JPH03160396A - 固体物質中で核融合反応を生じせしめる方法 - Google Patents
固体物質中で核融合反応を生じせしめる方法Info
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- JPH03160396A JPH03160396A JP1298786A JP29878689A JPH03160396A JP H03160396 A JPH03160396 A JP H03160396A JP 1298786 A JP1298786 A JP 1298786A JP 29878689 A JP29878689 A JP 29878689A JP H03160396 A JPH03160396 A JP H03160396A
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Classifications
-
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/10—Nuclear fusion reactors
Landscapes
- Measurement Of Radiation (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
「発明の目的」
[産業上の利用分野]
本発明は、固体物質中で核融合反応を生じせしめる方法
に関する。 [従来の技術] 固体状態における重水素の核融合に関し、数種の報告が
成されている。例えば、S.E.Jones等により1
989年にNature 338737頁に発表され
た論文、M.FIe1schmann等により1989
年にElectroanal. Cheg+. 261
301頁に発表された論文がそうである。しかしな
がら、彼等はパラジウム(Pd)を水素化するのに重水
(D2 0)の電気分解を用いている。
に関する。 [従来の技術] 固体状態における重水素の核融合に関し、数種の報告が
成されている。例えば、S.E.Jones等により1
989年にNature 338737頁に発表され
た論文、M.FIe1schmann等により1989
年にElectroanal. Cheg+. 261
301頁に発表された論文がそうである。しかしな
がら、彼等はパラジウム(Pd)を水素化するのに重水
(D2 0)の電気分解を用いている。
本発明は、前述の従来技術とは異なる観点からなされた
もので、本発明は、核融合反応を起こす物質を使用して
、固体物質中で核融合反応を生じせしめる新規な方法を
提供することを目的とする。 「発明の構成」 [課題を解決するための手段] 上記目的を解決するための本発明に係る第1の固体物質
中で核融合反応を生じせしめる方法は核融合反応を起こ
す物質を吸収する吸収体に前記核融合反応を起こす物質
を固容元素として飽和状態近くまで吸収させるステップ
と、前記吸収体に所定の刺激を与えて前記固容元素を急
激に過飽和状態にすることにより、前記過飽和状態の固
容元素を前記吸収体から放出させるに際して、前記吸収
体内に前記固容元素の局所的超高密度状態を形成せしめ
て、前記固容元素間に核融合反応を生じせしめるステッ
プとからなることを特徴とする。 上記目的を解決するための本発明に係る第2の固体物質
中で核融合反応を生じせしめる方法は、前記刺激を、高
圧放電によるイオン衝撃により与えることを特徴とする
。 上記目的を解決するための本発明に係る第3の固体物質
中で核融合反応を生じせしめる方法は、前記核融合反応
を起こす物質が、重水素( D 2、T2)又は同位体
ヘリウム3Heのうち少なくとも一つの元素であること
を特徴とする。 [作 用] 容器中に配置された核融合反応を起こす物質を吸収する
吸収体(固体物質)を活性化し、重水素のような核融合
反応を起こす物質を封入し、臨界点以下の温度に保持す
ると、固体物質が前記物質を吸収し、例えば重水素の場
合には重水素化が生じる。前記物質は固容元素として固
体物質の結晶格子間に溶け込み、この際に約2 6 c
al/molの溶解熱を発生する。熱の発生速度が外部
への熱の放出速度より大きくなれば、固体物質の温度は
