JPH03125061A - 自動車の動力伝達装置 - Google Patents

自動車の動力伝達装置

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Publication number
JPH03125061A
JPH03125061A JP1260840A JP26084089A JPH03125061A JP H03125061 A JPH03125061 A JP H03125061A JP 1260840 A JP1260840 A JP 1260840A JP 26084089 A JP26084089 A JP 26084089A JP H03125061 A JPH03125061 A JP H03125061A
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JP
Japan
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clutch
lateral acceleration
vehicle
mode
limit value
Prior art date
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Pending
Application number
JP1260840A
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English (en)
Inventor
Keiji Isoda
礒田 桂司
Norio Yuasa
湯浅 寛夫
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、自動車においてエンジンの出力をクラッチを
介して車輪に伝達しうる動力伝達装置に関し、特に、車
両の横加速度に基づいて車両が適切に旋回できるように
該クラッチの接続状態を制御するコントローラをそなえ
た、自動車の動力伝達装置に関する。
[従来の技術] 自動車の駆動状態には、前輪関動状態、後輪湘動状態及
び前後輪駆動状態(所謂四輪駆動状態)があるが、近年
、前輪駆動状態及び四輪駆動状態の自動車が増加してい
る。
このうち四輪駆動状態には、パートタイム四輪駆動とフ
ルタイム四輪駆動とがあり、パートタイム四輪駆動の場
合、運転者が必要に応じてトランスファー等を介して後
輪駆動(又は前輪駆動)と四輪駆動とを切り換えること
ができ、フルタイム四輪駆動の場合、動力が適当に前後
輪に分配され四輪が駆動される。
また、各駆動状態ともに、マニュアルトランスミッショ
ンの場合には、運転者が踏み込むことで動力伝達を遮断
しうる手動操作クラッチ(足踏み式クラッチ)が装備さ
れ、運転者の操作によりエンジンの動力の車輪側への伝
達を遮断できるようになっている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、自動車のステア特性は、上述のような車輪の
駆動状態に依存する。
つまり、自動車のステア特性には、アンダステア特性や
オーバステア特性があるが、車体の旋回操舵時に、前輪
側のタイヤが横方向へ滑りを生じれば、車両の旋回角度
がハンドルの操舵角よりも小さくなって車両がアンダス
テア特性を発揮し、後輪側のタイヤが横方向へ滑りを生
じれば、車両の旋回角度がハンドルの操舵角よりも大き
くなって車両がオーバステア特性を発揮する。
また、タイヤが横滑りするのは、タイヤのグリップ力を
超えるような横力がタイヤに作用した場合であり、駆動
輪側のタイヤには前後方向に駆動力が働きこの駆動力の
ためにタイヤのグリップ力の一部がとられるので、この
分だけ、横力に対向しうるタイヤのグリップ力が減少し
て、タイヤが横滑りし易くなって、コーナリングフォー
スが低下するのである。
したがって、−船釣に、前輪駆動状態の自動車では前輪
側タイヤが横滑りしてアンダステア特性を生じ易く、ま
た、後輪駆動状態の自動車では後輪側タイヤが横滑りし
てオーバステア特性を生じ易い。
そして、このようなアンダステア特性やオーバステア特
性は、車速を増すに従って大きく現れて、強アンダステ
アや強オーバステアとなり、この結果、車両の操舵性能
が急激に低下してしまうという問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みて案出されたもので、
自動車の開動状態を適宜調整することにより、強アンダ
ステアや強オーバステアとならないように制御して、常
に十分な操舵性能が得られるようにした、自動車の動力
伝達装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] このため、請求項(1) ’4こ記載された本発明の自
動車の動力伝達装置は、エンジンの出力をクラッチを介
して車輪に伝達する動力伝達系と、前輪の操舵角δを検
出する操舵角センサと、車両の横加速度GYを検出する
横加速度センサと、上記の各センサからの検出信号に基
づいて該クラッチを制御するコントローラとをそなえ、
該コントローラが、該操舵角センサで検出された操舵角
δに基づいて該操舵角δの関数として算出される車両の
擬似横加速度GY’と該横加速度センサで検出された実
際の横加速度GYとの比である横加速度比λを演算する
演算手段と、車両のステア特性に基づいて予め設定され
た横加速度比の限界値τを記憶する限界値記憶手段と、
該演算手段で算出された横加速度比λと該限界値記憶手
段に記憶された限界値τとを比較する比較手段と、該比
較手段により該横加速度比λが限界値τを超えていると
判定されると該車輪に伝達される動力を低減若しくは遮
断すべく該クラッチの接続状態を制御するクラッチ制御
手段とから構成されていることを特徴としている。
請求項(2)に記載された本発明の自動車の動力伝達装
置は、エンジンの出力をクラッチを介して車輪に伝達す
る動力伝達系と、車輪速から車速Vを検出する車速セン
サと、前輪の操舵角δを検出する操舵角センサと、車両
の横加速度GYを検出する横加速度センサと、上記の各
センサからの検出信号に基づいて該クラッチを制御する
コントローラとをそなえ、該コントローラが、該車速セ
ンサで検出された車速V、該操舵角センサで検出された
操舵角δ及び車両のホイールベースLに基づいて該車速
V及び該操舵角δの関数として算出される車両の擬似横
加速度GYよ=δV”/Lの値と該横加速度センサで検
出された実際の横加速度GYの値との比である横加速度
比λ1を算出する演算手段と、車両のステア特性に基づ
いて予め設定された横加速度比の限界値τを記憶する限
界値記憶手段と、該演算手段で算出された横加速度比λ
、と該限界値記憶手段に記憶された限界値τとを比較す
る比較手段と、該比較手段により横加速度比λ、が限界
値τを超えていると判定されると該車輪に伝達される動
力を低減若しくは遮断すべく該クラッチの接続状態を制
御するクラッチ制御手段とから構成されていることを特
徴としている。
請求項(3)に記載された本発明の自動車の動力伝達装
置は、エンジンの出力をクラッチを介して車輪に伝達す
る動力伝達系と、車両のヨーレイトγを検出するヨーレ
イトセンサと、前輪の操舵角δを検出する操舵角センサ
と、車両の横加速度GYを検出する横加速度センサと、
上記の各センサからの検出信号に基づいて該クラッチを
制御するコントローラとをそなえ、該コントローラが、
該ヨーレイトセンサで検出されたヨーレイトγ。
該操舵角センサで検出された操舵角δ及び車両のホイー
ルベースLに基づいて該ヨーレイトγ及び該操舵角δの
関数として算出される車両の擬似横加速度GYz=γ”
L/δの値と該横加速度センサで検出された実際の横加
速度GYの値との比である横加速度比λ2を算出する演
算手段と、車両のステア特性に基づいて予め設定された
横加速度比の限界値τを記憶する限界値記憶手段と、該
演算手段で算出された横加速度比λ2と該限界値記憶手
段に記憶された限界値τとを比較する比較手段と、該比
較手段により横加速度比λ2が限界値τを超えていると
判定されると該車輪に伝達される動力を低減若しくは遮
断すべく該クラッチの接続状態を制御するクラッチ制御
手段とから構成されていることを特徴としている。
請求項(4)に記載された本発明の自動車の動力伝達装
置は、エンジンの出力を第1クラッチを介して前輪に第
2クラッチを介して後輪にそれぞれ伝達する動力伝達系
と、車輪のスリップ状態を検出するスリップ検出手段と
、動力伝達系の制御モードを選択するモード選択手段と
、車輪速から車速Vを検出する車速センサと、前輪の操
舵角δを検出する操舵角センサと、車両の横加速度GY
を検出する横加速度センサと、該スリップ検出手段から
の検出信号、該モード選択手段からの選択信号及び上記
の各センサからの検出信号に基づいて該第1クラッチ及
び該第2クラッチを制御するコントローラとをそなえ、
該コントローラが、該車速センサで検出された車速V、
該操舵角センサで検出された操舵角δ及び車両のホイー
ルベースLに基づいて該車速■及び該操舵角δの関数と
して算出される車両の擬似横加速度GYi=δV″/L
の値と該横加速度センサで検出された実際の横加速度G
Yの値との比である横加速度比λ、を算出する演算手段
と、車両のステア特性に基づいて予め設定された横加速
度比の限界値τを記憶する限界値記憶手段と、該演算手
段で算出された横加速度比λ1と該限界値記憶手段に記
憶された限界値τとを比較する比較手段と、該モード選
択手段からの選択信号に基づいて第1の制御モード又は
第2の制御モードを設定しうるモード設定手段と、該モ
ード設定手段で第1の制御モードが設定されていて且つ
該スリップ検出手段で車両のスリップが検出されない時
には前輪駆動状態となるように該第1クラッチのみを接
続させるように制御し、該モード設定手段で第1の制御
モードが設定されていて且つ該スリップ検出手段で車両
のスリップが検出された時には四輪駆動状態となるよう
に該第1クラッチ及び該第2クラッチを共に接続させる
ように制御し、該モード設定手段で第2の制御モードが
設定されていて且つ該スリップ検出手段で車両のスリッ
プが検出されない時には後輪駆動状態となるように該第
2クラッチのみを接続させるように制御し、該モード設
定手段で第2の制御モードが設定されていて且つ該スリ
ップ検出手段で車両のスリップが検出された時には四輪
駆動状態となるように該第1クラッチ及び該第2クラッ
チを共に接続させるように制御する一方で、該比較手段
により横加速度比λ1が限界値τを超えていると判定さ
れると該モード設定手段での設定に係らず該車輪に伝達
される動力を低減若しくは遮断すべく該第1クラッチ及
び第2クラッチの接続状態を制御するクラッチ制御手段
とから構成されていることを特徴としている。
請求項(5)に記載された本発明の自動車の動力伝達装
置は、エンジンの出力を第1クラッチを介して前輪に第
2クラッチを介して後輪にそれぞれ伝達する動力伝達系
と、車輪のスリップ状態を検出するスリップ検出手段と
、動力伝達系の制御モードを選択するモード選択手段と
、車両のヨーレイトγを検出するヨーレイトセンサと、
前輪の操舵角δを検出する操舵角センサと、車両の横加
