JPH0312589Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、乗員が楽な姿勢をとれるように、肘
を載せることのできる肘当てプレートを備えた自
動車のアームレストに関する。

従来技術 従来使用されている自動車のアームレストにお
いては、その肘当てプレートがドアの車室側面か
ら突出した状態で固設されているので、アームレ
ストの近傍に位置する座席に３人掛けした場合、
身体が肘当てプレートに当つて窮屈であり、また
スライド式ドアの場合や、バン型車のようにリヤ
シートのシートバツクを前に倒して使うときに
は、肘当てプレートが邪魔になるため、アームレ
ストを付設できない場合があつた。

こうした問題を解決することを目的として、ド
アの車室側面に形成された収納凹部内に肘当てプ
レートを収納可能とした格納式アームレストが提
案されている。ところが従来提案されている格納
式アームレストにおいては、肘当てプレートの基
端部がドアに枢着され、肘当てプレートの車室側
に突出した端部に折畳み可能に支持部材の一端が
枢着され、ドアに形成された収納凹部の入口付近
下端に支持部材の他端を係止した状態で肘当てプ
レートを使用時の位置に保持し、格納時は支持部
材の係止を外し、支持部材を枢着部を中心として
肘当てプレート裏面に重なるように折畳み、次い
で肘当てプレートを下方へ回動し、収納凹部に係
止するような構造になつているため、使用状態か
ら収納状態に、又はその逆に切換わる場合の操作
が面倒である欠点を免れなかつた。

目 的 本考案は、従来の格納式アームレストの上記の
欠点を解消し、使用状態と格納状態との間の切換
え動作が簡単な、自動車の格納式アームレストを
提供することを目的とする。

構 成 本考案は、上記の目的を達成するため、ドアの
車内側面に形成された収納凹部と、該凹部の下端
部に基端側が枢着されていて、当該収納凹部に収
納されたほぼ垂直姿勢の格納位置と、車内側へ傾
いた使用位置との間を回動可能であつて、前記収
納凹部の深さとほぼ等しい厚さを有する支持部材
と、該支持部材の自由端側に一端を枢着されてい
て、前記収納凹部に収納されたほぼ垂直姿勢の格
納位置と、ほぼ水平な姿勢の使用位置との間を傾
動可能であつて、前記収納凹部の深さとほぼ等し
い厚さを有する肘当てプレートと、該肘当てプレ
ートの上部に固設されたガイドピンと、前記収納
凹部を区画する壁部に、上下方向に長く形成され
ていて、前記ガイドピンが摺動可能に嵌合し、か
つ前記肘当てプレートが使用位置に占めたとき、
前記ガイドピンが当接する下端部を有するガイド
スロツトと、該ガイドスロツトの上端に連通して
形成され、該スロツトに対してほぼ水平な方向に
突出していて、前記肘当てプレートが格納位置を
占めたとき、前記ガイドピンが係合して肘当てプ
レートを格納位置に保持させるピン係止部とを具
備して成る格納式アームレストを提案する。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基いて詳細に説
明する。

第１図は、本考案の格納式アームレスト４の使
用時の状態を示し、第２図は格納時の状態を示
す。

自動車のドアの第１図には示していないインナ
パネル車内側面にはドアトリム１が設けられ、こ
のドアトリム１のアームレスト４の近傍はオーナ
メントを兼ねて車室側に膨出部２が形成されてお
り、これら膨出部２の間に収納凹部３が形成され
ている。このようにドアの車内側面に収納凹部３
が形成されているのである。

上記収納凹部３の下端部には支持部材６の基端
側が枢着され、該支持部材６は第２図に示す如く
収納凹部３に収納されたほぼ垂直姿勢の格納位置
と、第１図に示すように車内側へ傾いた使用位置
との間を回動可能となつている。すなわち第１図
乃至第４図に示す如く、ドアトリム１に形成され
た収納凹部３の前後端壁部の表皮１２とボード１
３の内側にガイド部材９が設けられ、これら表皮
１２、ボード１３及びガイド部材９の下端部に形
成された貫通孔１０に、支持部材６の下端部の前
後端面に固設されたピン１４が回転可能に嵌合
し、支持部材６がピン１４を中心として回動可能
となつている。ピン１４はその先端の拡大頭部に
より貫通孔１０から抜け出ることが阻止される。

上記支持部材６の自由端側には肘当てプレート
５の一端が蝶番７によつて枢着され、該プレート
５は第２図に示す如く収納凹部３に使納されたほ
ぼ垂直姿勢の格納位置と、第１図に示したように
ほぼ水平な使用位置との間を傾動する。肘当てプ
レート５の長手方向中央部には、乗員が指を掛け
る凹部８が形成されている。

収納凹部３を区画する壁部には、上下方向に長
く延びるガイドスロツト１１が形成され、このス
ロツト１１に、肘当てプレート５の上部に固設さ
れたガイドピン１５が摺動可能に嵌合している。
すなわち、収納凹部３の前後端壁部の表皮１２と
ボード１３の内側に配置されたガイド部材９は、
収納凹部３の概ね全高に亘つて延び、これら表皮
１２、ボード１３及びガイド部材９に、上下に延
びるガイドスロツト１１が形成されていて、肘当
てプレート５の上部の前後端面に突設されたガイ
ドピン１５がガイドスロツト１１に摺動可能に嵌
合しているのである。この場合もガイドピン１５
の先端の拡大頭部によつてピン１５がスロツト１
１から抜け出ることが防止される。

