JPH03123426A

JPH03123426A - 濃縮クリームの製造方法

Info

Publication number: JPH03123426A
Application number: JP26177589A
Authority: JP
Inventors: Masaru Hikasa; 日笠　勝; Kimiisa Yamamoto; 山本　公勇; Yoshihiro Inohara; 井ノ原　義弘
Original assignee: Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Current assignee: Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date: 1989-10-06
Filing date: 1989-10-06
Publication date: 1991-05-27

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉本発明は濃縮クリームの製造方法に関し、特に加熱によ
る臭や、着色が付かない、高品質の濃縮クリームを簡便
に得ることができる方法に関する。

〈従来の技術〉新鮮な牛乳を遠心分離すると液体成分の脱脂乳（スキム
ミルク）と、固形成分のクリームとに分かれる。　　こ
のクリームは、牛乳中にエマルジョンの形で存在する、
直径０．１〜２２μの小球状の脂肪球の塊である乳脂肪
を主成分とし、その他に少量のタンパク買、乳糖、灰分
等を含むものである。　遠心分離によって得られるクリ
ーム中の乳脂肪分は、通常、２０〜４５％程度である。

　このクリームは、主にバター原料となるが、近年、食
生活の向上や多様化に伴って、ケーキ、チョコレートな
どへの添加用、あるいはフランス料理のソース用などに
用途が拡大され、それらの用途に供するために、濃縮ク
リームの需要が増大している。

ところで従来、クリームの濃縮は、真空蒸発法によって
行われてきた。

〈発明が解決しようとする課題〉しかし、真空蒸着法によりクリームを濃縮すると、加熱
により臭や着色が生じるため、品質が低下し、また処理
操作が煩雑であるなどの問題があった。

一方、全乳や脱脂乳を限外濾過膜を用いて濃縮してチー
ズベースを製造することや、全乳を逆浸透膜を用いて濃
縮し、輸送ボリュームを減らすことは従来行われていた
が、乳脂肪の塊であるクリームからｍＡＭを用いて濃縮
クリームを製造することは、従来行われていなかった。

そこで本発明の目的は、加熱による奥や着色の問題がな
い、高品質の濃縮クリームを簡便に得ることができる方
法を提供することにある。

く課題を解決するための手段〉本発明は前記課題を解決するために、遠心分離法によっ
て得られたクリームを、加温しながら精密濾過膜、限外
濾過膜および逆浸透膜から選ばれる少くとも１種の濾過
膜で濾過して濃縮することを特徴とする濃縮クリームの
製造方法を提供するものである。

本発明の方法は、遠心分離によって牛乳から分離された
クリームを加温して液状にし、これを精密濾過膜、限外
濾過膜および逆浸透膜から選ばれる少くとも１種の濾過
膜を装着した膜分離装置で循環濾過し、水分などの低分
子量成分を膜透過液として分離することにより、濃縮ク
リームを得る方法である。

牛乳から遠心分離によって得られたクリームは、通常、
乳脂肪分２０〜４５％程度のものである。

遠心分離の方法、条件等は一般に行われているものでよ
く、特に制限されない。

また、本発明において得られる濃縮クリームは、乳脂肪
分が最大で７５〜８０％のものであり、その用途等によ
って適宜、任意の乳脂肪分のものを調製することができ
る。

本発明の方法において、濾過膜として用いられる精密濾
過膜、限外濾過膜または逆浸透膜は、直径０．１〜２２
μの脂肪球として牛乳中に存在している乳脂肪を主成分
とするクリーム分が透過せず、濾過、分離されるもので
あればよく、特に限定されず、また材質等についても特
に限定さｈない。

例えば、精密濾過膜として、孔径約０．１〜１５μの酢
酸セルロース、フッ素系ポリマーポリカーボネート等を
材質としたもの；限外濾過膜として、分画分子量約１，
０００〜３，０００，０００のポリスルホン、ポリアク
リロニトリル、フッ素系ポリマー等を材質としたもの；
逆浸透膜としてＮａＣＪ２排除率約１０％以上の酢酸セ
ルロース、ポリアミド、ポリスルホン等を材質としたも
の；精密濾過膜と限外濾過膜、限外濾過膜と逆浸透膜と
の中間的な性質を有する濾過膜などが挙げられる。