上昇する。固体物質の温度が上昇すると、固体物質中に
固容元素の過飽和状態が生じる。このような固容元素の
過飽和状態が生じると、過剰元素放出のために、固体物
質中に局所的な固容元素の高密度化が生じる。固容元素
を放出するには、固体物質中に元素の泡を生じせしめる
必要があるが、泡の大きさは小さければ小さいほど、固
容元素を放出するための圧力は大きくなければならない
。この圧力のため、泡の近傍には局所的に固容元素の集
中が生じ、高密度状態が形成される。この高密度状態が
核融合反応を生じせしめる原因であり、このような過剰
固容元素の放出に際して、上記局所的高密度気体原子の
集中箇所のいくつかにおいて、核融合反応が生じる。 その際発生する核融合反応熱により、更に固容元素の過
飽和度は上昇し、核融合反応が促進される。過剰な固容
元素の放出は吸熱反応であるが、吸熱量が核融合反応を
凌駕する場合には、温度の低下が生じて、再び初期の温
度に戻り、固体物質は元素の吸収を再開する。吸収によ
り温・度上昇が生じて固体物質から元素の放出が再開し
、この間、固容元素の放出の際に核融合反応が自発的に
生じる。 このように吸収体に核融合反応を起こす物質を充分吸収
させることにより、自発的に核融合反応を生じさせるこ
ともできるが、吸収体に核融合反応を起こす物質を固容
元素として飽和状態近くまで吸収させた後、吸収体に所
定の刺激を与えて前記固容元素を急激に過飽和状態に至
らしめれば、更に核融合反応を促進し、その効率を上げ
ることができる。 刺激により過度な過飽和状態になった過剰固容元索は、
吸収体中に多くの局所的な超高密度状態を形成し、過剰
固容元索は気体として吸収体の外に噴出するが、その際
に当該元素は大量な核融合反応を一時的に起こす。この
刺激により生じる核融合反応の量は、前述の自発的な核
融合反応の量に比較して格段に大きい。 本発明に係る第1の発明は、上記原理に基づき、核融合
反応を起こす物質を充分吸収させた吸収体を所定の゜方
法で刺激することにより、吸収体中に多くの局所的な超
高密度状態を形成して、固体物質中で核融合反応を生じ
せしめる方法である。 本発明に係る第2の発明は、前記刺激を、高圧放電によ
るイオン衝撃により与えるものである。 本発明に係る第3の発明は、前記核融合反応を起こす物
質が、重水素(D2、T2、TD)又は同位体ヘリウム
3Heのうち少なくとも一つの元素であることである。 なお、本発明で重水素とは、D 2 ( deute
rium)、T 2( tritium)及びTDを含
む概念として使用する。 [実施例〕 以下、図面を参照して、本発明に係る実施例を説明する
。 第1図及び第2図を参照して、本発明の固体物質中で核
融合反応を生じせしめる方法を説明する。 容積300mlのバイレックスガラス製の反応バルブ1
0に、第1図に示すように、銅( Cu)からなる一対
の電極ステム12g,12bが設けられている。電極ス
テム12a,12bと反応バルブ10との気密性を保持
するために、電極ステム12a,12bと反応バルブ1
0との間にはゴム栓14a,14bがそれぞれ設けられ
ている。また、電極ステム12a,12bには、直径2
lIIl1長さ35III1のパラジウム(Pd)棒1
6a,16bが固定されている。このパラジウム棒16
a116bは、互いに対向するように設けられ、このパ
ラジウム捧16a,16bの純度は99.5%である。 更に、反応バルブ10の上方には、ゴム栓18を介して
、ガス導入パイプ20が設けられている。ガス導入パイ
プ20は真空排気ポンプ及びガスボンベ(図示せず)に
接続されている。 真空排気ポンプにより反応バルブ10をIPa(パスカ
ル)になるまで真空排気した後、この真空状態でパラジ
ウム棒16a,16b間に、周波数6 0 Hzs電圧
12kvの交流電圧を印加し、グロー放電を発生させて
、パラジウム棒16a,16bの活性化を行う。この活
性化はパラジウム捧16a,16bの表面の酸化物等に
よるよごれを取除き、表面を清浄にするために行われる
。即ち、ボンバードを行う。 このボンバードの後に、放出されたガスを真空ポンプに
より排気し、反応バルブ10内に1気圧の重水素(D2
)ガスを封入する。この重水素ガスの純度は99.8%