第１図に示すように肘当てプレート５と支持部
材６が使用位置にあるとき、肘当てプレート５は
前述の如くほぼ水平な姿勢を占め、このときガイ
ドピン１５はガイドスロツト１１の下端部に当接
し、よつて肘当てプレート５と支持部材６はその
使用位置に保持される。このようにして車内の乗
員は肘当てプレート５の上に肘を載せ、楽な姿勢
をとることができる。

肘当てプレート５が不要なときは、使用位置に
ある肘当てプレート５の凹部８に指を掛けてこれ
を上方に引上げる。このときガイドピン１５がガ
イドスロツト１１に沿つて上昇するので、支持部
材６の自由端側を蝶番７を介して上方に引き上げ
られ、支持部材６はその基端側のピン１０を中心
としてドアに接近する向きに回動し、遂には第２
図に示すように肘当てプレート５と支持部材６が
収納凹部３に収められ、これらがほぼ垂直姿勢の
格納位置を占める。

このとき、第２図及び第３図から判るように、
肘当てプレート５と支持部材６の厚さが、収納凹
部３の深さとほぼ等しく設定されているため、肘
当てプレート５と支持部材６の表面は、ドアの車
内側面、この例ではドアトリム１の膨出部２の表
面と平行でほぼ面一状態となる。これにより乗員
が座席に３人掛けしたときも身体が肘当てプレー
ト５に当つて窮屈となることはない。またスライ
ド式ドアや前傾するシートクツシヨンを備えた座
席の場合にも支障なくアームレスト４を採用する
ことができる。

ところで第１図及び第４図から明らかなよう
に、ガイドスロツト１１の上端にはピン係止部１
１ａが該スロツト１１に連続して形成されてい
る。すなわち、このピン係止部１１ａは、ガイド
スロツト１１の上端に連通し、該スロツト１１に
対してほぼ水平な方向に突出している。前述のよ
うに肘当てプレート５を格納位置にもたらすと、
ガイドピン１５がピン係止部１１ａに係合する。
このため、肘当てプレート５と支持部材６はその
格納位置に保持される。

この格納状態から肘当てプレート５を再び使用
位置にもたらす場合には、肘当てプレート５の凹
部８に指を掛けてこれを手前側に引き、ガイドピ
ン１５を係止部１１ａから離脱させ、次いで肘当
てプレート５を第４図において時計方向にまわし
気味にして、下方に引下げることにより、ガイド
ピン１５をガイドスロツト１１の下端部に当接さ
せる。これにより肘当てプレート５はその上面が
肘を掛けるのに適した位置及び姿勢に位置決めさ
れ保持される。

上記実施例ではガイドピンを案内するガイドス
ロツト１１を、収納凹部３の壁部を貫通する孔に
より構成したが、溝より成るガイドスロツトとし
てもよいことは当然である。

効 果 以上の如く、本考案によれば、肘当てプレート
を格納位置と使用位置に切換えるとき、肘当てプ
レートを引上げてガイドピンをピン係止部に係合
させるか、逆にガイドピンをピン係止部から離脱
させて引下げるだけのワンタツチで可能であり、
その操作が至つて簡単である。また格納状態にお
いて、肘当てプレートと支持部材がドアの車室側
面とほぼ面一となるので見ばえを損なうことはな
い。さらにスライド式ドアの場合やリヤシートの
シートバツクを倒して使用する場合にも、肘当て
プレートや支持部材を簡単にドアトリムの収納凹
部に格納できるので、これらが邪魔になることは
ない。さらに肘当てプレートを格納したとき、ガ
イドピンがピン係止部に係合して該プレートを保
持できるので、自動車走行時の振動によつて肘当
てプレートが格納位置から使用位置へ移動する不
具合を阻止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるアームレストの使用状態
を示す斜視図、第２図はその格納状態を示す斜視
図、第３図はその端部付近の水平断面図、第４図
はその垂直断面図である。 ３……収納凹部、４……格納式アームレスト、
５……肘当てプレート、６……支持部材、１１…
…ガイドスロツト、１１ａ……係止部、１５……
ガイドピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドアの車内側面に形成された収納凹部３と、該
   凹部３の下端部に基端側が枢着されていて、当該
   収納凹部３に収納されたほぼ垂直姿勢の格納位置
   と、車内側へ傾いた使用位置との間を回動可能で
   あつて、前記収納凹部３の深さとほぼ等しい厚さ
   を有する支持部材６と、 該支持部材６の自由端側に一端を枢着されてい
   て、前記収納凹部３に収納されたほぼ垂直姿勢の
   格納位置と、ほぼ水平な姿勢の使用位置との間を
   傾動可能であつて、前記収納凹部３の深さとほぼ
   等しい厚さを有する肘当てプレート５と、 該肘当てプレート５の上部に固設されたガイド
   ピン１５と、 前記収納凹部３を区画する壁部に、上下方向に
   長く形成されていて、前記ガイドピン１５が摺動
   可能に嵌合し、かつ前記肘当てプレート５が使用
   位置を占めたとき、前記ガイドピン１５が当接す
   る下端部を有するガイドスロツト１１と、 該ガイドスロツト１１の上端に連通して形成さ
   れ、該スロツト１１に対してほぼ水平な方向に突
   出していて、前記肘当てプレート５が格納位置を
   占めたとき、前記ガイドピン１５が係合して肘当
   てプレート５を格納位置に保持させるピン係止部
   １１ａとを具備して成る格納式アームレスト。