速度GYを検出する横加速度センサと、該スリップ検出
手段かζ℃検出信号、該モード選択手段からの選択信号
及び上記の各センサからの検出信号に基づいて該第1ク
ラッチ及び該第2クラッチを制御するコントローラとを
そなえ、該コントローラが、該ヨーレイトセンサで検出
されたヨーレイトγ、該操舵角センサで検出された操舵
角δ及び車両のホイールベースLに基づいて該ヨーレイ
トγ及び該操舵角δの関数として算出される車両の擬似
横加速度GYx”γ”L/δの値と該横加速度センサで
検出された実際の横加速度GYの値との比である横加速
度比λ2を算出する演算手段と。
車両のステア特性に基づいて予め設定された横加速度比
の限界値τを記憶する限界値記憶手段と、該演算手段で
算出された横加速度比λ2と該限界値記憶手段に記憶さ
れた限界値τとを比較する比較手段と、該モード選択手
段からの選択信号に基づいて第1の制御モード又は第2
の制御モードを設定しうるモード設定手段と、該モード
設定手段で第1の制御モードが設定されていて且つ該ス
リップ検出手段で車両のスリップが検出されない時には
前輪駆動状態となるように該第1クラッチのみを接続さ
せるように制御し、該モード設定手段で第1の制御モー
ドが設定されていて且つ該スリップ検出手段で車両のス
リップが検出された時には四輪駆動状態となるように該
第1クラッチ及び該第2クラッチを共に接続させるよう
に制御し、該モード設定手段で第2の制御モードが設定
されていて且つ該スリップ検出手段で車両のスリップが
検出されない時には後輪駆動状態となるように該第2ク
ラッチのみを接続させるように制御し。
該モード設定手段で第2の制御モードが設定されていて
且つ該スリップ検出手段で車両のスリップが検出された
時には四輪駆動状態となるように該第1クラッチ及び該
第2クラッチを共に接続させるように制御する一方で、
該比較手段により横加速度比λ3が限界値τを超えてい
ると判定されると該モード設定手段での設定にかかわら
ず該車輪に伝達される動力を低減若しくは遮断すべく該
第1クラッチ及び第2クラッチの接続状態を制御するク
ラッチ制御手段とから構成されていることを特徴として
いる。
[作 用] 上述の請求項(1)に記載された本発明の自動車の動力
伝達装置では、エンジンの出力は動力伝達系を通じて車
輪に伝達されるが、旋回時には、コントローラの演算手
段で、操舵角センサで検出された前輪の操舵角δに基づ
き算出した車両の擬似横加速度GY″と横加速度センサ
で検出された実際の横加速度ayとの比である横加速度
比λを演算し、この横加速度比λと限界値記憶手段で記
憶された横加速度比の限界値τとを比較手段で比較して
、該横加速度の比λが限界値τを超えていると判定した
ら、旋回限界にあると判断して、クラッチ制御手段で該
動力伝達系のクラッチの接続状態を制御して、車輪に伝
達される動力を低減若しくは遮断する。この駆動力を減
少させた分だけ、タイヤのグリップ力の一部が増加して
、タイヤのコーナリングフォースが増加する。
上述の請求項(2)に記載された本発明の自動車の動力
伝達装置では、コントローラの演算手段で、車速センサ
で検出された車速■、操舵角センサで検出された操舵角
δ及び車両のホイールベースLに基づいて関係式〇yよ
=δV”/Lによって車両の擬似横加速度G’/xを算
出し、この擬似横加速度GY工の値と横加速度センサで
検出された実際の横加速度GYの値との比を横加速度比
λ1として算出し、この横加速度比λ□を限界値τと比
較して、旋回限界にあるか否かを判断する。
上述の請求項(3)に記載された本発明の自動車の動力
伝達装置では、コントローラの演算手段で、ヨーレイト
センサで検出されたヨーレイトγ。
該操舵角センサで検出された操舵角δ及び車両のホイー
ルベースLに基づいて関係式GY2=γ2L/δによっ
て車両の擬似横加速度G’lzを算出し、この擬似横加
速度GYzの値と横加速度センサで検出された実際の横
加速度GYの値との比を横加速度比λ2として算出し、
この横加速度比λ2を限界値τと比較して、旋回限界に
あるか否かを判断する。
上述の請求項(4)に記載された本発明の自動車の動力
伝達装置では、エンジンの出力は、動力伝達系を通じて
、前輪へは第1クラッチを介して後輪へは第2クラッチ
を介してそれぞれ伝達されるが、該動力伝達系の各クラ
ッチは、モード設定手段の設定とスリップ検出手段の検
出結果と比較手段の比較結果とに基づいてクラッチ制御
手段により、その接続を制御される。つまり、該モード
設定手段で第1の制御モードが設定されていて且つ該ス
リップ検出手段で車両のスリップが検出されない時には
該第1クラッチのみを接続されて前輪駆動状態とされ、
該モード設定手段で第1の制御モードが設定されていて
且つ該スリップ検出手段で車両のスリップが検出された
時には該第1クラッチ及び該第2クラッチを共に接続さ
れて四輪駆動状態とされ、該モード設定手段で第2の制
御モードが設定されていて且つ該スリップ検出手段で車
両のスリップが検出されない時には該第2クラッチのみ
を接続されて後輪駆動状態とされ、該モード設定手段で
第2の制御モードが設定されていて且つ該スリップ検出
手段で車両のスリップが検出された時には該第1クラッ
チ及び該第2クラッチを共に接続されて四輪駆動状態と
される。この一方で、該比較手段により横加速度比λ、
が限界値τを超えていると判定されると、該モード設定
手段での設定に係らず、該動力伝達系の各クラッチは、
該クラッチ制御手段により、該第1クラッチ及び第2ク
ラッチの接続状態を該車輪に伝達される動力を低減若し
くは遮断するように制御される。なお、該比較手段で用
いる横加速度比λ1は、車両の擬似横加速度GY工=δ
V”/L [請求項(2)の装置で用いたもの]の値と
該横加速度センサで検出された実際の横加速度GYの値
との比である。
上述の請求項(5)に記載された本発明の自動車の動力
伝達装置では、動力伝達系の各クラッチは、該クラッチ
制御手段により上述の請求項(4)に記載された自動車
の動力伝達装置と同様に制御されるが、該比較手段では
、車両の擬似横加速度Qy、=γl L /δ[請求項
(3)の装置で用いたちの]の値と該横加速度センサで
検出された実際の横加速度GYの値との比である横加速
度比λ2を限界値τと比較する。
[実施例] 以下、図面により本発明の実施例について説明すると、
第1〜13図は本発明の第1実施例としての自動車の動
力伝達装置を示すもので、第1図はその制御部分の構成
を示すブロック図、第2図はその全体構成図、第3図は
その制御のメインルーチンを示すフローチャート、第4
図は第3図の制御におけるノーマルモートルーチンを示
すフローチャート、第5図は第4図の制御におけるスリ
ップ比差の判定に係る説明図、第6図は前輪操舵角δと
アツ力マン補正係数αf、α、の関係を示す特性図、第
7図は横加速度GYと補正係数αVとの関係を示す特性
図、第8図は一定半径での円旋回に要する操舵角δの変
化を車速Vに対応して示したステア特性グラフ、第9図
は第2図の制御装置の一部の詳細を示す模式図、第10
図は第3図の制御におけるスポーツモートルーチンを示
すフローチャート、第11図はその制御部分の変形例の
構成を示すブロック図、第12.13図はいずれもその
動力伝達系の変形例の全体構成図であり、第14〜15
図は本発明の第2実施例を示すもので、第14図はその
制御部分の構成を示すブロック図、第15図はその制御
部分の変形例の構成を示すブロック図、第16図は第1
,2実施例の変形例の制御部分の構成を示すブロック図
であり、第17図は第10図のスポーツモートルーチン
の変形例を示すフローチャート、第18図は第17図の
4WD制御ルーチンを示すフローチャート、第19図は
第3図のメインルーチンの変形例を示すフローチャート
である。
第1実施例について説明すると、この実施例は。
請求項(1)、(2)、(4)、(6)の発明に関する
もので、特に、請求項(4)、(6)の装置を具体的に
示したものである。
まず、この自動車の動力伝達装置の全体構成を説明する
と、第2図において、符号2はエンジンであって、この
エンジン2の出力はクラッチ4及びトランスミッション
6を介して出方軸8に伝達されるようになっており、出
力軸8の動力は、フロントクラッチ(第1クラッチ)1
0及びフロントデファレンシャルギア12を介して左右
の前輪14.16に伝達されると共に、リヤクラッチ(
第2クラッチ)18及びリヤディファレンシャルギヤ2
0を介して左右の後輪22.24に伝達されるようにな
っている。なお、フロントクラッチ10及びリヤクラッ
チ18は、それぞれ室1゜a及び18aに作用する油圧
に応じて、その滑りが0%(直結状態)から100%(
遮断状態)までの任意の結合状態をとることができる湿
式多板クラッチにより構成されている。
また、符号30はエンジン2もしくは電動モータにより
電動されリザーバ32内の油を吸引して吐出する油圧ポ
ンプであり、この油圧ポンプ30の吐出口の油圧(吐出
圧)はりサーバ32との間に介装されたレギュレータバ
ルブ34により調圧されるようになっている。そして、
油圧ポンプ30の吐出口は電磁切換弁36を介してフロ
ントクラッチ10の室10aに接続されると共に電磁切
換弁38を介してリヤクラッチ18の室18aに接続さ
れている。
これらの電磁切換弁36.38は、一方において電磁制
御弁40を介して油圧ポンプ3oの吐出口に接続されて
いる。そして、電磁切換弁36は、制御信号に応じて、
フロントクラッチ10の室10aと油圧ポンプ30とを
直接連通する位置(図示状態)と、フロントクラッチ1
0の室10aと電磁制御弁40の下流側とを連通ずる位
置とをとることができる。同様に、電磁切換弁38は、
制御信号に応じて、リヤクラッチ18の室18aと油圧
ポンプ30とを直接連通する位置と、リヤクラッチ18
の室18aと電磁制御弁40の下流側とを連通ずる位置
(図示状態)とをとることができる、電磁制御弁40は
、制御信号に応じてこの電磁制御弁40の下流側の油圧
を油圧ポンプ30の吐出油圧に等しい最大油圧Pmax
からゼロまでの任意の圧力に減圧調整することができる
なお、符号32aは電磁制御弁40の下流側の油圧を下
げる際に排出する油を戻すリザーバであって、このリザ
ーバ32aは、図面の便宜上リザーバ32と別個に図示
しであるが、実際はりサーバ32と同一のものである。
符号44はコントローラ(ECU)であり、このコント
ローラ44には図示しないが演算に必要なCPU、RO
M、RAM及び入出力に必要な入力回路、出力回路がそ
なえられている。コントローラ44の入力回路には、車
速Vを検出する車速センサ46.車両の重心部分に作用
する前後加速度を検出する前後加速度センサ48及び横
加速度GYを検出する横加速度センサ50.操舵角δを
検出する操舵角センサ52.エンジン2のスロットルの
状態を検出するスロットルセンサ54.エンジン2の回
転数を検出するエンジン回転数センサ56.ブレーキの
状態を検出するブレーキセンサ58及びトランスミッシ
ョン6のシフト位置を検出するシフトセンサ60からの
各検出信号が入力されるようになっている。
なお、車速センサ46は、具体的には各輪の回転速度を
独立して検出する車輪速センサ46と、この車輪速セン
サ46により検出された車輪速の中で最も小さい値を選
