JPH0317387Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はガスしや断器の改良に関する。

近時消弧を容易にするため磁気駆動コイルによ
つて接触子間に発生したアークを回転駆動するア
ーク回転形のガスしや断器が出現している。

ところで、IEC規格にみられる如く、中小電流
域におけるしや断時の再起電圧条件は苛酷であ
る。

而して、従来装置は、短絡環により発生する２
次磁束によつて電流と磁束に位相差を与え、電流
零点近傍においても、アークが駆動されるように
構成しているが、電流が小さいため磁気駆動力が
不足し、しや断が困難であつた。

前記磁気駆動力を増すためには磁気駆動コイル
の巻回数を増加しなければならない。ところが、
このように構成すると、前記コイルが大形化する
うえ電磁反発力が増大するため好ましくないとい
う欠点がある。

本案は磁気駆動コイルとその内側に配設した短
絡環の磁気結合度の向上を図ると共にアークに作
用する磁束の増大を図ることにより中小電流域に
おけるしや断性能を向上させたガスしや断器を提
供することを目的とする。

図は本案の１実施例を示すもので、１は固定接
触子、２は可動接触子、３は固定接触子１の外側
に配設された磁気駆動コイル、４はこのコイル３
と固定接触子１の間に配設した導電性材料による
円筒状の短絡環、５は短絡環４の下端内周に取付
けられた耐アーク材料より成るアークランナー、
６はコイル支持用円板で、前記短絡環４の下端外
周の溶接等により固定されている。

而して、固定接触子１の内側には鉄心７が配設
されており、この実施例では鉄心７はアークが移
行することによる悪影響を避けるため固定接触子
１、アークランナー５等何れに対しても電気的に
絶縁されている。８はこの絶縁の１つを司どる絶
縁物であり、これらはSF₆ガスの如き絶縁ガス９
中に配設されている。

上述の構成において、電流しや断を行なうには
可動接触子２を固定接触子１から離隔する。する
と接触子１，２間にアークが発先する。固定接触
子１上アーク足はやがてアークランナー５上に移
行し、磁気駆動コイル３が回路に挿入されて、ア
ークは前記コイル３で回転駆動し消弧せしめられ
る。

而して、本案では磁気駆動コイル３が発生する
磁束が短絡環４と鎖交して、この短絡環４に２次
電流が生じ、この電流による磁束（便宜上２次磁
束と称する。）をアークの消弧手段としている。

前記２次電流は短絡環４の力率によりアーク電
流（便宜上１次電流と称する。）と位相差を有し、
従つて前記２次磁束も同様に位相差を有するた
め、前記アーク電流の零点においても磁束は有効
な大きさを有する。

前記２次磁束は短絡環と鎖交する前記１次電流
による１次磁束の大きさに関係する。本案は前述
の通り、固定接触子１の内側に鉄心７を配設して
いるので、短絡環４と鎖交する磁束の割合が高め
られる。即ち、磁気駆動コイル３と短絡環４の磁
気結合度が向上する。従つて電流零点での磁束が
増大し十分なアーク駆動力が得られる。しかも前
記鉄心７はアークランナー５の内側に配設されて
いるので、アークに直角（半径方向）に作用する
アーク駆動に有効な磁束密度を増加することが可
能となり、しや断性能の向上を図り得る。また、
鉄心７は接触子の内側に配設されているので、接
触子１，２を通じる常時の通電々流では渦流損を
発生することはない。

さらに、鉄心７は、大電流域では飽和するため
この鉄心を配設したことによる電磁反発力の増大
はない。

以上詳述した通り、本案によるときは、鉄心に
よつて短絡環と磁気駆動コイルの磁気結合度が向
上して短絡環による電流が増大し、アークに作用
する磁束が増大し電流の零点近傍におけるアーク
駆動力を充分に得ることができ、中小電流域にお
けるしや断性能を向上したガスしや断器を提供で
きる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本案の１実施例を示す要部縦断面図であ
る。 １……固定接触子、２……可動接触子、３……
磁気駆動コイル、４……短絡環、５……アークラ
ンナー、７……鉄心、８……絶縁物、９……絶縁
ガス。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 絶縁ガス中に配設した接離する一対の接触子
   と、 前記一対の接触子の一方の外側に配設し一端を
   この一方の接触子に電気的に接続した磁気駆動コ
   イルと、 この磁気駆動コイルの他端に電気的に接続し開
   離状態における前記一対の接触子の間に配設した
   アークランナーと、 前記磁気駆動コイルと前記一方の接触子の間に
   配設した短絡環と、 前記一方の接触子の内側に配設した鉄心とより
   成るガスしや断器。