JPH03166349A - Ti合金製タービンブレードの表面改質方法 - Google Patents
Ti合金製タービンブレードの表面改質方法Info
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- JPH03166349A JPH03166349A JP30601189A JP30601189A JPH03166349A JP H03166349 A JPH03166349 A JP H03166349A JP 30601189 A JP30601189 A JP 30601189A JP 30601189 A JP30601189 A JP 30601189A JP H03166349 A JPH03166349 A JP H03166349A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明はTI合金からなるタービンブレードの所定部分
の表面を熱処理する方法に関する.〔従来の技術〕 通常、蒸気タービンのブレードは、常温で十分な強度を
持つと同時に高温における強度およびクリープ強度の低
下が少なく、蒸気中の水分や不純物による浸蝕など腐食
に対して強い抵抗力を必要とする.特に水分の多い低圧
側のブレードでは、稼働中に周速度の大きなものは前縁
部が浸蝕されないように局部的に表面を改質して耐蝕性
を増すための熱処理方法が知られている. 第4図はタービンブレードの局部的な表面改質のために
、従来用いられている合金鋼製のブレ−を示すものであ
る.以下、第4図,第5図を併用参照して説明する.タ
ービンブレード上の母材は例えば13%Cr鋼のマルテ
ンサイト系のステンレスからなり、その一部を水槽2の
中に没するように支持台3の上に載せる.前縁部4にお
ける焼き入れ部5の長手方向,幅方向は、ブレード使用
時の回転中に水滴を受ける範囲であり、ブレードの蒸気
入口側、即ち前縁部4の先端側にあり、第4図中に一点
鎖線で囲った領域である. このタービンブレード上を焼き入れる際には、主バーナ
ー管6を用いてその先端の火炎7を、焼き入れ部5の焼
き入れ端8の位置から図示してない先端に向かって移動
させながら、順次所定の温度まで加熱する.そのとき、
火炎7による入熱が水槽2中に一部没しているブレード
上の非焼き入れ部9を伝わり、最終的には冷却水10に
よって奪われることによりブレード上は冷却されて部分
的な焼き入れ部5を得ることができる. ところで、近年蒸気タービンは大容量化する方向にあり
、これに伴なって蒸気タービンに用いるブレードも長大
化の傾向にある.蒸気タービンの稼働時にはタービンブ
レードに自重による遠心力が働くので、タービンブレー
ドの寸法が大きくなれば、その遠心力によりタービンブ
レードの受ける負荷も大きくなる.そのため従来ブレー
ド材料として用いられている合金鋼に比べて強度と比重
の割合即ち比強度の高いTi合金,例えば6%Mおよび
4%Vを含むα相とβ相の混合&lIm <α+β)
相を有するT1合金が使用されるようになってきた.当
然のことながら、この丁i合金を用いる場合も前述の理
由から耐蝕性を増すための局部的な熱処理を行なわねば
ならない.即ちこの合金では(α+β)相をより耐エロ
ージョン性の高いβリンチな相にする必要がある.しか
し、Ti合金の場合にはこの合金の熱伝導度が小さいた
めに、第4図,第5図に示したようなステンレス鋼と同
じ熱処理方法では、冷却効果が十分でなく表面改質に対
して余り期待することができない. そこでこのTi合金をタービンブレード材として用いる
ときは、前縁部4に別の合金を肉盛溶接する方法がとら
れる.第6図はその方法を説明するための模式断面図で
あり、第4図,第5図と共通部分を同一符号で表わす.
