JPH0310359B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、家庭において使用する洗濯と脱水を
一つの槽で行なう遠心脱水洗濯機に関するもので
ある。

（従来例の構成とその問題点） 従来、遠心脱水洗濯機においては、いわゆるパ
ルセータ式の洗濯機が多く使用されているが、こ
の方式では洗濯物のよじれや傷みがはげしいとい
う欠点があつた。また撹拌翼が往複回転する、い
わゆる撹拌式の洗濯機は洗濯物のよじれや傷みは
少ないが、モータの回転を往復回転に変換するた
めの機構が複雑で高価になる欠点があつた。さら
に別の洗濯撹拌方式としては、実願昭32−14564
号、実願昭32−14562号、実願昭32−4790号、実
願昭31−18239号において見られるように偏心傾
斜軸を回転させ、この軸により撹拌翼を歳差運動
（みそすり運動）させるものが開示されている。
この撹拌翼を歳差運動させる方式は、洗濯物のよ
じれや傷みが少なく、構造も簡単で安価な長所が
あるが、洗濯物が撹拌翼の下に巻き込まれる欠点
があつた。

（発明の目的） 本発明の目的は、従来の問題点を解消し洗濯物
のよじれや傷みが少なく、機構が簡単でかつ洗濯
物が撹拌翼の下に巻き込まれることがない遠心脱
水洗濯機を提供することである。

（発明の構成） 本発明の遠心脱水洗濯機は、洗濯と脱水を一つ
の槽で行なう遠心脱水洗濯機において、洗濯駆動
軸の上端部に接続金具を設け、該接続金具にこの
接続金具より上方に傾斜延出させて傾斜軸を設
け、筒状部とこの筒状部の下方に設けた周縁鍔部
とを有する弾性プラスチツク撹拌翼の前記筒状部
を前記傾斜軸に挿入して取付け、さらに前記周縁
鍔部と洗濯兼脱水槽底面との〓間を、周縁鍔部の
下方傾斜位置で、少なくとも１cm以上に保つよう
に構成したものであり、このような構成により、
弾性プラスチツク撹拌翼の周縁鍔部は傾斜軸の回
転により、上下に弾性的に揺動し、洗濯物に対し
て一様な洗濯が行なわれ、さらに弾性プラスチツ
ク撹拌翼の下に洗濯物が巻き込まれることが少な
く、また巻き込まれても１cm以上の隙間があるの
で容易に撹拌翼の下から出るようになつており、
さらに洗濯運転の最終には必ず遠心脱水運転を行
なうので、撹拌翼の下に入つた洗濯物は遠心力に
よつて振り出され、洗濯兼脱水槽の内周壁方向に
押しやられるものである。

（実施例の説明） 本発明の一実施例を図に基づいて説明する。図
において１は洗濯兼脱水槽でフランジ２を介して
脱水中空軸３に接続されている。４は脱水受け槽
で、メカケース５を図の如く機部中央に取付け、
脱水中空軸３をボールベアリング６で支持してい
る。７は洗濯駆動軸でモータ（図示せず）から減
速されて回転が伝えられ、洗濯駆動軸７の上端部
に固定された接続金具８を介して傾斜軸９が図の
如く上方に傾斜延出して接続されている。さらに
１０は周縁鍔部１０ａとこの周縁鍔部１０ａより
上方に設けられた筒状部１０ｂとからなる弾性を
有するプラスチツク製撹拌翼であり、前記筒状部
１０ｂが軸受１１，１２を介して傾斜軸９に対し
て回転自在に嵌合されている。１３は撹拌翼のキ
ヤツプ、１４は撹拌翼１０の抜け止めボルト、１
５，１６は洗濯駆動軸７、傾斜軸９のノツクピン
である。１７は洗濯駆動軸７を脱水中空軸３内に
軸支する軸受メタル、１８，１９，20は軸シール
である。

上記の機構において、洗濯時には洗濯駆動軸７
にモータおよび減速機構（図示せず）を介して回
転（どちら方向でもよい）が伝達されると、傾斜
軸９は歳差運動（みそすり運動）をし、撹拌翼１
０は傾斜軸９に対しては遊嵌合され、回転自在に
なつているので、翼自体は回転せずに図中実線と
二点鎖線で示すような揺動をくり返す。従つて、
撹拌翼１０の周縁鍔部１０ａは上下に弾性的に揺
動し、洗濯物は図中ａで示すような回転をするの
で一様に洗濯が行なわれ、洗濯ムラやよじれ、傷
みがない。この場合、駆動軸７の回転方向を周期
的に左右反転を行なえば、撹拌翼１０の揺動も左
右回転方向に変化するので、洗濯物の撹拌方向に
変化ができて一層洗濯効果が向上する。

脱水時には洗濯兼脱水槽１がモータおよび脱水
中空軸３を介して回転すると、洗濯物は遠心力に
より外方へ押しやられる。従つて、たとえ洗濯物
が撹拌翼１０の周縁鍔部１０ａの下方に入つて
も、周縁鍔部１０ａと洗濯兼脱水槽１底部の隙間
が１＝１cm以上あり、容易に洗濯物が出入りで
き、しかも脱水時には遠心力で外方へ押しやられ
るので、運転終了後に小物の洗濯物が撹拌翼１０
の下にかくれて見つからないというような従来の
問題点は皆無になる。なお、上記実施例では撹拌
翼１０は傾斜軸９に対して遊嵌合させているが、
撹拌翼１０を傾斜軸９に対して固定してもよい。

（発明の効果） 本発明によれば、歳差運動する撹拌翼の周縁鍔
部と洗濯兼脱水槽の底部の隙間を充分にとり、か
つ遠心脱水運転との組合せにより、洗濯物が撹拌
翼の下に巻き込まれたり、小物の洗濯物が撹拌翼
鍔部にかくれて見つからないなどの従来の問題点
が解消される。さらに、洗濯物のよじれ、傷み、
洗濯ムラのない、効率的な洗濯が可能となり、機
構が簡単で安価な遠心脱水洗濯機が提供できる効
果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示す遠心脱水洗濯機の
主要部断面図である。 １……洗濯兼脱水槽、２……フランジ、３……
脱水中空軸、４……脱水受け槽、５……メカケー
ス、６……ボールベアリング、７……洗濯駆動
軸、８……接続金具、９……傾斜軸、１０……プ
ラスチツク製撹拌翼、１０ａ……撹拌翼の周縁鍔
部、１１，１２……軸受、１３……キヤツプ、１
４……抜け止めボルト、１５，１６……ノツクピ
ン、１７……軸受メタル、１８，１９，２０……
軸シール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 洗濯と脱水を一つの槽で行なう遠心脱水洗濯
   機において、洗濯駆動軸の上端部に接続金具を設
   け、該接続金具にこの接続金具より上方に傾斜延
   出させて傾斜軸を設け、筒状部とこの筒状部の下
   方に設けた周縁鍔部とを有する弾性をプラスチツ
   ク撹拌翼の前記筒状部を前記傾斜軸に挿入して取
   付け、さらに前記周縁鍔部と洗濯兼脱水槽底面と
   の〓間を、周縁鍔部の下方傾斜位置で、少なくと
   も１cm以上に保つように構成したことを特徴とす
   る遠心脱水洗濯機。 ２ 前記弾性プラスチツク撹拌翼の回転を周期的
   に左右回転方向に切替えることを特徴とする特許
   請求の範囲第１記載の遠心脱水洗濯機。