択して車速Vとして採用するコントローラ44内の図示
しない判定部とから構成され、車輪の滑り等の影響が少
なく実車速により近い車速Vを採用するようになってい
る。
そして、このコントローラ44には、第1図に示すよう
に、演算手段44aと上限値・下限値記憶手段(限界値
記憶手段)44bと比較手段44Cとクラッチ制御手段
44dとモード設定手段44eとがそなえられている。
このうち、演算手段44aは、操舵角センサ52で検出
された操舵角δに基づいて車両の擬似横加速度GYxを
操舵角δの関数として算出し、この擬似横加速度GYよ
と横加速度センサ50で検出された車両の実際の横加速
度(実横加速度)GYとの比λ1を演算する部分である
。ここでは、操舵角δの他に車速センサで検出された車
速■及び車両のホイールベースL(定数)に基づいて、
GYz=δV”/L         −−−(12)
の式から擬似横加速度Cfv1を車速V及び操舵角δの
関数として求め、この擬似横加速度CJVxの値と横加
速度センサ50で検出された実検加速度GYの値とから
、 λ、=GYL/δV”        −−−(13)
の式によって、横加速度比λ□(=GY/GYよ)を算
出するようになっている。
上限値・下限値記憶手段(限界値記憶手段)44bは、
車両のステア特性に基づいて予め設定された横加速度比
の限界値τ(ここでは、限界値τを上限値で1と上限値
τ2とする)を記憶する部分である。
比較手段44cは、演算手段44aで算出された横加速
度の比λ、と限界値記憶手段44bに記憶されている限
界値で、、τ2とを比較する部分である。
モード設定手段44eは、モード選択手段としてのモー
ドセレクタ64から選択信号に基づいて、第1の制御モ
ード又は第2の制御モードを設定する部分である。なお
、この第1の制御モードとは主として前輪を駆動しこれ
に適宜後輪駆動を付加しながら、前輪駆動状態と四輪駆
動状態とのいずれかに設定する制御モードであり、第2
の制御モードとは主として後輪を駆動しこれに適宜前輪
駆動を付加しながら、後輪駆動状態と四輪駆動状態との
いずれかに設定する制御モードである。
クラッチ制御手段44dは、モード設定手段44eによ
るモード設定と、スリップ検出手段80での検出結果と
、比較手段44cでの比較結果とに基づいて、クラッチ
(フロントクラッチ10及びリヤクラッチ18)の接続
状態を制御するものである。
具体的に説明すると、クラッチ制御手段44dは、モー
ド設定手段44eで第1の制御モードが設定されている
場合には、スリップ検出手段80からの検出情報に基づ
き、車両のスリップが検出されなければ、前輪駆動状態
となるように、フロントクラッチ10のみを接続させ、
車両のスリップが検出されたらば、四輪駆動状態となる
ように、フロントクラッチ10及びリヤクラッチ18を
共に接続させ、また、モード設定手段44eで第2の制
御モードが設定されている場合には、スリップ検出手段
80からの検出情報に基づき、車両のスリップが検出さ
れなければ、後輪駆動状態となるように、リヤクラッチ
18のみを接続させ、車両のスリップが検出されたらば
、四輪駆動状態となるように、フロントクラッチ10及
びリヤクラッチ18を共に接続させる、この一方で、比
較手段44cにより横加速度比λ□が限界値τ1.τ2
を超えていて(つまり、λ□≧τ1.λ、≦τ2)旋回
限界にあると判定されると、クラッチ制御手段44dは
、モード設定手段44eでの設定に係らず、前輪14,
16及び後輪22,24に伝達される動力を低減若しく
は遮断するように、フロントクラッチ10及びリヤクラ
ッチ18の接続状態を制御する。
前述のモードセレクタ(モード選択手段)64は、車両
の運転席前方の計器盤に設けられており、このモードセ
レクタ64には、マニュアルで前輪駆動状態(FWDモ
ード;この例ではフロントエンジンであるので、FFモ
ードともいう)、後輪駆動状態(RWDモード;この例
ではフロントエンジンであるので、FRモードともいう
)及び四輪駆動状態(4WDモード)をそれぞれ選択す
るためのスイッチ66.68及び70と、第1の制御モ
ードとしてのノーマルモード及び第1の制御モードとし
てのスポーツモードの各オートモードをそれぞれ選択す
るためのスイッチ72及び74とをそなえている。そし
て、モードセレクタ64の各スイッチの操作状態を示す
信号についてもやはりコントローラ44の入力回路に入
力されるようになっている。なお、ノーマルモード及び
スポーツモードについては、後で詳述する。
次に、コントローラ44の制御を通じて行なわれるこの
動力伝達装置の動作を、第3図〜第10図に基づいて説
明する。
コントローラ44では、第3図のメインルーチンに示す
ように、モードセレクタ64の指定にしたがって、マニ
ュアルでのFFモード、FRモード及び4WDモード又
はオートモードでのノーマルモード及びスポーツモード
のいずれかで車両が駆動されるように種々の制御をする
つまり、まず、ステップM2で制御に必要なRAM内の
各フラグ、メモリ領域を初期設定、即ちゼロ設定する。
ついで、ステップM4でモードセレクタ64の信号を読
み取り、ステップM6でその信号がマニュアル側か否か
を判定する。
信号がマニュアル側であれば、ステップM6でrYEs
Jと判定され、ステップM8に進んでさらにモードセレ
クタ64の出力信号がマニュアル側のどのモードである
かを判定する。
ステップM8においてrFFモード」であると判定する
と、ステップMIOに進んで出力回路から駆動状態がF
Fモードとなる制御信号を出力する。つまり、この場合
コントローラ44はフロントクラッチ10の室10a内
の油圧を最大に、リヤクラッチ18の室18a内の油圧
をゼロにすべく、電磁切換弁36にこの切換弁36が室
10aと油圧ポンプ30とを直接連通する位置をとる制
御信号を、電磁切換弁38にこの切換弁38が室18a
と電磁制御弁40の下流側とを連通ずる位置をとる制御
信号を、電磁制御弁40にこの制御弁40の下流側の圧
力がゼロとなる制御信号をそれぞれ出力する。
これにより、フロントクラッチ10は直結状態にリヤク
ラッチ18は遮断状態になって前輪14゜16のみにエ
ンジン2の駆動力が伝わるFF状態を得ることができる
また、ステップM8においてrFRモード」であると判
定すると、ステップM12に進んで、出力回路から駆動
状態がFRモードとなる制御信号を出力する。つまり、
コントローラ44はフロントクラッチ10の室10a内
の油圧をゼロにリヤクラッチ18の室18a内の油圧を
最大にすべく、電磁切換弁36にこの切換弁36が室1
0aと電磁制御弁40の下流側とを連通する位置をとる
制御信号を、電磁切換弁38にこの切換弁38が室18
aと油圧ポンプ30とを直接連通する位置をとる制御信
号を、電磁制御弁40にこの制御弁40の下流側の圧力
がゼロとなる制御信号をそれぞれ出力する。
これにより、フロントクラッチ10は遮断状態にリヤク
ラッチ18は直結状態になって、後輪22.23のみに
エンジン2の駆動力が伝わるFR状態を得ることができ
る。
さらに、ステップM8においてr4WDモード」である
と判定すると、ステップM14に進んで。
出力回路から駆動状態が直結4WDモードとなる制御信
号を出力する。つまり、コントローラ44は、フロント
クラッチ10.リヤクラッチ18の各室10a、18a
内の油圧を最大にすべく、電磁切換弁36及び38にこ
の切換弁36及び38が室10a及び18aと油圧ポン
プ30とを直接連通ずる位置をとる制御信号をそれぞれ
出力する。
これにより、フロントクラッチ10及びリヤクラッチ1
8はそれぞれ直結状態になって、前輪14゜16及び後
@22,24の両方にエンジン2の駆動力が伝わる直結
4WD状態が得られる。
一方、モードセレクタ64の出力信号がオートモードで
あれば、ステップM6でrNOJと判定されて、ステッ
プM16に進んでモードセレクタ64の出力信号がノー
マルモードであるか否かを判定する。
ノーマルモードであれば、ステップM16においてrY
EsJと判定されて、ステップM18に進んで後述する
ノーマルモートルーチンの処理を実行し、スポーツモー
トであればrNOJと判定されて、ステップM20に進
んでやはり後述するスポーツモートルーチンの処理を実
行する。
次に、メインルーチンにおけるステップM18のノーマ
ルモートルーチンの制御を第4図のフローチャートにし
たがって説明する。
まず、ステップ5100でモードセレクタ64からの検
出信号が前回もノーマルモードであったか否か判定する
6 ノーマルモードに切り換えた直後はこのステップ510
0でrNOJと判定されてステップ5102に進む、ス
テップ5102ではこのノーマルモートルーチンによる
制御に必要な所要フラグ、メモリ領域を初期設定、つま
りゼロ設定する。
ついで、ステップ5104に進んで駆動状態がFFモー
ドとなるように電磁切換弁36.38及び電磁制御弁4
0に制御信号を出力する。なお、この制御信号による制
御内容は上述したステップM1oの内容と同じである。
ついで、ステップ5106でフラグAを「0」に、さら
に、ステップ5108でフラグCをrQJに設定して、
リターンつまりメインルーチンのステップM4に戻る。
なお、フラグAは後で詳述するがフロントクラッチ10
及びリヤクラッチ18を両方共に遮断状態にして駆動力
を前輪14,16及び後輪22゜24の何れにも伝えな
いような制御を行なっているときに「1」となるもので
ある。また、フラグCはやはり後で詳述するがフロント
クラッチ10及びリヤクラッチ18を両方共にすベリゼ
ロ、つまり直結状態にして駆動力を前輪14.46及び
後輪22.24の両方に伝える制御を行なっているとき
に[1]となるものである。
ステップ5100でrYESJと判定されると、ステッ
プ5110に進み各センサの検出信号を読み込む。
ついで、ステップ5112でフラグAが「1」であるか
判定し、このステップ5112で「NO」と判定すると
、ステ、ツブ5114に進む。ステップ5114ではフ
ラグBが「1」であるか判定する。このフラグBは後で
後述するがトラクション制御を行なっているときに「1
」となるものである。ステップ5114でrNOJと判
定すると。
ステップ8116に進んでフラグCが「1」であるか判
定する。ステップ5116でrNOJと判定すると、ス
テップ8118に進む。
ステップ5118では、車両が発進状態にあるか判定す
る。この判定の内容は、具体的には以下に述べる(i)
〜(iii)の条件を全て満足しているか否かを判定す
るものである。
(i)車速Vが設定車速(例えば10km/h)以下で
あること。
(ii)スロットルセンサ54により検出されたスロッ
トル開度θthが設定開度(例えば50%)以上である
こと。
(fit)操舵センサ52により検出されたステアリン
グホイールの操舵角δが設定範囲(例えば−180″′
≦δ≦18o°)であること。
なお、条件(i)における車速Vとしては車輪速センサ
46により検出された車輪速の中で最も小さい値を採用
している。
そして、ステップ5118でrNOJと判定すると、ス
テップ5120に進む。
ステップ5120では前輪14.16のスリップ比(車
輪の路面に対するスリップ率)と後輪22.24のスリ