第6図はタービンブレード上の改質を要する領域、即ち
第4図の焼き入れ部5に相当する改質部5aに耐エロー
ジ雪ンシールドとして、耐エロージョン性に優れしかも
溶接の容易な15%門0.5%Zrおよび3%Mを含む
β単層&l1織のTi合金をTIG溶接で肉盛する状況
を表わしている。即ち第6図のように、タービンブレー
ド上の改質部5Bの肉盛端8aからブレード上の先端ま
でW1!極11を矢印方向に移動し、酸化防止のために
Arなどの不活性ガスを送りながら、シーノレド材12
のT!−15%Mo−5%Zr−3%M合金を供給して
、タービンブレード上上の改質部5aにこれと異なる金
属&g織を持ち耐蝕性の高いβ単層のTt一15%Mo
−5%Zr−3%M合金を肉盛形戒することにより、表
面改質を行なうのである。
の表面を熱処理する方法に関する.〔従来の技術〕 通常、蒸気タービンのブレードは、常温で十分な強度を
持つと同時に高温における強度およびクリープ強度の低
下が少なく、蒸気中の水分や不純物による浸蝕など腐食
に対して強い抵抗力を必要とする.特に水分の多い低圧
側のブレードでは、稼働中に周速度の大きなものは前縁
部が浸蝕されないように局部的に表面を改質して耐蝕性
を増すための熱処理方法が知られている. 第4図はタービンブレードの局部的な表面改質のために
、従来用いられている合金鋼製のブレ−を示すものであ
る.以下、第4図,第5図を併用参照して説明する.タ
ービンブレード上の母材は例えば13%Cr鋼のマルテ
ンサイト系のステンレスからなり、その一部を水槽2の
中に没するように支持台3の上に載せる.前縁部4にお
ける焼き入れ部5の長手方向,幅方向は、ブレード使用
時の回転中に水滴を受ける範囲であり、ブレードの蒸気
入口側、即ち前縁部4の先端側にあり、第4図中に一点
鎖線で囲った領域である. このタービンブレード上を焼き入れる際には、主バーナ
ー管6を用いてその先端の火炎7を、焼き入れ部5の焼
き入れ端8の位置から図示してない先端に向かって移動
させながら、順次所定の温度まで加熱する.そのとき、
火炎7による入熱が水槽2中に一部没しているブレード
上の非焼き入れ部9を伝わり、最終的には冷却水10に
よって奪われることによりブレード上は冷却されて部分
的な焼き入れ部5を得ることができる. ところで、近年蒸気タービンは大容量化する方向にあり
、これに伴なって蒸気タービンに用いるブレードも長大
化の傾向にある.蒸気タービンの稼働時にはタービンブ
レードに自重による遠心力が働くので、タービンブレー
ドの寸法が大きくなれば、その遠心力によりタービンブ
レードの受ける負荷も大きくなる.そのため従来ブレー
ド材料として用いられている合金鋼に比べて強度と比重
の割合即ち比強度の高いTi合金,例えば6%Mおよび
4%Vを含むα相とβ相の混合&lIm <α+β)
相を有するT1合金が使用されるようになってきた.当
然のことながら、この丁i合金を用いる場合も前述の理
由から耐蝕性を増すための局部的な熱処理を行なわねば
ならない.即ちこの合金では(α+β)相をより耐エロ
ージョン性の高いβリンチな相にする必要がある.しか
し、Ti合金の場合にはこの合金の熱伝導度が小さいた
めに、第4図,第5図に示したようなステンレス鋼と同
じ熱処理方法では、冷却効果が十分でなく表面改質に対
して余り期待することができない. そこでこのTi合金をタービンブレード材として用いる
ときは、前縁部4に別の合金を肉盛溶接する方法がとら
れる.第6図はその方法を説明するための模式断面図で
あり、第4図,第5図と共通部分を同一符号で表わす.
第6図はタービンブレード上の改質を要する領域、即ち
第4図の焼き入れ部5に相当する改質部5aに耐エロー
ジ雪ンシールドとして、耐エロージョン性に優れしかも
溶接の容易な15%門0.5%Zrおよび3%Mを含む
β単層&l1織のTi合金をTIG溶接で肉盛する状況
を表わしている。即ち第6図のように、タービンブレー
ド上の改質部5Bの肉盛端8aからブレード上の先端ま
でW1!極11を矢印方向に移動し、酸化防止のために
Arなどの不活性ガスを送りながら、シーノレド材12
のT!−15%Mo−5%Zr−3%M合金を供給して
、タービンブレード上上の改質部5aにこれと異なる金
属&g織を持ち耐蝕性の高いβ単層のTt一15%Mo
−5%Zr−3%M合金を肉盛形戒することにより、表
面改質を行なうのである。
