JPH0312667Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は蓋と本体からなる木板製の筐体に係
り、特に蓋または本体をなす木板内に光を検知す
ることによつて作動する音声発生装置をその所在
が分からないように封入して、蓋体を開けたとき
に所定の音声が流れるようにすると共に、音声発
生装置を封じ込めた木板が一種の増音共鳴体とな
つて良好なる音量及び音質が得られるようになし
た木板製蓋付筐体に関するものである。

発振回路、発音器、電池及び光検知スイツチを
薄板上に配設結線した小型の音声発生装置は既に
公知であるが、本考案はこの音声発生装置を木板
製の蓋付筐体に応用したものに係り、音声発生装
置の所在が封入した木板の木目によつて一切分か
らないようにすると共に、木質内に設けた空間に
音声発生装置を封入することによつて従来にない
音量と音質が得られるように構成した木板製蓋付
筐体を提供することを目的とするものである。

本考案を詳述すれば、内部に収納室を形成した
上面開口の本体と、この本体の上面開口に開閉自
在に取付ける蓋体とからなる木板製の筐体におい
て、当該筐体を組み立てる前の蓋体または本体を
なす木板を木目とほぼ平行するようにして二つ割
りに切断すると共に、当該切断端面の適所に収納
室側の板厚が薄くなるように偏心させて凹溝を凹
設し、この凹溝内に光を検知することによつて音
を発する音声発生装置を挿着して前記切断端面同
志を突き合わせ、接着等の手段で一体化したこと
を特徴とする木板製蓋付筐体、である。

以下、本考案の具体的構成を図示の実施例に基
づき詳細に説明する。

第４図は音声発生装置の一例を示す平面図であ
り、図中１は一定の照度を検知するリードセンサ
ーによつてON−OFFを繰り返す光検知スイツ
チ、２はたとえばトランジスタによるマルチバイ
ブレータあるいは弛張発振回路等で構成した発振
回路であり、当該発振回路２は集積回路化するこ
とによつて小型且つ薄形状とすることができるも
のである。そして、この発振回路２の発振周波数
や発振間隔を調整したり、あるいは異なる発振周
波数、発振間隔の数種類の発振音を合成したりす
ることによつて一定の旋律をつくり出したりする
こともできるものである。３はたとえば圧電形セ
ラミツク発音体のような薄手の発音体よりなる発
音器、また４は薄形の電池を示す。これら光検知
スイツチ１、発振回路２、発音器３及び電池４
は、たとえば合成樹脂製の薄板５上にそれぞれ配
設結線され、音声発生装置６が構成される。

そして、光検知スイツチ１に一定の照度が加わ
るとON状態となり、発振回路２が作動して発音
器３から所定時間、所定の音声を生ずるものであ
る。

第１図は、前記した音声発生装置６を封入する
木板製の筐体の一例を示すものであり、当該筐体
は内部に収納室７を形成した上面開口の本体８
と、この本体８の上面開口に開閉自在に取付ける
蓋体９とから構成される。なお、筐体の形状や大
きさ、また蓋体の取付構造は本考案の実施にとつ
て特に重要ではなく、公知のものを以つて任意に
設計変更が可能である。

そして、前記筐体を組み立てる前の本体８また
は蓋体９をなす木板を、第３図に示すように、木
目１０とほぼ平行するようにして二つ割りに切断
すると共に、当該切断端面１１，１１の適所に凹
溝１２，１２を凹設する。なお、凹溝１２の凹設
にあたつては、組み立て後に収納室７側となる板
厚１３が外側となる板厚１４よりも薄くなるよう
に、すなわち、板厚１３＜板厚１４の関係となる
ように偏心させて凹設するものである。

この凹溝１２は、音声発生装置６を挿着するの
に充分な大きさをもつたもので、第２図に示すよ
うに、音声発生装置６の薄板５を凹溝１２内に挟
着させるようにしてもよいし、あるいは接着剤を
薄板５の裏面に塗布して凹溝１２の内壁に音声発
生装置６を接着固定するようにしてもよい。

そして、凹溝１２内に音声発生装置６を挿着し
てから、蓋体９または本体８をなす木板の切断端
面１１，１１同志を突き合わせて接着等の手段で
一体化する。なお、音声発生装置６を封入するの
は本体８をなす木板でもよいが、収納室７内に物
を容れると光が遮断されるおそれがあるので、蓋
体９をなす木板内に凹溝を設け、ここに音声発生
装置６を封入するようにした方がより好ましい結
果となる。また、木板内に音声発生装置６を封入
するにあたつては、光検知スイツチ１が凹溝１２
内において木板の薄手な板厚１３側にくるように
配置するのはいうまでもない。なお、音声発生装
置６を封入した凹溝１２内には、音声発生装置６
の廻りに空間１５が得られるものである。

本考案木板製蓋付筐体は、以上のような構成か
らなり、筐体の蓋体９を開けると薄手な板厚１３
を透過して一定の照度が光検知スイツチ１に加わ
り、前記したように発音器３から所定時間、所定
の音声を発するものであり、蓋体９を閉じれば音
声は遮断されるものである。

従つて、きわめて興味深い木板製蓋付筐体が得
られると共に、筐体を構成する木板の木目によつ
て切断箇所が不明となり、音声発生装置の所在が
外側からは一切分からなくなつて一層趣味深い筐
体を提供することができるものである。

なお、音声発生装置６に組み込まれる電池４に
よつて得られるのはきわめて低い電圧であり、圧
電ブザー等からなる発音器３の音量にも限界があ
るので、これを応用する対象物の種類によつては
音が微弱すぎて音声効果が充分発揮できず、興味
が半減するという欠点があつたが、本考案は木板
内に凹溝を設け、この凹溝内に音声発生装置を封
入してあるので、凹溝内の前記空間と相俟つて木
板が一種の増音共鳴体としての作用をなし、従来
にない音量が得られると共に、元来金属音に近い
音質であつたものが、凹溝内の空間によつて改質
され良好な音質となり、きわめて良好な音を生ず
る蓋付筐体を提供することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案木板製蓋付筐体の一実施例を示
す斜視図、第２図は第１図の−線に沿う断面
図、第３図は蓋体または本体をなす木板を二つ割
りにした状態の斜視図、第４図は音声発生装置の
一実施例を示す平面図である。 １：光検知スイツチ、２：発振回路、３：発音
器、４：電池、５：薄板、６：音声発生装置、
７：収納室、８：本体、９：蓋体、１０：木目、
１１：切断端面、１２：凹溝、１３：板厚、１
４：板厚、１５：空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に収納室を形成した上面開口の本体と、こ
   の本体の上面開口に開閉自在に取付ける蓋体とか
   らなる木板製の筐体において、当該筐体を組み立
   てる前の蓋体または本体をなす木板を木目とほぼ
   平行するようにして二つ割りに切断すると共に、
   当該切断端面の適所に収納室側の板厚が薄くなる
   ように偏心させて凹溝を凹設し、この凹溝内に光
   を検知することによつて音を発する音声発生装置
   を挿着して前記切断端面同志を突き合わせ、接着
   等の手段で一体化したことを特徴とする木板製蓋
   付筐体。