ップ比との差ΔSが設定値(例えば0.03)より大き
いか否か判定する。
この判定を行なうときには、FFモードであるので、Δ
Sを車輪速センサ46により検出される前輪14.16
側の車輪速から後1!22.24側の車輪速を差し引い
た差に基づき求める方法が考えられるが、実際の前後輪
間のスリップ比差ΔSを求めるには、旋回時に前後輪間
での回転半径差(所謂内輪差)が生じるため、その回転
半径差に相当する分を補正する必要がある。更に、車体
に作用する横加速度の増大により車両の旋回中心が前方
へ移動して内輪差が減少するため、その減少分を補正す
る必要がある。そこで、ステップ5120の判定では、
以下のような演算を行なう。
すなわち、第5図に示す二輪モデルにおいてfは前輪、
rは後輪、Gは車両の重心、Qはホイールベース、R,
は後輪rの中心から重心Gまでの距離、Cは旋回中心、
Rfは旋回中心Cから前輪fの中心までの距離、RGは
旋回中心Cから重心Gまでの距離、R,は旋回中心Cか
ら後輪rの中心までの距離、δは前輪fの操舵角、γは
旋回中心0周りの車両重心Gの角速度である。
ここで、アツ力マンジオメトリに従えば、vf=γ・R
f=(vG/RG)・Rf ・・・ (1)Rf=(Q
/δ)fTT17 Ra=(Q/δ)   +    L/Qであるので、
(1)式は、 Vt= Va        1 + δ(Q r/ 
Q )2)・・・ (2) また。
V、=γ・Rr= (vG/RG)・Rr ・ ・ ・
 (3)Rr= fl /δであるので、(3)式は、
Vr=Va/   +δ  Qr/u)”  ・・・ 
(4)となる。
(2)式において αf=    +δ  /(1+62(峙lΩ)2)・
 ・ ・ (5) とすれば。
vf=αf−vG            ・ ・ ・
 (6)となる。
(4)式において αr”1/   +    Qr/Q)”  ・・” 
 (7)とすれば、 ■r=α1・vG            ・・ ・ 
(8)となる・ (αf、αrニアツカマン補正係数)
したがって、(6)、(8)式における補正係数αf・
α1は第6図に示されるように操舵角δに対する特性を
定義できる。
他方、上述のとおり車両の重心Gに作用する横加速度G
Yの増大に伴い旋回中心Cが前方へ移動して内輪差が減
少するのであり、一般に横加速度G、がゼロのときは上
述のアツ力マン補正係数に伴う内輪差が生じるのに対し
横加速度GYが設定値avpのときに内輪差がゼロとな
り、またその間の大きさの横加速度GYに対してはその
横加速度GYの大きさに応じ内輪差がほぼ比例して変化
して大体線形を呈すことが確認されている。
なお、実験によれば、通常の一般的な乗用車においてa
vpは約0.5Gであることが確認されている。このた
め、横加速度GYに対する内輪差の補正係数α■の特性
を、第7図に示すように、つまり、 GY≦G’/Pのとき。
ay= 20y+1.0        ” ・・ (
9)GY)GYPのとき、 αy=o               ・・・ (1
0)と定義できる。
その結果、最終的には、 ・ ・ ・ (11) によって前後輪間のスリップ比差を求めることができる
。なお、(11)式において、ωfは前輪fの車輪速、
ω、は後輪rの車輪速である。
これにより、ステップ5120では、車輪速センサ46
から検出した前輪14.16の車輪速及び後輪22.2
4の車輪速、横加速度センサ50から求めた横加速度、
操舵センサ52から求めた操舵角に基づいて上述の式(
9)に従ってスリップ比差ΔSを演算し、そのΔSが設
定値(例えば0.03)よりも大きいか否かを判定して
いる。
なお、その演算において、(11)式中のαf。
αr、αVについては式(5)、(7)、(9)。
(10)により求めるが、代わりに第6図及び第7図に
示される特性をマツプ化してコントローラ44内のRO
Mに記憶させ、その都度このマツプを参照して求めるこ
とも可能である。
ステップ5120でrNOJと判定すると、スタップ5
122に進んで旋回限界であるか否か判定する。このス
テップ5122での旋回限界の判定内容を説明する。
本装置では、車両に加わる実際の横加速度(実横加速度
)GYと車速V及び操舵角δに基づいて算出される計算
上の横加速度(擬似横加速度)GY工との比(横加速度
比:λx ” G ’/ / G ’l工)を指標とし
てこれに基づいて判定している。
実横加速度GYは、横加速度センサ5oによって検出さ
れるが、擬似横加速度GY□は、車体のホイールベース
をLとすると、車速センサ46で検出された車速V及び
操舵角センサ52で検出された操舵角δの関数として、 Qy、=δV’/L         −−・(12)
で与えられる。
したがって、横加速度比λ□は、 λ、=GYL/δV2      −−・ (13)で
与えられる。
そして、比較手段44cの比較の結果、この横加速度比
λ、が予め設定された範囲(τ、≦λ1≦τ2)から外
れているとされる。旋回限界にあると判定する。
つまり、一般に、自動車は旋回時の速度を増加させるに
従って、アンダステア特性又はオーバステア特性が強く
現れるようになりやすい。例えば。
前輪駆動車の場合には、前輪タイヤのグリップ力が駆動
力伝達のために使われるので、この分だけコーナリング
フォースが減少するようになり、駆動力伝達の大きい加
速時や高速時はど前輪タイヤのコーナリングフォースが
小さくなって、より強いアンダステアになりやすく、後
輪駆動車の場合には、駆動力伝達の大きい加速時や高速
時はど後輪タイヤのコーナリングフォースが小さくなっ
て、オーバステアになりやすい。
したがって、車両を一定の旋回半径で円旋回させるには
、速度を増すに従って強く現れるステア特性をキャンセ
ルするように操舵角を変化させることが必要になる。第
8図は車両を一定の旋回半径(ここでは、30m)で円
旋回させるために、車速Vに応じて変化する実横加速度
GYに対する操作すべき操舵角δ (−GYL/λ□v
 2 )の大きさの変化を示したグラフであり、曲線a
は前輪駆動車の例、曲線すは後輪駆動車の例である。
前輪駆動車の場合、曲線aのように、車速Vを増加させ
実横加速度GYを増大させていくと1次第にアンダステ
アが強くなり、操舵角δを次第に大きく増加させていく
必要がある。後輪駆動車の場合1曲線すのように、車速
Vの増加により実検加速度ayを増大させていくと、次
第にオーバステアが強くなり、操舵角δを次第に大きく
減少させていく必要がある。
例えば、第8図に示すように、横加速度比λ□の限界値
τ4.τ2をτ、=2.τ2=0.5とすると、λ、≦
0.5(従ってδ≧2)又はλ□≧2(従ってδ≦0.
5)となると、旋回限界にあると判定する。
この旋回限界の付近では、必要とする操舵角δが大きく
変化するので、横加速度比λ□も大きく変化する。した
がって、横加速度比λ、に基づけば精度良く旋回限界を
判定できる。
なお、限界値τ1.τ2は、車重やタイヤのコーナリン
グフォースや横加速度比λ1の変化の特性等の車両の各
特性によって、適宜設定しうるちのであるが、ステップ
5122は、前輪駆動状態で行なわれるので、第8図に
示すように、主として横加速度比λ、が下限値τ2より
も小さくなったか否かによって、旋回限界の判定を行な
う。したがって、下限値τ2の設定が重要となる。
このような判定によって、ステップ5122でrNOJ
と判定すると、前述のステップ5104に進む。これに
より、このノーマルモートルーチンにおいては、ステッ
プ5104で一度FFモードとなった後、ステップ81
18でrNOJ  (発進の条件を満足せず)、ステッ
プ5120で「NO」 (スリップ比差が小)であり、
かつステップ5122でrNOJ  (旋回限界にはな
い)と判定されている限り、5100,5ilo、51
12゜5114.5116,5118,5120,51
22.5104,5106,5108の処理が繰り返さ
れて駆動状態がFFモードに保たれる。
一方、ステップ5122でrYEsJ 、つまり車両が
旋回限界にあると判定すると、ステップ5124に進ん
で駆動状態が遮断モード又は低減モードとなる制御信号
を出力する。つまり、この場合、コントローラ44は、
フロントクラッチ1゜及びリヤクラッチ18の各室10
a及び18a内の油圧をゼロにすべく電磁切換弁36及
びこの切換弁36及び38が室10a及び18aと電磁
制御弁40の下流側とを連通ずる位置をとる制御信号を
、電磁制御弁40にこの制御弁40の下流側の圧力がゼ
ロとなる制御信号を出力する。
これによりクラッチ制御手段44dを通じて、フロント
クラッチ10及びリヤクラッチ18を遮断状態にして、
前輪14,16及び後輪22,24の両方にエンジン2
の駆動力が全く伝わらない遮断状態とするか、又は、フ
ロントクラッチ1゜及びリヤクラッチ18の両方又は片
方の接続を半クラッチ状態にして、前輪14,16及び
後輪22.24の両方又は片方への、エンジン2の駆動
力の伝達を少なくする。特に、クラッチ1o及び18の
片方を半クラッチとする場合、λ□〉τ2で強オーバス
テアならば、リヤクラ1チ18の接続を半クラッチ状態
にして後輪側の遇区動力を減少させ、λ、〈τ1で強ア
ンダステアならば、フロントクラッチlOの接続を半ク
ラッチ状態にして前輪側の叩動力を減少させる。
ついで、ステップ8126でエンジン2の回転数制御が
行なわれる。この制御の内容はフロントクラッチ10(
又はリヤクラッチ18)のエンジン2側の回転数を前輪
14.16 (又は後輪22゜24)側の回転数と同じ
になるようにエンジン2のfAW装置2aを制御するも
のである。このため。
車輪速センサ46から求めた車輪速及びシフトセンサ6
0から求めたシフト位置に基づき各動力伝達系路のギア
比を考慮してエンジン2の目標回転数を定め、エンジン
回転数センサ56から求めるエンジン回転数をフィード
バックしてこのエンジン回転数が目iR回転数となるよ
うに制御する。
なお、この実施例では、制御装置2aとして。
第9図に示すように2通常時のエンジン2の制御を行な
うメインスロットルバルブ2bのほかに第2スロツトル
バルブ2c及びこのバルブ2cを駆動するサーボ装置2
dを有するものが採用されており、エンジン2の回転数
制御において更にメインスロットルバルブ2bの開度を
検出するスロットルセンサ54の検出信号をも考慮して
いる。
ついで、ステップ8128でブザーまたはランプ等の運
転者に警報を与える警報装置76を作動させる制御信号
を出力し、メモリ内のフラグAに「1」を設定する。こ
れによって、次にステップ5112の判定でrYEs4
と判定されるようになり、フラグAが「1」である限り
ステップ5100.8110,5112,5122,5
124゜5126,5L28,5130の処理が繰り返
されて駆動力が前輪14.16及び後輪22.24の何
れにも伝達されない遮断モード、又は、前輪14.16
及び後輪22.24の両方又は必要とする片方への卵動
力の伝達を少なくする原動力低減モードが継続される。
これにより、前輪14゜16及び後輪22,24はコー
ナリングフォースが増大され、強アンダステア又は強オ
ーバステアが防止される。
一方、上述した発進に係る条件を満足すると、ステップ
5118でrYESJと判断され、ステップ5132に
