JP2851081B2 - 二分子膜の作製方法 - Google Patents

二分子膜の作製方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は二分子膜の作製方法に関する。
(従来の技術) 現在までのところ、シリコンを中心とした半導体技術
によるトランジスタ、IC、LSI、超LSIの開発が行われ、
今日のエレクトロニクスの基礎が築かれてきた。一方、
生命又は生態現象の解明に伴い、新しい考え方に基づい
た材料や素子の開発への期待が高まっている。これは、
生体現象を模倣し、情報処理、認識、記憶などの面でこ
れまでの考え方と異なる原理に基礎をおく材料や素子に
よって、新しいエレクトロニクス技術を担うという考え
方に基づいている。
生体機能を発現する場としての生体膜は、外部からの
情報の認識と膜内への伝送、物質の変換、輸送など種々
の重要な役割を果たしている。このため、生体系を模倣
した材料や素子の作製にとって、人工的な膜の開発が極
めて重要である。こうした人工的な膜として高分子キャ
スト膜、ラングミュア・ブロジェット(LB)膜など種々
のものが考えられているが、生体膜モデルとしては二分
子膜系が最も生体膜に近い形態である。この二分子膜
は、水中において、基板に設けられた小孔に、リン脂質
などの両親媒性分子を疎水部のアルキル鎖どうしを向け
たかたちで、二分子層配列させた超薄膜のことである。
ところで、二分子膜を用いて2次元的な情報変換のた
めの集積素子を開発するには、同一基板上に2次元的に
配置された2個以上の小孔に二分子膜を形成し、任意に
選択された特定の領域の二分子膜のみに所定の機能を発
現させることが必要となる。このため、基板上の2個以
上の小孔に形成された二分子膜間の相互作用の範囲、強
度などを制御することが重要であり、その制御方法が要
望されている。
(発明が解決しようとする課題) 以上のように、従来は基板の2個以上の小孔に形成さ
れた二分子膜間の相互作用を制御することは困難であっ
た。
本発明は前述した問題点を解決するためになされたも
のであり、同一基板上に2次元的に配置された2個以上
の小孔に形成された二分子膜間の相互作用を自由に制御
することができる二分子膜の作製方法を提供することを
目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の二分子膜の作製方法は、2次元的に配置され
た2個以上の貫通された小孔を有する基板を用い、該基
板上に分子膜を形成するとともに小孔内に二分子膜を形
成し、少なくとも前記基板上の分子膜の一部に選択的に
熱を加えるか又は光を照射して化学反応を起こさせるこ
とを特徴とするものである。
本発明において、基板の材質は特に限定されるもので
はなく、テフロンなどの高分子、鉄、ニッケル、銅、白
金、金、銀、チタンなどの純金属、又はステンレスなど
の合金など種々のものを用いることができる。また、そ
の厚さも板としての強度を維持できる厚さであればよ
く、例えば数μm〜数百μmの種々のものを用いること
ができる。
本発明において、基板に小孔を形成する方法として
は、以下のような方法が挙げられる。すなわち、高分子
シートに対しては高圧放電によってシートを打ち抜く方
法などが挙げられる。また、金属基板に対しては、レー
ザーなどの利用による熱的な方法、エッチングなどの通
常の方法のほかに、より制御された形状の小孔を得るた
めにレジストを用いたマイクロリソグラフィによる方
法、電解析出法により小孔がパターン化された基板を析
出させる方法なども利用可能である。
なお、金属基板を用いる場合、小孔内壁及び小孔周囲
の表面を疎水化することが望ましい。その方法は、二分
子膜を構成する材料が膜形成可能であれば特に限定され
るものではない。例えば、ヘキサメチルジシランザン、
ヘキサデシルトリクロロシランなどのモノアルキルトリ
クロロシラン類、ジアルキルジクロロシラン類、トリア
ルキルモノクロロシラン類などによる基板の表面処理
や、ステアリン酸カドミウム塩などの単分子膜をLB法に
よって基板上に累積する方法などが挙げられる。前述し
た各種シラン類による表面処理を行う場合、予め金属表
面にSiO2などの膜を形成しておいてもよい。
本発明において、二分子膜形成材料としては、二分子
膜を形成することができ、かつ外部からの熱又は光によ
り分子間の相互作用に影響を及ぼす化学反応が生起する
部位を有するものであれば特に限定されるものではな
い。このような材料のうち、外部からの熱又は光により
重合反応が生起する物質が好ましい。また、二分子膜を
作製する方法としては、周知の張り合わせ法(モンター
ル法)、又は刷毛塗り法のいずれも用いることができ
る。
(作 用) 本発明方法では、2次元的に配置された2個以上の貫
通された小孔を有する基板を用い、該基板上に分子膜を
形成するとともに小孔内に二分子膜を形成し、少なくと
も前記基板上の分子膜の一部に選択的に熱を加えるか又
は光を照射することにより、その領域で重合などの化学
反応を起こさせて、その領域の基板上の分子膜を介して
連結している二分子膜間の相互作用を生じさせるか又は
変化させる。この場合、選択的に熱又は光を加える範囲
を調整することにより、二分子膜間の相互作用が働く範
囲を制御することができる。また、熱又は光を加える時
間、強度などを調整することにより、重合度などの反応
率を制御できるので、相互作用の強度も制御することが
できる。このような範囲、時間、強度などは任意に調整
することができるので、二分子膜間の相互作用の範囲及
び強度を自由に制御することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1 まず、以下のようにして二分子膜作製基板を作製し
