JPH0310174Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、路上積雪防止装置、特に、地吹雪
によつて吹け付けられて路上に積雪する雪を、路
上に積雪させないようにする路上積雪防止装置、
いわゆる防雪工に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に地吹雪はほとんどが約１ｍの高さの範囲
内で移動すると云われており、このような地吹雪
による道路への積雪を防止する従来の装置として
は、防雪柵によつて地吹雪が道路に至るのを軽減
するか、あるいは、路面上に積つた雪を吹き払う
かのいずれかによつていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

地吹雪による路面上への積雪の防止法としては
上記のとおりであつて、これらによる場合には、
防雪柵による積雪の軽減も余り期待することがで
きず、また、吹払いによる場合や防雪柵による場
合にも、道路上に突起物がある場合にはそれが抵
抗となつて渦が発生し、その付近に吹溜りが生ず
る等の欠点があつた。

更に、近年は道路に対する安全施設、例えば、
ガードレール、ガードケーブル、中央分離帯等が
増加し、また、道路の幅員も拡張されるなどに伴
い、上記の欠点は一層甚しくなつて、とても従来
の防雪手段によつては十分に対応することはでき
ず、防雪効果を期待することはできない状態にあ
るという欠点を有している。

この考案は、上記のような従来の装置における
欠点を除去し、地吹雪が道路を通過して道路の風
下側へ流れて道路上には積雪せず、道路上に生ず
る渦も抑制することのできる路上積雪防止装置を
提供することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案にかゝる路上積雪防止装置は、道路の
路面下を横断して両端が道路の両側に開口する地
吹雪通路と、風上側の上記開口に地吹雪を誘導集
中させるように水平面に対して傾斜して設けた誘
導柵とを備えているものである。

〔作用〕

この考案の路上積雪防止装置は上記のように構
成されているので、地吹雪は誘導柵によつて誘導
されて風上側の開口に集中し、この誘導されて集
中した地吹雪の流れは、地吹雪通路を通つて道路
の風下側開口から、道路の風下側に排出される。
従つて、地吹雪の殆んどは、道路上を横切ること
がなく、路上に積雪することもない。

〔実施例〕

以下、この考案をその一実施例を示す図面に基
づいて説明する。

第１図は道路が盛土上に構築されている例であ
り、また、第２図は風上側の地形が平坦面である
場合の例である。

図において符号１は道路、２は道路１の路面下
に道路を横断して設けられた地吹雪通路、例え
ば、道路中に道路方向に対して直角方向に埋設さ
れたパイプであつて、その両端は道路１の両側に
開口している。ただし、この地吹雪通路はパイプ
に限らず、いかなる形状ものでもよい。また、地
吹雪通路例えばパイプ２は、その穴内面と雪との
摩擦抵抗を軽減し、また、穴内面への雪の付着力
を小さくするために、パイプ２の内面に、第３図
に示すように、摩擦抵抗軽減部材、例えば、樹脂
板３を貼り付けて設けたり、あるいは、樹脂板３
をコーテイングしている。

更に、このパイプ２には、パイプ２の内面に着
雪した雪を融かすために、パイプすなわち地吹雪
通路２の外面か、又は、パイプ２すなわち地吹雪
通路２と摩擦抵抗軽減部材３との間に、あるいは
それらの両方に加熱装置を設けてもよい。

更にまた、地吹雪の飛来方向の変化に対応する
ために、地吹雪通路２を、その一部を支点として
ほぼ水平面内を左右に回動してその方向を調節し
得るように構成してもよく、また、開口端を拡管
又は変形させてもよい。

また、第２図に示す地吹雪通路４は、第１図に
示す地吹雪通路２と同様に構成されるが、風上側
が平坦地であるために開口を上向けにした地吹雪
通路、例えば、パイプである。

なお、地吹雪通路２，４は、いずれも円形断面
のパイプに限るものではなく、角形その他いかな
る断面を有するパイプでもよく、また、パイプを
使用することなく、例えば、コンクリート等によ
り通路を構成したものでもよい。

次に、符号５は地吹雪を地吹雪通路２，４の風
上側開口２ａ，４ａに誘導して集中させ、地吹雪
通路２，４に通すための誘導柵であり、この誘導
柵５は、道路１の風上側の路肩中に設置した基礎
部６に取り付け固定されている。誘導柵５の詳細
を示すと第４図、第５図のとおりである。