であり、トレースとして、約10−■■ol/I以下の
トリチウム(T)が含まれている。 第2図は、第1図の反応バルブ10を3個使用した核融
合反応システムを示している。反応バルプ1 0 a
s 1 0 b s 1 0 cの各電極は、それぞれ
高電圧トランス2 2 a s 2 2 b , 2
2 cに接続されている。反応バルプ1 0 a, 1
0 b, 1 0 cの周囲には中性子(neut
ron)検出器24が配置され、中性子検出器24はマ
ルチチャネル計数器26に接続されて、反応バルブ10
bから発生する中性子の数をカウントするように構成さ
れている。 中性子検出器24は、BF3検出器( Nuclear
Enterprises Ltd. Neutron
Monitor NM2B)からなり、マルチチャネル
計数器26は、マルチチャネル・アナライザー(Ino
tec Inc. IT−5400)からなる。中性子
検出器24は、中性子標準源である”’Am/Beと2
52 (: fを用いて較正した。ガス導入パイプ2
0 as 2 0 b s 2 0 cは真空排気シス
テム28に接続され、そのシステム28には真空ポンプ
(図示せず)、重水素を反応バルプ1 0 as 1
0 bs 1 0 cに供給するための重水素ボンベ3
0及び達成計(コンパウンドゲイジ)32が設けられて
いる。 第1図において説明したステップに従って、パラジウム
棒1 6 a s 1 6 b s 1 6 c s
1 6 d s16e,16fをボンバードにより活性
化し、1気圧の重水素を反応バルプ1 0 a s 1
0 b s10cに供給する。その後、反応バルブ1
0a110b,10c内の圧力の時間的変化と共に中性
子数の時間的依存性を調べた。その結果を第3図及び第
4図に示す。第3図は、反応バルブ10a110b,1
0c内の圧力の時間的変化を示し、第4図は、中性子数
の時間的変化を示している。 観測された中性子束の平均バックグラウンド(B. G
. sean)は1.99カウント/時(CPH)であ
り、標準偏差σは0.288 C P Hであった。バ
ックグラウンドの3σ以上の中性子カウント数を示すデ
ータが第4図に示されていて、このデータから核融合反
応が生じていることが明らかである。また、第3図は反
応バルブ1 0 as 1 0 bs10c内の圧力の
時間的変化を示しているが、第3図の左側の圧力減少カ
ーブは、重水素がパラジウム棒1 6 a s 1 6
b s 1 6 c s 1 6 d 11 6 e
16fに吸収されていることを示している。この吸収さ
れた重水素が局所的に高密度になり、核融合反応を生じ
せしめていると考えられる。このように、重水素の吸収
過程で、中性子の放出が観測される。第3図と第4図と
を比較すると明らかなように、反応バルプ10a,10
b,10c内の圧力が一時的に安定する領域で、中性子
の自発的放出が現れていることが分かる。 次に、第3図及び第4図に示すように、55時間後にパ
ラジウム捧16a,16b間、パラシウム棒16c,1
6d間、パラジウム棒16e116f間にそれぞれ周波
数6 0 Hzs電圧12kvの交流電圧を印加し、グ
ロー放電を発生させて、パラジウム棒16a,16bs
16C% 16a,16e,16fに刺激1を与える
。すると、第4図のαピークに示されるように、63秒
間に実に692カウントの中性子数が検出された。この
中性子カウント率は、バックグラウンドレベル(5.
5 X 1 0−’cps)の実に2X10’倍に相
当する。この刺激1の後には、反応バルブ10a,10
b,10c内の圧力が、第3図に示すように、2X10
’ Paだけ上昇し、その後、A%B,C,D,E,F
.G及びHに示されるような中性子放出のピークが現れ
た。このピークの値は、刺激1の前に現れているピーク
値より遥かに大きなものである。刺激1によるαビーク
の様子は、第4図の左側に詳細に示されている。 次に、95時間後に更にパラジウム棒16a116b,
16c,16d,16e,16fに刺激2を与えたとこ
ろ、2秒間に28カウントの中性子数が検出され、βピ
ークを示した。中性子のカウント数はαビークの場合よ
り少ないが、カウント率はαピークの場合と殆ど等し.
