用パッチ.動・静
脈血管補綴用パッチ.心臓補綴用パッチ,心臓弁補綴材
.心臓用シート.ヘルニア補強用パッチ,器官欠損部補
強用バッテなどの各種パッチ類を始め、人工皮膚または
人工皮膚用シートなど生体組織の欠損部を補綴する部材
全般への応用が可能である。
以下、実施例により本発明を詳述する。尚、その前に実
施例における生体内安定性の評価が法について記述する
本発明において生体内安定性の評価は、得られた人工血
管を櫂10m,長さ5 omの短冊状のテストビース(
試片冫とし、エチレンオキシドガス滅菌後、雑種成犬の
背部皮下に留置し、所定期間経過後、ζの試片を摘出す
る。摘出した試片は大まかに結合組織を除去した後、a
−アミラーゼ,トリブシン.コラゲナーゼで処理し、そ
の後走査電子顕微鏡により観察して、クラックの発生状
況を調べた。
(実施例1) 脱水した水酸基価102のポリテトラメチレングリコー
ル5548部(以下、部はすべて重量部を意味する)と
、p.p−ビスヒドロキシェトキシベンゼン499部と
をジャケット付の二−ダーに仕込み、撹拌しながら充分
に溶解した後、9G’Cの温度に保ちこれにp.p−ジ
フェニルメタンジイソシアネート1953部を加えて反
応させた。更に撹拌を続けると約30分で粉末状のポリ
ウレタンが得られ、これを押出機によりペレット状に成
型しポリウレタン弾性体を得た。得られたべレフトをジ
メテルホルムアミドに溶解し、濃度1’l/1 0 0
 mlに調製して、25℃での相対粘度を測ったところ
2.50であった。
このようにして得たポリウレタン弾性体のべレフトを原
料とし、1列に配列した直径0.8mmのノズルの両側
に加熱気体の噴射用スリットを有する溶融ブロー紡糸装
置を用い、溶融温度2i55℃,ノズル当り毎分oso
pの割合でポリマーを吐出し、200℃に加熱した空気
を4. O J/om’の圧力でスリットから噴射して
細化したフィラメント状のものをノズル下方2 8 0
mに設置した50メッシュの金網からなるコンベア上で
捕集し、ローラーではさんで引取り幅約1mの不織布を
得た。
この不織布はポリウレタン弾性繊維のモノフィラメント
が開纏されて積層しており、フィラメント間の交絡点は
互に融着により接合されていた。この不織布の物性値は
つぎのとおりであった。
5 日  付               2  6
 f/m”゛引張強度        0. 1 8 
kp/on・゛ 破断伸度        SSO%1
00%伸長回復率    92% フィラメント直径     18ミクロン次に得られた
不織布を直径8 mmのフッ素mfllfをコーティン
グした芯棒に長さ480m分巻き付け、更にl1l型紙
を巻いて、内径1 0 mmの円筒状の型枠に入れ18
0℃で30分間加熱した。冷却後、型枠から取り出し、
離型紙を剥離し、芯棒を引き抜いてポリウレタン弾性体
による多孔性の管状体を得た。この管状体は、不織布が
互に強固に接合され一体化した構造であった。
続いて、この管状体を長さS omに切断し、第1表に
示す如き濃度のp.p−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(MDI)のアセトン溶液60mJに2時間浸漬し
た。次に膨潤した管状体を溶液から取り出し、20分間
約2 0 mmflIgの減圧下でアセトンを除去した
後、140℃で1時間熱処理し架橋反応させた。ジイソ
シアネート溶液浸漬後、熱処理までの工程は全て乾燥窒
素中で操作を行った。
更にこの管状体を3日間放置後、60℃のア七トン1 
0 0 mlに24時間、次いでエテルアルコ一ルに2
・4時間、最後に8a℃の水に30分間浸漬し精製を行
い、真空乾燥により乾燥した。
乾燥後の管状体について前述の方法により架橋度を測定
した。結果は第1表の通りであった。但し%N0.8は
熱処理中にフィルム化した。又、これらの管状体はいず
れも透水率がほぼ1 0 0 0 ml/分であった。
第1表 本印は比較例 次に、No. 1〜5及び比較例として架橋処理を施し
ていない管状体を長さB amに切断し、更に縦に切断
し幅1 amの試片とし、ベントバルビタールナトリウ
ムで全身麻酔した雑種成犬の背部皮下に移植留置した。
1ケ月後に試片を摘出して、前述の方法で後処理し、走
査型電子顕微鏡で観察し、クラックの発生状況を調べた
。この結果、架橋処理を施していない試片には多数のク
ラックの発生が認められたが、NO.1〜5については
、クラックの発生が低減又は抑制されていた。就中、N
O.2〜5はクラックの発生が大幅に抑制されていた。
(実施例2) 実施例1において架橋剤として用いたp,p−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートCMDI)のア七トン溶液に
代えて、トリレンジイソシアネートのif量%アセトン
