JPH0313294B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0313294B2 JPH0313294B2 JP57212201A JP21220182A JPH0313294B2 JP H0313294 B2 JPH0313294 B2 JP H0313294B2 JP 57212201 A JP57212201 A JP 57212201A JP 21220182 A JP21220182 A JP 21220182A JP H0313294 B2 JPH0313294 B2 JP H0313294B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- annealing
- magnetic flux
- flux density
- content
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N Iron Chemical group [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 45
- 238000000137 annealing Methods 0.000 claims description 27
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims description 15
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 10
- 229910000976 Electrical steel Inorganic materials 0.000 claims description 9
- 230000006698 induction Effects 0.000 claims description 6
- 230000004907 flux Effects 0.000 description 27
- 239000000463 material Substances 0.000 description 16
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 description 15
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 12
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 12
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 10
- 230000005415 magnetization Effects 0.000 description 8
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 5
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 5
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 5
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 4
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 4
- 239000000523 sample Substances 0.000 description 4
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 3
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 3
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N Copper Chemical compound [Cu] RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 229910052802 copper Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000010949 copper Substances 0.000 description 2
- 230000005284 excitation Effects 0.000 description 2
- 238000002791 soaking Methods 0.000 description 2
- 238000009825 accumulation Methods 0.000 description 1
- 239000003990 capacitor Substances 0.000 description 1
- 238000002485 combustion reaction Methods 0.000 description 1
- 238000005265 energy consumption Methods 0.000 description 1