い( 14cps)。刺激2によるβピークの様子は、
第4図の右側に詳細に示されている。このβビークの後
に、αビークの場合と同様に、I,J,K,L及びMで
示される周期的な中性子放出が検出された。 この後、更に刺激3及び刺激4をパラジウム棒1 6
a s 1 6 b s 1 6 c S1 6 d
s 1 6 e s16fに与えたところ、αビーク及
びβビークに続いて他のピークがそれぞれ検出されたが
、それらのピークの高さは次第に低下した。そして、使
用済みのパラジウム棒は、たとえ活性化により重水素を
吸収させても、中性子を放出することはなかった。その
使用済みのパラジウム捧を電子R?kM(SEM)で調
べたところ、そのパラジウム棒の表面に多くのクラック
や空洞が観察された。 以上の実施例では、パラジウム棒を活性化した後にパラ
ジウム棒に刺激を与えているが、パラジウム棒を活性化
することは必ずしも必要ではなく、何等かの方法により
パラジウム棒に充分に重水素を吸収させた後に、パラジ
ウム棒に刺激を与えれば、急激な核融合反応を生じさせ
ることができる。 核融合反応が繰り返されるに従い、核融合反応によって
生成された新元素が増殖される。例えば、D−D反応の
場合にはT2 、TD,’ Heが増殖される。増殖さ
れた新元素の中には、より確率の高い核融合反応を生ず
るものが含まれる。より確率の高い核融合反応の例は、
D−T反応、3He−″He反応等である。このような
新元素の生成により、核融合反応の確率が促進される。 パラジウム棒は一定期間の使用によりその機能を失うの
で、新しいパラジウム棒と交換する必要がある。使用済
みのパラジウム棒は再処理により再度使用することがで
きる。また、重水素等の核融合反応を起こす物質も必要
に応じ新しいものと交換するが、核融合反応により生成
される新元素、例えば3He%’ He,72等は必要
に応じて回収される。 以上の説明では、核融合反応を起こす物質として重水素
D2を例にして説明したが、核融合反応を起こす゜物質
としてトリチウムT2、同位体ヘリウム3He,或いは
TD等の軽元素を用いることもできる。 また以上の説明では、核融合反応を起こす物質を吸収す
る吸収体としてパラジウムを例にとって説明した。パラ
ジウムは常温において重水素等を吸収する能力を有して
いるので、常温核融合反応のためには最適である。しか
し、常温核融合反応に限らなければ、常温以上或いは以
下において核融合反応を起こす物質を吸収する金属、例
えばチタン、合金或いは化合物を使用することができる
。 また、吸収体を刺激する方法としては高電圧放電による
方法に限られず、イオンビームによる方法、電子線によ
る方法、レーザによる方法等を使用することができる。 この場合、高エネルギーのイオン、電子による衝撃、又
は光子による照射により刺激が与えられる。 更に、吸収体に核融合反応を起こす物質を吸収させるに
は種々の方法が使用可能であり、ガス状態で吸収させて
も良いし、液体状態で吸収体に吸収させても良い。 「発明の効果」 本発明によれば、核融合反応を起こす物質を吸収する吸
収体に前記物質を飽和状態近くまで充分に吸収させ、そ
の後、吸収体を所定の方法により刺激して過飽和状態に
し、局所的に超高密度状態を形成させることにより核融
合反応を固体物質中で生じさせることができるので、簡
単な装置により容易に核融合反応を得ることができる。 そして、その核融合反応により生じた中性子、陽子、γ
線、熱或いは核融合による生成物を有効に利用すること
ができるので、その効果は大きい。
もので、本発明は、核融合反応を起こす物質を使用して
、固体物質中で核融合反応を生じせしめる新規な方法を
提供することを目的とする。 「発明の構成」 [課題を解決するための手段] 上記目的を解決するための本発明に係る第1の固体物質
中で核融合反応を生じせしめる方法は核融合反応を起こ
す物質を吸収する吸収体に前記核融合反応を起こす物質
を固容元素として飽和状態近くまで吸収させるステップ
と、前記吸収体に所定の刺激を与えて前記固容元素を急
激に過飽和状態にすることにより、前記過飽和状態の固
容元素を前記吸収体から放出させるに際して、前記吸収
体内に前記固容元素の局所的超高密度状態を形成せしめ
て、前記固容元素間に核融合反応を生じせしめるステッ
