JPH03103786A - 超音波探触子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は超音波探触子に関するものである。

［従来の技術］ 超音波は弾性振動であるので、気体中に限らず液体中・
固体中でも遠くまでよく伝播する。また非破壊で計測を
行うことができるので、電波が入らない海水中での計測
、例えば海洋分野では、魚群．海底地形，障害物の探索
などに広く応用されている。

超音波による計測は、パルス反射法がもっとも多く利用
されており、その原理はレーダーと殆ど同じである。す
なわち送信用振動子から超音波パルスを媒質中に発射し
て、標的からの反射波を受信用振動子で受け、これを電
気信号に変換して増幅検波し、受信信号の時間的変化を
ブラウン管オシロスコープで表示したり、記録紙に記録
することにより、 ■反射波の時間遅れから標的までの距離を得ることがで
きる． ■受波器の向きから標的の方向を得ることができる。

■反射波の振幅から一標的の大きさ・形状などの情報を
得ることができる。

超音波計測に用いる超音波探触子は、緻密に焼成された
チタン酸バリウム（ＢａＴｉ０３），チタン酸鉛（Ｐｂ
Ｔｉ０３），ジルコン・チタン酸鉛（ＰＺＴ）などのセ
ラミック圧電振動子を用いて超音波を発生させているが
、超音波は、例えばセラミック圧電振動子がら水中への
如く、異なった音響インピーダンスを持つ物質間をその
まま透過させることはできず、音響インピーダンスの整
合を行っている． 例えば海洋関係で一般的に使用されてぃるＰＺＴを用い
た圧電振動子の場合、ＰＺＴの音響インピーダンスは通
常３２Ｘ　１　０６Ｋｇ／ｍ２・ｓ程度であり、水の音
響インピーダンス１．５×１０６Ｋｇ／ｍ２・Ｓと比較
すると高く、音響インピーダンスの整合を図るために、
通常二層あるいはそれ以上の多層整合層を圧電振動子上
に形成している。

また近年では圧電振動子を多孔質構造とし、それ自体の
音響インピーダンスを下げることによって、低い水の音
響インピーダンスと効率よく整合させる方法が取られて
いる。

第２図は上述のような多孔質構造の圧電素子を用いた従
来の魚群探知機用超音波探触子の構成を示す断面図で、
図において（１）は多孔質圧電振動子、（２）は電極、
（３）はスポンジ，コルクなどの気泡を多く持つ材質で
形成された背面負荷で、多孔質圧電振動子（１〉を保持
すると共に音響的背面負荷を形成し、超音波が背後へ放
射することを防止している．（４）は二層からなる整合
層、（５）はウレタンゴムなどの保護材で、この保護材
（５〉は水とほぼ同じ音響インピーダンスを持ち振動子
全体を機械的衝撃から保護すると共に、防水する役割を
果たす．（６〉はケース、（７）は電極（２）へ通電を
行う導線、（８）は導線（７〉と電極（２）とを半田接
続した半田付け部である． 第３図は第２図に示す超音波探触子の特性を示す図で、
第３図（Ａ＞は多孔質構造の単位体積当たりに占める空
孔の比率（以下これを空孔率という〉と電気機械変換効
率との関係を示す図。第３図（Ｂ）は空孔率と音響イン
ピーダンスとの関係を示す図。第３図（Ｃ〉は空孔率と
引っ張り強度との関係を示す図である． 第３図（Ａ）に示すように、空孔率４０％以内の範囲内
においては、空孔率を変化させても電気機械変換効率（
すなわち超音波探触子の効率）は劣化することなく、第
３図（Ｂ）に示すように音響インピーダンスを大幅に変
化させることが可能である。

ただし第３図（Ｃ）に示すように、空孔率４０％以下の
範囲内においても空孔率が増加するに従って引っ張り強
度が著しく劣化してしまうことがわかる。

［発明が解決しようとする課題］ 超音波探触子は、例えば魚群探知機用超音波探触子のよ
うに、赤道直下の熱帯域から南極や北極のような寒冷域
までの広範囲での使用が予測されるため、環境温度の変
化に対しても十分な機械的強度を備えている必要がある
． 然しながら従来の超音波探触子は以上のように構戒され
ているので、音響インピーダンスを整合させるために空
孔率を増加させると、機械的強度が著しく劣化してしま
うという問題がある。

第２図に示すような従来の超音波探触子において、例え
ば空孔率２２％で焼結したＰＺＴで形成された多孔質圧
電振動子を用いる場合、環境温度を−３０”　Ｃ〜＋８
０”　Ｃ／６時間で変化させ、これを２０回繰り返す試
験を行うことによって、半田付け部が容易に破壊されて
しまう。