図において、符号７はベースプレート８に溶接
等により所定角度に傾けて固着された主柱、９は
主柱７の上面又は下面に載置され、板押え金具１
０とボルト・ナツト１１とによつて主柱７に取付
け固定された複数板の誘導板、１２はベースプレ
ート８を基礎部６に取り付ける基礎ボルト・ナツ
トであり、これによつて、主柱７を基礎部６に固
定している。なお、主柱７、ベースプレート８、
誘導板９、板押え金物１０及びボルト・ナツト１
１により誘導柵５が構成されている。

このように構成された地吹雪通路２及び誘導柵
５は、地吹雪の量や風量を考慮して、その設置間
隔や地吹雪通路２の断面積が決定される。

更に、この実施例においては、誘導柵５は固定
した例を示し、かつ、１個の地吹雪通路２に対し
て１組の誘導柵５を設けているが、誘導柵５を固
定したり、地吹雪通路２に対して誘導柵５を１組
に限定する必要はなく、更に、地吹雪通路２を相
互に接して設置してもよい。

例えば、誘導柵５の主柱７とベースプレート８
との間を軸によつて連結することにより誘導柵５
の傾斜を可動し得るようにしてもよく、また、誘
導柵５を地吹雪通路２の中心のほぼ垂直線上で２
分し、この２分した部分を中心として、その両側
を回動し得るように構成して両側の誘導柵を相互
に角度を持たすようにして、地吹雪の地吹雪通路
への誘導を効果的にしてもよい。

この考案の実施例は上記のように構成されるの
で、第６図に示すように、地吹雪１３は誘導柵５
によつて流れ１３ａのように地吹雪通路２の風上
側開口に誘導集中され、地吹雪通路２内を通つて
風下側開口に出た後、道路１の風下側へ排出され
る。従つて、道路１上には地吹雪は至らないか、
又は、きわめて大きく軽減される。

〔考案の効果〕

この考案にかかる路上積雪防止装置は、道路に
沿つて設けた誘導柵により地吹雪を誘導して、道
路の路面下を横断して設けた地吹雪通路の風上側
開口に至らしめ、路面下の地吹雪通路を経由し
て、地吹雪を道路の風下側へ排出するようにした
ので、地吹雪は殆んど道路上には至らず、従つ
て、路上に積雪することもなく、また、突出物も
ないので渦も生ぜず、吹溜りも生じないという効
果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の断面図、第２図
は他の実施例の断面図、第３図は第１図の地吹雪
通路の一例の断面図、第４図は第１図の右側面
図、第５図は第１図の誘導柵部分の拡大詳細図、
第６図は第１図における地吹雪の流れを示す流れ
線図である。 １……道路、２，４……地吹雪通路（パイプ）、
３……摩擦抵抗軽減部材（樹脂板）、５……誘導
柵、６……基礎部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 道路の路面下を横断してその両端が道路の両
   側に開口する地吹雪通路と、所定高さ以下の地
   吹雪を風上側の上記開口に誘導集中させるよう
   に水平面に対して傾斜して設けた誘導柵とを備
   えていることを特徴とする路上積雪防止装置。 (2) 地吹雪通路は、その内面に、雪との摩擦抵抗
   を軽減する摩擦抵抗軽減部材が被覆されている
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の路上積雪
   防止装置。 (3) 地吹雪通路は、その内面に被覆された摩擦抵
   抗軽減部材と地吹雪通路との間、及び、地吹雪
   通路の外周の内少なくともいずれか一方に地吹
   雪通路の内面の着雪を融解するための加熱装置
   が設けられている実用新案登録請求の範囲第１
   項又は第２項に記載の路上積雪防止装置。 (4) 地吹雪通路は、道路に対する設置方向が左右
   に調節可能に構成されている実用新案登録請求
   の範囲第１項ないし第３項のいずれかに記載の
   路上積雪防止装置。 (5) 誘導柵は、道路方向に対する設置角度が調節
   可能に構成されている実用新案登録請求の範囲
   第１項ないし第４項のいずれかに記載の路上積
   雪防止装置。 (6) 誘導柵の水平面に対する傾斜角度が、調節可
   能に構成されている実用新案登録請求の範囲第
   １項ないし第５項のいずれかに記載の路上積雪
   防止装置。