JP3006861U - 超音波探触子 - Google Patents
超音波探触子Info
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- JP3006861U JP3006861U JP1994009837U JP983794U JP3006861U JP 3006861 U JP3006861 U JP 3006861U JP 1994009837 U JP1994009837 U JP 1994009837U JP 983794 U JP983794 U JP 983794U JP 3006861 U JP3006861 U JP 3006861U
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- piezoelectric vibrator
- ultrasonic probe
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 多孔質圧電振動子を利用した超音波探触子で
あって、特に温度変化に対して高信頼性の超音波探触子
を提供する。 【構成】 多孔質セラミックで形成された多孔質圧電振
動子1と、媒質中に超音波を輻射させる整合層3と、多
孔質圧電振動子1と整合層3とを接着する接着層5とを
有する超音波探触子において、接着層5に使用される接
着剤のヤング率を、多孔質圧電振動子1及び整合層3の
ヤング率よりも小さく設定した構成。
あって、特に温度変化に対して高信頼性の超音波探触子
を提供する。 【構成】 多孔質セラミックで形成された多孔質圧電振
動子1と、媒質中に超音波を輻射させる整合層3と、多
孔質圧電振動子1と整合層3とを接着する接着層5とを
有する超音波探触子において、接着層5に使用される接
着剤のヤング率を、多孔質圧電振動子1及び整合層3の
ヤング率よりも小さく設定した構成。
Description
【0001】
本考案は、多孔質圧電振動子を利用した超音波探触子に関し、特に温度変化に 対して高信頼性のある超音波探触子に関する。
【0002】
従来、超音波は弾性振動であるため、気体中、液体中又は固体中でも長距離ま でよく伝搬する。このため、例えば気体中で計測を行う距離センサ等に広く応用 されている。
【0003】 超音波を利用した計測は、パルス反射法が最も多く利用されており、その原理 はレーダとほとんど同じである。すなわち、送信用振動子から超音波パルスを媒 質中に発射し、標的からの反射波を受信用振動子によって受け、これを電気信号 に変換して増幅検波し、受信信号の時間的変化から反射波の時間遅れを計測する ことにより標的までの距離を計測することができる。
【0004】 超音波計測に用いる超音波探触子は、緻密に焼成されたチタン酸バリウム(Ba
TiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT) などのセラミッ ク圧電振動子を用いて超音波を発生させているが、このようなセラミック圧電振 動子を用いて超音波を気中に放射するような場合、異なった音響インピーダンス を持つ物質間をそのまま透過させることができないため、音響インピーダンスの 整合を行っている。
TiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT) などのセラミッ ク圧電振動子を用いて超音波を発生させているが、このようなセラミック圧電振 動子を用いて超音波を気中に放射するような場合、異なった音響インピーダンス を持つ物質間をそのまま透過させることができないため、音響インピーダンスの 整合を行っている。
【0005】 例えば空気中で使用する場合、一般的に使用されているジルコン酸チタン酸鉛 (PZT) を用いた圧電振動子では、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT) の音響インピ ーダンスは通常32×106Kg/m2s程度であり、空気の音響インピーダンス は零に近いため、両者の音響インピーダンスの整合は困難であった。
【0006】 近年では、圧電振動子を多穴質構造とし、それ自体の音響インピーダンスを下 げることによって、空気の音響インピーダンスと効率良く整合させる方法がとら れている。
【0007】 図1は、本考案の一実施例を示す図面であるが、図示される構成は従来例と同 等であるため、図1の構成において従来技術を述べる。
【0008】 図1は、前に述べた多孔質圧電振動子を用いた従来の空中で使用する距離測定 用超音波探触子を示す概略断面図で、ケース4内部に収容された多孔質圧電振動 子1には超音波振動を与えるための一対の電極2が多孔質圧電振動子1の上下面 にそれぞれ設けられ、その一対の電極2にはそれぞれ導線6が接続されている。 この多孔質圧電振動子1の上面の電極2と整合層3とは接着層5によって接合さ れる。
【0009】 図2(A)は、図1に示す超音波探触子の特性として、多孔質構造の単位体積 当たりに占める空孔の比率(空孔率)と電気機械変換効率(超音波探触子の効率 )との関係を示す図で、図示のように空孔率40%以内の範囲内においては、空 孔率を変化させても電気機械変換率において大きな劣化は生じない。
【0010】 図2(B)は、空孔率と音響インピーダンスとの関係を示すグラフで、図示の ように空孔率を変化させることによって音響インピーダンスを大幅に変化させる ことが可能である。
【0011】 図2(c)は、空孔率と引っ張り強度との関係を示すグラフであり、グラフか ら明らかなように空孔率が40%以内の範囲でも、空孔率が増加するに従い引っ 張り強度が著しく劣化してしまうことが分かる。
【0012】 超音波探触子は、例えば自動車搭載用超音波探触子の場合には、赤道直下の砂 漠から南極や北極のような極寒冷地までの広い温度範囲での使用が予測されるた め、環境温度の変化に対しても十分な機械的強度を備えていることが要望されて いる。
【0013】
以上述べたような超音波探触子においては、音響インピーダンスを整合させる ために空孔率を増加させると、機械的強度が著しく劣化してしまうという不都合 があった。例えば、空孔率22%で焼結したジルコン酸チタン酸鉛(PZT) で形 成された多孔質圧電振動子とエポキシ樹脂で形成した整合層で超音波探触子を構 成する場合、環境温度を6時間かけて―30℃から+80℃まで変化させて行う 温度耐久試験を20回行った結果、多孔質圧電振動子と整合層の各部の熱膨張率 の差異により生じる応力に対して、多孔質圧電振動子の機械的強度が負けて多孔 質圧電振動子が破壊されてしまうという不都合があった。