進んで駆動状態が直結4WDモードとなるように電磁切
換弁36.38に制御信号を出力する。なお、この制御
信号による制御内容は上述したステップM14の内容と
同じである。
同様に、ステップ5120でrYESJと判定すると、
ステップ5121の処理を経てステップ5132に進む
。なお、ステップ5121では、そのときの重心Gに作
用していた加速度の大きさGc  (つまり、  x+
GYDをメモリする。
ステップ5132で制御信号を出力すると、ステップ5
134でフラグCに「1」を設定し、次いでステップ8
136に進んで車両が旋回限界であるか否か判定する。
このステップ5136での判定内容は実質的に上述のス
テップ5122で行なう判定内容と同様である。
つまり、車速センサ46で検出された車速Vと操舵角セ
ンサ52で検出された操舵角δと車体のホイールベース
Lとに基づいて、前述の式0式%(12) で与えられる擬似横加速度GY工と、横加速度センサ5
0によって検出される実検加速度ayとから、前述の式
λ、=GYL/δv2       ・・・ (13)
によって、横加速度比λ□(= G v/ G vx 
)を求めて、比較手段44cで、限界値記憶手段44b
に記憶されている限界値τ8.τ2と横加速度比λ1と
を比較して、τ1≦λ、≦τ2ならば旋回限界にないと
判定し、λ1≦τ工又はλ、≧τ2ならば旋回限界にあ
ると判定する。
なお、このステップ8136では、四@駆動状態での判
定であり、四輪駆動時には、旋回限界の付近での横加速
度比λ□の変化が前輪駆動時や後輪駆動時よりも小さい
ので、ここで用いる限界値τ1.τ2は前述のステップ
5122で用いたものとは異なるものに設定することが
考えられる。例えば、下限値で8は、ステップ5122
のFFモードで用いたものよりもやや大きいものに、上
限値τ、は、後述するステップ5206 (第10図参
照)のFRモードで用いたものよりもやや小さいものに
設定することが考えられる。
このステップ5136でrNOJと判定すると、ステッ
プ8138に進んで縦スリップがあるか否か判定する。
この判定は車輪速センサ46により検出された車輪速r
ω及び前後加速度センサ48により検出された前後加速
度Gxを基に前後方向のスリップ率を求めて、このスリ
ップ率が設定値(例えば、1.1)以上であるか否かを
判定するものである。具体的には、 (d r ω/ d t ) /Gx ≧1.1 ・−
−(14)を満足したときに、縦スリップありと判定す
る。
ステップ5138で「NO」と判定すると、ステップ5
140でフラグBに「ゼロ」を設定する。
次いで、ステップ5142で直結4WDモードからFF
モードへ切換える復帰条件を満足したか否か判定する。
この判定内容は、今回加速度センサ50により検出され
た前後加速度Gx及び横加速度GYから求めた重心Gに
作用する加速度の大きさ(つまり、 G、+GY )が
、ステップ5120でrYEsJと判定されたとき、つ
まり前後輪間のスリップ比差ΔSが設定値以上となって
FFモードから4WDモードへ切換える必要があると判
定したときに、ステップ5121でメモリした重心Gに
作用していた加速度の大きさGc  (つまり、そのと
きのfτ711τワよりも小さいときに復帰条件を満足
したと判定するものである。
ステップ5142で「NO」と判定すると、ステップ5
144に進んでブレーキセンサ58により検出したブレ
ーキの状態、つまり図示しないブレーキスイッチがオン
であるかを判定する。このステップ5144で「NO」
と判定すると、メインルーチンのステップM4に戻る。
ステップ5136でrYESJと判定したときは、ステ
ップ5146でフラグCを「o」に設定し、ステップ5
148でメモリGcをクリアし。
ついでステップ5124に進んで駆動状態を遮断モード
とする制御信号を出力する。
ステップ5138でrYEsJと判定したときは、ステ
ップ5150に進んで車輪のスリップ率に応じてエンジ
ン2の能動出力を制御するトラクション制御を行なう制
御信号を出力する。このトラクション制御の方法につい
ては周知の種々の方法が採用可能であるが、この実施例
においては、ステップ8126で説明したように、第9
図に示す第2スロツトルバルブ2c及びこのバルブ2c
を駆動するサーボ装置2dを備えているのでエンジン2
の出力制御にはこのサーボ装置22dを制御することが
好ましい。
ステップ5150で制御信号を出力すると、ステップ5
152でフラグBを「1」に設定し、メインルーチンの
ステップM4に戻る。なお、このフラグBに関連して、
ステップ5114でrYES」と判定すると、ステップ
8138に進むように構成されている。
ステップ5142または5144でrYEsJと判定す
ると、ステップ5154でフラグCに「0」を設定し、
ステップ8156でaCをクリアし、メインルーチンの
ステップM4に戻る。
このように、ノーマルモートルーチンにおいては、ステ
ップ5118または5120でrYESJと判定してス
テップ5132で4WDモードになった後は、ステップ
5136,8138,5142.5144で「NO」と
判定している限り、ステップ5116でrYEsJと判
定してステップ5132に進むので、駆動状態が4WD
モードに保持される。
そして、ステップ5132で4WDモードにされている
状態で、旋回限界となればステップ5136でrYEs
Jと判定してステップ5124で駆動状態が遮断モード
となり、その後操縦性が回復すればステップ5122で
「NO」と判定してステップ5104でFFモードとな
る。また、ステップ5138でrYEsJと判定すると
駆動状態が4WDモードのままステップ5150でトラ
クション制御が行なわれる。更に4WDモードからFF
モードへの復帰条件を満足するか、またはブレーキスイ
ッチがオンとなったときは、ステップ5142または5
144でrYEsJと判定して駆動状態がFFモードと
なる。
次に、メインルーチンにおけるステップM20のスポー
ツモートルーチンについて第10図に従って説明する。
なお、このスポーツモートルーチンにおいて、第4図に
示すノーマルモードのフローチャートと同じ内容の処理
(ステップ)には、第4図で用いた符号と同一の符号を
付して詳細な説明は省略する。
このスポーツモートルーチンにおいて、第4図のノーマ
ルモートルーチンと比べて異なる点は。
ステップ5200,5202,3204及び5208で
あり、以下、これらのステップについて順に説明する。
ステップ5200では、モードセレクタ64からの検出
信号が前回スポーツモードであったか否かを判定し、r
YEsJであればステップ5llOに進み、「NO」で
あればステップ5102に進む。ステップ5202では
、駆動状態がFRモードとなるように電磁切換弁36.
38及び電磁制御弁40にIIJ御信呼信号力する。な
お、この制御信号による制御内容は上述したステップM
12の内容と同じである。
ステップ5204では、後輪22.24のスリップ比(
車輪の路面に対するスリップ率)と前輪14.16のス
リップ比との差ΔSが設定値(例えば0.05)より大
きいか否か判定する。このステップ5204においては
、ステップ5120の場合と同様に、後輪22.24側
の車輪速から前輪12.14側の車輪速を差し引いた差
に基づき、旋回時の前後輪間での回転半径差に相当する
分の補正及び車体に作用する横加速度の増大により低減
する該回転半径差の分の補正を行なっている。このため
、詳細には、 ・ ・ ・ (15) に従って演算を行なっている。
なお、この式(15)中のω1は後輪rの車輪速、ωf
は前輪の車輪速、αf、α1はそれぞれ上述の式(5)
、(7)により求める補正係数。
α9は式(9)、(10)により求める補正係数である
。そして、ステップ5204でrYESJであるとステ
ップ5121へ進んでその時のGc =70X”+GY
”をメモし、「NO」であるとステップ5206へ進む
ステップ8206では、旋回限界であるか否か判定する
。この判定内容について説明する。
ここでも、車両に加わる実横加速度GYと車速V及び操
舵角δに基づいて算出される擬似横加速度GYzとの比
(横加速度比:λL = OV / G Vt )を指
標としてこれに基づいて判定している。
つまり、実横加速度GYは、横加速度センサ50によっ
て検出され、擬似横加速度GY□は、車体のホイールベ
ースをLとすると、車速センサ46で検出された車速V
及び操舵角センサ52で検出された操舵角δの関数とし
て。
GYz=δV”/L         ・・・ (12
)で与えられ、横加速度比λ、は、 λ□= G v L /δV”        −−−
(13)で与えられる。
後輪駆動の場合には、第8図に示すように、−般に、強
オーバステアになりやすく、横加速度比λ、が大きくな
りやすいので、主として、横加速度比λ、が予め設定さ
れた上限値τ1を越えているか否かにより旋回限界を判
定することになり、λ、≦τ□ならば旋回限界にないと
し、τ□≦λ1ならば旋回限界にあると判定する。
したがって、このFRモードの場合には、下限値τ2の
設定が重要となる。
そして、このステップ5206でrYESJであるとス
テップ5124へ進み、rNOJであるとステップ52
02へ進む。
なお、ステップ5142における復帰条件は、ステップ
5204でrYEsJと判定してステップ5121で求
めたGcよりも、f丁こ7丁7が小さいとき成立するも
のである。このように、スポーツモートルーチンにおい
ては、ステップ5202で一度FRモードとなった後、
ステップ8118で「NO」 (発進の条件を満たせず
)、ステップ5204でrNOJ  (スリップ比差が
小)であり、かつステップ8206でrNOJ  (旋
回限界にはない)と判定されている限り、駆動状態がF
Rモードに保たれる。
また、ステップ5118または52041’ryESJ
と判定してステップ5132で4WDモードとなった後
は、ステップ5136.5138゜5142,5144
でrNOJと判定している限り、駆動状態が4WDモー
ドに保たれる。そして、ステップ5132で4WDモー
ドにされている状態で、旋回限界となればステップ51
36で「YESJと判定してステップ5124で駆動状
態が遮断モードとなり、その後操縦性が回復すればステ
ップ5206でrNOJと判定してステップ5202で
FRモードとなる。
そして、ステップ5138でrYEsJと判定すると駆
動状態が4WDモードのままステップ5150でトラク
ション制御が行なわれる。更に4WDモードからFRモ
ードへの復帰条件を満足するか、またはブレーキスイッ
チがオンとなったときは、ステップ5142または51
44でrYES」と判定して駆動状態がFRモードとな
る。
上述のように構成された本実施例の自動車の動力伝達装
置によれば、モードセレクタ64の操作により、マニュ
アルモードとして駆動状態をFFモード、FRモード及
び4WDの何れかに設定できるばかりなく、オートモー
ドとして1通常走行時は駆動状態がFFモードになり必
要に応じて4WDモードに切換ねるノーマルモードと、
通常走行時は駆動状態がFRモードになり必要に応じて
4WDモードに切換わるスポーツモードとを設定できる
ので、これらノーマルモードまたはスポーツモードのい
ずれかに制御モードを設定しておくことにより4@[動