プとからなることを特徴とする。 上記目的を解決するための本発明に係る第2の固体物質
中で核融合反応を生じせしめる方法は、前記刺激を、高
圧放電によるイオン衝撃により与えることを特徴とする
。 上記目的を解決するための本発明に係る第3の固体物質
中で核融合反応を生じせしめる方法は、前記核融合反応
を起こす物質が、重水素( D 2、T2)又は同位体
ヘリウム3Heのうち少なくとも一つの元素であること
を特徴とする。 [作 用] 容器中に配置された核融合反応を起こす物質を吸収する
吸収体(固体物質)を活性化し、重水素のような核融合
反応を起こす物質を封入し、臨界点以下の温度に保持す
ると、固体物質が前記物質を吸収し、例えば重水素の場
合には重水素化が生じる。前記物質は固容元素として固
体物質の結晶格子間に溶け込み、この際に約2 6 c
al/molの溶解熱を発生する。熱の発生速度が外部
への熱の放出速度より大きくなれば、固体物質の温度は
上昇する。固体物質の温度が上昇すると、固体物質中に
固容元素の過飽和状態が生じる。このような固容元素の
過飽和状態が生じると、過剰元素放出のために、固体物
質中に局所的な固容元素の高密度化が生じる。固容元素
を放出するには、固体物質中に元素の泡を生じせしめる
必要があるが、泡の大きさは小さければ小さいほど、固
容元素を放出するための圧力は大きくなければならない
。この圧力のため、泡の近傍には局所的に固容元素の集
中が生じ、高密度状態が形成される。この高密度状態が
核融合反応を生じせしめる原因であり、このような過剰
固容元素の放出に際して、上記局所的高密度気体原子の
集中箇所のいくつかにおいて、核融合反応が生じる。 その際発生する核融合反応熱により、更に固容元素の過
飽和度は上昇し、核融合反応が促進される。過剰な固容
元素の放出は吸熱反応であるが、吸熱量が核融合反応を
凌駕する場合には、温度の低下が生じて、再び初期の温
度に戻り、固体物質は元素の吸収を再開する。吸収によ
り温・度上昇が生じて固体物質から元素の放出が再開し
、この間、固容元素の放出の際に核融合反応が自発的に
生じる。 このように吸収体に核融合反応を起こす物質を充分吸収
させることにより、自発的に核融合反応を生じさせるこ
ともできるが、吸収体に核融合反応を起こす物質を固容
元素として飽和状態近くまで吸収させた後、吸収体に所
定の刺激を与えて前記固容元素を急激に過飽和状態に至
らしめれば、更に核融合反応を促進し、その効率を上げ
ることができる。 刺激により過度な過飽和状態になった過剰固容元索は、
吸収体中に多くの局所的な超高密度状態を形成し、過剰
固容元索は気体として吸収体の外に噴出するが、その際
に当該元素は大量な核融合反応を一時的に起こす。この
刺激により生じる核融合反応の量は、前述の自発的な核
融合反応の量に比較して格段に大きい。 本発明に係る第1の発明は、上記原理に基づき、核融合
反応を起こす物質を充分吸収させた吸収体を所定の゜方
法で刺激することにより、吸収体中に多くの局所的な超
高密度状態を形成して、固体物質中で核融合反応を生じ
せしめる方法である。 本発明に係る第2の発明は、前記刺激を、高圧放電によ
るイオン衝撃により与えるものである。 本発明に係る第3の発明は、前記核融合反応を起こす物
質が、重水素(D2、T2、TD)又は同位体ヘリウム
3Heのうち少なくとも一つの元素であることである。 なお、本発明で重水素とは、D 2 ( deute
rium)、T 2( tritium)及びTDを含
む概念として使用する。 [実施例〕 以下、図面を参照して、本発明に係る実施例を説明する
。 第1図及び第2図を参照して、本発明の固体物質中で核
融合反応を生じせしめる方法を説明する。 容積300mlのバイレックスガラス製の反応バルブ1
0に、第1図に示すように、銅( Cu)からなる一対
の電極ステム12g,12bが設けられている。電極ス
テム12a,12bと反応バルブ10との気密性を保持
するために、電極ステム12a,12bと反応バルブ1
0との間にはゴム栓14a,14bがそれぞれ設けられ
ている。また、電極ステム12a,12bには、直径2
lIIl1長さ35III1のパラジウム(Pd)棒1
6a,16bが固定されている。このパラジウム棒16
a116bは、互いに対向するように設けられ、このパ