- 230000020169 heat generation Effects 0.000 description 1
- 238000009413 insulation Methods 0.000 description 1
- 230000010354 integration Effects 0.000 description 1
- 239000011229 interlayer Substances 0.000 description 1
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 1
- 238000001000 micrograph Methods 0.000 description 1
- 239000003921 oil Substances 0.000 description 1
- 230000008520 organization Effects 0.000 description 1
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 1
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 1
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/46—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for sheet metals
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は、主として、小形電動機や小形変圧器
等の電気機器に用いられる鉄心の焼鈍方法に関す
るものである。 従来例の構成とその問題点 交流電気機器の鉄心は、主として電極鋼板を使
用しているが、この電磁鋼板には、Si含有量の多
いいわゆる珪素鋼板、例えばJIS C2552に規定さ
れたものと、Si含有量の少ない、いわゆる電磁鋼
板、例えばJIS C2554に規定されたものがあり、
Si含有量の多いものほど一般的には鉄損特性がす
ぐれており、また価格も高い。これらの2グルー
プの区分は鉄損特性を基準になされているが、Si
含有量からみるとSi含有量が1.5wt%以下が電磁
鋼板、1.5wt%を超えたものが珪素鋼板と呼称さ
れているのが一般的である。これらの2グループ
の代表的材料としてS18およびS40クラスの材料
の磁気特性を第1図および第2図に示す。図中D
がS18材、EがS40材であり、DはSiが約2.0wt
%、Eが約0.7wt%である。図からも明らかなご
とく、鉄損特性ではDがすぐれているが、一方磁
束密度特性においては、特に高磁束密度において
Eの方がすぐれている。これはSi含有量の大小に
起因するものであり、Si量が多くなると、その分
鉄分が少なくなり、飽和磁束密度が低下する。 一般に小形電気機器は、いわゆる軽薄短小が要
求され、そこに使用される鉄心の寸法制約上から
使用される磁束密度はおおむね1.2T〜1.7Tの範
囲であり、特に1.4T〜1.6Tの間が多く使用され
る。このような鉄心に例えば第1図および第2図
に示されたD材を使用すると、鉄損は低減できる
が、一方励磁電流が増加し、これにより銅損の増
加をまねき、結論として、高価な材料を使用した
にもかかわらず、所望の効率特性が得られない。 そこで、Si含有量が少なく、磁束密度特性が良
く、かつ安価な材料、例えば第1図および第2図
に示されたE材を使用し、鉄心に加工した後、磁
気特性を改善するために焼鈍を施す方法を採用す
るのが一般的である。 この焼鈍は、一般には電気抵抗発熱、ガスや石
油の燃焼熱によつて雰囲気を加熱し、さらに鉄心
を加熱するという間接加熱法が主として採用され
ている。この焼鈍により磁気特性は、材料によつ
ても多少の差異はあるが、鉄損の低下と、低磁場
での磁束密度の上昇が起る。特に鉄損の低下によ
る電気機器の特性向上効果は最大の利点である。
しかし、従来からの焼鈍には、次の二つの問題点
がある。まず第一に、間接加熱のため、加熱効率
が低く、加熱に長時間要し(例えば4〜6時間)、
かつ消費エネルギー量も莫大である。この解決策
として加熱時間の大幅短縮および消費エネルギー
の節約を可能とした誘導加熱法による焼鈍方法が
注目されているが、磁気特性のすぐれた鉄心を得
るためには解決すべき課題も多いものであつた。
第二の問題点は、焼鈍によつて高磁場での磁束密
度の低下である。この磁束密度の低下量は、B50
(5000A/m)で0.02〜0.03Tであり、鉄損の低下
によるメリツトと比較すると大きいものではない
が、高効率化ニーズの強さからみれば決して小さ
いものではない。この磁束密度低下対策として、
あらかじめ材料の磁束密度を高いものにする方法
は種々提案されているが、現時点ではコスト高に
なり不利である。高効率化を限られたコスト、お
よび鉄心寸法(製品寸法との関係から)で実現す
るためには、この磁束密度の低下は大きな障害で
ある。 第3図に従来法の焼鈍熱一時間サイクルパター
ンを示す。炉の構造、能力によつても多少の差異