状態が必要でないときは2@駆動状態となって燃費が向
上すると共に、その2輪駆動状態は運転者の好みに応じ
て選択された方の駆動状態が保たれる効果がある。
また、ノーマルモードにおいては、第4図に示すフロー
チャートに従って説明したように、FFモードで走行中
に旋回限界を検知すると自動的に遮断モード又は駆動力
低減モードに切換えて前輪タイヤのコーナリングフォー
スを増大させ同時にその状態を運転者に警報することが
でききる。
そして、旋回限界よりも安定側に回復すると、FFモー
ドに復帰するが、旋回限界を超えていると判定して遮断
モードに切換えているときに同時にフロントクラッチ1
0の入力側の回転数と出力側の回転数とを一致させるべ
くエンジン2の回転数を制御しているので、遮断モード
からFFモードに復帰するときにフロントクラッチ10
が急激に接続されてもそのショックの発生を防止できる
また、特に、旋回限界の判定を、旋回限界の付近で大き
く変化する横加速度比λ1に基づいて行なっているので
、高い精度で旋回限界を検出することができ、これによ
り旋回中に操縦不能という事態に陥ることを確実に防止
できる。
さらに、FFモードで走行中に車両が発進状態にあるこ
とや、前@14,16側のスリップ比から後輪22.2
4のスリップ比を差し引いたスリップ比差ΔSが設定値
以上であること(つまり、駆動輪の前輪14.16がス
リップ状態にあること)を検出すると、自動的に4WD
モードに切り換え駆動力が前@14.16及び後1醗2
2,24の両方を介して路面に伝わるので、発進時のス
リップや滑りやすい路面でのスリップが防止される。
なお、発進時であっても操舵角が大きければ、4WDモ
ードへは移行しないので、所謂直結4WDのブレーキン
グ現象を防止できる。
また、特にスリップ比差ΔSの判定を式(11)に沿う
条件に従い行なっているので、高い精度でスリップ比差
ΔSを検出して4WDモードへの切換えを適切に行なう
ことができる。この4WDモードで走行中に、旋回限界
であることを検出すると、やはり自動的に遮断モード又
は駆動力低減モードに切り換えて操縦安定性を確保でき
、さらに。
、縦スリップ(車体前後方向のスリップ)を検出すると
、自動的にトラクション制御を行なって滑り易い路面で
もより確実に駆動力を得られる。
そして、4WDモードで走行中に車体に作用する加速度
から、もはや4WDモードで走行する必要がないと判定
すると、自動的にFFモードに復帰することができる。
更に4WDモードで走行中にブレーキがオン状態にある
と判定すると、やはり自動的にFFモードに復帰するの
で、所謂3チヤンネル型または4チヤンネル型のアンチ
スキッドブレーキ装置の作動が阻害されなくなる。
他方、スポーツモードにおいては、第10図に示すフロ
ーチャートに従って説明したように、FRモードで走行
中に旋回限界を検出すると自動的に遮断モード又は駆動
力低減モードに切り換えてタイヤ(後軸)のコーナリン
グフォースを増大させ操縦安定性を回復させかつその状
態を運転者に警報することができる。
そして、旋回限界よりも安定側に回復すると、FRモー
ドに復帰するが、旋回限界を越えていると判定して遮断
モードに切換えているときに同じにリヤクラッチ18の
入力側の回転数と出力側の回転数とを一致させるべくエ
ンジン2の回転数を制御しているので、遮断モードから
FRモードに復帰するときにリヤクラッチ18が急激に
接続されてもそのショックの発生を防止できる。
ここでも、旋回限界の判定を、旋回限界の付近で大きく
変化する横加速度比λ1に基づいて行なっているので、
高い精度で旋回限界を検出することができ、これにより
旋回中に操縦不能という事態に陥ることを確実に防止で
きる。
また、FRモードで走行中に車両が発進状態にあること
、あるいは後輪22.24側のスリップ比から前輪14
.16側のスリップ比を差し引いたスリップ比差ΔSが
設定値以上であること(つまり、駆動輪である後輪22
.24がスリップ状態にあること)を検出すると、自動
的に4.WDモードに切換えて駆動力が前@14.16
及び後輪22.24の両方を介して路面に伝わるので1
発進時のスリップあるいは滑りゃすい路面でのスリップ
が防止される。
なお、発進時であっても操舵角δが大きければ、4WD
モードへは移行しないので、所謂直結4WDのブレーキ
ング現象を防止できる。また、特にスリップ比差ΔSの
判定を式(15)に沿う条件に従い行なっているので、
高い精度でスリップ比差ΔSを検出して4WDモードへ
の切換えを適切に行なうことができる。
なお、このFRモードにおけるスリップ比差ΔSに関す
る設定値(具体例として、0.05)は、ノーマルモー
ドにおける設定値(具体例としては。
0.03)よりも大きく設定されているが、これはやは
りFRモードで走行しているときはやや大きめのスリッ
プ比差ΔSでもってFRモードのまま走行できるように
してステアリングホイールの操作に対して車両の旋回応
答性に優れた弱オーバステア特性領域まで運転可能とす
るためである。
また、このスポーツモードにおいても、上述したノーマ
ルモードの場合と同様に、4WDモードで走行中に、旋
回限界であることを検出すると、自動的に遮断モードに
切換えて操縦安定性を確保でき、縦スリップを検出する
と、自動的にトラクション制御を行なって滑り易い路面
での駆動力をより確実に得ることができる。そして、4
WDモードで走行中に車体に作用する加速度から、もは
や4WDモードで走行する必要がないと判定すると、あ
るいはブレーキがオン状態にあると判定すると、やはり
自動的にFRモードに復帰する。
上述の第1実施例において、モード選択手段としてのモ
ードセレクタ64やコントローラ44のモード設定手段
44eがなく、第1の制御モードと第2の制御モードと
のモード選択を特別には行なわないものも[請求項(2
)の発明に対応する装置]考えられる。
つまり、コントローラ44は、第11図に示すように、
演算手段44aと上限値・下限値記憶手段(限界値記憶
手段)44bと比較手段44. cとクラッチ制御手段
44dとから構成する。
この場合1例えば、前輪原動と後輪開動と四輪駆動との
3つの駆動状態の一つを状況に応じて自動的に選択され
るようにして、コントローラ44のクラッチ制御手段4
4dでは、比較手段44cにより横加速度比λ1が限界
値で□、τ2(τ□は上限値であり、τ2は下限値であ
る)を超えていて(つまり、λ、≧τ□、λ□≦τ2)
、旋回限界にあると判定されると、駆動状態に係らず前
@14゜16及び後輪22.24に伝達される動力を低
減若しくは遮断するように、フロントクラッチ1゜及び
リヤクラッチ18の接続状態を制御する。
また、第12.13図に示すように、第1クラッチ(フ
ロントクラッチ)10又は第2クラッチ(リヤクラッチ
)18のうちの一方を省いて、この箇所を直結にしても
よい。
例えば、第12図に示すようにフロントクラッチ1oを
省いてこの箇所を直結にすれば、リヤクラッチ18を接
断することにより、前輪駆動か四@ [動を設定でき、
この場合には、横加速度比λ□はあまり大きくはならな
いので、横加速度比λ、の限界値として下限値で2のみ
を与えて、λ□≦τ2となったら、旋回限界にあると判
定するように構成してもよい。
また、例えば、第13図に示すようにリヤクラッチ18
を省いてこの箇所を直結にすれば、フロントクラッチ1
0を接断することにより、後輪開動か四@駆動を設定で
き、この場合には、横加速度比λ□はあまり小さくはな
らないので、横加速度比λ1の限界値として上限値τ、
のみを与えて、λ、≧τ1となったら、旋回限界にある
と判定するように構成してもよい。
次に、本発明の第2実施例について説明すると。
この実施例は、請求項(1)、(2)、(5)。
(6)の発明に関するもので、特に、請求項(5)(6
)の装置を具体的に示したものである。
本実施例は、旋回限界を判定する際に用いる横加速度比
λ2が第1実施例とは異なったものを採用しており、そ
の制御部分は第14図に示すように構成される。
つまり、第14図に示すように、この第2実施例では、
コントローラ44に、第1実施例と同様に、演算手段4
4aと上限値・下限値記憶手段(限界値記憶手段)44
bと比較手段44cとクラッチ制御手段44dとモード
設定手段44eとがそなえられ、このうち、演算手段4
4aが、第1実施例とは異なっている。
即ち、車両にはヨーレイトセンサ62がそなえられコン
トローラ44に接続されており、演算手段44aは、操
舵角センサ52で検出された操舵角δ及び車両のホイー
ルベースLの他にヨーレイトセンサ62で検出されたヨ
ーレイトγに基づいて。
GY2=γ”L/δ          ・ ・ ・ 
(16)の式から擬似横加速度GYzを車速V及び操舵
角δの関数として求め、この擬似横加速度(JVzの値
と横加速度センサ50で検出された実横加速度GYの値
とから横加速度比λz (=G v/ G vz )を
λz =G ’I’δ/γ2L       ・・・ 
(17)の式により算出するようになっている6そして
、上限値・下限値記憶手段(限界値記憶手段)44bは
、予め設定された横加速度比λ2の限界値τ(上限値で
2.上限値τ2)を記憶する部分である。この上限値で
0.上限値で2は、第1実施例のものとは異なる横加速
度比λ2に対するものなので、一般に、第1実施例の対
応する制御で用いた上限値で□、上限値τ2とは異なっ
たものをそれぞれ設定する。
他の部分は第1実施例と同様に構成されるので、その説
明を省略する。
このような構成により、第2実施例の場合、第4図のノ
ーマルモード制御でのステップ5122゜5136及び
第10図のスポーツモード制御でのステップ5206及
び5136における旋回限界制御で、横加速度センサ5
0によって検出され実横加速度GYと車体のホイールベ
ースLとヨーレイトセンサ62で検出されたヨーレイト
γと操舵角センサ52で検出された操舵角δとから、式
2式%(17) により、演算手段44aで横加速度比λ2を算出して、
比較手段44cによって、この横加速度比λ2と予め設
定された限界値としての上限値τ、及び下限地τ2を比
較して、第1実施例と同様に、旋回限界にあるか否かを
判定する。
そして、横加速度比λ、も、旋回限界の付近で比較的大
きく変化するので、高い精度で旋回限界を検出すること
ができ、旋回中に操縦不能という事態に陥ることを確実
に防止できる。
この第2実施例においても、モード選択手段としてのモ
ードセレクタ64やコントローラ44のモード設定手段
44eがなく、第1の制御モードと第2の制御モードと
のモード選択を特別には行なわないもの[請求項(3)
の発明に対応する装置]も考えられる。
この場合、コントローラ44は、第15図に示すように
、演算手段44aと上限値・下限値記憶手段(限界値記
憶手段)44bと比較手段44cとクラッチ制御手段4
4dとから構成する。
また、第2実施例やその変形例(第15図参照)におい
ても、第12.13図に示すように、第1クラッチ(フ
ロントクラッチ)10又は第2クラッチ(リヤクラッチ
)18のうちの一方を省き、この箇所を直結にしてもよ
い。
なお、第1実施例及び第2実施例では、横加速度比λ1
.λ2を、操舵角δと車速V、又は、操舵角δとヨーレ
