JPH0310498Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動露出制御カメラにおいて、枚数盤
に連動係合する露出制御用のスイツチの開閉に関
するものである。

従来、これら自動露出制御カメラにおいて枚数
盤に連動係合するスイツチを設け、枚数盤が完全
に戻つた状態でスイツチの開閉がなされる自動制
御のカメラがあつた。

第１図は従来例の１例で、フイルムの撮影枚数
を表示する円形の枚数盤１の１部周面に切欠き１
ａを設け、枚数盤１の中央下部にはラチエツトホ
イール１ｂが固着されている。枚数盤１の上部に
は復元バネ２が係合して復元方向に付勢される。
この枚数盤１の近辺には、裏蓋３の開閉に連動し
て、枚数盤１と係脱可能な如く送りレバー４が設
けられている。該送りレバー４の一端には送りギ
ヤ４ａと送り爪４ｂが同軸上一体回転可能に軸支
されている。他端にはバネ５が係合して、裏蓋３
の開方向に付勢している。送り爪４ｂは裏蓋３が
閉の時のみ枚数盤１のラチエツトホイール１ｂに
係合する。一方送りギヤ４ａはスプロケツトギヤ
６と常時噛合する如く設けられている。

又、枚数盤１の切欠き１ａ周辺の周面上にスイ
ツチ７の長接片７ａが摺動圧接する如く設けら
れ、枚数盤１が完全に復元した状態から枚数盤１
の表示が指標８の位置で−１から０の領域で前記
切欠き１ａに長接片７ａが嵌入する様に設けら
れ、この切欠き１ａに嵌入すると長接片７ａと短
接片７ｂが閉になる。このスイツチ７はシヤツタ
ー制御用として用いられるもので、フイルム装填
後、裏蓋３を閉じて枚数盤１のカウンター表示が
０以下の領域の時にはシヤツタースピードが自動
的に一定のスピードにセツトされ、表示が０より
上の領域ではアペツクスに基づく絞りや明るさに
応じたシヤツタースピードが演算される方に切替
わる様回路構成されているものとする。

以上の様な機構のカメラにあつては、フイルム
を装填後、裏蓋３を閉め、フイルムを巻上げる
と、撮影開始の領域である枚数盤１の表示が１以
上の領域に回転する迄は、謂るシヤツタースピー
ドが演算制御を受ける事なく一定のスピードでシ
ヤツターがレリーズされるので、撮影開始領域迄
のフイルムの空送りがスムーズに行われる利点を
有する。当然撮影開始領域ではアペツクス演算に
基づくカメラの自動制御に切り替つてシヤツター
が切れる事になる。

但し、この種従来のカメラにあつては裏蓋３を
開けて枚数盤１が自動復帰する時も前記スイツチ
７の長接片７ａは常に枚数盤１の周面に圧接して
いるので、フリクシヨンによつて枚数盤１の戻り
不良を起す原因ともなつていた。更に枚数盤１が
復帰した状態でシヤツタースピードの自動露出が
正しく行われているかどうかをチエツクする時に
は、裏蓋３を開けた状態（即ち前記スイツチ７は
閉になつている）で行うので、この時にはシヤツ
タースピードが常に一定になつてしまうので、何
らかの治具を用いたりしてスイツチ７を閉の状態
にしなければシヤツタースピードのチエツクや調
整も為し得ないという欠点があつた。本考案では
これら欠点を克服するものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第２図は本考案の一実施例を示す斜視図であ
る。第１図の従来例と共通する部分は同番号を付
してある。この図では裏蓋３が閉じられた状態を
示すもので、スイツチ７の長接片７ａの摺接部７
ｃから延長部７ｄを設け、この延長部７ｄに裏蓋
３と連動する送りレバー４の一部を連動係合させ
たもので、この場合には送りレバー４の送り爪４
ａに係合している。又枚数盤１の切欠き１ａは前
記摺接部７ｃが枚数盤１の表示が撮影開始前の領
域（即ち−１から０の時）では嵌入係合する位置
に穿設してある。