しかしながら、前述のようにタービンブレードの材料は
、従来の合金鋼に代って軽量で強度も高いTi−6%A
7−4%V合金を用いることが有効であるとしても、耐
蝕性を高めるための表面.改質の熱処理に関してはなお
次のような問題がある.〔発明が解決しようとする課題
〕 タービンブレード上にTi−6%A7−4%V合金を用
いるとき、改質部5aにβ単層のTi − 15%Mo
−5%Zr−3%M合金を肉盛するという第6図に示
した方法では、溶接人熱による残留応力の発生や、Wt
極11からのW威分の混入による低融点のW−Tiを生
戒するなど重金属介在物を巻き込むおそれがあり、それ
が原因となってタービンブレード上の強度低下をもたら
し、さらに溶接後の二次加工が必要となるので製造上の
効率が悪くなるなどの問題が生ずる. 本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目
的はタービンブレードにTi−6%Al−4%V合金を
用いてその表面改質のための熱処理を施すに当たり、十
分に速い冷却速度を与えて前縁部のエロージaンを受け
やすい領域を、〈α+β)相から耐エロージョン性の高
いβリッチな相に変える方法を提供することにある. 〔課題を解決するための手段〕 上記のt!題を解決するために本発明の方法は、タービ
ンブレードの表面改質部にスポット状のレーザ光もしく
は電子ビームを走査し、次々に瞬時にして照射部の急加
熱,急冷却を行ない、この操作を表面改質部の全域に亘
って行なうものである.〔作用〕 上述のように本発明はレーザ光もしくは電子ビームを用
いて、これらをスポット状にタービンブレードの表面改
質部に照射してその全域を走査するものであり、レーザ
光もしくは電子ビームの照射される個所が殆ど瞬間的に
溶融凝固を繰り返すことになり、そのlIN!溶融状態
から凝固に至る冷却速度が極めて速いために、高温組織
であるβ相の大部分は室温まで持ちこされ、タービンブ
レードの表面改質部は(α+β)相から耐エロージョン
性の高いβリンチな相に変化する. 〔実施例〕 以下、本発明を実施例に基づき説明する.はじめに本発
明の適用されるTI−6%u−4%′■合金の等温変態
曲線を第1図に示し、本発明の基本的な考え方について
述べる.第1図は縦軸が加熱温度,横軸が時間(冷却速
度)を表わしており、溶融状態またはβ相頷域にまで加
熱されたTi合金は冷却速度に応じてαリッチもしくは
βリッチの(α+β)相、さらにβ単相組織とすること
ができる.本発明ではこの性質を利用して、耐エロージ
ョン性に優れるβリンチの相をタービンブレードの前縁
部のドレンエロージョンの厳しい領域に形或するもので
ある.したがって、βリッチの相を得るためにはこの合
金の溶融状態からの急速冷却、例えば第1図中のn−n
線に沿った冷却速度を必要とする.比較のために、例え
ば前述の火炎焼き入れ法を採用した場合を考えてみると
、まず火炎による加熱では溶融状態またはβ相頷域への
加熱時間が長< 、Cuの約1/2程度の小さな熱伝導
度を持つTi合金は、表面温度がβ相領域までになった
ときには、ブレードの&II織変化を必要としない領域
にも熱が蓄積されてしまう.そのためブレードの前縁部
の冷却に時間を要し、急冷されることなく、その冷却速
度は第1図中のC−C&11に沿ったものとなり、合金
組織もこれに対応して目的とするβリッチの相を得るこ
とができない.したがって、室温で安定な (α+β)
相を持つTi合金を局部的にβリッチな相とするために
は、この部分を瞬時に加熱溶融した後、瞬時に冷却する
という熱処理方法をとらなければならない.以上のこと
から本発明ではTi−6%A7−4%V合金ブレード前
縁部のエロージョンを生じやすい領域を急加熱,急冷却
するために、第1の手段として炭酸ガスレーザ装置によ
りレーザ光を熱源に用い、瞬時局所加熱および急冷却効
果を得ることができたのである. 第2図はレーザ光熱源を用いてタービンブレード上の先
端近傍を局部熱処理する状態を示した模式的な部分斜視
図であり、第4図〜第6図と共通部分を同一符号で表わ
してある.第2図において光源13から出射するレーザ
光14を前縁部4の改質部5bにほぼ垂直に照射し、レ
ーザ光14は光源13を矢印方向に移動するとともに、
ブレード上の改質端8bから先端部までブレード上の幅
方向に改質部5bの領域内を走査する.このようにして
レーザ光の照射されるスポット領域は瞬時にして約16
