JPH031282Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はデイーゼルエンジン等の内燃機関を
搭載した車両に使用される暖房ヒータへの冷却水
供給制御装置に関するものである。

［従来の技術］ 一般に、外気温が低い場合、アイドリングや軽
負荷時に、燃料噴射量が少なく、又は燃焼効率を
上げて行くと、冷却水中への熱損失が少なくな
り、従つてこの冷却水を利用した車両の室内暖房
用ヒータの効きが悪化する等の問題がある。

この問題を解決するための従来のこの種の冷却
水供給制御装置は、暖房用のヒータの効率を上げ
るとか、又はアイドル時の燃料噴射量を増して熱
量確保に努める等の方法がとられている。

しかし、前記従来の装置では、前記ヒータの効
率を上げる場合にある程度の限度があり、また燃
料噴射量を増加する方法では、燃料の消費量が増
加する等の問題がある。

［問題点を解決するための手段］ この考案は以上に述べた事情に鑑みなされたも
ので、その概要は、内燃機関の冷却水の出口側に
連結される管路が、第１のアクチユエータによつ
て切り換え操作される切換手段を介して、暖房用
ヒータが介在される分岐管路、ラジエータが介在
される分岐管路及び直接的に連通される分岐管路
に互いに並列的に分岐され、これらの分岐管路が
ポンプ手段に連通され、このポンプ手段は前記内
燃機関の入口側に連通され、前記内燃機関の吸入
管路又は排出管路の少なくとも一方に第２のアク
チユエータによつて開閉操作されるコントロール
手段が介在され、前記内燃機関に燃料を供給する
燃料供給手段が第３のアクチユエータによつて調
節操作され、前記内燃機関及びこの内燃機関を搭
載した車両の運転条件等の特性値が入力されるコ
ントローラによつて前記第１から第３のそれぞれ
のアクチユエータが制御されてなることにより、
燃料消費量をそれほど増加せずに、かつ容易に暖
房用ヒータの温度調節をすることができる暖房ヒ
ータへの冷却水供給制御装置を提供することにあ
る。

［実施例］ 以下添付図面に従つてこの考案の暖房ヒータへ
の冷却水供給制御装置を説明する。

第１図はこの考案による装置を施した車両の機
関の概略配管図で、図面中、１は例えばデイーゼ
ルエンジンとされる内燃機関で、内燃機関１の冷
却水が流通される部分の出口１ａに管路２の一端
部が連通され、管路２の他端部は第１のアクチユ
エータ３により切り換え操作がなされる切換手段
であるコントロールバルブ４に連通される。コン
トロールバルブ４からはそれぞれ独立して切り換
え操作される３組の分岐管路５，６，７が延長さ
れ、分岐管路５にはこの車両の暖房用のヒータ８
が介在され、また分岐管路６はラジエータ９が介
在され、残りの分岐管路７は直接的にそれぞれポ
ンプ手段であるポンプ１０に連通される。ポンプ
１０は内燃機関１の冷却水が流通される部分の入
口１ｂに連通される。

また、内燃機関１の吸気マニホールド１１に連
通される吸気管路１２又は排気マニホールド１３
に連通される排気管路１４の少なくともいずれか
一方に第２のアクチユエータ１５又は１６により
開閉操作されるコントロール手段であるコントロ
ールバルブ１７又は１８が介在される（図面では
吸気管路１２及び排気管路１４の両方にコントロ
ールバルブ１７及び１８が介在される）。更に、
内燃機関１の噴射ノズル１ｃに燃料を圧送するポ
ンプ手段である噴射ポンプ１９の燃料圧送量を調
節しうるレバー１９ａが第３のアクチユエータ２
０によつて操作可能とされる。

また、第２図にこの考案の装置のブロツク線図
を示すように、前記それぞれのアクチユエータ
３，１５及び１６，２０は、内燃機関１の回転
数、ある時間内の内燃機関１の回転数、外気温、
内燃機関の負荷、燃料噴射量、内燃機関１内の冷
却水の温度等の特性値が入力されて数値処理され
るコンピユータよりなるコントローラ２１によつ
て、それぞれ独立に操作される。

［作用］ この考案による装置は以上に述べたようである
から、以下に述べるような作用をなす。

(1) 前記吸気管路１２又は排気管路１４に介在さ
れたコントロールバルブ１７，１８を開閉操作
するアクチユエータ１５，１６によつて閉方向
に操作すると、吸気又は排気抵抗が増し、負荷
が増加されることによつて、燃焼温度が上昇
し、冷却水の温度が上昇する。

(2) 前記ヒータ８による放熱で冷却水の冷却がま
かなえる条件下では、バルブの切換操作によつ
て、ヒータ方向にのみ冷却水を流通し、ラジエ
ータ方向には流通しないようにすることが可能
である。

(3) ヒータによる放熱だけではその冷却がまかな
えない場合には、バルブの操作によつて、ヒー
タ８に必要量の冷却水を流し、残りをラジエー
タ方向に流すようにすることも可能である。

(4) 前記内燃機関の負荷を増した割合に応じて、
必要冷却水損失熱量になるように、アクチユエ
ータによつてレバーを操作することにより、調
節することができる。

(5) 前記アクチユエータとコントローラによつて
操作することにより、最適なヒータへの冷却水
熱量をうることができる。

［考案の効果］ この考案の装置は、以上に述べたようであるか
ら、前記従来の装置の問題点を解消することがで
きるとともに、容易にヒータへの冷却水の熱量を
制御することができる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による装置を施した車両の機
関の概略配管図、第２図はこの考案の装置のブロ
ツク線図である。 なお図面において、１……内燃機関、２……管
路、３……第１のアクチユエータ、４……切換手
段（コントロールバルブ）、５，６，７……分岐
管路、８……暖房用ヒータ、９……ラジエータ、
１０……ポンプ手段（ポンプ）、１２……吸気管
路、１４……排気管路、１７，１８……コントロ
ール手段（コントロールバルブ）、１５，１６…
…第２のアクチユエータ、１９……噴射ポンプ、
２０……第３のアクチユエータ、２１……コント
ローラ、である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 内燃機関の冷却水の出口側に連結される管路
   が、第１のアクチユエータによつて切り換え操
   作される切換手段を介して、暖房用ヒータが介
   在される分岐管路、ラジエータが介在される分
   岐管路及び直接的に連通される分岐管路に互い
   に並列的に分岐され、これらの分岐管路がポン
   プ手段に連通され、このポンプ手段は前記内燃
   機関の入口側に連通され、前記内燃機関の吸入
   管路又は排出管路の少なくとも一方に第２のア
   クチユエータによつて開閉操作されるコントロ
   ール手段が介在され、前記内燃機関に燃料を供
   給する燃料供給手段が第３のアクチユエータに
   よつて調節操作され、前記内燃機関及びこの内
   燃機関を搭載した車両の運転条件等の特性値が
   入力されるコントローラによつて前記第１から
   第３のそれぞれのアクチユエータが制御されて
   なる暖房ヒータへの冷却水供給制御装置。 ２ 前記第１から第３のアクチユエータがそれぞ
   れ独立に前記コントローラによつて制御されて
   なる実用新案登録請求の範囲第１項記載の暖房
   ヒータへの冷却水供給制御装置。