はあるが、一般的焼鈍条件は、加熱4〜5時間、
均熱750℃〜800℃1〜2時間、冷却4〜6時間の
総計10〜12時間である。この方法によつて焼鈍を
した場合の磁化特性の一例を第4図に示す。焼鈍
によつて低磁場(第4図では103A/m以下)で
は焼鈍によつて大幅に磁束密度が高くなつている
が、高磁場(103A/m以上)では低下している。
一般に、焼鈍によつて磁束密度が低下するのは、
集合組織によると考えられている。すなわち、焼
鈍によつて結晶粒の成長が起り、成長が進むと、
粒界周辺から(111)面が集積し、この(111)面
は磁化容易軸〔001〕を全く含まない。そのため
特に高磁場での磁束密度は低くなると推測され
る。焼鈍時の結晶粒成長度は、焼鈍温度や均熱時
間等の被処理材の受ける熱エネルギー量により決
定される他、材料の製造プロセスによつて決定さ
れる。従来法での焼鈍では、生産性や炉の構造か
ら鉄心コア一枚一枚のシビアな温度、時間制御は
不可能であり、鉄損を可能な限り低下させかつ磁
束密度の低下も防止することは実際上不可能であ
つた。 発明の目的 本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされた
もので、高磁場での磁束密度を低下させず、鉄損
の低減や低磁場での磁束密度を改善し得る焼鈍方
法を提供するものである。 発明の構成 本発明はSi含有量が1.5wt%以下の電磁鋼板を
使用した鉄心の焼鈍に際し、鉄心温度が720℃以
上での加熱、冷却所要時間を一定以内に限定する
もので、これにより磁気特性のすぐれた鉄心を供
給するものである。 実施例の説明 以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説
明する。まず、本発明は誘導加熱法による焼鈍で
は、鉄心自身が発熱し、かつその速度も投入電力
量他で容易に制御できる利点かあることに基づい
てなされたものである。この利点を利用すれば、
シビアな制御により結晶粒成長度も制御できるた
め、(111)面の集積度もおさえることが可能であ
ろうとの推定より実験を行い確認をした。第5図
に実験での誘導加熱焼鈍サイクルパターンを示
す。 結晶粒の成長は、誘導加熱法の利点を活かす範
囲内の時間(一応60分以内)では720℃以上で起
こることをあらかじめ確認した。そこで、鉄心温
度が720℃以上におかれる時間(第5図Tm)と
磁束密度の関係について実験した一例を第6図に
示す。800℃以上の温度では材料によつて多少の
差はあるが、10〜15分以上の時間で磁束密度は低
下する。図中供試材1はあらかじめ(100)面
(磁化容易軸〔001〕を含む)の集積度を上げたも
の、供試材2は一般的材料(例えばS30)であ
る。Tmが温度T(℃)によつて変化することを
示したのが第7図である。以上の結果から、磁束
密度低下を最小限におさえる時間は、鉄心温度
(T℃)の関数として(1)式に示す。 Tm=−0.385・T+318 ……(1) 本発明の一実施例として、最高温度800℃Tm
=5分、加熱5分、冷却(200℃まで)45分のと
きの磁化特性を第8図に示し、鉄損特性を第9図
に示す。なお、第8図、第9図において、Aは焼
鈍前の特性、Bは本発明による特性、Cは従来法
による特性を示すものである。また、供試材は
JIS−C2554「小形電動機用磁性鋼帯」のS40相当
のものである。一般的に使用される磁束密度1.2
〜1.7Tでは、従来法よりすぐれている。また、
鉄損特性では、1.3〜1.4T以下では従来法が若干
良いが、それ以上の磁束密度ではむしろ本発明の
方が低い。この磁気特性の鉄心にてコンデンサモ
ータ2P、150Wを試作し特性を測定した。その結
果を下表に示す。本発明の実施例では、磁束密度
が従来法より高いため、励磁電流が減少して、一
次銅損が低下し、さらに、鉄損においても減少し
ている。これは、このモータが比較的磁束密度が
高い(1.5〜1.7T)ため、本発明の効果がより大
きく出ているものであるが、本発明の有効性を明
らかにするものである。
等の電気機器に用いられる鉄心の焼鈍方法に関す
るものである。 従来例の構成とその問題点 交流電気機器の鉄心は、主として電極鋼板を使
用しているが、この電磁鋼板には、Si含有量の多
いいわゆる珪素鋼板、例えばJIS C2552に規定さ
れたものと、Si含有量の少ない、いわゆる電磁鋼
板、例えばJIS C2554に規定されたものがあり、
Si含有量の多いものほど一般的には鉄損特性がす
ぐれており、また価格も高い。これらの2グルー
プの区分は鉄損特性を基準になされているが、Si
含有量からみるとSi含有量が1.5wt%以下が電磁
鋼板、1.5wt%を超えたものが珪素鋼板と呼称さ
れているのが一般的である。これらの2グループ
の代表的材料としてS18およびS40クラスの材料
の磁気特性を第1図および第2図に示す。図中D
がS18材、EがS40材であり、DはSiが約2.0wt
%、Eが約0.7wt%である。図からも明らかなご
とく、鉄損特性ではDがすぐれているが、一方磁
束密度特性においては、特に高磁束密度において
Eの方がすぐれている。これはSi含有量の大小に
起因するものであり、Si量が多くなると、その分