溶液を用いる他は実施例1と同様の方法で管状体を得た
。得られた管状体の架橋度は83%で、透水率は1 0
 8 0 mll分であった。この管状体を実施例1と
同様の方法で、生体内安定性の評価したところ、架橋処
理を施していないものに比べクラックの発生が大幅に抑
制された。
(実施例3) 実施例1のNo. 2及び実施例2、更に比較例として
架橋処理を施さない以外は実施例1と同様にして作成し
た長さ8 0mの人工血管を体重17kl前後の雑種成
犬の胸部大動脈に1頭当り1本ずつ植え込んだ。移植に
当ってはプリクロッティングを行った。1ケ月後に両方
の人工血管を摘出し、観察したところ、いずれの人工血
管も開存していたが、本発明の実施例のものは比較例と
比べてクラックの発生が大幅に抑えられていた。
(実施例4) 実施例1と同様の方法で得られた不織布を直径4 mm
の芯棒に長さ24cm分巻き付け、内径8mmの円筒状
の型枠に入れる他は、実施例1と同様の方法で管状体を
得て、更に実施例1のNO.4と同様の方法で架橋,精
製を施した管状体を作成した。この管状体の内腔に、ア
フィニティーカラムを通してプラスミノーゲン及びフィ
ブロネクテンを濾過,除去した5%フィブリノーゲン溶
液を流し込んで内画を処理した後、5 0 U/mlの
トロンビンI!lg液を内壁に接触させて線維素フィブ
リンを生成し内壁を被覆した。次いでこれを0.1%グ
ルタルアルデヒドに室温下にて24時間浸漬し、グルタ
ルアルデヒド処理を施した後、これを1%ヘパリンナト
リウム溶液(pH6.0)に室温で12時間浸漬し、ヘ
パリン化抗血栓性人工血管を得た。
更に比較例として、架橋及び抗血栓性の処理を施さない
他は、本実施例と同様にして作成した人工血管を作成し
た。
体重約1 7 kyの雑権成犬の左頚動脈に長さ5am
の上記実施例の抗血栓性人工血管を植え込み、同成犬の
右頚動脈に同じ長さの上記比較例の人工血管を植え込み
、1ケ月後に両方の人工血管を摘出して観察したところ
、本発明に係る人工血管は、比較例の人工血管に比べて
クラックの発生が大幅に抑制され、しかも血栓の付着が
抑制されて良好な開存性を示した。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ポリウレタン弾性体よりなる多孔性の管状体であ
    って、前記ポリウレタン弾性体が80%以上の下記式に
    て規定される架橋度を有するものであることを特徴とす
    る人工血管。 架橋度=A/B×100(%) (ただし、式中Aはポリウレタン弾性体を 37℃のN,N−ジメチルホルムアミドに振盪しながら
    24時間浸漬した後の不溶部の 重量を表わし、Bは浸漬前の該ポリウレタ ン弾性体の重量を表わす。)
  2. (2)熱可塑性ポリウレタン弾性体により管壁が多孔質
    である管状体を成型した後、該管状体をジイソシアネー
    トにより下記式にて規定される架橋度を80%以上に架
    橋反応せしめることを特徴とする人工血管の製造方法。 架橋度:A/B×100(%) (ただし、式中A及びBは前記に同じ。)
  3. (3)ポリウレタン弾性体よりなる多孔性の管状体であ
    って、前記ポリウレタン弾性体が80%以上の下記式に
    て規定される架橋度を有するものであり、更に前記管状
    体に抗血栓性が付与されていることを特徴とする人工血
    管。 架橋度=A/B×100(%) (ただし、式中A及びBは前記に同じ。)
  4. (4)熱可塑性ポリウレタン弾性体により管壁が多孔質
    である管状体を成型した後、該管状体をジイソシアネー
    トにより下記式にて規定される架橋度を80%以上に架
    橋反応せしめ、続いてこれに抗血栓性処理を施すことを
    特徴とする人工血管の製造方法。 架橋度=A/B×100(%) (ただし、式中A及びBは前記に同じ。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1176278A (ja) * 1997-05-30 1999-03-23 Schneider Usa Inc 人工生体が水溶性及び非水溶性繊維を回転マンドレルにスプレーすることによって形成されることを特徴とする有気孔人工生体とその使用方法

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JPH1176278A (ja) * 1997-05-30 1999-03-23 Schneider Usa Inc 人工生体が水溶性及び非水溶性繊維を回転マンドレルにスプレーすることによって形成されることを特徴とする有気孔人工生体とその使用方法

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