50℃の溶融状態が得られ、レーザ光の照射スポットが
移動した後は瞬時に冷却凝固されるという動作を繰り返
す.したがって、レーザ光の照射されない領域即ちブレ
ード上のmm変化を必要としない領域および前縁部4の
深さ方向に熱が伝達される以前にレーザ光の照射スポッ
トは移動してしまうので、必要とする部分即ち改質部5
bにのみ(α+β)相から耐エロージョン性に富むβリ
ッチな相への組織変化を与えることができる.そしてこ
の状態はレーザ光スポットを長手方向,幅方向に走査す
ることにより、ブレード改質部5bの全域に及ぶので改
質部5bの表面は均一なβリフチ相として改質されるの
である.このときの冷却速度は第1図のn−n線に対応
する. さらに本発明では上述と同様な手法を第2の手段として
電子ビーム装置により行なうことが可能である.熱源に
電子ビームを用いて電子ビームのスポットを走査し、タ
ービンブレードの特定の個所を急加熱,急冷却すること
により、その部分のみに&I織変化を与えるのはレーザ
光を用いる場合と基本的に同じなので詳しい説明を省略
するが、ただ電子ビーム装置を用いるときは真空チャン
バーの中で行われるのが普通であるから、得られるβリ
ッチな相の領域への酸化防止および介在物など不純物の
混入防止に対して、より確実性を期することができる. 〔発明の効果〕 タービンブレードの材料としてステンレス鋼より比強度
の高いTi − 6%u−4%V合金を用いるとき、前
縁部の耐エロージョン性を向上させるために、従来のよ
うな火炎による加熱冷却やβ単相の別合金を肉盛りする
という方法では種々の問題を起こしていたが、本発明の
方法によれば実施例で述べたように、レーザ光または電
子ビームを利用して、ブレード前縁部の必要な部分のみ
をスポット状に走査し、レーザ光または電子ビームの照
射個所を瞬時にして溶融し冷却する作用を繰り返し行な
うようにしたために、ブレード改質部はその表面が容易
に(α+β)相から耐エロージョン性に富むβリンチな
相に変り、これらの操作中に表面酸化や不純物の巻き込
みなど生ずることなく、しかも短時間に極めて効率よく
タービンブレードの耐エロージョン性を向上させること
が可能となった.
、従来の合金鋼に代って軽量で強度も高いTi−6%A
7−4%V合金を用いることが有効であるとしても、耐
蝕性を高めるための表面.改質の熱処理に関してはなお
次のような問題がある.〔発明が解決しようとする課題
〕 タービンブレード上にTi−6%A7−4%V合金を用
いるとき、改質部5aにβ単層のTi − 15%Mo
−5%Zr−3%M合金を肉盛するという第6図に示
した方法では、溶接人熱による残留応力の発生や、Wt
極11からのW威分の混入による低融点のW−Tiを生
戒するなど重金属介在物を巻き込むおそれがあり、それ
が原因となってタービンブレード上の強度低下をもたら
し、さらに溶接後の二次加工が必要となるので製造上の
効率が悪くなるなどの問題が生ずる. 本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目
的はタービンブレードにTi−6%Al−4%V合金を
用いてその表面改質のための熱処理を施すに当たり、十
分に速い冷却速度を与えて前縁部のエロージaンを受け
やすい領域を、〈α+β)相から耐エロージョン性の高
いβリッチな相に変える方法を提供することにある. 〔課題を解決するための手段〕 上記のt!題を解決するために本発明の方法は、タービ
ンブレードの表面改質部にスポット状のレーザ光もしく
は電子ビームを走査し、次々に瞬時にして照射部の急加
熱,急冷却を行ない、この操作を表面改質部の全域に亘
って行なうものである.〔作用〕 上述のように本発明はレーザ光もしくは電子ビームを用
いて、これらをスポット状にタービンブレードの表面改
質部に照射してその全域を走査するものであり、レーザ
光もしくは電子ビームの照射される個所が殆ど瞬間的に
溶融凝固を繰り返すことになり、そのlIN!溶融状態
から凝固に至る冷却速度が極めて速いために、高温組織
であるβ相の大部分は室温まで持ちこされ、タービンブ
レードの表面改質部は(α+β)相から耐エロージョン
性の高いβリンチな相に変化する. 〔実施例〕 以下、本発明を実施例に基づき説明する.はじめに本発
明の適用されるTI−6%u−4%′■合金の等温変態
曲線を第1図に示し、本発明の基本的な考え方について