鉄分が少なくなり、飽和磁束密度が低下する。 一般に小形電気機器は、いわゆる軽薄短小が要
求され、そこに使用される鉄心の寸法制約上から
使用される磁束密度はおおむね1.2T〜1.7Tの範
囲であり、特に1.4T〜1.6Tの間が多く使用され
る。このような鉄心に例えば第1図および第2図
に示されたD材を使用すると、鉄損は低減できる
が、一方励磁電流が増加し、これにより銅損の増
加をまねき、結論として、高価な材料を使用した
にもかかわらず、所望の効率特性が得られない。 そこで、Si含有量が少なく、磁束密度特性が良
く、かつ安価な材料、例えば第1図および第2図
に示されたE材を使用し、鉄心に加工した後、磁
気特性を改善するために焼鈍を施す方法を採用す
るのが一般的である。 この焼鈍は、一般には電気抵抗発熱、ガスや石
油の燃焼熱によつて雰囲気を加熱し、さらに鉄心
を加熱するという間接加熱法が主として採用され
ている。この焼鈍により磁気特性は、材料によつ
ても多少の差異はあるが、鉄損の低下と、低磁場
での磁束密度の上昇が起る。特に鉄損の低下によ
る電気機器の特性向上効果は最大の利点である。
しかし、従来からの焼鈍には、次の二つの問題点
がある。まず第一に、間接加熱のため、加熱効率
が低く、加熱に長時間要し(例えば4〜6時間)、
かつ消費エネルギー量も莫大である。この解決策
として加熱時間の大幅短縮および消費エネルギー
の節約を可能とした誘導加熱法による焼鈍方法が
注目されているが、磁気特性のすぐれた鉄心を得
るためには解決すべき課題も多いものであつた。
第二の問題点は、焼鈍によつて高磁場での磁束密
度の低下である。この磁束密度の低下量は、B50
(5000A/m)で0.02〜0.03Tであり、鉄損の低下
によるメリツトと比較すると大きいものではない
が、高効率化ニーズの強さからみれば決して小さ
いものではない。この磁束密度低下対策として、
あらかじめ材料の磁束密度を高いものにする方法
は種々提案されているが、現時点ではコスト高に
なり不利である。高効率化を限られたコスト、お
よび鉄心寸法(製品寸法との関係から)で実現す
るためには、この磁束密度の低下は大きな障害で
ある。 第3図に従来法の焼鈍熱一時間サイクルパター
ンを示す。炉の構造、能力によつても多少の差異
はあるが、一般的焼鈍条件は、加熱4〜5時間、
均熱750℃〜800℃1〜2時間、冷却4〜6時間の
総計10〜12時間である。この方法によつて焼鈍を
した場合の磁化特性の一例を第4図に示す。焼鈍
によつて低磁場(第4図では103A/m以下)で
は焼鈍によつて大幅に磁束密度が高くなつている
が、高磁場(103A/m以上)では低下している。
一般に、焼鈍によつて磁束密度が低下するのは、
集合組織によると考えられている。すなわち、焼
鈍によつて結晶粒の成長が起り、成長が進むと、
粒界周辺から(111)面が集積し、この(111)面
は磁化容易軸〔001〕を全く含まない。そのため
特に高磁場での磁束密度は低くなると推測され
る。焼鈍時の結晶粒成長度は、焼鈍温度や均熱時
間等の被処理材の受ける熱エネルギー量により決
定される他、材料の製造プロセスによつて決定さ
れる。従来法での焼鈍では、生産性や炉の構造か
ら鉄心コア一枚一枚のシビアな温度、時間制御は
不可能であり、鉄損を可能な限り低下させかつ磁
束密度の低下も防止することは実際上不可能であ
つた。 発明の目的 本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされた
もので、高磁場での磁束密度を低下させず、鉄損
の低減や低磁場での磁束密度を改善し得る焼鈍方
法を提供するものである。 発明の構成 本発明はSi含有量が1.5wt%以下の電磁鋼板を
使用した鉄心の焼鈍に際し、鉄心温度が720℃以
上での加熱、冷却所要時間を一定以内に限定する
もので、これにより磁気特性のすぐれた鉄心を供
給するものである。 実施例の説明 以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説
明する。まず、本発明は誘導加熱法による焼鈍で
は、鉄心自身が発熱し、かつその速度も投入電力
量他で容易に制御できる利点かあることに基づい
てなされたものである。この利点を利用すれば、
シビアな制御により結晶粒成長度も制御できるた
め、(111)面の集積度もおさえることが可能であ
ろうとの推定より実験を行い確認をした。第5図
に実験での誘導加熱焼鈍サイクルパターンを示
す。 結晶粒の成長は、誘導加熱法の利点を活かす範
囲内の時間(一応60分以内)では720℃以上で起
こることをあらかじめ確認した。そこで、鉄心温
度が720℃以上におかれる時間(第5図Tm)と
磁束密度の関係について実験した一例を第6図に
示す。800℃以上の温度では材料によつて多少の
差はあるが、10〜15分以上の時間で磁束密度は低
下する。図中供試材1はあらかじめ(100)面
(磁化容易軸〔001〕を含む)の集積度を上げたも
の、供試材2は一般的材料(例えばS30)であ
る。Tmが温度T(℃)によつて変化することを
示したのが第7図である。以上の結果から、磁束
密度低下を最小限におさえる時間は、鉄心温度