本発明において、これらの精密濾過膜、限外濾過膜、逆
浸透膜およびこれらの中間的な性質を有する濾過膜は、
１種単独でも２種以上を組合わせても用いられる。

ところで、遠心分離によって得られたクリームには、乳
脂肪分以外に無脂乳固形分として少量のタンパク質、乳
糖、灰分等が含まれている。　本発明の方法において、
濾過膜として逆浸透膜を用いる場合、逆浸透膜は、これ
らの全ての成分を透過させないため、得られる濃縮クリ
ーム中の固形分の量は、濾過前に比してほとんど変化し
ないが、膜透過水量が少なく、高い濃縮倍率の濃縮クリ
ームを得るのが困難である。　また、精密濾過膜もしく
は限外濾過膜を用いる場合には、これらの膜は、乳糖と
灰分は透過しタンパク質はほとんど透過しないため、得
られる濃縮クリーム中の乳糖と灰分の量は、濾過前に比
して減少するが、膜透過水量が大きく高い濃縮倍率の濃
縮クリームを得るのが容易である。

したがって、濃縮クリームの用途等にしたがって、所望
の組成、乳脂肪分が得られるように、適当な濾過膜を選
択すればよい。

濾Ａ’Ａ埋時のクリームの温度は、通常、４０〜９０℃
、さらに４０〜６０℃が好ましく、５０℃付近の温度が
膜処理操作のしやすさの点で特に好ましい。

濾過の圧力は、使用される濾過ｎ莫のｆｆｆｉ類等によ
って、適宜選択されるが、通常、限外濾過膜では１０　
ｋｇ／ｃｍ’以下、精密濾過膜では５　ｋｇ／ｃｍ２以
下である。　一般に、濾過の圧力は低い程よく、余り高
いと、膜の目詰まりの原因となる。

濾過処理の形式は、回分式、半回分式、連続式のいずれ
でもよく、特に制限されない。

また、用いられる膜分離装置の型式は、平膜型モジュー
ル、管型モジュール、スパイラル型モジュール、中空糸
型モジュール等が挙げられ、濃縮されるクリーム中の乳
脂肪分が低い場合には、スパイラル型モジュールおよび
中空糸型モジュールも使用できるが、平服型モジュール
および管型モジュールが流路の目詰りがなく高濃度濃縮
が可能である点で好ましい。

〈実施例〉以下、本発明の実施例により本発明を具体的に説明する
。

（実施例］）フレッシュクリーム（乳脂肪分＝４５％、無脂乳固形分
：４％）５．４ｆｔを、内容積１０Ｉｌのタンクに仕込
んだ。　このタンクに分画分子量４０，０００の限外濾
過膜（膜材買：ボリフッ化ビニリデン）を装着した濾過
装置（膜面積＝０．０２ｍ２）を接続し、圧力２　ｋｇ
／ｃｍ２、液温５０℃の条件で、全液量が３．５ｋにな
るまで、クリームを回分的に濾過して濃縮した。

このとき、濃縮倍率と平均膜透過水量を測定した。　結
果を第１図に示す。　全液量が３．５２になるまで濃縮
した最終時点における濃縮倍率は１．５４倍であり、ま
た全濾過工程における平均膜透過水量は２３．８ｊ２／
ｍ２・ｈｒであった。　最終的に得られた濃縮クリーム
中の固形分は７４．９％であり、また、膜透過液の固形
分は４．７％であった。　また、得られた濃縮クリーム
は滑らかで、加熱による臭や着色の発生は認められなか
った。

（実施例２）フレッシュクリーム（乳脂肪分：４５％、無脂乳固形分
＝４％）９．０ｆｌを、内容積ｌｏｇのタンクに仕込ん
だ。　このタンクに精密濾過膜（膜材質：ポリフッ化ビ
ニリデン、孔径：０．２μｍ）を装着した濾過装置（膜
面積二０．０２ｍ２）を接続し、圧力２　ｋｇ／ｃｍ２
、液温５０℃の条件で、全液量が６．４３Ｊ２になるま
で、クリームを回分的に濾過して４縮した。

全液量が６．４３ｕになるまで濃縮した最終時点におけ
る濃縮倍率は１．４倍であり、また全濾過工程における
平均膜透過水量は１７．３Ｉｌ／ｍ２・ｈｒであった。

　最終的に得られた濃縮クリーム中の固形分は７１．３
％であり、膜透過液の固形分は５．３％であった。　　
また、得られた濃縮クリームは滑らかで、加熱による臭
や着色の発生は認められなかった。

〈発明の効果〉本発明の方法によれば、加熱による臭や若色がない高品
質の濃縮クリームを簡便に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、実施例１における濾過工程での；、；１縮倍
率と平均膜透過水量の関係を示す図である。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）遠心分離法によって得られたクリームを、加温し
ながら精密濾過膜、限外濾過膜および逆浸透膜から選ば
れる少くとも１種の濾過膜で濾過して濃縮することを特
徴とする濃縮クリームの製造方法。
（２）前記濾過膜が、精密濾過膜または限外濾過膜であ
る請求項１記載の濃縮クリームの製造方法。
（３）前記クリームの加温の温度が４０〜９０℃である
請求項１または２に記載の濃縮クリームの製造方法。