JPH03154662A - 二分子膜の作製方法 - Google Patents

二分子膜の作製方法

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JPH03154662A
JPH03154662A JP29006689A JP29006689A JPH03154662A JP H03154662 A JPH03154662 A JP H03154662A JP 29006689 A JP29006689 A JP 29006689A JP 29006689 A JP29006689 A JP 29006689A JP H03154662 A JPH03154662 A JP H03154662A
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一 山口
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は二分子膜の作製方法に関する。
(従来の技術) 現在までのところ、シリコンを中心とした半導体技術に
よるトランジスタ、IC,LSI、[LSIの開発が行
われ、今日のエレクトロニクスの基礎が築かれてきた。
一方、生命又は生体現象の解明に伴い、新しい考え方に
基づいた材料や素子の開発への期待が高まっている。こ
れは、生体現象を模倣し、情報処理、認識、記憶などの
面でこれまでの考え方と異なる原理に基礎をおく材料や
素子によって、新しいエレクトロニクス技術を担うとい
う考え方に基づいている。
生体機能を発現する場としての生体膜は、外部からの情
報の認識と膜内への伝送、物質の変換、輸送など種々の
重要な役割を果たしている。このため、生体系を模倣し
た材料や素子の作製にとって、人工的な膜の開発が極め
て重要である。こうした人工的な膜として高分子キャス
ト膜、ラングミュア・プロジェット(L B)膜など種
々のものが考えられているが、生体膜モデルとしては二
分子膜系が最も生体膜に近い形態である。この二分子膜
は、水中において、基板に設けられた小孔に、リン脂質
などの両親媒性分子を疎水部のアルキル鎖どうしを向け
たかたちで、二分子層配列させた超薄膜のことである。
ところで、二分子膜を用いて2次元的な情報変換のため
の集積素子を開発するには、同一基板上に2次元的に配
置された2個以上の小孔に二分子膜を形成し、任意に選
択された特定の領域の二分子膜のみに所定の機能を発現
させることが必要となる。このため、基板上の2個以上
の小孔に形成された二分子膜間の相互作用の範囲、強度
などを制御することが重要であり、その制御方法が要望
されている。
(発明が解決しようとする課題) 以上のように、従来は基板の2個以上の小孔に形成され
た二分子膜間の相互作用を制御することは困難であった
本発明は前述した問題点を解決するためになされたもの
であり、同一基板上に2次元的に配置された2個以上の
小孔に形成された二分子膜間の相互作用を自由に制御す
ることができる二分子膜の作製方法を提供することを目
的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の二分子膜の作製方法は、2次元的に配置された
2個以上の貫通された小孔を有する基板を用い、該基板
上に分子膜を形成するとともに小孔内に二分子膜を形成
し、少なくとも前記基板上の分子膜の一部に選択的に熱
を加えるか又は光を照射して化学反応を起こさせること
を特徴とするものである。
本発明において、基板の材質は特に限定されるものでは
なく、テフロンなどの高分子、鉄、ニッケル、銅、白金
、金、銀、チタンなどの純金属、又はステンレスなどの
合金など種々のものを用いることができる。また、その
厚さも板としての強度を維持できる厚さであればよく、
例えば数1〜数百1の種々のものを用いることができる
本発明において、基板に小孔を形成する方法としては、
以下のような方法が挙げられる。すなわち、高分子シー
トに対しては高圧放電によってシートを打ち抜く方法な
どが挙げられる。また、金属基板に対しては、レーザー
などの利用による熱的な方法、エツチングなどの通常の
方法のほかに、より制御された形状の小孔を得るために
レジストを用いたマイクロリソグラフィによる方法、電
解析出法により小孔がパターン化された基板を析出させ
る方法なども利用可能である。
なお、金属基板を用いる場合、小孔内壁及び小孔周囲の
表面を疎水化することが望ましい。その方法は、二分子
膜を構成する材料が膜形成可能であれば特に限定される
ものではない。例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキ
サデシルトリクロロシランなどのモノアルキルトリクロ
ロシラン類、ジアルキルジクロロシラン類、トリアルキ
ルモノクロロシラン類などによる基板の表面処理や、ス
テアリン酸カドミウム塩などの単分子膜をLB法によっ
て基板上に累積する方法などが挙げられる。
前述した各種シラン類による表面処理を行う場合、予め
金属表面に5i02などの膜を形成しておいてもよい。
本発明において、二分子膜形成材料としては、二分子膜
を形成することができ、かつ外部からの熱又は光により
分子間の相互作用に影響を及ぼす化学反応が生起する部
位を有するものであれば特に限定されるものではない。
このような材料のうち、外部からの熱又は光により重合
反応が生起する物質が好ましい。また、二分子膜を作製
する方法としては、周知の張り合わせ法(センタール法
)、又は刷毛塗り法のいずれも用いることができる。
(作 用) 本発明方法では、2次元的に配置された2個以上の貫通
された小孔を有する基板を用い、該基板上に分子膜を形
成するとともに小孔内に二分子膜を形成し、少なくとも
前記基板上の分子膜の一部に選択的に熱を加えるか又は
光を照射することにより、その領域で重合などの化学反
応を起こさせて、その領域の基板上の分子膜を介して連
結している二分子膜間の相互作用を生じさせるか又は変
化させる。この場合、選択的に熱又は光を加える範囲を
調整することにより、二分子膜間の)自互作用が働く範