イトγの関数としているが、横加速度比λとしてはこれ
らの横加速度比λ4.λ2に限らず、広く操舵角δの関
数として求めるように下もの[請求項(1)の発明に対
応する装fa]も考えられる。この場合、コントローラ
44は、第16図に示すように構成する。
また、上記の各実施例及びその変形例において、ノーマ
ルモートルーチン及びスポーツモートルーチンの何れに
おいてもステップ5144の判定内容がブレーキスイッ
チがオンであるか否かを検出するブレーキセンサ58の
検出信号を用いたものであるが、その代わりにアンチス
キッドブレーキ装置がアンチスキッドのために作動した
か否かをブレーキセンサ58により検出させ、その検出
信号に基づきアンチスキッドブレーキ装置がアンチスキ
ッドのために作動したと判定すると、4WDモードから
FFモードまたはFRモードに切換えるように構成する
ことも可能である。
次に、各実施例(その変形例を含む)に対する変形例を
説明する。
第17図及び第18図は、上記各実施例における第10
図に示したスポーツモートルーチンの変形例である。こ
の変形例において第10図に示すスポーツモートルーチ
ンのフローチャートと比べて異なる点は、第10図のス
テップ5132の代わりに、4WD制御ルーチンである
ステップN2を採用したものである。
ステップ2の4WD制御ルーチンを第18図に示すフロ
ーチャートに従って説明する。
先ず、ステップ5300でリヤクラッチ18が直結状態
となるように制御信号を出力する。
つまり、この場合リヤクラッチ18の室18a内の油圧
を最大にすべく、電磁切換弁38にこの切換弁38が1
8aと油圧ポンプ30とを直接連通ずる位置をとる制御
信号を出力する。
次いで、ステップ5302で初回制御済か否かを判定す
る。この初回制御とはステップ5302でrNOJであ
ったときに進むステップ5304で行なわれるものであ
り、このため、ステップ5116.5118,8204
の何れかでrYESJと判定して最初にステップ530
2で判定するときは「NO」となる。
ステップ5304で行なわれる初回制御の内容は、フロ
ントクラッチ10の室10a内の油圧を設定油圧psに
制御するものであり、例えば電磁切換弁36にこの切換
弁36が室10aと電磁制御弁40の下流側とを連通ず
る位置をとる制御信号を、電磁制御弁40に同制御弁4
0の下流側の油圧が設定油圧PSとなる制御信号を出力
する。
次いで、ステップ5306で式(15)で求めたスリッ
プ比差ΔSが設定値S1 (例えばOo。
4)より小さいか判定する。
ステップ5306でrYESJ 、つまりステップ比差
ΔSが設定値S□よりも小さいと判定すると、ステップ
8308に進んでフロントクラッチ10の室10a内の
油圧をΔP0だけ減圧すべく電磁制御弁40に制御信号
を出力する。
ステップ8306で「NO」、つまり、スリップ比差Δ
Sが設定値S0以上であると判定すると、ステップ83
10に進んでスリップ比差ΔSが設定値S、(例えば、
0.06)よりも大きいか判定する。
ステップ5310でrYEsJ 、つまりステップ比差
ΔSが設定値S2よりも大きいと判定すると、ステップ
5312に進んでフロントクラッチ10の室10a内の
油圧をΔP0 だけ増圧すべく電磁制御弁40に制御信
号を出力する。
ステップ5310でrNOJ 、つまり、スリップ比差
ΔSが設定値82以下であると判定すると、ステップ5
314に進んでスリップ比差ΔSを時間で微分した値d
ΔS/d tがゼロ以上であるか判定する。
ステップ5314でrYEsJ、つまりステップ比差Δ
Sが変わらないもしくは増大する傾向にあると判定する
と、ステップ8316に進んでフロントクラッチ1oの
室10a内の油圧をΔP工だけ増圧すべく電磁制御弁4
0に制御信号を出力する。ステップ5314でrNOJ
 、つまり、スリップ比差ΔSが減少する傾向にあると
判定すると、ステップ8318に進んでフロントクラッ
チ10の室10a内の油圧をΔP□だけ減圧すべく電磁
制御弁40に制御信号を出力する。
そして、ステップ5308,5312,5316または
5318の何れかを終えると、第17図のフローチャー
トのステップ5134に進むのである。
なお、スリップ比差ΔSに関する判定を行なうステップ
5306及び5308において設定値Sを0.04、設
定値S2を0.06に設定シテいるが、これは最終的に
スリップ比差ΔSを目標値(0,05)に保った状態の
4WDモード、つまり前輪14.16側よりも後輪22
.24側のトルクを常にその目標値に応じた設定比だけ
大きく保った状態の4WDモードを得るためである。
また、ステップ5314でスリップ比差ΔSの微分値d
ΔS/d tを判定しその結果に基づきフロントクラッ
チ10の室10a内の油圧を制御しているが、これはス
テップ5306.5310の判定に基づくステップ83
08,5312による圧力制御のみでは室10内の圧力
が大きくハンチングを起こす慣れがあるからである。こ
のたる、この変形例ではステップ5316,5318の
ΔP、はステップ5308.5312のΔp、よりも小
さな値に設定されている。
さらに、ステップ5314でdΔS/d t≧Oである
か判定しrYEsJであればステップ5316へ、「N
O」であればステップ5318へ進むように構成されて
いるが、同ステップ5314と8316とのあいだにd
AS/dt=oであるかを判定するステップを設け、そ
のステップでrYEsJ と判定したときにリターンへ
進むように構成することも可能である。
したがって、この第17図及び第18図に示す変形例に
よれば、ステップ5118または5204でrYEsJ
と判定して4WDモードに切換ねった場合、常に後輪2
2.24のトルクが前輪14.16側のトルクよりも設
定比だけ大きい状態で駆動力が伝わるので、加速性能が
向上すると共に、ステア特性もニュートラル特性に近づ
き、滑りやすい路面での操縦性を向上できる。
第19図は、上記実施例における第3図に示したメイン
ルーチンの変形例である。この変形例において第3図に
示すフローチャートと比べて異なる点は、第3図のステ
ップM18の後にステップM22を、ステップM20の
後にステップM24を追加したことである。
このステップM22は、ステップM18のノーマルモー
トルーチンにおいてフラグA、B、Cの何れかに「1」
が設定されたか判定する。ステップM22でrYEsJ
であるとステップM18、つまりノーマルモートルーチ
ンのステップ5100に進み、「NO」であるとリター
ン、つまりステップM4に戻る。
またステップM24は、同様に、ステップM20のスポ
ーツモートルーチンにおいてフラグA。
B、Cの何れかに「1」が設定されたか判定する。
ステップM24でrYEsJであるとステップM20、
つまりノーマルモートルーチンのステップ5100に進
み、rNOJであるとリターン、つまりステップM4に
戻る。
したがって、ステップM18のノーマルモートルーチン
においてフラグA、B、Cの何れかに「1」が設定され
ている限り、ノーマルモートルーチンの処理が継続され
る。つまり、フラグ八が「1」であればノーマルモート
ルーチンのステップ5122で「NO」と判定されるま
で遮断モードが継続され、フラグBが「1」であればス
テップ8138で「NO」と判定されるまでトラクショ
ン制御が継続され、フラグCが「1」であればステップ
5142または5144で「NO」と判定されるまで4
WDモードが継続される。
またステップM20のスポーツモートルーチンにおいて
もフラグA、B、Cの何れかに「1」が設定されている
限り、スポーツモートルーチンの処理が継続される。つ
まりフラグAが「1」であればスポーツモートルーチン
のステップ8206でrNOJと判定されるまで遮断モ
ードが継続され、フラグBが「1」であればステップ8
138で「NO」と判定されるまでトラクション制御が
継続され、フラグCが「1」であればステップ5142
または5144でrNOJと判定されるまで4WD制御
ルーチンの処理が継続される。
これにより、ノーマルモードまたはスポーツモードが選
択された状態において、操縦性を回復するために遮断モ
ードが実行されているとき、駆動力の路面への伝達を向
上するために4WDモードあるいは4WD制御ルーチン
に基づくモード更にはトラクション制御が実行されてい
るときには、操縦性が回復する状態になるまで、または
駆動力が路面に確実に伝達される状態になるまで、その
制御モードが実行されるので、たとえその間にモードセ
レクタ64により他のモードが選択されてもその信号が
無視されることになる。
したがって、この変形例によれば、例えば操縦性を回復
するために遮断モードが実行されているときに誤って乗
員がマニュアルモードの何れかを選択して再び操縦不能
という事態になってしまったり、滑り易い路面で駆動力
の路面への伝達を向上するために4WDモードあるいは
4WD制御ルーチトンに基づくモード更にはトラクショ
ン制御が実行されているときに誤って乗員がマニュアル
モードの何れかを選択して再び駆動力の路面への伝達が
低下するという事態になってしまうことを避けることが
できる。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明の請求範囲(1)〜(5)
の各自動車の動力伝達装置によれば、旋回限界の判定を
、旋回限界の付近で大きく変化する横加速度比λ、λ8
.λ2に基づいて行なっているので、高い精度で旋回限
界を検出することができ、例えば旋回中に操縦不能とい
う事態に陥ることを確実に防止できるなど、操縦性能が
向上する利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1〜13図は本発明の第1実施例としての自動車の動
力伝達装置を示すもので、第1図はその制御部分の構成
を示すブロック図、第2図はその全体構成図、第3図は
その制御のメインルーチンを示すフローチャート、第4
図は第3図の制御におけるノーマルモートルーチンを示
すフローチャート、第5図は第4図の制御におけるスリ
ップ比差の判定に係る説明図、第6図は前輪操舵角δと
アツ力マン補正係数αf、α、の関係を示す特性図、第
7図は横加速度GYと補正係数αYとの関係を示す特性
図、第8図は一定半径での円旋回に要する操舵角δの変
化を車速Vに対応して示したステア特性グラフ、第9図
は第2図の制御装置の一部の詳細を示す模式図、第10
図は第3図の制御におけるスポーツモートルーチンを示
すフローチャート、第11図はその制御部分の変形例の
構成を示すブロック図、第12.13図はいずれもその
動力伝達系の変形例の全体構成図であり、第14〜15
図は本発明の第2実施例を示すもので、第14図はその
制御部分の構成を示すブロック図、第15図はその制御
部分の変形例の構成を示すブロック図、第16図は第1
,2実施例の変形例の制御部分の構成を示すブロック図
であり、第17図は第10図のスポーツモートルーチン
の変形例を示すフローチャート、第18図は第17図の
4WD制御ルーチンを示すフローチャート、第19図は
第3図のメインルーチンの変形例を示すフローチャート
である。 2−エンジン、4−クラッチ4.6・−トランスミッシ
Jン、8・−出力軸、10−・−フロントクラッチ(第