次にこの機構の作用について述べる。

第２図は裏蓋３が閉じられて撮影開始後（即ち
表示が１以上）の状態であり、裏蓋３が送りレバ
ー４の接曲部をバネ５の付勢に抗して押してあ
る。故に送りレバー４の送り爪４ａは枚数盤１の
ラチエツトホイール１ｂと噛合している。送り爪
４ａにはスイツチ７の長接片７ａの延長部７ｄが
係合しているので、送りレバー４と一緒に枚数盤
１の周面にスイツチ７の摺接部７ｃが圧接されて
いる。但しスイツチ７は閉の状態にならない様に
接片間のスキマ調整がなされてある。今この状態
からフイルム撮影を終了したとして、フイルムの
巻戻し後にフイルムを取り出す為、裏蓋３を開け
たとすると裏蓋３と連動して送りレバー４はバネ
５によつて枚数盤１から離れる方向に回動する。
よつて送り爪４ａがラチエツトホイール１ｂとの
係合を解かれると同時に送り爪４ａと係合するス
イツチ６の長接片６ａも枚数盤１への圧接が解か
れるので、枚数盤１はバネ２によつて撮影開始前
の領域迄復帰回動する。

次に撮影を行う時には、フイルムを装填後裏蓋
３を閉めた時、裏蓋３の突起が送りレバー４の折
曲部を押してラチエツトホイール１ｂと送り爪４
ａが噛合した時に、スイツチ７の摺接部７ｃは枚
数盤１の切欠き１ａに嵌入するので、長接片７ａ
と短接片７ｂは閉の状態となる。

第３図は本考案を別の枚数盤送り機構に適用し
た場合の他の実施例を示すものである。

この図も裏蓋３が閉じられて撮影開始後の状態
を示すものであり、枚数盤１の送り機構が前記の
実施例と異つているものに適用した例である。図
上９が送り爪、１０が逆転防止レバー、１１がス
イツチ作動レバーを夫々示すもので、作用は第２
図の実施例と本質的に同じである。

即ち、いづれの実施例においても、撮影開始前
の状態で裏蓋３が閉じてある時のみにスイツチ７
が閉となるものであり、その他の場合にはいづれ
もスイツチが開となつている。

以上述べた如く本考案では裏蓋を開くと常にス
イツチを、シヤツタースピードがアペツクス演算
用の自動露出スピードになる状態にするのである
から、裏蓋が開いた状態でシヤツタースピードの
チエツクが治具等用いる事なく、そのままで行う
事ができ、ユーザーのカメラ診断や、カメラの生
産工程におけるシヤツタースピードの検査には迅
速に行う事が出来るといつた大きな効果を有する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の枚数盤切替スイツチの従来例を
示す平面図、第２図は本考案の一実施例を示す斜
視図、第３図は本考案の他の実施例を示す斜視
図。 １……枚数盤、１ａ……切欠き、１ｂ……ラチ
エツトホイール、４……送りレバー、４ａ……送
り爪、４ｂ……送りギヤ、７……スイツチ、７ａ
……長接片、７ｂ……短接片、７ｃ……摺接部、
７ｄ……延長部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヤツタースピードをフイルム空送り用の一定
   スピードとアペツクス演算用の自動露出スピード
   とに切替える切替用スイツチを、枚数盤に連動さ
   せ、枚数盤の撮影開始前後の領域で前記スイツチ
   が開閉する手段を設けた自動露出制御カメラにお
   いて、前記スイツチを裏蓋に連動する可動部材に
   係合させ裏蓋の開では前記スイツチを、前記シヤ
   ツタースピードがアペツクス演算用の自動露出ス
   ピードになる状態にする事を特徴とする自動露出
   制御カメラのシヤツタースピード切替用スイツチ
   機構。