(T℃)の関数として(1)式に示す。 Tm=−0.385・T+318 ……(1) 本発明の一実施例として、最高温度800℃Tm
=5分、加熱5分、冷却(200℃まで)45分のと
きの磁化特性を第8図に示し、鉄損特性を第9図
に示す。なお、第8図、第9図において、Aは焼
鈍前の特性、Bは本発明による特性、Cは従来法
による特性を示すものである。また、供試材は
JIS−C2554「小形電動機用磁性鋼帯」のS40相当
のものである。一般的に使用される磁束密度1.2
〜1.7Tでは、従来法よりすぐれている。また、
鉄損特性では、1.3〜1.4T以下では従来法が若干
良いが、それ以上の磁束密度ではむしろ本発明の
方が低い。この磁気特性の鉄心にてコンデンサモ
ータ2P、150Wを試作し特性を測定した。その結
果を下表に示す。本発明の実施例では、磁束密度
が従来法より高いため、励磁電流が減少して、一
次銅損が低下し、さらに、鉄損においても減少し
ている。これは、このモータが比較的磁束密度が
高い(1.5〜1.7T)ため、本発明の効果がより大
きく出ているものであるが、本発明の有効性を明
らかにするものである。
【表】
第10図に、第8図、第9図に示したものの金
属組織を示す。なお、第10図において、aは焼
鈍前の、bは本発明の、cは従来法の供試材の金
属組織を示す。図示する如く、焼鈍前に比較して
若干結晶粒が成長しているが、従来法と比較する
と明らかに結晶粒径は小さい。 発明の効果 以上説明したごとく本発明によれば、特殊な設
備によらず、Si含有量が1.5wt%以下の安価な電
磁鋼板により磁気特性のすぐれた鉄心を供給する
ことが可能であり、高効率化ニーズの対応に大変
有利である。尚、本発明の鉄心温度の上限を850
℃としたのは、それ以上の高温では、電気鉄板の
表面にある層間絶縁皮膜が著しく劣化し、場合に
よつては剥離することもあるためである。 また、最低温度を750℃としたのは、それ以下
の温度では十分な磁気特性を得るために必要な時
間が20分以上と長くなり、本発明の焼鈍の特徴で
ある短時間処理の利点が減ずるためである。
属組織を示す。なお、第10図において、aは焼
鈍前の、bは本発明の、cは従来法の供試材の金
属組織を示す。図示する如く、焼鈍前に比較して
若干結晶粒が成長しているが、従来法と比較する
と明らかに結晶粒径は小さい。 発明の効果 以上説明したごとく本発明によれば、特殊な設
備によらず、Si含有量が1.5wt%以下の安価な電
磁鋼板により磁気特性のすぐれた鉄心を供給する
ことが可能であり、高効率化ニーズの対応に大変
有利である。尚、本発明の鉄心温度の上限を850
℃としたのは、それ以上の高温では、電気鉄板の
表面にある層間絶縁皮膜が著しく劣化し、場合に
よつては剥離することもあるためである。 また、最低温度を750℃としたのは、それ以下
の温度では十分な磁気特性を得るために必要な時
間が20分以上と長くなり、本発明の焼鈍の特徴で
ある短時間処理の利点が減ずるためである。
第1図はSi含有量の多いS18クラスの珪素鋼板
とSi含有量の少ないS40クラスの電磁鋼板の磁化
特性の比較を示す図、第2図は同様に鉄損特性の
比較を示す図、第3図は従来法による焼鈍のサイ
クルパターンを示す図、第4図は従来法による焼
鈍前後の磁化特性の一例を示す図、第5図は本発
明にかかる誘導加熱焼鈍実験のサイクルパターン
を示す図、第6図は同実験結果の一例で鉄心温度
(T℃)が800℃以上の時間Tm(分)と磁束密度
の関係を示す図、第7図は同実験結果の一例で磁
束密度が低下しない鉄心温度(T℃)と時間
(Tm分)の関係を示す図、第8図は本発明の実
施例と従来法との磁化特性の比較を示す図、第9
図は本発明の実施例と従来法との鉄損特性の比較
を示す図、第10図a,b,cは同比較に用いる
供試材の金属組織を示す顕微鏡写真である。
とSi含有量の少ないS40クラスの電磁鋼板の磁化
特性の比較を示す図、第2図は同様に鉄損特性の
比較を示す図、第3図は従来法による焼鈍のサイ
クルパターンを示す図、第4図は従来法による焼
鈍前後の磁化特性の一例を示す図、第5図は本発
明にかかる誘導加熱焼鈍実験のサイクルパターン
を示す図、第6図は同実験結果の一例で鉄心温度
(T℃)が800℃以上の時間Tm(分)と磁束密度
の関係を示す図、第7図は同実験結果の一例で磁
束密度が低下しない鉄心温度(T℃)と時間
(Tm分)の関係を示す図、第8図は本発明の実
施例と従来法との磁化特性の比較を示す図、第9
図は本発明の実施例と従来法との鉄損特性の比較
を示す図、第10図a,b,cは同比較に用いる
供試材の金属組織を示す顕微鏡写真である。
Claims (1)
- 1 Si含有量が1.5wt%以下の電磁鋼板を使用し
た鉄心を誘導加熱による焼鈍するに際し、鉄心の
温度Tが、720℃以上におかれる時間が、鉄心の
最高温度750℃〜850℃の任意の温度をT℃とした
時、−0.385×T+318(分)を超えないようにした