【0014】 本考案は上記従来技術の課題に鑑み、環境温度の変化に対して高い信頼性を有 する超音波探触子を提供することを目的とする。
【0015】
本考案は、このような従来技術の課題を解決するために、多孔質セラミックで 形成された多孔質圧電振動子と、媒質中に超音波を輻射させる整合層と、多孔質 圧電振動子と整合層とを接着する接着層とを有する超音波探触子において、 接着層に使用される接着剤のヤング率を、多孔質圧電振動子及び整合層のヤン グ率よりも小さく設定した構成とする。
【0016】
超音波探触子において、多孔質圧電振動子と整合層とを接着する接着層に使用 する接着剤のヤング率を、多孔質圧電振動子及び整合層のヤング率よりも小さく 設定することにより、環境温度の変化によって生じる整合層の伸縮による応力が 整合層によって緩和され、多孔質圧電振動子に加えられる応力を十分に緩和させ ることが可能となる。
【0017】 それにより、環境温度変化に対して高信頼性の超音波探触子が達成される。
【0018】
以下、本考案の一実施例につき図1を参照して詳細に説明する。前述した従来 例の説明において用いた部材と同一若しくは同等の部材には同一の参照符号を付 してその説明を省略する。
【0019】 図1における多孔質圧電振動子1は、例えば空孔率22%で焼結したジルコン 酸チタン酸鉛(PZT)で形成した音響インピーダンス17.5×106Kg/m2s の多孔質圧電振動子である。また整合層3は、音響インピーダンス2.1×106 Kg/m2s のエポキシ樹脂で形成される。このような多孔質圧電振動子1と整 合層3との接着には、多孔質圧電振動子1と整合層3のヤング率よりも小さいシ リコン系樹脂接着剤を使用する。
【0020】 このようにヤング率の小さいシリコン系樹脂接着剤を使用すると、環境温度を 6時間かけて―30℃から+80℃まで変化させて行う温度耐久試験を20回行 った結果、多孔質圧電振動子には何の影響も生じず、十分な機械的強度を達成し た。
【0021】 なお、今まで述べた実施例では、気中で用いる距離測定用超音波探触子を例と して説明したが、本考案は例えばソナーや医療用の超音波探触子等あらゆる用途 の超音波探触子にも広く利用できるものである。
【0022】
以上述べた本考案によれば、超音波探触子において、多孔質圧電振動子と整合 層とを接着する接着層に使用される接着剤のヤング率を、多孔質圧電振動子及び 整合層のヤング率よりも小さく設定することにより、環境温度の変化によって生 じる整合層の伸縮による応力が、前記整合層によって緩和され、多孔質圧電振動 子に加えられる応力を十分に緩和させることが可能となる。
【0023】 それにより、環境温度変化に対して高信頼性の超音波探触子が達成されるとい う効果を有する。
【図1】本考案の一実施例を示す概略断面図である。
【図2】(A)、(B)及び(C)はそれぞれ空孔率
と、電気機械変換効率、音響インピーダンス及び引っ張
り強度との関係を示すグラフである。
と、電気機械変換効率、音響インピーダンス及び引っ張
り強度との関係を示すグラフである。
1 多孔質圧電振動子 2 電極 3 整合層 4 ケース 5 接着層 6 導線
Claims (2)
- 【請求項1】 多孔質セラミックで形成された多孔質圧
電振動子と、媒質中に超音波を輻射させる整合層と、前
記多孔質圧電振動子と前記整合層とを接着する接着層と
を有する超音波探触子において、 前記接着層に使用される接着剤のヤング率を、前記多孔
質圧電振動子及び前記整合層のヤング率よりも小さく設
定したことを特徴とする超音波探触子。 - 【請求項2】 請求項1において、前記接着剤として前
記多孔質圧電振動子及び前記整合層のヤング率よりも小
さいヤング率を有するシリコン系樹脂接着剤を使用する
ことを特徴とする超音波探触子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1994009837U JP3006861U (ja) | 1994-07-18 | 1994-07-18 | 超音波探触子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1994009837U JP3006861U (ja) | 1994-07-18 | 1994-07-18 | 超音波探触子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3006861U true JP3006861U (ja) | 1995-01-31 |
Family
ID=43142719
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1994009837U Expired - Lifetime JP3006861U (ja) | 1994-07-18 | 1994-07-18 | 超音波探触子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3006861U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012029110A (ja) * | 2010-07-23 | 2012-02-09 | Nec Corp | 発振装置 |
JP2012513714A (ja) * | 2008-12-23 | 2012-06-14 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 流体媒体に使用するための超音波変換器 |
-
1994
- 1994-07-18 JP JP1994009837U patent/JP3006861U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012513714A (ja) * | 2008-12-23 | 2012-06-14 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 流体媒体に使用するための超音波変換器 |
JP2012029110A (ja) * | 2010-07-23 | 2012-02-09 | Nec Corp | 発振装置 |
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