1クラッチ)、10a−フロントクラッチ10の室、1
2・−フロントデファレンシャルギア。 14.16−前輪、18−リヤクラッチ(第2クラッチ
)、18a−リヤクラッチ18の室、20−リヤディフ
ァレンシャルギヤ、22.24−後輪、3〇−油圧ポン
プ、32.32a−リザーバ、34−レギュレータバル
ブ、36.38−電磁切換弁、4〇−電磁制御弁、44
−コントローラ(ECU) 、44a−演算手段、44
b・−上限値・下限値記憶手段(限界値記憶手段)、4
4cm比較手段、44d・・−クラッチ制御手段、44
e−モード設定手段、46=−車速センサ、48−前後
加速度センサ、50・−横加速度センサ、52−操舵角
センサ、54−スロットルセンサ、56−エンジン回転
数センサ、58・−ブレーキセンサ、6゜−シフトセン
サ、62−ヨーレイトセンサ、64−モード選択手段と
してのモードセレクタ、66゜68.70,72,71
−スイッチ、80−スリップ検出手段。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)エンジンの出力をクラッチを介して車輪に伝達す
    る動力伝達系と、前輪の操舵角δを検出する操舵角セン
    サと、車両の横加速度G_Yを検出する横加速度センサ
    と、上記の各センサからの検出信号に基づいて該クラッ
    チを制御するコントローラとをそなえ、該コントローラ
    が、該操舵角センサで検出された操舵角δに基づいて該
    操舵角δの関数として算出される車両の擬似横加速度G
    _Y′と該横加速度センサで検出された実際の横加速度
    G_Yとの比である横加速度比λを演算する演算手段と
    、車両のステア特性に基づいて予め設定された横加速度
    比の限界値τを記憶する限界値記憶手段と、該演算手段
    で算出された横加速度比λと該限界値記憶手段に記憶さ
    れた限界値τとを比較する比較手段と、該比較手段によ
    り該横加速度比λが限界値τを超えていると判定される
    と該車輪に伝達される動力を低減若しくは遮断すべく該
    クラッチの接続状態を制御するクラッチ制御手段とから
    構成されていることを特徴とする、自動車の動力伝達装
    置。
  2. (2)エンジンの出力をクラッチを介して車輪に伝達す
    る動力伝達系と、車輪速から車速Vを検出する車速セン
    サと、前輪の操舵角δを検出する操舵角センサと、車両
    の横加速度G_Yを検出する横加速度センサと、上記の
    各センサからの検出信号に基づいて該クラッチを制御す
    るコントローラとをそなえ、該コントローラが、該車速
    センサで検出された車速V、該操舵角センサで検出され
    た操舵角δ及び車両のホィールベースLに基づいて該車
    速V及び該操舵角δの関数として算出される車両の擬似
    横加速度G_Y_1=δV^2/Lの値と該横加速度セ
    ンサで検出された実際の横加速度G_Yの値との比であ
    る横加速度比λ_1を算出する演算手段と、車両のステ
    ア特性に基づいて予め設定された横加速度比の限界値τ
    を記憶する限界値記憶手段と、該演算手段で算出された
    横加速度比λ_1と該限界値記憶手段に記憶された限界
    値τとを比較する比較手段と、該比較手段により横加速
    度比λ_1が限界値τを超えていると判定されると該車
    輪に伝達される動力を低減若しくは遮断すべく該クラッ
    チの接続状態を制御するクラッチ制御手段とから構成さ
    れていることを特徴とする、自動車の動力伝達装置。
  3. (3)エンジンの出力をクラッチを介して車輪に伝達す
    る動力伝達系と、車両のヨーレイトγを検出するヨーレ
    イトセンサと、前輪の操舵角δを検出する操舵角センサ
    と、車両の横加速度G_Yを検出する横加速度センサと
    、上記の各センサからの検出信号に基づいて該クラッチ
    を制御するコントローラとをそなえ、該コントローラが
    、該ヨーレイトセンサで検出されたヨーレイトγ、該操
    舵角センサで検出された操舵角δ及び車両のホィールベ
    ースLに基づいて該ヨーレイトγ及び該操舵角δの関数
    として算出される車両の擬似横加速度G_Y_2=γ^
    2L/δの値と該横加速度センサで検出された実際の横
    加速度G_Yの値との比である横加速度比λ_2を算出
    する演算手段と、車両のステア特性に基づいて予め設定
    された横加速度比の限界値τを記憶する限界値記憶手段
    と、該演算手段で算出された横加速度比λ_2と該限界
    値記憶手段に記憶された限界値τとを比較する比較手段
    と、該比較手段により横加速度比λ_2が限界値τを超
    えていると判定されると該車輪に伝達される動力を低減
    若しくは遮断すべく該クラッチの接続状態を制御するク
    ラッチ制御手段とから構成されていることを特徴とする
    、自動車の動力伝達装置。
  4. (4)エンジンの出力を第1クラッチを介して前輪に第
    2クラッチを介して後輪にそれぞれ伝達する動力伝達系
    と、車輪のスリップ状態を検出するスリップ検出手段と
    、動力伝達系の制御モードを選択するモード選択手段と
    、車輪速から車速Vを検出する車速センサと、前輪の操
    舵角δを検出する操舵角センサと、車両の横加速度G_
    Yを検出する横加速度センサと、該スリップ検出手段か
    らの検出信号、該モード選択手段からの選択信号及び上
    記の各センサからの検出信号に基づいて該第1クラッチ
    及び該第2クラッチを制御するコントローラとをそなえ
    、該コントローラが、該車速センサで検出された車速V
    、該操舵角センサで検出された操舵角δ及び車両のホィ
    ールベースLに基づいて該車速V及び該操舵角δの関数
    として算出される車両の擬似横加速度G_Y_1=δV
    ^2/Lの値と該横加速度センサで検出された実際の横
    加速度G_Yの値との比である横加速度比λ_1を算出
    する演算手段と、車両のステア特性に基づいて予め設定
    された横加速度比の限界値τを記憶する限界値記憶手段
    と、該演算手段で算出された横加速度比λ_1と該限界
    値記憶手段に記憶された限界値τとを比較する比較手段
    と、該モード選択手段からの選択信号に基づいて第1の
    制御モード又は第2の制御モードを設定しうるモード設
    定手段と、該モード設定手段で第1の制御モードが設定
    されていて且つ該スリップ検出手段で車両のスリップが
    検出されない時には前輪駆動状態となるように該第1ク
    ラッチのみを接続させるように制御し、該モード設定手
    段で第1の制御モードが設定されていて且つ該スリップ
    検出手段で車両のスリップが検出された時には四輪駆動
    状態となるように該第1クラッチ及び該第2クラッチを
    共に接続させるように制御し、該モード設定手段で第2
    の制御モードが設定されていて且つ該スリップ検出手段
    で車両のスリップが検出されない時には後輪駆動状態と
    なるように該第2クラッチのみを接続させるように制御
    し、該モード設定手段で第2の制御モードが設定されて
    いて且つ該スリップ検出手段で車両のスリップが検出さ
    れた時には四輪駆動状態となるように該第1クラッチ及
    び該第2クラッチを共に接続させるように制御する一方
    で、該比較手段により横加速度比λ_1が限界値τを超
    えていると判定されると該モード設定手段での設定に係
    らず該車輪に伝達される動力を低減若しくは遮断すべく
    該第1クラッチ及び第2クラッチの接続状態を制御する
    クラッチ制御手段とから構成されていることを特徴とす
    る、自動車の動力伝達装置。
  5. (5)エンジンの出力を第1クラッチを介して前輪に第
    2クラッチを介して後輪にそれぞれ伝達する動力伝達系
    と、車輪のスリップ状態を検出するスリップ検出手段と
    、動力伝達系の制御モードを選択するモード選択手段と
    、車両のヨーレイトγを検出するヨーレイトセンサと、
    前輪の操舵角δを検出する操舵角センサと、車両の横加
    速度G_Yを検出する横加速度センサと、該スリップ検
    出手段からの検出信号、該モード選択手段からの選択信
    号及び上記の各センサからの検出信号に基づいて該第1
    クラッチ及び該第2クラッチを制御するコントローラと
    をそなえ、該コントローラが、該ヨーレイトセンサで検
    出されたヨーレイトγ、該操舵角センサで検出された操
    舵角δ及び車両のホィールベースLに基づいて該ヨーレ
    イトγ及び該操舵角δの関数として算出される車両の擬
    似横加速度G_Y_2=γ^2L/δの値と該横加速度
    センサで検出された実際の横加速度G_Yの値との比で
    ある横加速度比λ_2を算出する演算手段と、車両のス
    テア特性に基づいて予め設定された横加速度比の限界値
    τを記憶する限界値記憶手段と、該演算手段で算出され
    た横加速度比λ_2と該限界値記憶手段に記憶された限
    界値τとを比較する比較手段と、該モード選択手段から
    の選択信号に基づいて第1の制御モード又は第2の制御
    モードを設定しうるモード設定手段と、該モード設定手
    段で第1の制御モードが設定されていて且つ該スリップ
    検出手段で車両のスリップが検出されない時には前輪駆
    動状態となるように該第1クラッチのみを接続させるよ
    うに制御し、該モード設定手段で第1の制御モードが設
    定されていて且つ該スリップ検出手段で車両のスリップ
    が検出された時には四輪駆動状態となるように該第1ク
    ラッチ及び該第2クラッチを共に接続させるように制御
    し、該モード設定手段で第2の制御モードが設定されて
    いて且つ該スリップ検出手段で車両のスリップが検出さ
    れない時には後輪駆動状態となるように該第2クラッチ
    のみを接続させるように制御し、該モード設定手段で第
    2の制御モードが設定されていて且つ該スリップ検出手
    段で車両のスリップが検出された時には四輪駆動状態と
    なるように該第1クラッチ及び該第2クラッチを共に接
    続させるように制御する一方で、該比較手段により横加
    速度比λ_2が限界値τを超えていると判定されると該
    モード設定手段での設定にかかわらず該車輪に伝達され
    る動力を低減若しくは遮断すべく該第1クラッチ及び第
    2クラッチの接続状態を制御するクラッチ制御手段とか
    ら構成されていることを特徴とする、自動車の動力伝達
    装置。
  6. (6)限界値τが上限値τ_1又は下限値τ_2である
    ことを特徴とする、請求項(1)乃至(5)のいずれか
    に記載された、自動車の動力伝達装置。
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