た。電界析出法により、直径150μmの小孔2が縦横に
形成された厚さ10μmのニッケル薄板1を作製した。次
に、オクタデシルトリクロロシランのクロロホルム溶液
を用いて基板表面を疎水化処理し、二分子膜作製基板と
した。
この二分子膜作製基板を用い、以下のようにして二分
子膜を作製した。25℃の室温下で、15cm×50cmのトラフ
中に純水を満たして24℃に維持し、この純水表面に1,2
−ジ(2,4−オクタデカジエノイル)−sn−グリセロ−
3−ホスフォリルコリンのクロロホルム溶液を展開し
た。溶媒を蒸発させた後、バリアーによって単分子膜を
圧縮し、表面圧を40mN/mとした。前記二分子膜作製基板
をLB法と同じ要領で水面に垂直に浸漬させることによ
り、基板に単分子膜を移しとって小孔2に二分子膜を作
製した。
次に、第1図に示すように、水銀ランプ(500W)のUV
光をマスクとレンズを用いて領域3に選択的に20分間照
射した。ニッケル薄板1上に移しとられた単分子膜の反
射吸収スペクトルを測定したところ、露光部である領域
3では重合反応が起きていた。露光部の重合した単分子
膜を介して連結している二分子膜間と、重合した単分子
膜を介して連結されていない二分子膜間とで、相互作用
の大きさを調べたところ、前者の方が大きな相互作用が
働いていることが確認された。
実施例2 実施例1と同様な方法により、二分子膜作製基板を作
製し、更にこの基板に二分子膜を形成した。
次に、第2図に示すように、水銀ランプ(500W)のUV
光をマスクとレンズを用いて領域4及び領域5に選択的
に10分間照射した。同様に、UV光を領域領域5に選択的
に更に10分間照射した。ニッケル薄板1上に移しとられ
た単分子膜の反射吸収スペクトルを測定したところ、領
域4、領域5ではそれぞれ50%、100%の反応率で重合
反応が起きていた。領域5の二分子膜間と、領域4の二
分子膜間とで、相互作用の大きさを調べたところ、前者
の方が大きな相互作用が働いていることが確認された。
実施例3 実施例1と同様な方法により、二分子膜作製基板を作
製した。
この二分子膜作製基板を用い、以下のようにして二分
子膜を作製した。1,2−ジ(2,4−オクタデカジエノイ
ル)−sn−グリセロ−3−ホスフォリルコリンのクロロ
ホルム溶液を水中において基板に刷毛で塗り、小孔2に
二分子膜を作製した。
次に、第3図に示すように、水銀ランプ(500W)をUV
光をマスクとレンズを用いて領域6に選択的に20分間照
射した。ニッケル薄板1上に移しとられた単分子膜の反
射吸収スペクトルを測定したところ、露光部である領域
6では重合反応が起きていた。露光部の重合した単分子
膜を介して連結している二分子膜間と、重合した単分子
膜を介して連結されていない二分子膜間とで、相互作用
の大きさを調べたところ、前者の方が大きな相互作用が
働いていることが確認された。
実施例4 実施例1の同様な方法により、二分子膜作製基板を作
製した。
この二分子膜作製基板を用い、純水表面に1,2−ジ
(4,6−ヘキサデカジイノイル)−sn−グリセロ−3−
ホスフォリルコリンのクロロホルム溶液を展開した以外
は実施例1と同様にして、小孔2に二分子膜を作製し
た。
次に、第1図に示すように、炭酸ガスレーザー(0.1
W)光を領域3に選択的に0.1秒間照射して加熱した。ニ
ッケル薄板1上に移しとられた単分子膜の反射吸収スペ
クトルを測定したところ、露光部である領域3では熱化
学反応による重合が起きていた。露光部の重合した単分
子膜を介して連結している二分子膜間と、重合した単分
子膜を介して連結されていない二分子膜間とで、相互作
用の大きさを調べたところ、前者の方が大きな相互作用
が働いていることが確認された。
実施例5 実施例1と同様な方法により、二分子膜作製基板を作
製し、更にこの基板に二分子膜を形成した。
次に、第4図に示すように、水銀ランプ(500W)のUV
光をマスクとレンズを用いて二分子膜部分も含めた領域
7に選択的に20分間照射した。ニッケル薄板1上に移し
とられた単分子膜の反射吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、露光部である領域7では重合反応が起きていた。露
光部の重合した単分子膜を介して連結している二分子膜
間と、重合した単分子膜を介して連結されていない二分
子膜間とで、相互作用の大きさを調べたところ、前者の
方が大きな相互作用が働いていることが確認された。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明の二分子膜の作製方法を用
いれば、二分子膜間の相互作用を範囲だけでなくその強
度も含めて自由に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1及び実施例4における二分子
膜作製基板の部分平面図、第2図は本発明の実施例2に
おける二分子膜作製基板の部分平面図、第3図は本発明
の実施例3における二分子膜作製基板の部分平面図、第
4図は本発明の実施例5における二分子膜作製基板の部
分平面図である。 1……ニッケル薄板、2……小孔、3、4、5、6、7
……露光領域。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2次元的に配置された2個以上の貫通され
    た小孔を有する基板を用い、該基板上に分子膜を形成す
    るとともに小孔内に二分子膜を形成し、少なくとも前記
    基板上の分子膜の一部に選択的に熱を加えるか又は光を
    照射して化学反応を起こさせることを特徴とする二分子
    膜の作製方法。
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