JPH0312572Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車のスライデイングルーフ装置に
おけるスライデイングルーフ移動用モータの収納
構造に関する。

（従来の技術） ルーフ開口部の開閉を行なわしめるようスライ
デイングルーフを前後動させ、ルーフ開口部の開
放時にルーフ後部下方へスライデイングルーフを
収納するスライデイングルーフ装置においては、
第２図に概略平面図で示すようにルーフ５１とヘ
ツドライニング５２との間に板状のルーフフレー
ム５３が設けられる。そしてこのルーフフレーム
５３の左右両側上にはスライデイングルーフ５４
を滑動案内するガイドレール５５，５５が取着さ
れ、ガイドレール５５，５５には夫々スライデイ
ングルーフ５４に取着されたステイ５６が滑動自
在に係合される。従つてルーフフレーム５３はス
ライデイングルーフ５４の荷重を支えると共に、
ガイドレール５５の取付部材として、更にはルー
フ開口部５７の開放時におけるスライデイングル
ーフ５４の収納スペースを確保する部材としての
役目を果している。

一方、スライデイングルーフ５４は一般にガイ
ドレール５５内に挿通されステイ５６に結合され
たボーデンワイヤ６１等の前後動により前後滑動
し、ガイドレール５５に固着された左右のストツ
パ６２，６２等によりスライデイングルーフ５４
の後退限６３は規制される。そしてポーデンワイ
ヤ６１の駆動用モータ６４等を備えるスライデイ
ングルーフ５４の駆動装置６５は、特にモータ６
４の上下スペース上ルーフフレーム５３の後方に
収納されている。

（考案が解決しようとする問題点） そのため従来においては、スライデイングルー
フ後退限６３よりも後方におけるルーフフレーム
５３の箇所６６は何ら利用されずデツドスペース
となつている。従つてこのデツドスペース６６を
有効に利用しこのスペース６６内にモータ６４等
を収納するようにすれば、ルーフフレーム５３前
端から駆動装置６５後端までの距離Ｌを短縮で
き、或いは距離Ｌを一定としてストツパ６２，６
２を後退させ、ルーフ開口部５７の開口面積を大
きくすることも可能となる。

本考案は前記事情に鑑み案出されたものであつ
て、本考案の目的とする処は、ルーフフレーム後
部箇所のデツドスペースを有効に利用し、該箇所
に駆動モータを収納して、スライデイングルーフ
装置全長を短縮化し、或いはスライデイングルー
フ装置全長を従来と同じくしてルーフ開口面積を
大ならしめ、スライデイングルーフ装置の実用性
を高めるにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記目的を達成するため、ルーフフレ
ームの後部に左右のガイドレール間で少なくとも
スライデイングルーフの後退限よりも後方で欠部
を後方に向けて開放状に形成し、この欠部にスラ
イデイングルーフを駆動するモータを配置し、ス
ライデイングルーフ後退限よりも後方におけるル
ーフフレーム箇所のデツドスペースを有効に利用
したことを特徴とする。

（実施例） 以下本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
説明する。

第１図はスライデイングルーフ装置の概略平面
図を示す。

１はルーフ、１ａはルーフ前部、１ｂはルーフ
後部、２はルーフ開口部、３はルーフ開口部２の
開閉を自在としたスライデイングルーフである。
ルーフ１とヘツドライニング４の間には板状のル
ーフフレーム５を配設し、ルーフフレーム５には
スライデイングルーフ開放時に車室内を大気に開
放するようにルーフ開口部２に対応させて開口６
を設ける。ルーフフレーム５の左右両側上には
夫々ガイドレール１１，１１を取付け、スライデ
イングルーフ３の左右両側に夫々取着されたステ
イ１２をガイドレール１１に滑動自在に係合し、
ルーフ開口部２の開放時にスライデイングルーフ
３をルーフ後部１ｂの下方に収納する。

スライデイングルーフ３を前後移動すべくボー
デンワイヤ１３，１３の一端は夫々ガイドレール
１１内に挿通させて前記ステイ１２と結合する。
他端はルーフ後部１ｂ下方に配設され駆動装置１
４を構成するモータ１５に夫々結合し、モータ１
５の駆動によりボーデンワイヤ１３を介しスライ
デイングルーフ３を前後滑動させ、ルーフ開口部
２の開閉を行なう。

スライデイングルーフ３の後退限２１は左右の
ガイドレール１１に夫々設けたストツパ２２によ
り規制し、左右のガイドレール１１，１１間でル
ーフフレーム５後端を欠設して欠部２３を設け
る。図中明らかなように、この欠部２３は、前縁
がスライデイングルーフ後退限２１よりも後方で
かつガイドレール１１の後端部よりも前方に位置
し、後方に向つて開放されている。そしてモータ
１５をこの欠部２３に位置せしめて収納し、従来
と同様にボルト等を介してルーフ下方に取付け
る。

従つて本実施例によれば第１図に仮想線で示す
ように、従来の如くルーフフレーム５後方にモー
タ１５を配設する場合に比べ、欠部２３内にモー
タ１５をずらした距離L₁分だけスライデイング
ルーフ装置の全長Ｌを短縮することができ、スラ
イデイングルーフ装置のコンパクト化を図ること
ができる。

従つてルーフが短い自動車にもスライデイング
ルーフを取付けることも可能となる。

更に、欠部２３内にモータ１５を収納するの
で、スライデイングルーフ装置の全長Ｌを従来装
置の全長と同一にした場合には、ストツパ２２，
２２を後退させてスライデイングルーフ後退限２
１を後方へずらすことができ、従つてスライデイ
ングルーフ３の前後長さを大きくし、ルーフ開口
部２の開口面積を大ならしめることができる。

尚、実施例においては欠部２３を後方に開放す
る如く形状に形成したが、欠部２３の形状は任意
で、要するにモータ１５或いはこれに付随する部
品等が位置し収納される形状であればよい。

（考案の効果） 以上の説明で明らかなように本考案によれば、
スライデイングルーフ装置全長を短縮化して装置
のコンパクト化を図ることができ、或いは従来装
置と全長を同じくしてルーフ開口部の開口面積を
大きくすることができる等の優れた効果を発揮す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るスライデイングルーフ装
置の概略平面図、第２図は従来のスライデイング
ルーフ装置の概略平面図である。 尚図面中１はルーフ、２はルーフ開口部、３は
スライデイングルーフ、５はルーフフレーム、１
１はガイドレール、１２はステイ、１３はボーデ
ンワイヤ、１５はモータ、２３は欠部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ルーフ開口部の開閉を行なうべく前後滑動しレ
   ルーフ後部下方へ収納されるスライデングルーフ
   と、ルーフ開口部の左右両側にスライデイングル
   ーフ滑動用のガイドレールを支持するルーフフレ
   ームと、ルーフ後部下方に配設され伝動されるモ
   ータとを備えるスライデイングルーフ装置におい
   て、 前記ルーフフレームの後部に前記左右両側のガ
   イドレール間で前縁がスライデイングルーフの後
   退限よりも後方でかつ前記ガイドレールの後端部
   よりも前方に位置する欠部を後方に開放状に形成
   し、この欠部に前記モータを配置したことを特徴
   とするスライデイングルーフ装置におけるモータ
   の収納構造。