述べる.第1図は縦軸が加熱温度,横軸が時間(冷却速
度)を表わしており、溶融状態またはβ相頷域にまで加
熱されたTi合金は冷却速度に応じてαリッチもしくは
βリッチの(α+β)相、さらにβ単相組織とすること
ができる.本発明ではこの性質を利用して、耐エロージ
ョン性に優れるβリンチの相をタービンブレードの前縁
部のドレンエロージョンの厳しい領域に形或するもので
ある.したがって、βリッチの相を得るためにはこの合
金の溶融状態からの急速冷却、例えば第1図中のn−n
線に沿った冷却速度を必要とする.比較のために、例え
ば前述の火炎焼き入れ法を採用した場合を考えてみると
、まず火炎による加熱では溶融状態またはβ相頷域への
加熱時間が長< 、Cuの約1/2程度の小さな熱伝導
度を持つTi合金は、表面温度がβ相領域までになった
ときには、ブレードの&II織変化を必要としない領域
にも熱が蓄積されてしまう.そのためブレードの前縁部
の冷却に時間を要し、急冷されることなく、その冷却速
度は第1図中のC−C&11に沿ったものとなり、合金
組織もこれに対応して目的とするβリッチの相を得るこ
とができない.したがって、室温で安定な (α+β)
相を持つTi合金を局部的にβリッチな相とするために
は、この部分を瞬時に加熱溶融した後、瞬時に冷却する
という熱処理方法をとらなければならない.以上のこと
から本発明ではTi−6%A7−4%V合金ブレード前
縁部のエロージョンを生じやすい領域を急加熱,急冷却
するために、第1の手段として炭酸ガスレーザ装置によ
りレーザ光を熱源に用い、瞬時局所加熱および急冷却効
果を得ることができたのである. 第2図はレーザ光熱源を用いてタービンブレード上の先
端近傍を局部熱処理する状態を示した模式的な部分斜視
図であり、第4図〜第6図と共通部分を同一符号で表わ
してある.第2図において光源13から出射するレーザ
光14を前縁部4の改質部5bにほぼ垂直に照射し、レ
ーザ光14は光源13を矢印方向に移動するとともに、
ブレード上の改質端8bから先端部までブレード上の幅
方向に改質部5bの領域内を走査する.このようにして
レーザ光の照射されるスポット領域は瞬時にして約16
50℃の溶融状態が得られ、レーザ光の照射スポットが
移動した後は瞬時に冷却凝固されるという動作を繰り返
す.したがって、レーザ光の照射されない領域即ちブレ
ード上のmm変化を必要としない領域および前縁部4の
深さ方向に熱が伝達される以前にレーザ光の照射スポッ
トは移動してしまうので、必要とする部分即ち改質部5
bにのみ(α+β)相から耐エロージョン性に富むβリ
ッチな相への組織変化を与えることができる.そしてこ
の状態はレーザ光スポットを長手方向,幅方向に走査す
ることにより、ブレード改質部5bの全域に及ぶので改
質部5bの表面は均一なβリフチ相として改質されるの
である.このときの冷却速度は第1図のn−n線に対応
する. さらに本発明では上述と同様な手法を第2の手段として
電子ビーム装置により行なうことが可能である.熱源に
電子ビームを用いて電子ビームのスポットを走査し、タ
ービンブレードの特定の個所を急加熱,急冷却すること
により、その部分のみに&I織変化を与えるのはレーザ
光を用いる場合と基本的に同じなので詳しい説明を省略
するが、ただ電子ビーム装置を用いるときは真空チャン
バーの中で行われるのが普通であるから、得られるβリ
ッチな相の領域への酸化防止および介在物など不純物の
混入防止に対して、より確実性を期することができる. 〔発明の効果〕 タービンブレードの材料としてステンレス鋼より比強度
の高いTi − 6%u−4%V合金を用いるとき、前
縁部の耐エロージョン性を向上させるために、従来のよ
うな火炎による加熱冷却やβ単相の別合金を肉盛りする
という方法では種々の問題を起こしていたが、本発明の
方法によれば実施例で述べたように、レーザ光または電
子ビームを利用して、ブレード前縁部の必要な部分のみ
をスポット状に走査し、レーザ光または電子ビームの照
射個所を瞬時にして溶融し冷却する作用を繰り返し行な
うようにしたために、ブレード改質部はその表面が容易
に(α+β)相から耐エロージョン性に富むβリンチな
相に変り、これらの操作中に表面酸化や不純物の巻き込
みなど生ずることなく、しかも短時間に極めて効率よく
タービンブレードの耐エロージョン性を向上させること
が可能となった.