ラジウム捧16a,16bの純度は99.5%である。 更に、反応バルブ10の上方には、ゴム栓18を介して
、ガス導入パイプ20が設けられている。ガス導入パイ
プ20は真空排気ポンプ及びガスボンベ(図示せず)に
接続されている。 真空排気ポンプにより反応バルブ10をIPa(パスカ
ル)になるまで真空排気した後、この真空状態でパラジ
ウム棒16a,16b間に、周波数6 0 Hzs電圧
12kvの交流電圧を印加し、グロー放電を発生させて
、パラジウム棒16a,16bの活性化を行う。この活
性化はパラジウム捧16a,16bの表面の酸化物等に
よるよごれを取除き、表面を清浄にするために行われる
。即ち、ボンバードを行う。 このボンバードの後に、放出されたガスを真空ポンプに
より排気し、反応バルブ10内に1気圧の重水素(D2
)ガスを封入する。この重水素ガスの純度は99.8%
であり、トレースとして、約10−■■ol/I以下の
トリチウム(T)が含まれている。 第2図は、第1図の反応バルブ10を3個使用した核融
合反応システムを示している。反応バルプ1 0 a
s 1 0 b s 1 0 cの各電極は、それぞれ
高電圧トランス2 2 a s 2 2 b , 2
2 cに接続されている。反応バルプ1 0 a, 1
0 b, 1 0 cの周囲には中性子(neut
ron)検出器24が配置され、中性子検出器24はマ
ルチチャネル計数器26に接続されて、反応バルブ10
bから発生する中性子の数をカウントするように構成さ
れている。 中性子検出器24は、BF3検出器( Nuclear
Enterprises Ltd. Neutron
Monitor NM2B)からなり、マルチチャネル
計数器26は、マルチチャネル・アナライザー(Ino
tec Inc. IT−5400)からなる。中性子
検出器24は、中性子標準源である”’Am/Beと2
52 (: fを用いて較正した。ガス導入パイプ2
0 as 2 0 b s 2 0 cは真空排気シス
テム28に接続され、そのシステム28には真空ポンプ
(図示せず)、重水素を反応バルプ1 0 as 1
0 bs 1 0 cに供給するための重水素ボンベ3
0及び達成計(コンパウンドゲイジ)32が設けられて
いる。 第1図において説明したステップに従って、パラジウム
棒1 6 a s 1 6 b s 1 6 c s
1 6 d s16e,16fをボンバードにより活性
化し、1気圧の重水素を反応バルプ1 0 a s 1
0 b s10cに供給する。その後、反応バルブ1
0a110b,10c内の圧力の時間的変化と共に中性
子数の時間的依存性を調べた。その結果を第3図及び第
4図に示す。第3図は、反応バルブ10a110b,1
0c内の圧力の時間的変化を示し、第4図は、中性子数
の時間的変化を示している。 観測された中性子束の平均バックグラウンド(B. G
. sean)は1.99カウント/時(CPH)であ
り、標準偏差σは0.288 C P Hであった。バ
ックグラウンドの3σ以上の中性子カウント数を示すデ
ータが第4図に示されていて、このデータから核融合反
応が生じていることが明らかである。また、第3図は反
応バルブ1 0 as 1 0 bs10c内の圧力の
時間的変化を示しているが、第3図の左側の圧力減少カ
ーブは、重水素がパラジウム棒1 6 a s 1 6
b s 1 6 c s 1 6 d 11 6 e
16fに吸収されていることを示している。この吸収さ
れた重水素が局所的に高密度になり、核融合反応を生じ
せしめていると考えられる。このように、重水素の吸収
過程で、中性子の放出が観測される。第3図と第4図と
を比較すると明らかなように、反応バルプ10a,10
b,10c内の圧力が一時的に安定する領域で、中性子
の自発的放出が現れていることが分かる。 次に、第3図及び第4図に示すように、55時間後にパ
ラジウム捧16a,16b間、パラシウム棒16c,1
6d間、パラジウム棒16e116f間にそれぞれ周波
数6 0 Hzs電圧12kvの交流電圧を印加し、グ
ロー放電を発生させて、パラジウム棒16a,16bs
16C% 16a,16e,16fに刺激1を与える
。すると、第4図のαピークに示されるように、63秒
間に実に692カウントの中性子数が検出された。この
中性子カウント率は、バックグラウンドレベル(5.