電気機器用鉄心の焼鈍方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21220182A JPS59123719A (ja) | 1982-12-02 | 1982-12-02 | 電気機器用鉄心の焼鈍方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21220182A JPS59123719A (ja) | 1982-12-02 | 1982-12-02 | 電気機器用鉄心の焼鈍方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59123719A JPS59123719A (ja) | 1984-07-17 |
JPH0313294B2 true JPH0313294B2 (ja) | 1991-02-22 |
Family
ID=16618589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21220182A Granted JPS59123719A (ja) | 1982-12-02 | 1982-12-02 | 電気機器用鉄心の焼鈍方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59123719A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10370733B2 (en) | 2012-01-25 | 2019-08-06 | Nippon Steel Corporation | Method of annealing metal member |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5757829A (en) * | 1980-09-22 | 1982-04-07 | Kawasaki Steel Corp | Production of non-directional electromagnetic steel |
-
1982
- 1982-12-02 JP JP21220182A patent/JPS59123719A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5757829A (en) * | 1980-09-22 | 1982-04-07 | Kawasaki Steel Corp | Production of non-directional electromagnetic steel |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59123719A (ja) | 1984-07-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI623629B (zh) | 無方向性電磁鋼板及無方向性電磁鋼板的製造方法 | |
EP3604565A1 (en) | Laser-etched grain-oriented silicon steel resistant to stress relief/annealing and manufacturing method therefor | |
JPH0777167B2 (ja) | 磁心部品 | |
JPS59100222A (ja) | 電気鋼の局部熱処理法 | |
KR930001948B1 (ko) | 무방향성 전기강 스트립 제조방법 | |
JPH0313294B2 (ja) | ||
KR19990076747A (ko) | 분포 갭 전기초크 | |
US3144363A (en) | Process for producing oriented silicon steel and the product thereof | |
WO2019220770A1 (ja) | モータ | |
US2227156A (en) | Treatment of electrical apparatus | |
JPS59222525A (ja) | 電気機器用鉄心素材の焼鈍方法 | |
JP5131747B2 (ja) | 二方向性電磁鋼板の製造方法 | |
JPH0552652B2 (ja) | ||
JPH11340030A (ja) | 高性能鉄心 | |
JPH11341749A (ja) | 鉄心の磁界中焼鈍方法 | |
JPS61147816A (ja) | アモルフアス鉄心の焼鈍方法 | |
JPS6345318A (ja) | 非晶質合金の部分断熱焼鈍方法 | |
JPH0133535B2 (ja) | ||
US3764381A (en) | Magnetic steel process | |
JPS61179507A (ja) | 鉄心の製造方法 | |
Godec | Effect of various stress-relief annealing treatments on permeability and aging of grain-oriented electrical steel strips | |
JPH0552653B2 (ja) | ||
JPH0559177B2 (ja) | ||
KR100544751B1 (ko) | 무방향성전기강판의 자장열처리방법 | |
KR100544750B1 (ko) | 무방향성전기강판의 자장열처리방법 |