第1図はTi − 6%A7−4%V合金の等温変態曲
線図、第2図はレーザ光熱源を用いてタービンブレード
の先端近傍を局部熱処理する状態を示した模式的な部分
斜視図、第3図はレーザ光による熱処理後のタービンブ
レード改質部の合金組織の分布状態を示した模式断面図
、第4図は従来の合金鋼製のブレード材料を局部表面焼
き入れする状態を示した部分模式断面図、第5図は第4
図のAA断面図、第6図はTi合金タービンブレードの
改質部にβ単相&llraのTi合金をTIGt8接で
肉盛する状況を示した模式的な部分斜視図である.工:
タービンブレード、2:水槽、3:支持台、4:前縁部
、5:焼き入れ部、5a.5b:改質部、6:主バーナ
ー管、7:火炎、8:焼き入れ端、8a:肉盛端、8b
=改質端、9:非焼き入れ部、10:冷却水、11:W
電極、12:シールド材、11弔問 第1 図 字2噂 第3胆 第4図 第5図
線図、第2図はレーザ光熱源を用いてタービンブレード
の先端近傍を局部熱処理する状態を示した模式的な部分
斜視図、第3図はレーザ光による熱処理後のタービンブ
レード改質部の合金組織の分布状態を示した模式断面図
、第4図は従来の合金鋼製のブレード材料を局部表面焼
き入れする状態を示した部分模式断面図、第5図は第4
図のAA断面図、第6図はTi合金タービンブレードの
改質部にβ単相&llraのTi合金をTIGt8接で
肉盛する状況を示した模式的な部分斜視図である.工:
タービンブレード、2:水槽、3:支持台、4:前縁部
、5:焼き入れ部、5a.5b:改質部、6:主バーナ
ー管、7:火炎、8:焼き入れ端、8a:肉盛端、8b
=改質端、9:非焼き入れ部、10:冷却水、11:W
電極、12:シールド材、11弔問 第1 図 字2噂 第3胆 第4図 第5図
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1)(α+β)相からなるTi−6%Al−4%V合金
製のタービンブレード前縁部のエロージョンを生じやす
い領域に局所的な熱処理を施し、この領域の表面を耐エ
ロージョン性に富むβリッチな相に改質するに当たり、
前記領域表面をレーザ光を用いてスポット状に照射し、
この照射部分を急速加熱溶融した後急速冷却凝固させて
前記(α+β)相が前記βリッチ相に変化する操作を、
前記照射部分を走査することにより前記領域表面の全域
に亘って行なうことを特徴とするTi合金製タービンブ
レードの表面改質方法。 2)(α+β)相からなるTi−6%Al−4%V合金
製のタービンブレード前縁部のエロージョンを生じやす
い領域に局所的な熱処理を施し、この領域の表面を耐エ
ロージョン性に富むβリッチな相に改質するに当たり、
真空雰囲気中で前記領域表面を電子ビームを用いてスポ
ット状に照射し、この照射部分を急速加熱溶融した後急
速冷却凝固させて前記(α+β)相が前記βリッチ相に
変化する操作を、前記照射部分を走査することにより前
記領域表面の全域に亘って行なうことを特徴とするTi
合金製タービンプレートの表面改質方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30601189A JPH03166349A (ja) | 1989-11-25 | 1989-11-25 | Ti合金製タービンブレードの表面改質方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30601189A JPH03166349A (ja) | 1989-11-25 | 1989-11-25 | Ti合金製タービンブレードの表面改質方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03166349A true JPH03166349A (ja) | 1991-07-18 |
Family
ID=17952007
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30601189A Pending JPH03166349A (ja) | 1989-11-25 | 1989-11-25 | Ti合金製タービンブレードの表面改質方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH03166349A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0780187A1 (fr) * | 1995-12-22 | 1997-06-25 | Gec Alsthom Electromecanique Sa | Procédé pour fabriquer une aube en titane alphabeta comprenant un insert de titane beta métastable, et aube réalisée par un tel procédé |
WO2011057661A1 (de) * | 2009-11-11 | 2011-05-19 | Siemens Aktiengesellschaft | Bauteil mit bereichen unterschiedlicher duktilität und verfahren zur herstellung eines bauteils |
-
1989
- 1989-11-25 JP JP30601189A patent/JPH03166349A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0780187A1 (fr) * | 1995-12-22 | 1997-06-25 | Gec Alsthom Electromecanique Sa | Procédé pour fabriquer une aube en titane alphabeta comprenant un insert de titane beta métastable, et aube réalisée par un tel procédé |
FR2742689A1 (fr) * | 1995-12-22 | 1997-06-27 | Gec Alsthom Electromec | Procede pour fabriquer une aube en titane alpha beta comprenant un insert de titane beta metastable, et aube realisee par un tel procede |
WO2011057661A1 (de) * | 2009-11-11 | 2011-05-19 | Siemens Aktiengesellschaft | Bauteil mit bereichen unterschiedlicher duktilität und verfahren zur herstellung eines bauteils |
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