5 X 1 0−’cps)の実に2X10’倍に相
当する。この刺激1の後には、反応バルブ10a,10
b,10c内の圧力が、第3図に示すように、2X10
’ Paだけ上昇し、その後、A%B,C,D,E,F
.G及びHに示されるような中性子放出のピークが現れ
た。このピークの値は、刺激1の前に現れているピーク
値より遥かに大きなものである。刺激1によるαビーク
の様子は、第4図の左側に詳細に示されている。 次に、95時間後に更にパラジウム棒16a116b,
16c,16d,16e,16fに刺激2を与えたとこ
ろ、2秒間に28カウントの中性子数が検出され、βピ
ークを示した。中性子のカウント数はαビークの場合よ
り少ないが、カウント率はαピークの場合と殆ど等し.
い( 14cps)。刺激2によるβピークの様子は、
第4図の右側に詳細に示されている。このβビークの後
に、αビークの場合と同様に、I,J,K,L及びMで
示される周期的な中性子放出が検出された。 この後、更に刺激3及び刺激4をパラジウム棒1 6
a s 1 6 b s 1 6 c S1 6 d
s 1 6 e s16fに与えたところ、αビーク及
びβビークに続いて他のピークがそれぞれ検出されたが
、それらのピークの高さは次第に低下した。そして、使
用済みのパラジウム棒は、たとえ活性化により重水素を
吸収させても、中性子を放出することはなかった。その
使用済みのパラジウム捧を電子R?kM(SEM)で調
べたところ、そのパラジウム棒の表面に多くのクラック
や空洞が観察された。 以上の実施例では、パラジウム棒を活性化した後にパラ
ジウム棒に刺激を与えているが、パラジウム棒を活性化
することは必ずしも必要ではなく、何等かの方法により
パラジウム棒に充分に重水素を吸収させた後に、パラジ
ウム棒に刺激を与えれば、急激な核融合反応を生じさせ
ることができる。 核融合反応が繰り返されるに従い、核融合反応によって
生成された新元素が増殖される。例えば、D−D反応の
場合にはT2 、TD,’ Heが増殖される。増殖さ
れた新元素の中には、より確率の高い核融合反応を生ず
るものが含まれる。より確率の高い核融合反応の例は、
D−T反応、3He−″He反応等である。このような
新元素の生成により、核融合反応の確率が促進される。 パラジウム棒は一定期間の使用によりその機能を失うの
で、新しいパラジウム棒と交換する必要がある。使用済
みのパラジウム棒は再処理により再度使用することがで
きる。また、重水素等の核融合反応を起こす物質も必要
に応じ新しいものと交換するが、核融合反応により生成
される新元素、例えば3He%’ He,72等は必要
に応じて回収される。 以上の説明では、核融合反応を起こす物質として重水素
D2を例にして説明したが、核融合反応を起こす゜物質
としてトリチウムT2、同位体ヘリウム3He,或いは
TD等の軽元素を用いることもできる。 また以上の説明では、核融合反応を起こす物質を吸収す
る吸収体としてパラジウムを例にとって説明した。パラ
ジウムは常温において重水素等を吸収する能力を有して
いるので、常温核融合反応のためには最適である。しか
し、常温核融合反応に限らなければ、常温以上或いは以
下において核融合反応を起こす物質を吸収する金属、例
えばチタン、合金或いは化合物を使用することができる
。 また、吸収体を刺激する方法としては高電圧放電による
方法に限られず、イオンビームによる方法、電子線によ
る方法、レーザによる方法等を使用することができる。 この場合、高エネルギーのイオン、電子による衝撃、又
は光子による照射により刺激が与えられる。 更に、吸収体に核融合反応を起こす物質を吸収させるに
は種々の方法が使用可能であり、ガス状態で吸収させて
も良いし、液体状態で吸収体に吸収させても良い。 「発明の効果」 本発明によれば、核融合反応を起こす物質を吸収する吸
収体に前記物質を飽和状態近くまで充分に吸収させ、そ
の後、吸収体を所定の方法により刺激して過飽和状態に
し、局所的に超高密度状態を形成させることにより核融
合反応を固体物質中で生じさせることができるので、簡