すなわち環境温度の変化で各部の熱膨張率の差異により
生じる応力に、半田付け部の機械的強度が負けて半田付
け部が破壊されてしまうという問題点があった。

この発明はかかる課題を解決するためになされたもので
、環境温度の変化に対しても十分な機械的強度を持つ超
音波探触子を提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ この発明にかかる超音波探触子は、多孔質圧電振動子の
各電極２こ密着する背面負荷に、外部から各電極まで達
する空隙を形成し、この空隙に半田付け部を設け、導線
を撓ませながら空隙を通し半田付け部で各電極に半田接
続することとしたものである． ［作用］ この発明においては、多孔質圧電振動子の各電極に密着
する背面負荷に、外部から各電極まで達する空隙を形成
し、この空隙に半田付け部を設け、導線を撓ませながら
空隙を通し半田付け部で各電極に半田接続することとし
たので、環境温度の変化による応力が生じてもその影響
を回避することが可能となる。

［実施例］ 以下、この発明の実施例を図面について説明する。第１
図はこの発明の一実施例を示す断面図で、図において第
２図と同一符号は同一又は相当部分を示し、（９〉はそ
れぞれ空隙を示す。

第１図に示すように、この実施例では多孔質圧電振動子
（１〉の各電極（２）に密着する背面負荷（３）に外部
から各電極（２）まで達する空隙（９）を形成し、この
空隙に半田付け部（８）を設け、この半田付け部（８）
で撓みを持たせた各導線（７）を各電極（２）に半田接
続している。

各導線（７〉の撓みは、最短距離の１０％以上あれば、
加えられる応力を十分に緩和させることができ、従って
各導線《７）に１０％以上の撓み量を持たせられる大き
さの空隙（９）が形戊されていれば良い。

このような楕成にすることによって、環境温度の変化に
より応力が生じても、その応力が直接半田付け部（８）
にかかることを防止でき、また各導線（７）を介してか
かる応力は、各導線（７）の撓みにより十分に緩和する
ことができ、半田付け部（８〉の破壊を防止して、環境
温度の変化に対しても十分な機械的強度を持たせること
ができる。

例えば空孔率２２％で焼結したＰＺＴで形成した、音響
インピーダンス１７．５ｘｌＯ６Ｋｇ／ｍ２・Ｓの多孔
質圧電振動子（音響インピーダンスが低くなるため一層
の整合層で構成することができる〉を用いる場合、従来
の構造では半田付け部（８〉が簡単に破壊されてしまう
ような、環境温度を−３０゜Ｃ〜＋８０″Ｃ／６時間で
変化させ、これを２０回繰り返す試験においても、この
発明では半田付け部（８）が破壊されるようなことはな
く、十分な機械的強度を備えていることが解る。

なお上記実施例では、魚群探知機用超音波探触子を例に
とり説明しているが、例えばソナーや医療用の超音波探
触子など、あらゆる用途の超音波探触子に広く実施でき
ることは言うまでもない。

［発明の効果］ この発明は以上説明したように、多孔質圧電振動子の各
電極に密着する背面負荷に、外部から各電極まで達する
空隙を形成し、この空隙に半田付け部を設け、導線を撓
ませながら空隙を通し半田付け部で各電極に半田接続す
ることとしたので、環境温度の変化による応力が生じて
もその応力による影響を回避することができ、信頼性の
高い超音波探触子が得られるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す断面図、第２図は従
来の超音波探触子の楕造を示す断面図、第３図は第２図
に示す超音波探触子の各特性を示す図。 （１〉は多孔質圧電振動子、（２）は電極、（３）は背
面負荷、（４〉は整合層、（５）は保護材、（６）はケ
ース、（７）は導線、（８）は半田付け部、（９〉は空
隙。 なお、各図中同一符号は同一又は相当部分を示７：導 線 ８：半田付け部 ５

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 　多孔質セラミックで形成された多孔質圧電振動子と、
   この多孔質圧電振動子の両端面に設けられた各電極と、
   この電極が設けられた上記多孔質圧電振動子を埋め込み
   この多孔質圧電振動子の保持および音響的背面負荷を形
   成する背面負荷と、上記各電極を通電するため外部から
   上記背面負荷を貫通させて上記各電極に設けられた半田
   付け部に半田接続された各導線とを有し、 この各導線を介して上記各電極を通電し、上記多孔質圧
   電振動子を振動させて超音波を発生させる超音波探触子
   において、 上記背面負荷に、外部から上記各電極まで達する空隙を
   形成する手段、 上記空隙に上記半田付け部を設け、上記各導線を撓ませ
   ながら該空隙を通し上記半田付け部で上記各電極に上記
   各導線を半田接続する手段、を備えたことを特徴とする
   超音波探触子。