囲を制御することができる。また、熱又は光を加える時
間、強度などを調整することにより、重合度などの反応
率を制御できるので、相互作用の強度も制御することが
できる。このような範囲、時間、強度などは任意に調整
することができるので、二分子膜間の相互作用の範囲及
び強度を自由に制御することができる。
(実施例) 以下、本発明の詳細な説明する。
実施例1 まず、以下のようにして二分子膜作製基板を作製した。
電界析出法により、直径15 Qttmの小孔2が縦横
に形成された厚さ10−のニッケル薄板1を作製した。
次に、オクタデシルトリクロロシランのクロロホルム溶
液を用いて基板表面を疎水化処理し、二分子膜作製基板
とした。
この二分子膜作製基板を用い、以下のようにして二分子
膜を作製した。25℃の室温下で、15cmX50cm
のトラフ中に純水を満たして24℃に維持し、この純水
表面に1.2−ジ(2,4−オクタデカジェノイル)−
sn−グリセロ−3−ホスフォリルコリンのクロロホル
ム溶液を展開した。溶媒を蒸発させた後、バリアーによ
って単分子膜を圧縮し、表面圧を40m N / mと
した。前記二分子膜作製基板をLB法と同じ要領で水面
に垂直に浸漬させることにより、基板に単分子膜を移し
と7で小孔2に二分子膜を作製した。
次に、第1図に示すように、水銀ランプ(500W )
のUV光をマスクとレンズを用いて領域3に選択的に2
0分間照射した。ニッケル薄板1上に移しとられた単分
子膜の反射吸収スペクトルを測定したところ、露光部で
ある領域3では重合反応が起きていた。露光部の重合し
た単分子膜を介して連結している二分子膜間と、重合し
た単分子膜を介して連結されていない二分子膜間とで、
相互作用の大きさを調べたところ、前者の方が大きなt
自互作用が働いていることが確認された。
実施例2 実施例1と同様な方法により、二分子膜作製基板を作製
し、更にこの基板に二分子膜を形成した。
次に、第2図に示すように、水銀ランプ(500W )
のUV光をマスクとレンズを用いて領域4及び領域5に
選択的に10分間照射した。同様に、UV光を領域領域
5に選択的に更に10分間照射した。ニッケル薄板1上
に移しとられた単分子膜の反射吸収スペクトルを測定し
たところ、領域4、領域5ではそれぞれ50%、100
%の反応率で重合反応が起きていた。領域5の二分子膜
間と、領域4の二分子膜間とで、相互作用の大きさを調
べたところ、前者の方が大きな相互作用が働いているこ
とが確認された。
実施例3 実施例1と同様な方法により、二分子膜作製基板を作製
した。
この二分子膜作製基板を用い、以下のようにして二分子
膜を作製した。1.2−ジ(2,4−オクタデカジェノ
イル)−sn−グリセロ−3−ホスフォリルコリンのク
ロロホルム溶液を水中において基板に刷毛で塗り、小孔
2に二分子膜を作製した。
次に、第3図に示すように、水銀ランプ(500W)の
UV光をマスクとレンズを用いて領域6に選択的に20
分間照射した。ニッケル薄板1上に移しとられた単分子
膜の反射吸収スペクトルを測定したところ、露光部であ
る領域6では重合反応が起きていた。露光部の重合した
単分子膜を介して連結している二分子膜間と、重合した
単分子膜を介して連結されていない二分子膜間とで、相
互作用の大きさを調べたところ、前者の方が大きな相互
作用が働いていることが確認された。
実施例4 実施例1と同様な方法により、二分子膜作製基板を作製
した。
この二分子膜作製基板を用い、純水表面に1.2−ジ(
4,6−へキサデカシイノイル) −5n−グリセロ−
3−ホスフォリルコリンのクロロホルム溶液を展開した
以外は実施例1と同様にして、小孔2に二分子膜を作製
した。
次に、第1図に示すように、炭酸ガスレーザー(0,1
W)光を領域3に選択的に0.1秒間照射して加熱した
。ニッケル薄板1上に移しとられた単分子膜の反射吸収
スペクトルを測定したところ、露光部である領域3では
熱化学反応による重合が起きていた。露光部の重合した
単分子膜を介して連結している二分子膜間と、重合した
単分子膜を介して連結されていない二分子膜間とで、相
互作用の大きさを調べたところ、前者の方が大きな相互
作用が働いていることが確認された。
実施例5 実施例1と同様な方法により、二分子膜作製基板を作製
し、更にこの基板に二分子膜を形成した。
次に、第4図に示すように、水銀ランプ(500W)の
UV光をマスクとレンズを用いて二分子膜部分も含めた
領域7に選択的に20分間照射した。ニッケル薄板1上
に移しとられた単分子膜の反射吸収スペクトルを測定し
たところ、露光部である領域7では重合反応が起きてい
た。露光部の重合した単分子膜を介して連結している二
分子膜間と、重合した単分子膜を介して連結されていな
い二分子膜間とで、相互作用の大きさを調べたところ、
前者の方が大きな相互作用が働いていることが確認され
た。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明の二分子膜の作製方法を用い
れば、二分子膜間の相互作用を範囲だけてなくその強度
も含めて自由に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1及び実施例4における二分子
膜作製基板の部分平面図、第2図は本発明の実施例2に
おける二分子膜作製基板の部分平面図、第3図は本発明
の実施例3における二分子膜作製基板の部分平面図、第
4図は本発明の実施例5における二分子膜作製基板の部
分平面図である。 1・・・ニッケル薄板、2・・・小孔、3.4.5.6
.7・・・露光領域。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 2次元的に配置された2個以上の貫通された小孔を有す
    る基板を用い、該基板上に分子膜を形成するとともに小
    孔内に二分子膜を形成し、少なくとも前記基板上の分子
    膜の一部に選択的に熱を加えるか又は光を照射して化学
    反応を起こさせることを特徴とする二分子膜の作製方法
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