単な装置により容易に核融合反応を得ることができる。 そして、その核融合反応により生じた中性子、陽子、γ
線、熱或いは核融合による生成物を有効に利用すること
ができるので、その効果は大きい。
第1図は本発明の固体物質中で核融合反応を生じせしめ
る方法を説明するための反応炉の図、第2図は第1図の
核融合反応炉を用いて核融合反応が生じていることを検
出するためのシステム図、第3図は第2図の反応バルブ
内の圧力の時間的変化を示す図、第4図は第2図のシス
テムにおける中性子カウント数の時間的変化を示す図で
ある。
る方法を説明するための反応炉の図、第2図は第1図の
核融合反応炉を用いて核融合反応が生じていることを検
出するためのシステム図、第3図は第2図の反応バルブ
内の圧力の時間的変化を示す図、第4図は第2図のシス
テムにおける中性子カウント数の時間的変化を示す図で
ある。
Claims (3)
- (1)核融合反応を起こす物質を吸収する吸収体に前記
核融合反応を起こす物質を固容元素として飽和状態近く
まで吸収させるステップと、前記吸収体に所定の刺激を
与えて前記固容元素を急激に過飽和状態にすることによ
り、前記過飽和状態の固容元素を前記吸収体から放出さ
せるに際して、前記吸収体内に前記固容元素の局所的超
高密度状態を形成せしめて、前記固容元素間に核融合反
応を生じせしめるステップとからなることを特徴とする
固体物質中で核融合反応を生じせしめる方法。 - (2)前記刺激を、高圧放電によるイオン衝撃により与
えることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - (3)前記核融合反応を起こす物質は、重水素(D_2
、T_2、TD)又は同位体ヘリウム^3Heのうち少
なくとも一つの元素であることを特徴とする請求項1に
記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1298786A JPH03160396A (ja) | 1989-11-18 | 1989-11-18 | 固体物質中で核融合反応を生じせしめる方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1298786A JPH03160396A (ja) | 1989-11-18 | 1989-11-18 | 固体物質中で核融合反応を生じせしめる方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03160396A true JPH03160396A (ja) | 1991-07-10 |
Family
ID=17864202
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1298786A Pending JPH03160396A (ja) | 1989-11-18 | 1989-11-18 | 固体物質中で核融合反応を生じせしめる方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH03160396A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2701157A2 (de) | 2012-08-22 | 2014-02-26 | Andrej Galuga | Verfahren und Vorrichtung zur Durchführung der Kernfusion |
-
1989
- 1989-11-18 JP JP1298786A patent/JPH03160396A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2701157A2 (de) | 2012-08-22 | 2014-02-26 | Andrej Galuga | Verfahren und Vorrichtung zur Durchführung der Kernfusion |
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